11章 ボリュームレンダリングを学ぶ 本来は目に見えない内部情報をレンダリングし可視化する技術 11章 ボリュームレンダリングを学ぶ 本来は目に見えない内部情報をレンダリングし可視化する技術 生物学,地球科学,気象学など,対象データが本質的にボリューム形式をとる分野に不可欠な手法
11.1 ボリュームビジュアライゼーション ボリュームレンダリングによる3次元ボリュームデータの可視化技術の体系 11.1 ボリュームビジュアライゼーション ボリュームレンダリングによる3次元ボリュームデータの可視化技術の体系 目的:通常は見ることができない対象の内部,解析が困難であった複雑な組織・構造をCG技術を用いて可視化する技術 ボリュームビジュアライゼーションの重要な特徴 旧来のCG ボリュームビジュアライゼーション 画像生成が 主体 計測やシミュレーションで 得られる実世界の3次元 分布データ
11.2 ボリュームデータ (Volume data) 標本化された有限な3次元空間を計測したとき,位置(x,y,z)におけるデータ(属性値)vで表されるサンプルデータの集合:S={(x,y,z),v} 一般に,v(x,y,z)は,濃度・密度,熱,圧力,速度など 構成の基本要素:2次元の世界では画素(またはピクセル),3次元の世界ではボクセル(voxel:volume cell)
11.2 ボリュームデータ (Volume data) 三重線形補間により、ボクセルの内部の点の属性値は次のように求められる。 ボクセルを三次元空間の任意の場所に置く場合、その対角にある頂点を、 とすると、 は、それぞれ で置き変えできる。
ボリュームビジュアライゼーション のしくみ コンピュータビジョン ↑ モデリング ↓ シミュレーションモデルデータ 2次元計測データ 幾何モデルデータ 再編成 計算 計算 ボクセル化 ボクセル集合 幾何データ 強調・各種変換 分類 幾何オブジェクト化 分類されたボクセル集合 変換 コンピュータグラフィックス ↑ レンダリング ↓ ボリュームレンダリング サーフェスレンダリング 2次元(ピクセル)画像
入力ボリュームデータ シミュレーションデータ 計測・標本データ 幾何モデルデータ 3次元では数値計算により直接、ボクセルへ マルチスライス画像を補間して、ボクセルへ 幾何モデルデータ ボリューム合成のときの境界データなど
サーフェスレンダリングアプローチ 幾何オブジェクト化 ボクセル化 等値面の集合を表す幾何データに変換 サーフェス指向のエンジンが使える 効率的・高速 ボクセル化 幾何データをボクセル集合に変換
ボリュームレンダリングアプローチ ボリュームデータそのままでいい場合 レイキャスティング ボリューム光線追跡法 半透明効果を作り出して透視する 空間にある微粒子状の物理モデルを考える モデルに基づき、不透明度やRGBを計算 レイキャスティング ボリューム光線追跡法
等値面化 2次元の等高線を、3次元空間に拡張 属性値がαであるところを結んだ面 マーチングキューブ法 教科書95ページ図11.4
ボリュームレンダリング 微粒子の密度の増大→不透明度の増大 勾配値の大きな変化→表面がある 法線ベクトルを計算し、シェーディングする
シェーディング ciと法線ベクトル(=勾配)でシェーディング Phongモデルでは次の式
ボリュームレイキャスティング リサンプル後のカラーシェーディング値 不透明度 カラー輝度値