食料自給率 中京大学 山田ゼミ.

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食料自給率 中京大学 山田ゼミ

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

1.このテーマを選んだ理由 自給率の低下の原因を突き止めよう 落ち続けていると言われる食料自給率の原因に興味を持ったため 外交がうまくいっていない中、低い自給率は危機である 自給率の低下の原因を突き止めよう

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

2.食料自給率とは 食料自給率の定義 食料自給率とは、国民が摂取する食料のうち、国内産のものが占める割合である  

国産供給カロリー+輸入供給カロリー+ロス廃棄カロリーの合計 2.食料自給率とは 計算方法 重量ベース カロリーベース 生産額ベース 国産供給カロリー+輸入供給カロリー+ロス廃棄カロリーの合計 農林水産省HPより

2.食料自給率とは 各計算方法のメリット・デメリット 重量ベース カロリーベース 生産額ベース メリット 統計が容易である 国際的な比較もしやすい 生きるために必要なエネルギーをより表す 低カロリーな野菜等の品目の自給率が反映されやすい デメリット 自給率を米、肉など一種類ずつしか出せない 低カロリーな野菜等の品目の自給率が反映されにくい 生きるために必要なエネルギーが反映されにくい 1. 生産額ベース 69% →食料価格を基準とした指標で、後述のカロリーベースでは適切に反映されない低カロリーである農産物(野菜や果樹等)の貢献が増す利点がある。また、農業の産業としての位置づけが強調されるものであり、いわゆる財界や経済学者等からは「カロリーベースでは低いが生産額ベースでは日本の自給率は決して低くない」などのロジックが持ち出されることが極めて多い。  確かに、カロリーベースでは反映されない利点があり、付加価値の低い農産物生産であるほど比較優位による国際分業が望ましいという点からも支持できる面が多い。  一方、生産額で自給率が高いことについては、農業政策における指標としてはふさわしいかもしれないが、危機発生時には何の意味もなく、危機管理の概念である食料安全保障を目的とした指標としては不適切であると考えられる。 2. 重量ベース 61% →農産物の重量によって計算するもので、貿易統計等をそのまま用いて計算することができるため、統計が容易である、国際的な比較もしやすい、などの利点がある。  品目ごとの比較では有益だが、品目によって重量は大きく異なることから、異なる品目の比較にはほとんど意味をなさない。重たいものはカロリーも高いということは多少あるかもしれないが、基本的には重量ベースの自給率も危機に備える指標としては適切ではなく、高齢化による品目シフトの推移を見る程度にしか使えない指標であると考える。 3. カロリー(熱量)ベース 39% →人間の生命維持の基本となる指標として、カロリーが用いられることは一般的であり、食料安全保障という意味では最も分かりやすい指標であることから、日本の農水省もこれを基準とすることが基本となっており、その分かりやすさから、マスコミ等においてもカロリーベースを指標として用いていることが圧倒的多数である。  しかし、4指標の中でも最も適切であるように思える一方で、カロリーは少ないものの、人間の健康な生活を維持するための栄養等の面で極めて重要である野菜や果物などが軽視されがちである点に問題がある。これについては、1月4日付の「国際機関における「食料安全保障」の認識」で紹介したFAOの定義にも合わないこととなってしまう。  なお、よく目にする批判については、実際にはロジック的にこの4つの指標ごとに比較可能な問題点ではなく、「自給率」という指標そのものの問題点であるため、後述する。 ⇒以上より、カロリーベースの自給率を取り上げる

2.食料自給率とは 推移 昭和40年から現在まで下がり続けている 農林水産省『食料需給表』より作成 冷夏、長雨といった記録的な異常気象等の影響を受け、米が作況指数74の著しい不作で、前年産を274万トン(約3.8か月分)も下回りました。この影響等により食料自給率は、カロリーベースで37%、生産額ベースで72%となりました。 昭和40年から現在まで下がり続けている 農林水産省『食料需給表』より作成 

2.食料自給率とは 世界の食料自給率 上位4つの国は 穀物自給率も高い 日本は先進国中、 最低水準 (注)1.数値は平成21年(ただし、日本は平成23年度)    2.カロリーベースの食料自給率は、総供給熱量に占める国産供給熱量の割合である。畜産物に            ついては輸入飼料を考慮している 資料出所:農林水産省「食糧自給率の推移」より

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

3.現状分析 食生活の変化 昭和40年 自給率73% 米の消費量が 減った 肉の消費量が 増えた 平成23年 自給率39% 食生活の変化を分かりやすく表わしたものです。 昭和40年当時、ご飯は一日5杯、牛肉料理と豚肉料理は月1回、植物油は年3本でした。 しかし、平成23年になると、ご飯は一日3杯で、昭和40年と比べると2杯減り、その一方で、牛肉料理は月4回、豚肉料理は月6回、植物油は年9本に増えました。 その結果、カロリーベースの食料自給率は、昭和40年当時、73%だったのですが、平成23年には39%まで落ち込みました。 ※東海農政局HPより引用(食料自給率はカロリーベースで算出)

3.現状分析 1キログラムの畜産物を 生産するために必要な穀物量 卵や肉を生産するためにはエサとなる たくさんの飼料穀物が 必要!! 見て分かるように、卵や肉を生産するためには、エサとなるたくさんの穀物飼料が必要になってきます。 カロリーベースの計算の説明で、畜産物は国産であっても飼料が国産ではなかったら、カロリーベースの食料自給率に反映されないという話でした。では、実際はどうなっているのでしょうか?→次のスライドで穀物自給率と穀物輸入量のグラフの説明 ※東海農政局HPより抜粋

3.現状分析 純国内産飼料自給率 年 農林水産省『食糧需給表』より作成

3.現状分析 食生活の変化 国内で自給可能な米の消費量が減少した 国内で生産が困難な飼料を使用する畜産物の消費が増加した 代わりに  国内で生産が困難な飼料を使用する畜産物の消費が増加した 代わりに 以上のことから、国内で自給可能な米の消費量が減少した代わりに、輸入に頼っている飼料穀物を使用する畜産物や油脂類の消費が増加しました。

2008年のリーマンショック後、世界の貿易量低下 3.現状分析 輸入量の推移 2008年のリーマンショック後、世界の貿易量低下 1993年 米騒動 農林水産省『食糧需給表』より作成

3.現状分析 輸入相対価格について 輸入相対価格の計算式              として計算する。 輸入食料価格…輸入物価指数 国産食料価格…企業物価指数

3.現状分析 輸入相対価格の推移 再び減少 円高の影響により減少 食料危機による 一時的な増加 輸入食料価格は近年低下している 年 日本銀行『時系列統計データ』より作成

3.現状分析 農業就業者人口の推移 人 昭和50年から現在まで 減少している 年 農林水産省HPより作成

3.現状分析 農地とは 農地 耕地 耕作放棄地 ①利用者が農作物を栽培しようとしている ②現実に農作物の栽培が可能である土地 ①以前耕地であった ②過去1年以上作物を栽培していない ③この数年の間に、再び耕作する考えのない土地 耕作の目的に供される土地 (農地法第2条1項) 耕地(こうち)   [ 日本大百科全書(小学館) ] ・農林統計上使われる用語で、利用収益者が農作物を栽培しようとしており、かつそこで現実に農作物の栽培が可能である土地をいう。 ・田、畑、樹園地、牧草地が含まれ、また畦畔(けいはん)も耕地の維持に必要なのでこれも含まれる。 なお、近年増加している不作付地の一部も統計上は耕地に含めているが、どの範囲までを含めるかは調査者が耕作意思をどのように判断するかによる部分が少なくない。 過去1年間以上作物を栽培せず、数年の間にふたたび耕作する明確な意志がないと判断された場合は、耕作放棄地として耕地から除外されている。

3.現状分析 耕地面積と耕作放棄地 単位:ha 単位:ha 近年急増 している! 年 農林水産省HPより作成

3.現状分析 現状分析まとめ 食生活の変化により米の消費量が減少し、 国内で自給不可能な品目の消費が増加した。 2.輸入量は増加傾向、輸入相対価格は近年低下している。 3.耕地面積は昭和54年から現在まで減少し続けており、反対に耕作放棄地は増加している。

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

4.問題意識 耕地面積が減少している 問題 食料自給率が低下している 課題 農地を有効活用する必要がある

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

5.回帰分析 回帰分析とは 結果となる数値と要因となる数値の関係を 明らかにする統計的手法 説明変数が一つの場合「単回帰分析」 Y=a+bx  明らかにする統計的手法  説明変数が一つの場合「単回帰分析」    Y=a+bx  説明変数が複数の場合「重回帰分析」    Y=a+b₁x₁+b₂x₂+・・・bnxn

5.回帰分析 カロリーベース食料自給率のとらえ方 供給面 需要面

5.回帰分析(需要面) 被説明変数…一人一日あたり供給熱量 説明変数…一人当たりGDP、相対価格、トレンド

↑ ↓ 5.回帰分析(需要面) 予想 一人あたりGDP 一人あたりGDPが+に影響し、 相対価格が-に影響すると予想する 動き 一人一日あたり 供給熱量への影響 一人あたりGDP ↑ 相対価格 ↓ 一人あたりGDPが+に影響し、 相対価格が-に影響すると予想する

5.回帰分析の結果(需要面) 一人当たりGDP、トレンド、相対価格が 国内供給熱量に影響している 回帰統計 重相関 R 0.969722 0.940362 補正 R2 0.933972 標準誤差 0.005694 観測数 32 係数 t 値 切片 17.18711 0.557417 30.83349 一人当たりGDP 0.195604 0.015941 12.2703 トレンド -0.0048 0.000288 -16.6778 相対価格 -0.74508 0.085754 -8.68858 t値の絶対値が 2以上⇒有意 一人当たりGDP、トレンド、相対価格が 国内供給熱量に影響している

5.回帰分析(供給面) 被説明変数…一人一日あたり国産供給熱量 説明変数…一人当たり耕地面積、輸入相対価格、 就業者人口、トレンド 被説明変数…一人一日あたり国産供給熱量 説明変数…一人当たり耕地面積、輸入相対価格、 就業者人口、トレンド 農業就業人口」とは、15歳以上の農家世帯員のうち、調査期日前1年間に農業のみに従事した者又は農業と兼業の双方に従事したが、農業の従事日数の方が多い者をいう。 

↓ 5.回帰分析(供給面) 説明変数への影響予想 動き 一人一日あたり 国産供給熱量 一人当たり耕地面積 輸入相対価格 就業者人口 トレンドが+に影響し、一人当たり耕地面積・ 輸入相対価格・就業者人口が-に影響すると予想する

人口一人あたり耕地面積が国産供給熱量に影響している 5.回帰分析の結果(供給面) 回帰統計 重相関 R 0.984486 重決定 R2 0.969212 補正 R2 0.963291 標準誤差 0.024512 観測数 32 係数 t 値 切片 -18.0805 14.26914 -1.2671 人口一人あたり耕地面積 2.382505 0.700075 3.403214 輸入相対価格 -0.06035 0.036825 -1.63871 就業者人口 -0.0175 0.054892 -0.3188 トレンド 0.008321 0.00596 1.396134 ダミー変数 -0.19908 0.026358 -7.55285 人口一人あたり耕地面積が国産供給熱量に影響している

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

6.要因分解 食料自給率

6.要因分解 需要面のトレンド 供給熱量kcal 農林水産省『平成23年度食料需給表』より作成 では、具体的にどのくらい供給量が減ったのか見ていきます。 国民一人当たりのお品目別供給量と供給熱量の推移を表したグラフです。 お米と肉類に注目して見てみると、昭和35年と比べてお米は約1/2倍になり、肉類は約7倍に変化していることが分かります。 農林水産省『平成23年度食料需給表』より作成

米と肉類(鯨除く)の100グラムあたりのカロリー 米と肉類(鯨除く)のカロリー比較 米と肉類(鯨除く)の100グラムあたりのカロリー 米 356kcal 肉類(鯨除く) 213.2kcal 食の欧米化によって、 米よりカロリーの低い肉類の消費が増えた ⇒総供給熱量が減った

6.要因分解 食料自給率 輸入相対価格

6.要因分解 供給面のトレンド(1) 生産量が年々 増加している 1993年 米の不作 ha 年 資料出所:農林水産省「作物統計(水稲)」より作成

6.要因分解 供給面のトレンド(2) 生産性向上 作付面積は年々減少 単収は年々増加 品種改良 農地の整理 しかし なぜか? 穀物の品種改良 (短稈化など)や栽培技術の改善(化学肥料・農薬の使用、農業機器や灌漑設備の改善など)を背景に穀物の収穫量を増加させてきた 生産性向上

6.要因分解 米の品種改良 米の品種改良により生産性が向上 1960年代 第一世代の近代品種Ⅰ 病害虫に弱い 1970年代 第二世代の近代品種Ⅱ 「病虫害抵抗品種IR36」・・・病虫害抵抗性を備えた品種 2000年代 第三世代の近代品種Ⅲ さらに食味を改善した品種も含まれる 米の品種改良により生産性が向上

6.要因分解 農地の整理 農地の整理・集積が進み 生産性が上昇した 昭和24年度 土地改良法制定 目的:農用地の改良、開発、保全及び集団化 昭和24年度 土地改良法制定  目的:農用地の改良、開発、保全及び集団化 農業の生産性の向上、農業総生産の増大、農業生産の選択的拡大及び農業構造の改善を図るためには、農業の生産基盤を整備し、開発することが必要不可欠。このため、土地改良法は、農用地の改良、開発、保全及び集団化に関する事業(土地改良事業)を適正かつ円滑に実施するために必要な事項を定めている。 http://www.maff.go.jp/j/nousin/kikaku/index.html 農地の整理・集積が進み 生産性が上昇した

6.要因分解 食料自給率 一人当たり耕地面積が一番の要因である

6.要因分解 グラフから分かること プラスに作用するもの マイナスに作用するもの どちらにも作用するもの トレンド(供給面) 一人あたり耕地面積、トレンド(需要面) どちらにも作用するもの 相対価格、一人あたりGDP、輸入相対価格

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

政策提言するにあたって ①耕地面積減少の原因 1.耕作放棄による ものの割合⇒約51% 2.農地転用による ものの割合⇒約48% (平成21年耕地面積統計)

政策提言するにあたって ①耕地面積減少の原因 農地転用 農地を農地以外のものにすること 耕作放棄地 以前耕地であった土地で、過去1年上作物を栽培せず、しかもこの数年の間に再び耕すことのない土地 農地 宅地

農地の貸借を容易にする法改正を行うことで、 政策提言するにあたって ②農地法の改正 平成21年 農業従事者の減少を受け、 農地の貸借を容易にする法改正を行うことで、 法人の農業参入を可能とした 企業の農業への参入が容易になった! 47

(改正農地法の施行前は約6年半で436法人が参入) 政策提言するにあたって ②一般法人の推移 改正農地法の施行後(H21年12月)、 約2年半で新たに982法人が参入(H24.8月末) (改正農地法の施行前は約6年半で436法人が参入)

政策提言するにあたって ②参入企業の業種別割合 参入企業の業種が多様化 農地法改正前 農地法改正後 2009年9月末:参入企業法人総数414法人 2012年2月末:参入企業法人総数763法人 資料出所:三井住友信託銀行 調査月報2012年7月号より

政策提言するにあたって ③イオンの成功事例 牛久農場 場所:茨城県牛久市井ノ岡町 規模:13.7ha(面積は2012年12月1日付け) 用地:耕作放棄地、農地 栽培品目:小松菜、キャベツ、ハクサイなど 開始年月:2009年7月~ 現在、牛久農場を筆頭に、茨城・栃木・千葉・埼玉・島根・大分の全国で8つの農場がある

政策提言するにあたって ③イオンの成功事例 を貸りる 耕作放棄地 土作りから 畑起こし・ 種まき・ 手入れ 収穫 出荷 成功!! 1.自社流通で コスト削減 2.とれたてを効率的に届ける 規格外の作物もイオンで活用 2012年2月 最終黒字

政策提言するにあたって ③イオンの成功事例 良い面 悪い面 耕作放棄地を利用できる 生産する野菜はカロリーが低い ⇒カロリーベース上の食料自給率ではあまり反映されない 耕作放棄地を利用して、 カロリーベース上の食料自給率を 向上させるものを生産するべきではないか

政策提言するにあたって ④政府の取り組み 平成21年、「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定された(平成21年4月24日公布) 趣旨米穀の新用途(米粉用・飼料用等)への利用を促進するため、米穀の生産者とその加工品の製造業者が連携した取組に関する計画及び新品種を育成するための計画に係る制度を創設するとともに、これら計画の実施に対し農業改良資金の償還期間を延長する等の支援措置を講ずる。 米粉用米・飼料用米の耕作を促す 53

政策提言するにあたって ④米粉について メリット デメリット (例)国産米粉パンを一週間に1個食べると食料自給率が1%上がると試算されている 米粉が最近注目されている!! 政府と消費者の間に ギャップがある!! メリット デメリット (例)国産米粉パンを一週間に1個食べると食料自給率が1%上がると試算されている ⇒政府が積極的に米粉の普及を進めている 米粉小麦粉の2~5倍の価格 ⇒消費者にとって身近なものではない

目次 1.このテーマを選んだ理由 2.食料自給率とは 3.現状分析 4.問題意識 5.回帰分析 6.要因分解 7.政策提言をするにあたって 8.政策提言

政策提言 コストカットが図れる プライベート ブランド化 ②米粉の製造 ①米粉米の生産 ③米粉・米粉製品 ③米粉を利用した商品の製造 の販売 製造業者 小売業 ②米粉の製造 ①米粉米の生産 製造業者に委託 プライベート ブランド化 ③米粉・米粉製品 の販売 ③米粉を利用した商品の製造 食品加工業者 コストカットが図れる

政策提言 どうして小売業? どこで? 誰が? 小売業の米粉の生産→販売について ・販売ノウハウがある ・商品配送の重要性を熟知している ・プライベートブランド化することができる どこで? 都市近郊の耕作放棄地を利用 ⇒採算性が高い&都市近郊の耕作放棄地が増加している 誰が? 新規農業従事者 農業を引退した地元農家 ⇒地元農家の人からアドバイスをもらいながら生産し、農業人口を増やす狙い

8.政策提言 伸び率の大きい 都市的地域に注目 38.6万ha 34.3万ha 6.1 5.4 24.4万ha 14.7 3.9 13.4 9.3 9.8 8.7 ・耕作放棄地の現状 農水省 http://www.maff.go.jp/j/nousin/tikei/houkiti/pdf/tebiki01.pdf#search='%E8%80%95%E4%BD%9C%E6%94%BE%E6%A3%84%E5%9C%B0%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E3%81%AE%E8%BE%B2%E5%AE%B6%E5%BD%A2%E6%85%8B%E5%88%A5‘ ・都市的地域 人口密度が500人/km2以上、DID面積が可住地5% 以上を占める等都市的な集積が進んでいる市町村 720 市町村 ・平地農業地域 耕地率20%以上、林野率が50%未満又は50%以上であるが平坦な耕地が中心の市町村 758 市町村 ・中間農業地域 平地農業地域と山間農業地域との中間的な地域であり、林 野率は主に50%~80%で、耕地は傾斜地が多い市町村 1,022 市町村 ・山間農業地域 林野率が80%以上、耕地率が10%未満の市町村 735 市町村   (注)以下の統計的な数値は、農林統計上の定義に従ったものである。         農水省より 6.7 6.8 8.0 4.5 注:平成17年の( )内の数値は農業地域類型別の耕作放棄地面積率である。 農林水産省HPより作成

今後、企業参入が増えれば食料自給率が上がる 8.政策提言 メリット・デメリット メリット デメリット 小売業 ①自社農場でできた作物 ⇒安心・安全なものが使える ②企業のイメージアップに繋がる ①天候・病害虫に収穫量が左右される ⇒事業計画がしにくい ②短期的な黒字は見込めない 新規農業従事者 職に就ける 耕作放棄地の復活に労力を要する 農業を引退した地元農家 社会参加することでボケ防止に繋がる 年齢がネックになる 耕作放棄地所有者 耕作放棄地を活用できる 短期的な黒字は見込めない 地元農家の生産技術で 改善されるのではないか? 今後、企業参入が増えれば食料自給率が上がる

8.政策提言 課題 ①短期的に黒字は見込めない 最低10年以上の長期的展望に立った事業展開が必要⇒大手企業でないと難しい ②地域と協働し信頼される存在になる 教科書やマニュアルが全て通用するものではなく、地元農家を敬いパートナーとすることが大切

参考文献 農林水産省HP 東海農政局HP 日本銀行HP 総務省統計局HP 三井住友信託銀行 調査月報 セブンファームHP イオンアグリHP 三井住友信託銀行 調査月報 セブンファームHP イオンアグリHP 米粉倶楽部HP