第6章 税金と財政の あり方を考える.

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広島主税くん ちから 広島国税局キャラクター. なぜ、これらの税金は必要なのか 店で買い物をするとき ↓ 皆が「消費税」 を負担しています。 国民が「安心して豊かな生活」をするために は、様々な公共サービス等が必要であり、その ためには、国や地方公共団体として多くの財源 が必要。 働くようになると.
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第 13 章 制度設定の変更が必要な 社会保障制度. 社会保障制度の重要性と それに対する根強い不安感 不景気の一因 不景気の一因 1997 年以降 かつてない不況 原因 ① 消費税率の引き上げ 原因 ① 消費税率の引き上げ ② タイや韓国を中心とした アジアの通 貨危機 アジアの通 貨危機 ③ 山一證券の経営破綻に代表さ.
公的年金 財政学(財政学B) 第 6 回 畑農鋭矢 1. 年金の分類 運営主体による分類 公的年金と私的年金 給付期間による分類 定期年金と終身年金 対象者による分類 国民年金、厚生年金、共済年金など 保険料と給付の決定方式による分類 確定給付型と確定拠出型.
年金の基礎年金部分は 全額税方式か、全額保険料か? 椎野、鈴木、篠崎、畑 全額税方式派. 我々の主張 ① 無年金者、低年金者がいな くなる! ②税方式なら将来的にも財源 調達可能! ③国民の負担が重くなる! ① 無年金者、低年金者がいな くなる! ②税方式なら将来的にも財源 調達可能! ③国民の負担が重くなる!
公的年金 (2) 賦課方式と積立方式 公共政策論 II No.8 麻生良文. 公的年金制度の経済効果 公的年金の財政方式 2 期間モデルによる分析 – 保険料,給付の比較 – 生涯での純負担 賦課方式にもたらす世代間所得移転の性 質 賦課方式の年金制度の経済効果 – 資本蓄積 – 租税としての保険料.
公的年金 (3) 公共政策論 II No.9 麻生良文. 公的年金制度改革 公的年金バランスシートと通時的予算制 約 年金純債務と暗黙の租税 年金制度改革をめぐる誤解 – 積立方式の優位性 – 「二重の負担」 – 財源調達:税と社会保険料の最適な配分? – 賦課方式も積立方式も output をどう分配する.
年金制度は、老後に安定した収入を得るために 重要な制度であるが、 65 歳以上の高齢者に占め る割合は 2030 年には 30% を超えると予想されて いる。こうした人口の急激な高齢化は、これま でと同じような形で年金制度を維持することを 難しくしており、日本の年金制度はさらなる改 革が必要とされている。
財源についての誤解を解く 2011 年 6 月 30 日 国家ビジョン研究会シンポジウム 若田部昌澄 早稲田大学政治経済学術院教授.
1 公債政策の推移② -バブル経済崩壊後から現在まで-. 2 ( 第 18 講の再説 ) 公債政策の推移 … 資料 18-2 ,資料 18-3 ,資料 18-4  1947 年の財政法制定 =国債の発行に厳しい制約  財政法制定~ 1965 年度当初予算 ⇒国債発行禁止規定 ( 財政法第 4 条.
復興財源 国債 VS 税 国債派 新井・柏嶋・小柴. 主張 1. 国債ならば迅速・確実に財源確保が出来る 3. 増税は被災者・低所得者の負担を増大させ る 2. 増税は景気を悪化させる 以上の 3 点から、我々は 「復興財源は全額国債で賄うべきである」 と主張する.
なぜ、消費税引上げ でなければならないのか? 学習院大学経済学部教授 鈴木 亘. 1. 社会保障と税の一体改革の評価 ① 年金、医療、介護、保育、雇用、貧困と いった社会保障分野の非効率、不合理な制 度、既得権益に一切踏み込まずにそれを温 存し、 ② さらに機能強化として、焼け太りさせた挙 句、 ③.
1 環境経済論環境経済論 第 13 回目 市場は地球環境を救えるか その 4 : 排出量取引. 2 Goods 課税による Bads 減税 (環境税の未来)
再分配政策 (2) 公共政策論 II No.5 麻生良文. 所得再分配政策 所得格差の原因 所得再分配政策の評価 – 補助金と一括移転 – 累進課税 – 最低賃金制度 – 生活保護給付 – 負の所得税 – 新しい考え方 給付付き税額控除 世代間再分配.
● ● 中 学 校 広島主税くん ちから 広島国税局キャラクター. ●● 中学校に来る途中で 1 億円入りのスーツケース を拾いました。 落とし主不明でその後警察からこの1億円をもらっ たとき、税金はかかるでしょうか。 税金がかかる (所得税)
1 財政-第 22 講 6. 社会保障財政 (3) 2008 年 6 月 24 日 第 2 限. 2 公的年金③  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  厚生年金と共済年金の一元化  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  未納・未加入問題.
1 経済学-第 13 回 年金② 2008 年 7 月 4 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  国民年金保険料未納問題.
インフレ・デフレ 2309418 増田 涼. インフレとデフレの原因 需要と供給のバランスが重要で、需要 が多いと、商品が必要とされ、動きが 良くなると物価が上がり、インフレに なります。 逆に需要が少ないと、商品が余り、商 品の価値を下げてさばくしかありませ ん、物価は下がり、デフレになります。
近畿税理士会 平成 27 年 中学生用Ⅱ. 1. 税理士って何です か? 納税者(個人や会社)が税金を納める計算をするお手伝いをし ています。 税金のことでわからないことがあったら相談にのります。 納税者の代わりに税務署などと、話し合いをします。 信頼のバッジ 1.
租税の基礎理論 財政学(財政学B) 第 2 回 畑農鋭矢 1. 日本の税負担は重いのか? 主要先進諸国の税負担率(%, 対 GDP 比) 出所:畑農・北野・中東 「租税構造の国際比較 」 PRI Discussion Paper Series 03A-22 .
三万円支給の是非 肯定派. 三万円支給と は?? 年金生活者等支援臨時福祉給付金 一億総活躍社会の実現に向けた、賃金引上 げの恩恵が及びにくい低年金受給者への支 援であり、給付による景気活性化の効果を 期待するもの 65歳以上の低所得者や65歳未満の障害 者基礎年金と遺族基礎年金の受給者合計1 250万人に3万円を給付する.
ミクロ経済学I 10 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2016年7月6日
乗数効果 経済学B 第6回 畑農鋭矢.
産業経済学A 12 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2016年7月19日
~国民経済的な視点から見た社会保障~ 2000/6/14 木下 良太
大震災後の日本経済再生のビジョンと財源問題
第2章 費用・便益分析の考え方の基礎 前半 政策評価(06,10,06)三井.
財政-第20講 6.社会保障財政(1) 2008年6月17日 第2限.
3万支給の是非 否定派 〜紙崎・川北・小谷・山本〜.
国際収支表をどう読むか 国際収支の均衡 国際収支とGDP
第6章 3節 2011/7/1 09BC053J  新井友海.
否定側立論.
消費税10%導入の是非                    肯定派 大岸・福田・山田.
マクロ経済学 II 第7章 久松佳彰.
最適間接税.
消費に対する課税 財政学B(財政学) 第5回 畑農鋭矢.
租税の基礎理論 財政学(財政学B) 第1回 畑農鋭矢.
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
(間税会は消費税のあり方を考える会です) 平成24年1月30日 北沢間税会
公共政策論 II 麻生良文.
量的質的金融緩和は 日本にとってプラスか? 否定派.
現代の経済学B 伊東光晴「ケインズ」第3回 一般理論の骨組み(ii) 現代資本主義とケインズ経済学 京大 経済学研究科 依田高典.
市場の効率性と政府の介入.
現代の経済学B 橘木俊詔「ライフサイクルの経済学」第3回 第5章 消費と貯蓄 第6章 引退後の生活 京大 経済学研究科 依田高典.
デフレの正体―経済は「人口の波」で動く 補講 高齢者の激増に対処するための「船中八策」 山下 真弘
再分配政策 公共経済学(財政学A ) 第7回 畑農鋭矢.
3章 なぜ政府が必要なのか 渡辺真世.
法人税引き下げの是非 否定派 工藤・山下・神谷・蔵内.
貯蓄税導入の是非 ~否定派~ 松村・田邉・川村・藤山.
年金改革の経済学2.
財政赤字 マクロ経済分析 畑農鋭矢.
低い 高い 人口1人当たり税収額の偏在度の変化 全 体 平成元年度 全 体 平成17年度 固定資産税 5.7兆円 個人住民税 (所得割)
政府の経済的役割 平成16年 6月 18日(金).
租税の基礎理論 財政学B(財政学) 第2回 畑農鋭矢.
社会保障制度の存在理由 「社会保障制度とは保険である」
8 応用: 課税の費用.
政策争点分析プロジェクト 2008年1月13日 G-SEC.
主権者として税の意義と社会のあり方を考えよう
財政論I / II introduction 麻生 良文.
公共経済学 24. 地方分権と政府間の役割分担.
新聞記事・雑誌記事 AERA 2016年1月18日版   「シンガポールの「和僑」たち」.
経済学-第7回 住民税+消費税① 2008年5月23日.
日本の経常収支黒字  → 外国に失業輸出? 高齢化の進展 → 日本の国内貯蓄超過の減少         → 日本の経常収支黒字は減少へ.
財政-第12講 4.租税理論と税制改革(6) 2008年5月20日 第2限
日本経済新聞朝刊 6/25(水)朝刊 石橋、馬場、春山、森、安田
税のしくみから  社会のあり方を考えよう 高校生用Ⅱ 近畿税理士会.
消費税増税  勝股七海.
経済学(第7週) 前回のおさらい 前回学習したこと(テキストp.16,19) ◆ マクロ経済学における短期と長期 ◆ 完全雇用とはなにか ◆ 短期のマクロ経済モデルの背後にある考え方 (不況の経済学/有効需要原理) ◆ 民間部門はどのように消費や投資を決定するか ◆ ケインズ型消費関数とはなにか ◆
均衡予算の乗数効果 専修大学 経済の世界 作間 逸雄.
ミクロ経済学I 13 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年7月5日
ミクロ経済学I 11 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2018年7月4日
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第6章 税金と財政の あり方を考える

1.「大きな政府」対「小さな政府」 行政サービスの充実度と国民の負担の大きさには連動性あり 「大きな政府」を批判的に捉え、「小さな政府」を主張する傾向 大きな政府 ・行政サービスの運営が非効率 ⇒ 「お役所仕事」 民業圧迫 ・大衆迎合主義 ⇒ 「受益と負担」の関係が見えにくい 国民負担率 ・国民負担率=(租税負担+社会保障負担)/国民所得×100% ・少子高齢化が進行し、日本の国民負担率は次第に上昇する見込み

2.税金の納め方と使い方 直接税 ex.所得税,法人税 ・高所得者ほど税率が高い累進性 ・すべての国民の所得を正確に把握することは困難 ・低所得者ほど負担が重い逆進性 効率性と公平性 ・需要の価格弾力性が小さい商品にこそ高い税率をかけるべき?

2.税金の納め方と使い方 公共投資(公共事業) ・乗数効果 ⇒ 公共投資を増やすことで民間の需要も誘発され、 ・乗数効果 ⇒ 公共投資を増やすことで民間の需要も誘発され、        実際の投資額を上回る経済効果が生み出される。 ・マイナスの乗数効果 ⇒ 景気回復後の増税を予見した人々が             消費を控え、貯蓄を行う。 ※人々が合理的であればあるほど、 公共投資による乗数効果は小さくなる。

3.財政赤字をめぐるさまざまな議論 財政赤字 ⇒ 税収ではまかなえない行政サービスの経費 景気回復が先か、財政再建が先か 財政赤字 ⇒ 税収ではまかなえない行政サービスの経費 景気回復が先か、財政再建が先か ・景気回復⇒所得増⇒税収・消費増⇒財政再建? ※民間企業や消費者の経済活動を促す 規制緩和や税制面・制度面の見直しが重要

4.世代と世代の利害対立 公的年金 ・負担を次の世代へと先送りする賦課方式 ・少子高齢化により、年金の規模は今後縮小? 「利他的」 ・貯蓄を残すことで、将来世代の「効用」も最大化