2005年度欧州コンテナ船社による企業買収要因に関する検討

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2005年度欧州コンテナ船社による企業買収要因に関する検討                                       海洋科学技術研究科  海運ロジスティクス専攻 鶴田・黒川研究室                  尹 星海 2007年08月23日                    東京海洋大学大学院の尹星海と申します。 今日は 「2005年度欧州コンテナ船社による企業買収要因に関する検討」題名で発表させていただきます

発表の流れ 研究の背景 研究の必要性 研究の目的 事例の要因分析 買収要因のまとめ おわりに 発表の流れとしては ・・・ ・・・・    ・・・    ・・・・    という順で発表させていただきます

研究の背景 アライアンスの変遷と買収の動きが激しい 1960年から本格的な海上輸送が開始した コンテナ輸送サービスを提供するに当たって莫大の資金が必要となる、単独の船社での運航が困難であった 投資やリスクの分散を図る目的で多くのどころでコンソーシアムと呼ばれる共同運航サービスが行われてきた 生産及び販売のグローバル化となり、全世界を対象とする輸送サービスが要求されるようになった コンテナ輸送サービスを提供するためには数多くの船舶を必要となる。船隊確保、ターミナル等の整備には、より多くの資金が必要 ①海上輸送にコンテナを導入することで、1960年代から本格的な海上コンテナ輸送が始まりました、 ②コンテナ輸送サービスを提供するに当たって莫大の資金が必要となる、単独の船社での運航が困難であった。 ③投資やリスクの分散を図る目的で、複数の船社が連合して資金の調達するとともに、多くのどころでコンソーシアムと呼ばれる共同運航サービスが行われてきた ④その後企業の生産及び販売のフローバル化となり、全世界を対象とする輸送サービスが要求されるようになった ⑤また、コンテナ輸送サービスを提供するためには数多くの船舶を必要となる。船隊確保、ターミナル等の整備には、より多くの資金が必要 したがって、より大きな提携、グローバルアライアンスが結成され、さらにグローバル化の進展に従って、アライアンスの再編が進んできて寡占化が進んでいる  その一方で単独の船社としても規模を大きくしようとしているため、買収も行われている、そしてその規模がだんだん大きくなっている傾向がある。 アライアンスの変遷と買収の動きが激しい

研究の必要性 買 収 Alliance 経営上の意思 決定 経営の支援が 必要 従来の研究 従来の研究 買 収 Alliance 従来の研究 従来の研究 (もっとはっきり書く必要がある!!!何故3つの検討項目にかけているのかについて) ゆえに、コンテナ(輸送サービスを提供している)船社の経営にとって経営資源の拡大を図るためどのような船社とアライアンスを組むのかまたはどのような船社と買収を行うべきかが非常に重要な意思決定となります したがって、@(アライアンスをどのように組むべきか, またM&Aをどのように行うべきかについての)経営の支援することが必要となります。 **************************************************************************************************** 従来の研究はどのような研究なの? 本研究の前提条件は :企業も努力しているので、買収には絶対間違ってないのが前提条件となる 研究全体のイメージで言うと、本研究は 買収分析にあたっての第一段階である、買収の効果あったかどうかは、単年度の簡単の評価はできないので、 さらにその後買収の全体を評価し、買収において、どこの分析が間違ったか、あるいはかけているのかによって、その結果につながったとか・・・・ 過去の事例に学んで、その時の状況に合わせて、将来にはどういう風にM&Aを行うべきなのか、過去の事例から何らかの知見を得て、そして、将来に向けてそれを応用することが大事である 本研究で経営戦略は・・・を指す?→(顧客を確保、顧客を維持し、事業を継続し、そして社会的責任を果たすための戦略である。)  @一般的経営戦略は・・・である、本研究での経営戦略はこの部分を指しています。 本研究で意思決定は何を指している?→船社にとって、いかに船腹量を確報するのが大事なので、経営者にとってどのような手段を取って船腹量を確報するのかということの意味での意思決定をしている。

既存研究-アライアンス 「海運アライアンスの比較研究」 「海運アライアンス競争力からみた変遷要因の分析」 「海運業界におけるアライアンス形成に関する研究」 「北米-アジア間における海運アライアンスの比較研究」 「グローバルアライアンスの新たな体制が決まる」 「‘96海運・造船 回顧と展望 定期船 期待高まる G・アライアンス効果 」 アライアンスについては    アライアンスの比較研究、今後目指す方向性    アライアンスの変遷要因の分析    アライアンス形成の分析    アライアンスの効果    などなど、 いろんな研究がなされている。

既存研究-買収 「企業連合と企業結合 -主要コンテナ海運企業のROE分析-」 ( 松尾慶助、海運経済研究、第32号、1998 )  ( 松尾慶助、海運経済研究、第32号、1998 )   研究ではまず買収・結合前後の財務データを並べ比較し、どうような財務状況のときに買収が行っていたのか、また被買収船社はどういった財務状況の時に買収されやすいのかについて検討をけんとうした。 しかし海運の買収・統合について研究が少なく、従来の研究では財務データを使っての分析がありました、その研究ではまずどういった財務状況のときに買収が行っていたのか、また買収船社はどういった財務状況の時に買収されやすいのかを検討していた、そして買収の必要性とか財務データを見てどういう船社を選ぶのかとの特徴の整理をやっていた。 実際には財務データだけにたよって船隊拡大の意思決定するのか不十分なので、 そもそも需給バランスを考えずに、船体を確保しても意味がないため、船腹量の需給状況なども考える必要がある。 そして、船体規模の拡大にあたって、なぜアライアンスや提携などではなく、買収を選択するのかというのも考慮すべきです ************************************************************************************** (船社の収益性をROE(=当期純利益/株主資本)、配当性向(=配当/当期純利益)と営業利益率(あるいは当期純利益、連結財務諸表)を使って評価し、財務の視点から、企業が買収・結合、または企業結合に至らない事例について考察を行った。)

本研究では過去の買収事例を対象に、財務データだけではなく、船体の配船や船腹量等のデータを用いて、その買収の要因を明らかにすることを目的とする 研究の目的 経営上の意思 決定 経営の支援が 必要 買 収 Alliance 研究が少ない 不十分 様々な研究が なされた (もっとはっきり書く必要がある!!!何故3つの検討項目にかけているのかについて) そこで本研究ではまだ十分で検討されていないこの買収にいて、財務データだけではなく、船隊や船腹量等のデータを用いて、過去の買収事例を研究対象とし丁寧に分析し、買収要因を明らかにすることを目的とする。 本研究では過去の買収事例を対象に、財務データだけではなく、船体の配船や船腹量等のデータを用いて、その買収の要因を明らかにすることを目的とする

2005年定航海運業界の大型買収 2005年08月 A.P.Moller-Maersk(デンマーク)→P&O Nedlloyd(英) 買収費用: 57 € /株 総額23億€(約28億ドル) 06年2月からMaersk SeaLandとサービスの統合し、新たにMaersk Lineの名称で世界的なコンテナ定期サービスを展開している。 2005年09月 CMA-CGM(仏)→Bollore Group傘下のDelmas(仏) 買収費用:約6億ドル 2005年12月 TUI-AG(Hapag-Lloydの親会社、独)→ CP Ships(英) 買収費用:21.5$/株 約21憶ドル  2005年にも3つの大型買収が起きました。 ・・・ 本研究ではこの3つの買収事例を研究の対象とし、買収の要因を明らかにするとする  ここでは、時間の原因で、その中のひとつA.P.Moller-MaerskによるP&O Nedlloydの買収について、 買収要因検討のプロセスをしめ、買収の要因を検討していきたいです 8 8

検討項目: 1、船隊規模拡大の必要性 1、船隊規模拡大の必要性 2、船隊規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因    ・ 需給バランス    ・ 営業利益率 ・ 市場シェアの拡大 2、船隊規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因 1、船隊規模拡大の必要性 2、船隊規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因 @そこで具体的な検討項目として  ・そもそもMaerskSealand社にとって、何故船隊の規模の拡大を必要としたのか  ・次に船隊規模の拡大に当たって、何故選択手段として買収を選んだのか  ・最後に、数ある船社の中で、何故P&O Nedlloydを買収対象としたのか     の以上の3つの視点から、それぞれ順番に検討していきたいと思います。 最初に、まず船隊規模拡大の必要性について3つの点から検討していきたいです ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ @最初には船社にとって何故船隊の規模を拡大の必要性があったのかについて検討していきたいです。  (・船隊規模の拡大には、主に運航船腹量の数の拡大と船の大きさである船型の拡大の二つのとおりが考えられます。)

需給バランスから見た必要性 海運業界では 船が足りない 状態であった 約60万 TEUs 8ポイント 小さく 上の図は新造船の発注量と竣工量の推移を表しています。 下の表は年間コンテナ荷動き量と運航船腹量の推移を表しています。 グラフを見ると、年間にできる新造船の竣工量は大体60万TEUであることがわかる、買収前の2003年2004年では、造船場が1年間に作れる以上の船腹量が発注されているので、つまり海運界としては非常に船が足りない状態であったとこがわかります。 同じように船がりなかった2000年を基準とし、伸び率を見てみると買収直前の2004年は荷動き量の伸び157%に対し船腹量の伸びが149%で、船腹量が8ポイントが少なかったことがわかる。 つまり、荷動き量に対して相対的に船舶が不足していたため、買収により船隊を確保する必要があったと考えられる。

主要コンテナ船社営業利益率の比較 売上高営業利益率(%) 各船社のHP,アニュアルレポートによって、作成 次に収益性についてですが ・このグラフは各主要コンテナ船社の売上高営業利益率の推移を示しています。 ・縦軸は売上高営業利益率を表しています 表に合わせてみると 2001年、2002年のMaersk SeaLandの売上高営業利益率を見てみると、主要コンテナ船社の平均より上回り、相対的にいい経営状態であった。 どころが、2003年以降は海上コンテナ輸送の市場の景気が回復し、船社にとって、好成績をあげる状況になったときに、2004年のMaersk Sealandの売上高営業利益率を見てみると主要船社の平均13.8%よりも4ポイント弱低くなっていて、相対的に経営状態が悪かったことがわかる。Maersk Sealandにとってこの状況を打開するために、経営上に何らかの改善方法を講じる必要があったと考えられます。 各船社のHP,アニュアルレポートによって、作成

市場シェアの拡大 市場シェア拡大の好循環が期待できる 船腹量の増加 (輸送能力) 隻数の増加 輸送需要の 増加 船型の大型化 輸送サービス向上 買収やアライアンスを組むことによって船腹量の増加となります、 船腹量の増加が隻数の増加とみなす場合には、同じ地域間において隻数の増加によって、寄港間隔が短くとなり、寄港頻度の向上につながり、輸送サービスの向上につながって、より多くの荷主が使ってくれて輸送需要が増加してくる、おれが刺激となり、更なる船腹量の増加の好循環を生み出す可能性を持っている。 このような船腹量の増加には、席数を変えずに、船の大型化にすることも考えられる、大型化することによって、1TEUあたりのコストが逓減する傾向があるので例えばそれが運賃に還元されれば、運賃の低減も考えられるので、輸送サービスの向上につながります、これによってますます輸送需要の増加、更なる船腹量の増加というような市場シェア拡大の好循環が期待されるので、 Maerskはこれを狙って先行投資として、PONL社を買収したと思われます。 以上 *需要増加への対応 (需要と船腹量の関係から買収当時船が足らなかったので、船隊を確保する必要があった) *経営状態へ改善 (さらにMaerskの経営状態が良くなくて、何らかの経営改善する手段を取る必要があった) *市場シェア拡大による経営改善への期待 (改善の方法として今が説明したように船隊規模の拡大によっての市場シェアの拡大の経営の改善が期待できることから)、     この3つの点からMaerskにとって船隊規模拡大の必要性があったと思われます。 ******************************************************************** 犠牲量モデル:S(犠牲量:Satisfaction)=C(運賃)+T(所要時間)d(時間価値) 荷主の輸送手段の選び行動→その判断の基準としてとらえるのは「運賃と輸送にかかる所要時間(待ち時間)」がある 所要時間は船の頻度によって変わる待ち時間が含まれていますので、頻度の向上によって所要時間が短くなり、荷主へのサービスの向上につながって、より多くの荷主がその輸送機関を選ぶ可能性が増えてきますので、ということで輸送需要の増加につながりますとみることができます。 一般的に交通量の需要予測では犠牲量モデルという手法を用いて利用 客の選択を予測する。犠牲量モデルとは、選択する交通手段(航空と鉄道)のう ち利用者が失う損失が少ないほうを選択するだろうと仮定し、航空と鉄道の損 失量を求め、その選択を予測するものである。損失量は空港と鉄道へのアクセ ス料金、運賃、アクセスに要する所要時間、移動に要する所要時間に依存する ことになる。 ********************************************************************* 大型化による運賃の低減 大型によって、1TE当たりの船価、燃料費などが安くなる傾向があるので、つまりスケートメリットが働く特徴を持っている、従ってスケートメリットによって得られたコストの低減を運賃に還元すれば、運賃の低減も可能となります。これによる更なる輸送の需要の増加ににも期待されます。 ********************************************************************** 概念図、スケートメリット 船型の拡大についてですが、コンテナ船の場合には一般的に、船型は船価、入出港費、燃料費(バンカー代)には図に表している関係を持っています。 @切り方を持っていて意の傾きを示す傾向 @船型の2/3乗に比例する燃料費も1TEUあたりの費用が逓減する傾向にあることがわかる ******************************************************************************** 寄航頻度の向上 運賃の低減 市場シェア拡大の好循環が期待できる

検討項目: 1、船隊規模拡大の要因 2、船隊規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因 ① 新造船の建造 ② 傭船    ① 新造船の建造    ② 傭船    ③ 海運アライアンス        ④ 買収(M&A) 3、被買収船社が選択された要因 @次に、傭船について検討していきます 13 13

商船三井セミナ資料(2006年11月)により抜粋して作成 新造船船価推移 新造船船価(Million.USD) 8.2千万 4.5千万 (TEUs)  この図は新造船の船価の推移を表します  グラフから2003以降新造船の船価全体的に上昇傾向であったことがわかります。  Panamax4600TEUを見てみると、2005年4月と2003年4月の船価を比べる、ほぼ倍近くまでに船価が上昇していることがわかります  このように新造船の船価高騰により、新造船の発注が採算の面から合わなくなって来ていることが分かります。  また新造船の発注から竣工までには数年かかるため、すぐには船が入手出来ないので  そもそも新造船による船腹量の確保が難しい状況であっとことがわかります。 14 商船三井セミナ資料(2006年11月)により抜粋して作成 14

新造船による船体規模の拡大には限界がある 市場の需給バランス 船腹量市場の需要と供給のバランスが安定していることが大切。 新造船を発注・竣工することで船腹量を拡大した時に、スクラップ等を考慮した船腹量の必要量を超えてしまうと、供給(船腹量)が増加しすぎてしまい、供給(船腹量)>需要(荷動量)のアンバランスが生じてしまう。 船腹量が過剰の状況になると、運賃が急落するリスクが生じる恐れがある。   (定航海運市場の運賃は、実際の需給状況ではなく、現時点での需要と予測された将来の供給量でもたらされている。) さらに、まだ全世界の船腹量の需給関係を考えると、 市場においてすでにいっぱい発注されているため、今以上に更なる新造船の発注がされると  @大量の新造発注によって、船腹の供給量が必要量を超えてしまと、需給バランスが崩れ。  @船腹過剰による、運賃が急落する恐れも懸念されますので 従って、Marskにとってこれ以上更なる発注はそもそもむずかしい状況であったことと考えられます. (上の2つの原因で新造船による船腹量の確保が困難であることが思われる。) +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ @実際に、定航海運市場は2002年に運賃が急落しました。  これは、1999年・2000年の好況時に大量に発注されたコンテナ船が、2001年から2003年にかけて大量に  竣工される予定となっていたことから、2002年は供給スペースが需要を大幅に上回ると予測され、  船腹の供給増加を先取りする形で運賃は急落してしまったのです。 @よって、  新造船を造りたくても造れない状況にあり、  また、市場の需給バランスを考慮した点からも、新造船を発注し竣工することには限界があることがいえます。 @M&Aをすることで、需要が増加(荷動きが活発)しているときに、市場全体の船腹量を増やすことなく(新造船を造ることなく)、自社の経営資源(船腹量)を増やすために、既存の資源(=他社の持っている資源)を有効活用することが可能となるのである。 市場の需給バランスを考慮した点からも 新造船による船体規模の拡大には限界がある 

検討項目: 1、船隊規模拡大の要因 2、船隊規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因 ① 新造船の建造 ② 傭船    ① 新造船の建造    ② 傭船    ③ 海運アライアンス        ④ 買収(M&A) 3、被買収船社が選択された要因 @次に、傭船について検討していきます 16 16

コンテナ船傭船料の推移 傭船マーケットは逼迫し、 傭船を手当てできない状況にあった コンテナ船庸船料($/day) コンテナ船の船型別傭船料の推移 2002-2005 コンテナ船庸船料($/day) @このグラフは、コンテナ船の2002-2005までの船型別傭船料の推移を示しています。 @グラフを見ると、特に、買収前では急激に傭船料が値上がっていたことがわかります。 近年船舶が不足していて、傭船可能な船舶も不足のため、傭船料が高騰しています。このような状況によって庸船しようとしても傭船できない状態にあったことがわかります ************************************************************************ @これは、前年までの契約件数増加の影響で、需要に対して傭船可能な船舶が不足していることで、  傭船マーケットが逼迫していたことが考えられるので 傭船マーケットは逼迫し、  傭船を手当てできない状況にあった  Source: Clarkson

検討項目: 1、船隊(船腹量)規模拡大の必要性 2、船隊(船腹量)規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因 ① 新造船の建造    ① 新造船の建造    ② 傭船    ③ 海運アライアンス        ④ 買収 3、被買収船社が選択された要因 次に、3番目と4番目についてみていきます。 まずアライアンスとM&Aののメリット/デメリットについて説明してしてから、それぞれを順次に検討することにします. 18 18

アライアンスと買収のメリット・デメリット Alliance ・リスクと投資の分散 ・輸送サービスの充実 ・少ないコストで多くのサービスを提供することが可能 ・相乗効果による投資の最小化とメリットの最大化                                                  ・経営技術やグローバルな情報網の相互利用                                                     ・集荷しやすくなったことによって消席率の向上 ・自社ブランド・アイデンティティの維持が可能 ・アライアンスのメンバー間での意見統一が図りにくく、大胆な方策が推進しにくい。海上輸送サービスの差別化の阻害要因になる。 ・船社の寄せ集めであり、意志決定に時間がかかる ・M&Aと比較すると、シナジー効果やコスト面での効果は落ちる  ・同一アライアンスの船社間で、競争・差別化と疑心暗鬼が生じる  ・責任の所在が不明確となり、もたれ合いが生じる                                                                                                                               ・短期間で契約が打ち切られる懸念がある   買収 ・ノウハウ、経験、実績を保有する人材を獲得できる ・自社の事業とシナジー効果を発揮させることが出来る ・アライアンスと比べ、経営戦略遂行のスピードを飛躍的に早められる ・シナジー効果によるコストの削減 ・競争相手(市場プレイヤー)が減少  ・業界内でより良いポジションを得ることができる ・サービスの質を改善することができる(ネットワークの拡大、効率性の向上)                                                                                 ・大量な資金が必要  ・不必要な資産・負債を引受けてしまう可能性がある ・被買収船社低収益体制を改善できるかどうかは未知数 ・旧会社のアイデンティティ(ブランド)が損なわれる懸念がある                                           ・旧会社のアイデンティティ(ブランド)が対立する恐れがある ・既存顧客を失う恐れがある                                                              ・相手企業の優秀なセールスマン、技術者及び顧客の流出                                              ・競争が激しくなる                                                                              この表は、アライアンスと買収のそれぞれのメリット・デメリットの主なものについてまとめたものです。 まずアライアンスを見ていくと、アライアンスを組むことによって、リストと投資を分散し、スケートメリットが働き、最大限のコストを節約ができます、 これに対しメンバー間の意見が統一が図りにくく、意思決定に時間がかかるようなデメリットも持っています・・・・・ 次に買収の場合には、ノウハウ、経験、人材を獲得できて、シナジー効果を発揮できる、  これに対し、大量な資金が必要、不必要な資産や負債を引き受けてしまう、可能性も出てきます・・・    以上のことを踏まえたうえで MaerskにとってアライアンスとM&Aはどちらが適しているのかについて具体的に検討していきたいです 19 19

MaerskSeaLandの大型船の投入 コンテナ船社の大型船の投入の推移 Maersk SeaLand社 積極的に他の船社に先駆けて大型船を投入してきた。 経営上に迅速かつ自由な意思決定が必要  @まず大型船の投入の推移を表からみると  特にMaersk社は積極的他社を先かけて大型船を投入してきた実績があったことがわかります。  こうした大型船を投入するには、(たとえば先ほど伝えたように)アライアンスを組む場合、メンバー間での意見統一が図りにくい、意思決定には時間がかかる、そして、自由な意思決定が出来ないというデメリットが持ってますので、Maersk社にとってはアライアンスが適さない. ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ @このことから、Maersk SeaLandは  ・船型の大型化指向にあることがわかります  ・アライアンスを組むと船舶の投入などに全員の同意を得ることが全体条件などで、調整するのに時間がかかる   アライアンスを組まず、単体でいると迅速かつ自由な経営の意思決定が出来ることが考えられる @船型を大型化させ、大型船を用いてサービスを提供することで、コンテナ1個あたりの輸送コストを低減し、規模の経済性を目指していることが考えられる @そしてコストを削減しサービスの質の向上(一気に大量輸送)の実現のために、スケールメリットを追求する動きも見られる。

A.P.Moller-Maersk(Maersk SeaLand)の資金力について 資金力    CF期末残高    ( CF期末残高:期末決算日手元に残る現金の量のことである、会社の資金力がわかる)  → 投資・新規事業の開拓   CF期末残高(Millon.USD) 72億ドル>買収額28億ドル A.P.Moller-Maersk 他の船社を買収するだけの  資金力は十分にあった そして、そもそも、買収には大量な資金がないとできないので。Maersk SeaLandの資金力はどんなっていたかについて、検討していきたいと思います。  (手元に使える現金がたくさんあれば、設備投資や新たな事業の開拓ができるので、 逆に CF(期末残高により会社の資金力も分かります。資金力についてCFの期末残高を使ったみて生きたいです). @このグラフは主要コンテナ船社のCF期末残高の推移を表しています。青い線がMaersk SeaLandを表してます。  Maersk SeaLandの買収前2004年年末のCF残高は、72億ドルありました、しかも今回の買収では約28億ドルの買収金だったので、買収には十分の余裕がありました。資金の面においては問題がなかったことが考えられる。 これによって、買収が選択手段として可能であったことがいえます。 . ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ @資金力は、会社の経営状態から判断でき、会社の経営状態は、財務分析によって判断することができます。  そこで、CF(キャッシュフロー)期末残高により、Maersk SeaLandの資金力をみました。 @CF期末残高とは・・・   3つのキャッシュフロー(営業活動によるもの、投資活動によるもの、財務活動によるもの)と期首残高・期末残高により、  今期の現金推移、手元に残る遊べる現金の量がわかります。           つまり、手元に使える現金がたくさんあれば、設備投資や新たな事業の開拓ができるので、    CF(キャッシュフロー)期末残高により会社の資金力が分かります。

検討項目: 1、船隊規模拡大の必要性 2、船隊規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因 ① 新造船の建造 ② 傭船    ① 新造船の建造    ② 傭船    ③ 海運アライアンス         ④ 買収 3、被買収船社が選択された要因 @さらに、買収に当たって、数ある船社の中から、なぜPONLを買収(M&A)の対象としたのかについて検討していきたいと思います. 22 22

地域別市場占有率-シナジー効果(相乗効果) 地域別主要コンテナ船社の配船状況(2004) @まず、2004年の地域別主要コンテナ船社の配船状況からみると @今回の買収によって、Maerskが主要航路である欧州、北米航路での補強や強化によるシナジ効果のメリットを享受することができると考えられます  また、さらに、Maerskが配船していない南米地域においての新しい市場へ開拓による市場シェアの拡大する狙らいも見られます  +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ (Maerskはアフリカ・オセアニア航路、欧州航路、北米航路に多く配船し、  PONLはアフリカ・オセアニア、南米航路航路に多く配船していることわかる ) Maersk SeaLandは、自社の強い地域のサービス強化と 自社の弱い地域のサービスを補全するために P&O Nedlloyd社をM&Aの対象としたと考えられる  輸送ハンドブック2005のデータにより作成

Maersk SeaLandとP&O Nedlloyの 地域別大型船の投入について PONL;7,506  平均;6,059  Maersk;6,600  PONL;6,802  平均;5,785  就航地域別 最大船型の比較 (2004) East Asia W.&S. Asia North America South America Intra Asia Europe Africa /Oceania P&O Nedlloyd Maersk SeaLand 航路毎最大船型平均値 最大船型(TEU) @次に、 2004年の地域別大型船の投入についてみると、横軸区は各地域で、縦軸は最大船型を表しています  (青色がMaersk SeaLand、ピンクがP&ONL、黄色は各航路の最大船型の平均値を示しています。) @グラフから、両船社とも最大船型平均以上の船舶を就航しており、船型の大型化指向が一致し, 大型船運航のノウハウや経験、まだ人材を持っていたことが言えます。 買収こういった面においても、買収のメリットが享受できると思われます。 Maersk SeaLand、P&O Nedlloyd両船社とも 船型の大型化指向という類似があった  輸送ハンドブック2005のデータによって、作成

船社営業利益率の比較 売上高対営業利益率=営業利益/売上高 主要コンテナ船社売上高営業利益率の推移 (異なる国の会社の収益比較をする場合には、会計基準の差による見かけ上の利益の格差を排除するため、営業利益率を使って収益性についてみたみたいです) さらにPONLの経営状態を見ていくと、このグラフは主要コンテナ船社売上高営業利益率の推移を表している。 P&O Nedlloyd(1997年合併以来低収益体質に悩み、)2002/2003年にコスト削減を断行したが、改善がうまくいきませんでした、2004年は少し改善傾向あったが、依然として他の船社と比較すると相対的に低率であったことから、MaerskにとってPONLは買収しやすい状態であったことが考えられます. 以上のことでMaerskSealandがPONLを買収した要因であることが考えられる。 各船社のHP,アニュアルレポートによって、作成

A.P.Moller-MaerskによるP&O Nedlloydの買収事例の買収要因のまとめ ③事例を3つの検討項目検討の結果をまとめてみると、以下のようまとめることができます、   ○は当てはまる、 ×はあてまらないことを表す 項目ごとに見ると 1 , Maerskは需要拡大への対応、低収益性への改善、または競争による市場シェアへの拡大への期待のため、船体規模の拡大を図ったことがわかる。 2、新造船については、新造船船価の高騰、船腹量の需給関係によるリスクへの懸念によって、新造船の更なる発注が難しかったことがわかる。   庸船市場においても、傭船可能な船舶が少なく、傭船にも困難であったことがわかる。   さらに、Maerskには迅速かつ、自由な意思決定を重視するので、またMaersk社は十分な資金力があったということで買収が適していたことが考えらえれる。 3、Maersk社は買収によるシナジー効果が期待できて、また大型船指向の一致性と運行ノウハウや経験など買収のメリットを享受することができるため、またPONLの低収益体制で、非常に買収しやすかったことがわかります。 以上の買収要因でMaerk社が船隊規模拓大の最適な手段としてPONLを買収したと考えられる。

買収事例のまとめ 以上にはA.P.Moller-Maerskによる P&O Nedlloyの買収について説明したが、 ここでは、簡単のほかの2つの買収事例の状況を紹介してみますと 表には買収船社と被買収船社を分けて基本の状況をまとめた 経営状態 資金力 配船状況 買収事例の概要 買収船社:  1、Maerskは主要コンテナの平均よりやや低く、悪くないが望ましい状態ではない、残りの船社は平均より上回り、特にHapag-Lloydはトップの収益力を持っている、3社と基本的に良い収益力を持っている  2、買収を手掛ける側として十分な資金を持っている  3、3つの買収船社の配船状態を見ると、3船社ともに未配船地域が存在し、輸送ネットワークの確保する余地があることが分かった。 被買収船社:  1、Delmasを除いて、P&O NedlloydとCP Ships両者はともに平均値より大きく下回った。経営業態はよくなかったことが言える  2、P&O Nedlloyd南北航路・東西航路両方とも保有しすべての地域において配船している、CP shipsはアジア地域に配船してない、Delmasは主にアフリカー欧州の南北航路を保有している。 全体的な特徴: 1、高収益性の船社が低収益性の船社を買収する傾向がある 2、買収船社と被買収船社のた互いの配船や運航航路形式のマッチングがよい、よりよい輸送ネットワークの構築が期待できる。 3、買収の規模が大きかったことがわかる。

TUI AG(Hapag-Lloyd)によるCP Shipsの買収要因の特徴 Hapag-LloydsとCP Shipsとの両船社の輸送ネットワークは非常に相性がよく、買収することによって、互いのサービスネットワークを補強ができ、全世界を対象とした輸送網の確立によるシナジー効果への狙い、さらに人材の確保等ができ、また同程度規模の両船社の統合によって、Hapag-Lloydの市場シェアを一気に拡大することができる。さらにCP Ships は低収益体質が続いたため、買収されやい状態であった。以上のことから、最終的にTUI AG(Hapag-Lloyd)はCP Shipsを買収対象としたと考えられる。 また、Hapag-LloydはすでにGrand Alliance の構成メンバーであるため、買収することによって、アライアンスと買収のメリットを同時に享受することができ、またさらにアライアンス内部でのよりよいポジションを占めることができるため、買収を選択したと考えられる。 その二つの事例の買収要因をまとめてみますと  まず TUI AG・・・・・・・を見てみると

CMA CGM によるDelmasの買収要因の特徴 CMA CGM はDelmasを買収することによってフランスの国内でのライバルが減り、占有率を高めることができる、さらに、南北航路を確保し、全世界を対象とする輸送ネットワークの確立や補全が可能であることや人材の確保、またアフリカ内陸での物流事業を獲得できることから、最終的にDelmasを買収の対象としたと考えられる。

買収要因のまとめ そして、この3つの買収事例の分析には、どのような共通や相違の要因、特徴があったのかを見て見ますと 検討項目ごとに見てみますと (1)船隊規模拡大の必要性の共通点としては3社ともに「需要増加への対応」、「市場シェアの拡大への期待」を狙って船隊規模の拡大を図った特徴があった。相違点とし ては、Hapag-LloydとCMA CGMは船社の経営をさらによい状態に発展させる、またMaersk SeaLandは経営改善という狙いがあって船隊規模の拡大を図った。 (2)船隊規模拡大の手段の共通点として、船舶の新造と庸船困難であったことが3社ともに見られる、また最後に3社ともに買収による投資への可能性をもっていた特徴が見られる。相違点として、アライアンスの選択への可能性についてはMaersk SeaLandが適さず、Hapag-Lloydはアライアンスの構成メンバーであるため、さらにアライアンスを選択する必要がなかった。またCMA CGMがアライアンスへの選択の可能性について分析できなかった。 (3)被買収船社の選択要因の共通点としては輸送ネットワークの補全や人材の獲得、業界での更なるよいポジションをしめるという共通の要因が見られる。また相異なる狙いとしてはMaersk SeaLand社は大型船の獲得を狙い、Hapag-Lloydはアライアンスでの更なるよいポジションを獲得した、よってCAM CGMにはアフリカ内陸での物流事業を確保するために被買収を選択とした特徴が見られる。

おわりに 2005年の3つの買収事例を対象に買収要因にいて検討を行ってきた 1、高収益性の船社が低収益性の船社を買収する傾向がある 2、買収船社と被買収船社の互いの配船や運航航路形式のマッチングがよい、よりよい輸送ネットワークの構築が期待できる。 3、買収の規模が大きかったことがわかる。

ご清聴ありがとうございました ご清聴ありがとうございました

8/23発表会で質問された問題 人材確保の人材はどういう人材なのか? 被買収船社の株価による船社の価値の評価

8/29審査のための準備 目的ははっきりさせること 大目的→船社経営を支援する(どのような経営支援が必要)   大目的→船社経営を支援する(どのような経営支援が必要)     経営の何について支援をするか→買収→買収を支援するため→買収の要因→そのために何をしなければならないのかをはっきりさせること         従って、今の検討項目が必要となる 残り二つの事例の要因分析の詳細について 3つの事例の買収要因のまとめ(共通点・相違点)   どういう効果を狙って買収をしたのか?   (どういうときに買収をするか? どういうときに買収されやすいか?)  

A.P.Moller-MaerskによるP&O Nedlloydの買収要因分析のまとめ 1、船隊規模拡大の必要性 2、船隊規模拡大手段の選択要因 3、被買収船社が選択された要因 1.船隊規模拡大の必要性 船腹量の需給バランス 低収益性の改善が必要 市場シェアの拡大による好循環への期待 2.船隊規模拡大手段の選択要因  ①新造船の発注には限界があった    ・発注して、すぐ船舶を入手出来ない    ・新造船船価の高騰    ・供給>需要 → 運賃下落のリスクへの懸念  ②傭船が困難な状況にあった。  ③MaerskSealandの積極的な大型船の投入には、迅速かつ自由な意思決定が必要であり、アライアンスは適さない。  ④買収するために、必要な資金力があった。 最後にはまとめに入りたいと思います。 本事例の要因分析にあたって、以下のの3つの視点から検討を行ってきました          1、船隊規模拡大の必要性          2、船隊規模拡大手段の選択          3、被買収船社が選択された理由  ここでは、それぞれの項目について、まとめていきたいと思います。 1 , Maerskは需要拡大への対応、低収益性への改善、または競争による市場シェアへの拡大への期待のため、船体規模の拡大を図ったと思われる。 2、新造船については、新造船船価の高騰、船腹量の需給関係によるリスクへの懸念によって、新造船の更なる発注が難しかったことがわかる。   庸船市場においても、傭船可能な船舶が少なく、用船にも困難であったことがわかる。   さらに、Maerskには迅速かつ、自由な意思決定を重視するので、またMaersk社は十分な資金力があったということで買収が適していたことが考えらえれる。 3、Maersk社は買収によるシナジー効果が期待できて、また大型船指向の一致性と運行ノウハウや経験など買収のメリットを享受することができるため、またPONLの低収益体制で、非常に買収しやすかったことがわかります。 以上の買収要因でMaerk社が船隊規模拓大の最適な手段としてPONLを買収したと考えられる。。 3.P&O Nedlloydを選択した理由 P&O Nedlloydを買収することによるシナジ効果が期待できる。 大型船運航のノウハウ、経験、人材を獲得できる。 P&O Nedlloydの経営状態が悪く、買収しやすい状態であった。

今後の課題 買収の効果についての評価を含めた買収要因に関係する検討が必要である。   買収の効果についての評価を含めた買収要因に関係する検討が必要である。 より良い経営の支援を行っていくためには、買収の良し悪しの評価を含めた買収要因の検討が今後には必要である

傭船とは? 傭船とは?   傭船者(運送業者)が船主(船舶所有者)から船舶を賃貸借することである。傭船の種類としては裸傭船、定期傭船、航海傭船がある。 裸傭船・船舶賃貸借(Bare Boat Charter)   傭船者が船主から船舶の船体及びその属具のみ(船員を配乗せず)を対象に一定期間賃借する契約である。傭船者は自ら船員の配乗、船舶の運航管理を行い、その費用を負担する 定期傭船(Timer Charter)   船主が一定期間を決めて、船腹の全部(船長その他の乗組員つき)そのまま運送業者(傭船者)に貸し切りする契約である、しかも船長及びその他の乗組員を庸船者の指図のもとにおくこと。船主は船員の配集を始め、修繕、船用品の調達などの船舶管理の責任を持ち、庸船者(運航者)との間に定額の用船料を取り決める。期間用船ともいう 航海用船(Trip/Vovage Charter) 長期契約によらず、特定区域間の貨物輸送を目的に、一航海毎に用船する契約形態をいう

アライアンス等の変遷 この図はアライアンス等の変遷を示している図です。 四角形はアライアンスを組んでいるところを示している 線が引いているところは、それらの変遷の痕跡を示している アライアンスは1994年の形成から2006年までに頻繁へ組換や再編が行われてきました。 コンテナ船社はグローバルのサービスを提供するために、アライアンスが規模が大きくなって、集約していくことがわかります。 (船社の経営にとって、アライアンスをどのように組んでいくのが大事であって、事実としてアライアンスの変遷が色々おきていることを伝える) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ (グローバルアライアンスの変遷1) @1994年から1996年にかけて船社を中心に全世界を対象としたグローバルサービスの構築を目指したコンソーシアムの再編が行われて、グローバルアライアンスが誕生しました。 (アライアンスの変遷2) @グローバルアライアンスの誕生後、まもなく1997年に、主要船社間で合弁や買収があって、1998年からThe New World AllianceとGrand Alliance を中心に構成船社が入れ替わりました、 (アライアンスの変遷3) (2002年末までは大規模なグローバルアランスの再編はなかったです、比較的に安定でした、) @2003年1月HanjinとC/K/Yグループとの業務提携、  2005年5月にNedllyodがMaerskによる買収で、2006年の春にGrand AllianceとThe New World Allianceとの基幹航路においての教務提携などが、大規模な再編が行われてきました。今後も世界のコンテナ定期航路において、航路安定化を念頭に置いてシェア争いがますます激しくなってくると予想される。

大手コンテナ船社の主なM&Aの動き Source:国際輸送ハンドブック2005 39 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ @これは1980年代から今までの大手定航船社の主なM&Aの動きをまとめたものです。  @特に1994年の最初のアライアンスの結成以降2005年までほぼ毎年のようにM&Aが行われてきました。  @特に2005年においても3つ大きなM&Aが発生しました 39

買収前後の輸送船腹量の比較 Maersk の世界コンテナー船腹量シェアは12.7%(2004年)→19.0%(2005年)となった。 この図は各船社の世界コンテナー輸送船腹量のシェアをしている表です 今回のPONLの買収(そして合併)によって、Maerskの世界コンテナー船腹量のシェアは12.6%から18.8%と大きく高めて 船腹量を大幅に増加させる買収であることがわかります。 この買収は、市場シェアの獲得に向けたMaerskの先行投資ともいえるだろう。 (買収の結果としてMaerskの船腹量シェアでいうとこんな高めることが出来ました・・・) Source:Containerisation International

M&Aの概念図 広義のM&A 狭義のM&A 業務提携 企業の合併 技術提携・共同開発 OEM提携・生産提携 販売提携 企業の買収 企業の分割  企業の合併   企業の買収   企業の分割  吸収合併 新設合併 株式取得 (資本参加) 事業譲渡 (資産買収) 吸収分割  技術提携・共同開発  OEM提携・生産提携  販売提携  業務提携   (アライアンス) 新設分割 @買収について述べる前に、M&Aの概念図を紹介します。 @M&Aの概念図は、図のように狭義のM&Aと提携に分かれます。  今回の買収は、株式の取得であったので、M&Aのこの部分にあたります。  そこで・・・  (次のスライドへ ⇒⇒ ) @概念図  OEM(オーイーエム) は、Original Equipment Manufacturingの略で他社ブランドの製品を製造すること。   または、Original Equipment Manufacturerの略でその製造する企業。  OEMは、家電や自動車メーカーなど様々な業種で利用されている。製造を委託する側の企業をOEM先、受託する製品供給 側の企業をOEM元と呼ぶ場合もある。 新設分割

アライアンスとは・・・ M&A(企業の合併・買収)とは・・・ 狭義のM&Aで、 株式取得や営業譲渡を ともなうものをいう  世界規模の戦略的国際提携  複数の船社が複数の主要航路にまたがって   構成船社が効率のよい配船を行い、   スペースを融通し合い、   加えてターミナルも相互に提供し合い、   船社同士がサービスの向上とコストの削減を   追求するもの                            ※ Alliance ;同盟・連合 M&A(企業の合併・買収)とは・・・ 狭義のM&Aで、 株式取得や営業譲渡を  ともなうものをいう  国内・国外における国際競争力の強化や  国外進出を容易にするためなど、国際的な  マーケット拡大に伴う、生存競争と事業拡大  を主な目的として用いられる          ※M&A;Mergers and Acquisitions(合併と買収) アライアンスとは・・・  『世界規模の戦略的国際提携』のことを指し、  複数の船社が提携をすることで、船社同士がサービスの向上とコストの削減を追及することを  主な目的としています。 @買収とは、  狭義のM&Aに相当し、株式取得や営業譲渡をともなうものをいい、  国際的なマーケット拡大に伴う、生存競争と事業拡大を主な目的としています。 @M&A;Mergers and Acquisitions(合併と買収) @買い手から見た企業の合併及び買収に、売り手の事業分離をくわえた概念 @国内・国外における国際競争力の強化や国外進出を容易にするためなど、  国際的なマーケット拡大に伴う、生存競争と事業拡大を主な目的としている

船型の大型化によるスケートメリットの概念図 船価(億円) 船型(TEU) 船型と船価の関係 入出港費(億円) 船型 (TEU) 船型と入出港費の関係 燃料費(億円) 船型2/3(TEU) 船型と燃料費の関係 **船型の拡大についてですが、 コンテナ船の場合には一般的に、船型は船価、入出港費、燃料費(バンカー代)には図に表している関係を持っています。 @切り方を持っていて意の傾きを示す傾向 @船型の2/3乗に比例する燃料費も1TEUあたりの費用が逓減する傾向にあることがわかる  つまり船型の大型化によって積載率の低下を招くことなく、貨物の集荷ができれば、スケールメリットを働き、安価の運賃を提供することができる。

犠牲量モデル S(犠牲量:satisfication) 輸送手段① 輸送手段② C2(運賃) C1(運賃) d(時間価値) S(犠牲量:satisfication) 輸送手段① 輸送手段② C2(運賃) C1(運賃) dx 犠牲量モデル S=C+ dT(所要時間:傾き)

パナマ運河とコンテナ船の世代 Source: CMA-CGM

船腹手配 「新造船」 「仕組船」 「買船」 「傭船(借受)」    仕組船とは、日本の船社が長期用船を目的として、外国船社に船舶を建造・保有させた船泊である。この方式は1970年代から行われてきた。この方式のもとで外国船社は、日本輸出入銀行の融資を受けることができる。従って、外国船社にとっては、船舶の建造費用を削減できる。一方日本の船社は、外国船社の船舶を用船(チャーター)することで相対的に船員費の安価である外国人船員を利用でき、運航費用を削減することが可能になる。仕組の方式には上で挙げたような日本の船社が外国船社に依頼する「単純仕組」のほかに、日本の船社が外国企業と合併企業を設立して仕組を行う「合併仕組」や日本の船社が外国に会社を設立して仕組みを行う「完全仕組」などがある。 「買船」 「傭船(借受)」

EBITDAとは? 異なる国の会社の収益比較をする場合にはEBITDA(Earning Before Interest, Tax, Depreciation, Amrotization=実質的な利益基準)率の順で順位をつけるのが本来であるが、狙いは国ごとの金利、税金、償却など会計基準の差による見かけ上の利益の格差を排除するのである。P/L上にEBITDAを公表する会社が少ないので、EBITDAに一番近い営業利益である。 異なる国の会社の収益比較をする場合には、会計基準の差による見かけ上の利益の格差を排除するため、営業利益率を使って収益性についてみたみたいです

総船腹量推移

原油・燃料価格推移 注:2006年第4四半期以降のWTIは米国エネルギー省の2006年10月時点の予測を使用。 データ:Drewry、米国エネルギー省などのデータを基に商船三井営業調査室作成

M&A(合併・買収)による効果 業界内での競争が激しい場合、同業種の企業と合併することにより、規模の拡大が図れ、マーケットシェアを確保することができる 市場のプレーヤーが減ることにより競争相手が  減り、 市場のシェアをより高めることができる 自由で迅速な経営の意思決定が可能である @買収(M&A)の効果として、    ・市場のプレーヤーが減ることにより競争相手が減り、市場のシェアをより高めることができること    ・自由で迅速な経営の意思決定が可能であること  2通りが考えられます。  @市場のプレーヤーが減ることにより競争相手が減り、市場のシェアをより高めることができる  @アライアンスのような共同体での運営と違い、単独での運営となるので、   自由で迅速な経営の意思決定が可能 となります。 @M&Aをすることで、需要が増加(荷動きが活発)しているときに、市場全体の船腹量を増やすことなく(新造船を造ることなく)、自社の経営資源(船腹量)を増やすために、既存の資源(=他社の持っている 資源)を有効活用することが可能となるのである。

参照 ; 商船三井営業調査室、定航海運の現状 2006.12.05開催セミナー資料 傭船契約件数の推移 傭船マーケット 各船社とも、パナマックス以下の船型に関しては傭船比率が高い 8000TEU型をはじめとするオーバーパナマックス型の発注がブーム   となり、定航海運市場は中型・小型船が不足 @次に傭船マーケットの状況について検討していきたいです。 @グラフは、サイズ別の傭船契約件数の推移をあらわしたものです。  2001年以降、契約件数が急増したことにより、近年、傭船できる船がなくなっていることがわかります。 (@傭船マーケットは、(各船社とも、)パナマックス以下の船型に関して傭船比率が高いことがわかります。) @グラフから、2000年以降の活発な荷動きをうけ、 定航海運市場は8000TEU型をはじめとする  オーバーパナマックス型の発注がブームとなり、中型・小型船が不足し、2000年以降、傭船契約件数が急増  していることが分かります。   @しかし、2004年以降は、急激に成約件数が減少しています。  前年までの急激な傭船契約を受け、手配できる傭船が少なくなっていることが分かります。 傭船成約件数(サイズ別) 推移  参照 ; 商船三井営業調査室、定航海運の現状 2006.12.05開催セミナー資料

傭船成約件数(サイズ別) 推移 Data;Clarkson その他 @次に傭船マーケットの状況について検討していきたいです。 傭船成約件数(サイズ別) 推移 @次に傭船マーケットの状況について検討していきたいです。 @グラフは、サイズ別の傭船契約件数の推移をあらわしたものです。  2001年以降、契約件数が急増したことにより、近年、傭船できる船がなくなっていることがわかります。 (@傭船マーケットは、(各船社とも、)パナマックス以下の船型に関して傭船比率が高いことがわかります。) @グラフから、2000年以降の活発な荷動きをうけ、 定航海運市場は8000TEU型をはじめとする  オーバーパナマックス型の発注がブームとなり、中型・小型船が不足し、2000年以降、傭船契約件数が急増  していることが分かります。   @しかし、2004年以降は、急激に成約件数が減少しています。  前年までの急激な傭船契約を受け、手配できる傭船が少なくなっていることが分かります。 Data;Clarkson その他

買収要因分析 コンテナ船社業績大きく改善 船舶需要量の逼迫 中古コンテナ船の傭船料の高騰&コンテナ船社の新造船整備の急ぎ 造船所も3年先までに豊富な手持ち工事量で船台の空きがなく、船価も上昇傾向を見せていた 船社はマーケットの好調時に一挙に収益を拡大したい思惑があって、船社間の競争が激化する中、経営効率の悪い船社を買収することで  ①コンテナ船隊の増強と共に  ②サービスエリア(網)を拡大し  ③収益性の拡大を狙う動きにつながっているものと見られている   これを対抗するために、アライアンスを形成している船社は、他のアライアンスを提携することで、サービスのネットを拡大する狙いから、グラントアライアンスとTNWAによる北米・欧州航路で提携すうrことになったとも見られる。今後も世界のコンテナ定期航路では、航路安定化を念頭に置いてシェア争いがますます激しくなってくると予想される。

P&O Nedlloydの経営状態 –税引後当期利益率 企業の  最終的な収益力  を表す。 税引後当期利益 ⇒税引前当期利益から  税額を差し引いたもの ⇒企業の最終的な収益力をあらわす P&OND;-6.5%  平均;1.0%  P&OND;4.6%  平均;9.1%  @グラフは、  2001年から2004年までの主要定航船社の『税引き後当期利益率の推移』を表したものです。  ピンクの三角が、P&O Nedlloydの値を示しており、  P&ONLは、  2002年に-6.5%と最も悪く、その後は回復はしたものの、 2004年は平均9.1%に対して4.6%と他船社に比べると悪く @P&ONLは、『収益性が悪く、経営状態はよくなかった』といえます。 @税引き後当期利益率を、P&ONDの経営状態をみる指標にしました。 @まず、税引後当期利益とは・・・  ・税引き前当期利益から、税額を差し引いたもので、その期における会社の最終的な利益を示します。    ※税引き前当期利益※     ・経常利益に特別利益を加え、特別損失を引いたもの     ・営業と直接関係ない臨時的に発生した損益も      計算し、最終的な利益を出したもの     ・その期における、会社の最終的利益 @税引き後当期利益率とは・・・  ・税引き後当期利益を売上高で割ったもので、企業の最終的な収益力を表します。 @グラフから、P&ONDは2002年に-6.5%と最も悪く、その後は回復はしたものの、  2004年は平均9.1%に対して4.6%と他船社に比べると悪いことが分かりました。 収益性が悪く、経営状態はよくなかった 

P&O Nedlloydの経営状態 – まとめ 営業利益率・経常利益率・税引後当期利益率とも他の船社に比べて低率であった 収益性が悪く、経営状態はよくなかった  @よってP&ONDの経営状態は・・・  P&O Nedlloydは、営業利益率・経常利益率・税引後当期利益率とも他の船社に比べて低率であり、  利益率、つまり収益性が悪く経営状態はよくなかったといえる。その結果、買収の対象となり、  2005年の大型買収により買収されてしまったのではないかと推測される。

Maersk SeaLandの経営方針 コンテナ1個あたりの輸送コストを低減するため、船型を大型化させる方向性にあり、大型船を用いることで規模の経済性を目指している つまり、コストを削減しサービスの質の向上の実現のためスケールメリットの追求が強い @コンテナ1個あたりの輸送コストを低減するため、船型を大型化させる方向性にあり、大型船を用いることで規模の経済性を目指している @コストを削減しサービスの質の向上の実現のためスケールメリット追求の動き

選択手段③ – アライアンスを組む アライアンスとは 選択手段③ – アライアンスを組む アライアンスとは 複数の船社が複数の主要航路にまたがって構成船社が効率のよい配船を行い、スペースを融通し合い、加えてターミナルも相互に提供し合い、船社同士がサービスの向上とコストの削減を追求するもの スペースを融通し合う       = 所有できるスペースには限定がある 経営の意志決定が遅くなる @スペースを融通し合うということは、所有できるスペースには限定があるということである。  つまり、せっかくスケールメリットを追求し規模の拡大を図り荷主からオファーがあっても、スペース のネゴシエーションに時間がかかる可能性が考えられるのである。  それにより、経営の意志決定が遅くなり、結果、盟外船社の介入を許してしまい競争に負けてしまう恐れがある。

選択手段④ –買収(M&A) 買収(M&A)とは 主な目的は、国内・国外における国際競争力の強化や国外進出を容易にするためなど、国際的なマーケット拡大に伴う、生存競争と事業拡大のために用いられる 買収(M&A)の効果 市場全体の供給(量)を増加することなく、自社の経営資源を増やすことができる 市場のプレーヤーが減ることにより競争相手が減り、市場のシェアをより高めることができる @買収(M&A)は、新規事業への参入、企業グループの再編、業務提携、経営が不振な企業の救済などを目的として実施される。  企業の買収合併は年々増加傾向にあり、その目的は様々であるが、主な目的は、国内・国外における  国際競争力の強化や国外進出を容易にするためなど、国際的なマーケット拡大に伴う、生存競争と  事業拡大のために用いられる傾向があり、買収の規模も拡大傾向にある。 @買収(M&A)の効果  市場全体の供給(量)を増加することなく、自社の経営資源を増やすことができる。 ・市場のプレーヤーが減ることにより競争相手が減り、市場のシェアをより高めることができる。

M&Aの効果 市場は、需要と供給のバランスが大切   新造船ばかり造ってしまうと、供給(船腹量)が増加しすぎてしまい、需要(荷物量)と供給(船腹量)にアンバランスが生じる → 運賃の急落が起こる可能性 大! そこで、M&Aをすると・・・ 需要が増加(荷動きが活発)しているときに、 市場全体の船腹量(供給量)を増やすことなく、 自社の経営資源(船腹量)を増やすために、既存の 資源(=他社の持っている資源)の有効活用が可能 @M&Aの効果  ・市場全体の供給(量)を増加することなく、自社の経営資源を増やすことができる  ・市場のプレーヤー(競争相手)が減る

営業利益率 営業利益 ・会社の本業である主な営業取引によって得た 儲けのこと ・売上総利益から販売費および一般管理費に  ・会社の本業である主な営業取引によって得た 儲けのこと  ・売上総利益から販売費および一般管理費に   区分される営業費用を引いたもの 営業利益率  ・営業利益を売上高で割ったもの  ・売り上げに対してどれだけ利益があるかを表す  ・企業の本業による収益力をあらわす            参照:「私でも面白いほどわかる決算書」 宝島社

経常利益率 経常利益 ・利息や有価証券の売買など、本業以外の利益 も含めた日常的な経営活動による儲けのこと  ・利息や有価証券の売買など、本業以外の利益   も含めた日常的な経営活動による儲けのこと  ・営業利益から営業外損益を引いたもの 経常利益率  ・経常利益を売上高で割ったもの  ・企業の経常的な収益力を表す   (会社がどれだけ健全であるかを示したもの)            参照:「私でも面白いほどわかる決算書」 宝島社

税引後当期利益率 税引後当期利益 ・税引き前当期利益から、税額を差し引いたもの ※税引き前当期利益※ 税引き後当期利益率  ・税引き前当期利益から、税額を差し引いたもの    ※税引き前当期利益※     ・経常利益に特別利益を加え、特別損失を引いたもの     ・営業と直接関係ない臨時的に発生した損益も      計算し、最終的な利益を出したもの     ・その期における、会社の最終的利益 税引き後当期利益率  ・税引き後当期利益を売上高で割ったもの  ・企業の最終的な収益力を表す           参照:「私でも面白いほどわかる決算書」 宝島社 @特別利益 ⇒ その期だけ臨時的に発生した利益のこと         cf. 固定資産売却益 など @特別損失 ⇒ その期だけ臨時的に発生した損失のこと         cf. 固定資産売却損 など

買収効果の検証について ・Maersk Line @買収前後の収益・収益性 @サービスエリア(網)の拡大 @船体・船舶量の変化 コンテナ関連輸送部門では2006年の業績は2005年度比べ17%を増加しましたが 収益については大幅に減少し、赤字になっていることがわかりました。 これは低輸送費用と燃料費の高騰によって、計画通りにじつげんすることができなくなったのが一つの原因で、 も一つの原因がP&Onedllydの買収後の減価償却費の処理や債務及びその他の投資によるものであることだと見られます。

大型M&Aの事例 1997年~99年と2005年に定航船社のM&Aが相次ぐ 【 1997年~99年】 【 2005年】  【 1997年~99年】    ・P&O(英)とNED LLOYD(蘭)の合併 (1997年7月)    ・NOL(シンガポール)によるAPL(米)の買収 (1997年)    ・Maersk(デンマーク)によるSea-Land(米)の買収  (1999年7月)  【 2005年】     ・A.P.Moller-MaerskによるP&O Nedlloydの買収 (2005年9月)    ・TUI(Hapag-Lloydの親会社)(独)によるCP Ships(カナダ)の買収    (2005年8月)    ・CMA CGM(仏)によるDelmas(仏)の買収(2005年9月)

大型M&Aが起こるときの共通点 【背景】 好況時に大量発注した新造船の竣工ラッシュがスタート 運賃下落、コスト上昇などで、船社間の競争が激化 【ネライ】 苛烈な競争を勝ち抜くために、  定航各社は船腹受給を悪化させることなく(需要と供給のバランス)、  自らの経営資源(船腹量)を増やすべく、経営効率の低い会社を飲み込む形で船隊の増強を図る 【背景】 好況時に大量発注した新造船の竣工ラッシュがスタート 運賃下落、コスト上昇などで、船社間の競争が激化 【ネライ】 苛烈な競争を勝ち抜くために、定航各社は船腹受給を悪化させることなく(⇒需要と供給の関係) 自らの経営資源(船腹量)を増やすべく、経営効率の低い会社を飲み込む形で船隊の増強を図る

資金力-その他の船社 資金力-その他の船社 CF(Million $) 2005年の約6億ドルでDelmasを買収した 8.12億ドル 8.12億ドル  2005年の約6億ドルでDelmasを買収した CF(Million $) 6.55億ドル  2005年の買収額は、約6億ドル 2005年末CF残高は、約2.11億ドル(少)

売上高対営業利益率 @この図は買収船社と被買収船社と主要定航船社を中心とした営業利益率の平均値の折れ線図である @P&O Nedlloyd1997年合併以来低有益体質に悩み、2002/2003年にコスト削減を断行しても改善できなかった。2004年は少し改善傾向あるが依然として低率であった。 @CP-shipsも90年代に次々と傘下に収めた船社の統合効果が発揮できず、そのためコスト削減も進まず利益率も主要定航船社の中で低い水準でした。   共通点としては低利益率の船社が買収された @DelmasについてはDataを入手できませんでした。

航路別市場占有率 - 2004年② この表は、2004年度の就航航路別のシェアその②ですが 航路別市場占有率 - 2004年② この表は、2004年度の就航航路別のシェアその②ですが ここではCMA-CMGとDelmasについてみていきたいと思います。 CMA-CGM社は基本的に欧州航路に力入れて多く配船していることがわかります、アフリカ・オセアニア航路、南アジア航路にはほとんどないということがわかります Delmas はアフリカ・オセアニアに一点集中して、多く配船していることがわかります。  CMA-CGMはDelmasを買収することによって、CMA-CGM はアフリカ・オセアニア市場を展開していこことが見られます。

航路別市場占有率 - 2004年③ Hapaglloyd社は主に北米航路や欧州航路を中心に事業展開していることがわかります。

船社の分類 総合船社(船の保有種類、量のペース) MOL,NYK,K-line,HMM,Hanjin,YangMing 定航船社(定航のみ、その大半が定航部門)  P&O Nedlloyd,Maersk Sealand,Hapag-Lloyd,CMA-CGM,NOL,CP-ships,Delmas 今回の

2005年のM&Aの共通点 低利益率の船社が買収される 買収船社と被買収船社両方とも欧州の定航船社である