プログラミング論 I 補間 http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ct13140/Prog
補間
補間 (1) n次多項式での近似 テイラー展開 (2) 関数の補間 ラグランジュの補間法
補間とは (x0, f (x0)), (x1, f (x1),…(xn, f (xn))が既知のとき, それ(x0, x1,… xn)以外の点における関数の値を求める(予測する)
補間の例 x=6 (10, 6.6) f (5), f (10)が既知. f (6)が必要になったら? 8 (10, 6.6) f(x) 6 4 f (5), f (10)が既知. f (6)が必要になったら? 近くの f (5)=2.4で代用する? (5, 2.4) 2 5 10 15 20 25 30 x
f (5)と f (10)からf (6)を補間する おそらく f (5)より, 一次近似の方が正確. (10,6.6) さらに正確な補間方法は? (10,6.6) 直線を引いて(一次近似), x=6 における値を予想. (5,2.4) f (5)=2.4 で代用
・近似は補間と密接な関係. ・関数をn次多項式で近似する. 関数の式が既知であることが前提 ・テイラー展開
一次式で近似 接線 y =f (a)+f '(a)(x-a)=g(x) y = f (x) 近似に 用いた点 1.5 y =f (a)+f '(a)(x-a)=g(x) 1 y = f (x) 0.5 近似に 用いた点 y x y = f (x) の接線 y = g(x)は,y =f (x)の一次近似線. f (a) = g(a) かつ f '(a) = g'(a) となっている. つまり,x=a において, 「yの値」と「傾き(一階微分)」が一致している. -0.5 -1
二次式で近似 y =f (a)+f '(a)(x-a)=g(x) 近似に x=aに近いほど 用いた点 y = f (x) 近似は正確 1.5 y =f (a)+f '(a)(x-a)=g(x) 1 0.5 近似に 用いた点 x=aに近いほど 近似は正確 y = f (x) y x y = h(x)は,y =f (x)の二次近似曲線. (y=f (x)を近似した二次曲線) f (a) = h(a) かつ f '(a) = h'(a) かつ f ''(a) = h''(a). x=a において 「y」と「一階微分」と「二階微分」が が一致している.一次近似よりより正確な近似. -0.5 -1
三次式で近似 y = i(x)は,y =f (x)の三次近似曲線. ここは xの式 ここは 定数である y = i(x)は,y =f (x)の三次近似曲線. f (a)=i (a),f '(a)= i (a), f ''(a)= i ''(a),f '''(a)=i '''(a) よって,x=a において,yの値,1~3階微分が一致.
テイラー展開 Taylor expansion f (x) を以下の級数に展開する a=0の場合, マクローリン展開
テイラー展開 テイラー展開を有限個の級数で打ち切る Rnはラグランジュの剰余項 =0のとき, 換言すると =0のとき,展開の次数を上げていくと より正確な近似になっていく.
テイラー展開 近似線 1次 2次 0次 5次 6次 y=sin(x) 4次 3次
n次多項式による近似 基本的に近似点の近傍では次数を上げるほど,正確な近似になる
単語の説明 この区間を 補うことを 補外,外挿 という この区間を補うことを 補間,内挿という
(2) 関数の補間 関数の式が未知の場合も使える
補間 既知の f (xi)から,f (6)を補間する例を考える.
0次補間 x=6に一番近い,x=5を採用する. 既知の点 既知の点 f (6)を補間 f (6) = f (5)
1次補間 (5, f (5)), (10, f (10)) を通る1次関数(直線)で補間する. 近似直線を用いて f (6)を補間 既知の点
1次補間 2点(a , f (a))と(b , f (b))より,x=mにおける yの値 f (m)を予測する
2次補間 3点を通る2次関数を求め,その2次関数(放物線)で補間する. (5, f (5)), (10, f (10)), これを近似曲線とする 近似曲線を用いて f (6)を補間
2次補間 3点(x0, y0), (x1, y1), (x2, y2) を通る2次曲線の求め方(の例) 2次曲線は y=ax2+bx+c で表せる. (3個の未知数が決まれば,2次曲線が決まる) (x, y)=(x0, y0), (x, y)=(x1, y1), (x, y)=(x2, y2)を代入すれば,方程式が3本立つ. よって,3元1次連立方程式を解けば2次曲線は求まる. 後で,別の方法(ラグランジュの補間法)を紹介する
2次補間 求めた2次近似曲線 y=g (x) に, x=m を代入し,g(m)を補間値として用いる. 1次補間(直線による予測)より,正確であることが期待できる.
練習 0 y=f (x)は,2点 (1, 1), (2,4) を通る. f (1.5) と f (3) を,一次補間(補外) により予測せよ
解答 0 両点を通る直線 傾き (1, 1)を通り,傾き3の式は x = 1.5 のとき,y = 2.5 x = 3 のとき,y = 7
ラグランジュの補間法 既知の点n+1個を全て通る n次式を求める
ラグランジュの補間法 n+1個の点を通る,n次方程式P(x)で補間 通る点を(x0, f (x0)), (x1, f (x1)),…, (xn, f (xn)) として 以下の方法により,P(x)が求まる ただし
ラグランジュの補間法 (xーxk)以外 (xkーxk)以外 Lk(x)の分子は x の n次多項式.分母は定数. f (xk) は定数.よって, f (xk)Lk(x)は x の n次多項式. よって, は x の n次多項式.
ラグランジュの補間法の例 4点(x0, f (x0)), (x1, f (x1)), (x2, f (x2)), (x3, f (x3))を通る,3次曲線の方程式 y = P(x) は, (xーx2) 以外 (x2ーx2) 以外
ラグランジュの補間法の例 y = P(x) は,(x2, f (x2))を通るか確認 ゼロ ゼロ y=P(x)は (x2 , f (x2)) を通る 3次曲線 1 (x=x2なら 分子と分母 が一致) ゼロ = f (x0)×0 + f (x1)×0 + f (x2)×1 + f (x3)×0 = f (x2)
ラグランジュの補間法の例 4次曲線で 近似し,補間
ラグランジュ補間法の問題点 を11点を用いて ラグランジュ補間法で補間 端の方は 全く近く いない 補間曲線は, 確かに 全ての点を 通過している を11点を用いて ラグランジュ補間法で補間 端の方は 全く近く いない y=1/(x2+1) ラグランジュ補間法 による予想 正解
ラグランジュの補間法の問題点 補間の点数が増えると,激しく振動する 点数が増えると, (全ての補間点を通過しているのは事実だが) 補間のn多項式の次数が大きくなり振動する. 次数が高いほど好ましいのではない.
(3次)スプライン補間 区間ごとに,別々の 3次多項式を用意し 補間する この区間を 3次関数 で補間 この区間を 3次関数 で補間 y=1/(x2+1) この区間を 3次関数 で補間 補間点
練習 1 3点 (x0, y0), (x1, y1), (x2, y2) を通る,2次方程式を書け. ただし, 記号と, 記号は使用しないこと
解答 1