第5章 企業集団とはなにか 経営学 2004年6月7日.

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有形固定資産の取得原価 有形固定資産は、取得原価から原価売却累計額を 控除した金額で、バランスシートに計上。 取得原価は、取得の方法に応じて決定。 (購入 自家建設 現物出資 交換) 第8章 第2節第2節.
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第8章 貯蓄,投資と金融システ ム 1.アメリカ経済における金融機関と市場 ( ↑ 日本経済でもほぼ同じ) 金融システムは、ある人の貯蓄と別の人の投資 を結びつける。投資の例として、 起業のための設備投資 住宅を購入する 金融システムは、金融市場と金融仲介機関の2 つのカテゴリーに分けられる 1 8.
2004/11/18hiroyuki moriya1 早稲田大学教育学部社会科学専修 現代社会研究4 ( マネー) 伝統的資産運用とオルタナティブ投 資 森谷博之 住商キャピタルマネジメント チーフストラテジスト オックスフォードファイナンシャルエデュケーション.
経常収支とは?  一国の国際収支を評価する基準の一つ。  この 4 つのうち、 1 つが赤字であっても他で賄え ていれば経常収支は黒字となる。 貿易収支 モノの輸出入の 差 所得収支 海外投資の収益 サービス収支 サービス取引額 経常移転収支 対価を伴わない 他国への援助額 これらを合わせたものが経常収支.
1 (第 14 週) 第5章 間接金融の仕組 み § 1 銀行の金融仲介機能 ( p.91 ~ 98 ) ① 仲介機能 ② 情報生産機能 ③ 資産転換(変換)機能 ④ 銀行貸付けにおける担保の役割 § 2 貸付債権の証券化とサブプライム問題 ( p.99 ~ 104 ) § 3 銀行以外の金融仲介機関.
損益分岐点=固定費 ÷ 売上高 変動費 1-1- 固定比率= 株主資本 ( 自己資本 ) 固定資産 × 100 経常収支比率= 経常支出(営業支出+営業外支出) 経常収入(営業収入+営業外収入 ) × 100 売上債権回転率= 受取手形(割引手形含む)+売掛金 ( 期首と期末の平均) 売上高 売上債権回転月数(日数)=
1 ケース:キヤノン( P/L ) (億円) 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 2001 年 売上高 21,65625,58227,61028,26326,22327,81329,076 償却前営業利益 2,4613,4034,1384,2263,3423,9254,341.
08BC172K 村杉 なつみ. 銀行への公的資本注入額 預金保険機構が主たる担い手と なって公的資金が注入された。 公的資金の使用途 ①破綻した金融機関 18兆6162億円 ②金融機関からの資産の 買取 9兆6483億円 ③破綻前金融機関への 資本注入 12兆3869億円 ④その他 6兆1539億円.
株式投資とは 2013 年 6 月 27 日 そうへい. 目次  株式とは  投資方法  株式投資の良いところ  投資方法  注意点  考察  参考文献.
第 6 章 金融政策と金融規制・ 金融監視政策の関係 07 BA 035 W 板津昌宏. 多くの中央銀行の金融政策の目的は 中央銀行はどの様な金融政策を行うべきか? 物価の安定を通じた経済の安定物価と雇用の安定 資産価格の安定を目的に掲げる国はな い.
08ba036z 入江 洋志. (1) 銀行の収益性の国際比較 資産収益率( ROA )、資本収益率( ROE )の両面において、 主要国平均を大きく下回る。 基礎的な収益力の弱さ.
金融経済論(小川英治) 1 企業の金融活動. 金融経済論(小川英治) 2 企業の意思決定 企業は、第一段階で投資額を決定する。 第二段階で、企業は、どのように資金 を調達するか、資金調達を決定する。
第5章 活性化する国際分散投資 と 日本経済の影響. ネットとグロスの違い 資本移動の場合 日本 外国 100 億円 50 億円 ネットの資本移動 100-50=50億 円の黒字 グロスの資本移動 100+50= 150 億 円.
ミクロ経済学 (7) 企業と資金調達 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015 年 6 月 29 日.
◇業界研究レポート 金融業界 SIGNAL.
第1章 金融の基本的要素 Q.4~Q /5/6 棚倉 彩香.
世界ソブリンバブル衝撃のシナリオ 第8章国債バブル崩壊のシナリオ
21世紀のアメリカ経済 藤女子大学人間生活学部 内田 博
平成21年11月26日 於:福井商工会議所 松岡会計事務所 坪田幸裕
これだけでわかる日本の金融 第7章 金融市場でのプレイヤー
平成20年度決算から見る 今後のビジネスモデル メガバンク
市場経済 金融市場メリット 需要と供給 2つの金融 経済循環 証券取引所・証券会社 資本主義経済 銀行
(第7週)第2章(3) 前回のおさらいとキーワード: ■ システミック・リスク ■ セーフティー・ネット ・ 競争制限的規制
第1章 国民所得勘定.
平成20年4月 株式会社 都市経営戦略研究所 Urban Management Strategy Institute
摂南ゲストレクチャー 第4回 2010年5月6日 担当者:八木
金融法人分析 九州大学ビジネススクール 村藤 功 2014年10月22日.
藤女子大学人間生活学部 内田博 現代資本主義分析
第3章 実態経済に大きな影響を及ぼす金融面の動向
金融市場ミクロ班.
マネーサプライを増やせ! 岩田・伊藤・浜田・若田部・勝間
量的質的金融緩和は 日本にとってプラスか? 否定派.
第2章 バブル崩壊後における経済の長期停滞の原因をどうみるか
戦時中の高度成長期 高度成長期にはいくつかの制度がある。 一つ目は金融機関の専門化戦中に金融機 関が均質化したのとは著しくことなり、 高度成長期の金融制度は各金融機関ごと の分業主義に沿って組織化された。
「日本の証券・銀行における 金融リスクマネジメントの今後について」
現代の金融入門 第7章3節「金融危機後の規制監督」 (p.245-p.256)
『手に取るように金融がわかる本』 p.202~p.223 part1~5
第4回(10月30日) 豊澄智己 講義:エコビジネス論 第4回(10月30日) 豊澄智己
東北地方の 二重ローン問題         10bd020p 小瀬村 愛子.
消費者金融は日本で成立するか? ――肯定派――
08ba036z  入江 洋志 現代の金融入門 第五章 1~2節.
日本における ベイルイン導入の是非 〜否定派〜
1.平成22年度決算のポイント ①法人全体の当期総損失は、平成21年度に比べ1,102億円減少し366億円となりました。主な要因は次のとおりです。 (a) 平成23年3月11日に発生した東日本大震災の影響による今後の貸倒損失に備えるため、被害状況等の実態を 可能な限り自己査定に反映させ、合理的な見積額を貸倒引当金に積み増ししました。
企業再生支援機構 2010年6月18日 08BC101Z 高橋幸弓.
第14回 商事関係法 2005/11/21.
第7章 どのように為替レートを 安定化させるのか
金 融 統 計 金融市場の基本概念 金融統計の体系 マネーサプライ統計 金利統計 資金循環分析 証券投資分析.
金融コングロマリットの是非 ~否定派~ 古賀・鈴木・上原・高橋幸.
金融の基本Q&A50 Q41~Q43 11ba113x 藤山 遥香.
三、安定成長期(1973年~1986年) 1 高度成長の挫折 2 産業構造の変化 3 円高と貿易摩擦 4 逆輸入と内需拡大.
国際経済3 多国籍企業 6-1.直接投資と多国籍企業の現状 6-2. 多国籍企業と直接投資の理論 6-3. 多国籍企業とM&A・国際提携
開発金融論 第3章 銀行型システムか市場型システムか
金融の基本Q&A -Q21~Q24-  小瀬村愛子.
VARモデルによる分析 高橋青天ゼミ 製作者 福原 充 増田 佑太郎 鈴木 茜
最近の中国と通貨に関する動向 08ba231c 松江沙織.
財務諸表とは テキスト第3章 田宮治雄.
世界金融危機とアジアの通貨・金融協力 日本国際経済学会関東支部研究会2010年1月9日.
バブルの発生と崩壊 2年9組495番 2309495       矢吹太一郎.
バブルの発生と崩壊 4年9組495番 2309495       矢吹太一郎.
第3章 株価はどう動くか 山澤成康.
中野報告 「事業再生と中小企業金融の課題」 へのコメント
サブプライム問題と 世界の金融危機 演習1 水津 安井 小川.
「経理・財務サービス スキルスタンダード研究開発事業」
日本の経常収支黒字  → 外国に失業輸出? 高齢化の進展 → 日本の国内貯蓄超過の減少         → 日本の経常収支黒字は減少へ.
元高の原因を追求    九州産業大学 金崎ゼミ 張 雷 徐 雲飛 .
財務サイクルと情報フロー                田宮治雄.
船舶ファイナンス  藤田浩輝.
岩本 康志 2013年5月25日 日本金融学会 中央銀行パネル
財務管理 2010年1月13日 業績評価と経営者報酬 名古屋市立大学 佐々木 隆文.
企業ファイナンス 2009年10月28日 資本コスト 名古屋市立大学 佐々木 隆文.
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第5章 企業集団とはなにか 経営学 2004年6月7日

巨大企業グループが集まってお互いの利益を追求している結集体 1 企業集団とはなにか     巨大企業グループが集まってお互いの利益を追求している結集体   ・広義の企業集団   ・狭義の企業集団

2 企業集団の特質はなにか 都市銀行が中心になっていること 相互牽制・相互依存体制になって、企業・経営者の自立性・自主性が希薄なこと 2 企業集団の特質はなにか 都市銀行が中心になっていること 相互牽制・相互依存体制になって、企業・経営者の自立性・自主性が希薄なこと 事業があらゆる産業に配置していて波及効果が機能する仕組みになっていること

3 日本企業の海外進出の   一般パターン 商社先行 大規模な進出 傘下の中小企業の進出 銀行が支店を設置、資金を供給

4 なぜ、現地から「日本企業の進出は現地にメリットをもたらさない」と批判されるか 4 なぜ、現地から「日本企業の進出は現地にメリットをもたらさない」と批判されるか 原因 企業集団や企業系列という日本の独特の企業構造、企業関係にある 系列取引やワンセット投資で、何でも企業集団単位でやってしまう

5 日本企業集団の結束力の強さは どこからきているのか 5 日本企業集団の結束力の強さは   どこからきているのか 株式持合い 社長会

6 メインバンク・システム メインバンクシステムの形成 ・都市銀行から企業集団メンバーの主要メーカーへ融資 6 メインバンク・システム メインバンクシステムの形成 ・都市銀行から企業集団メンバーの主要メーカーへ融資 ・主要メーカーは多額の設備投資を展開 ・主要会社の売上代金は都市銀行に預金             ↓      都市銀行の成長を一層促す

都市銀行経営の変遷 高度成長経済・拡大経営期 (1950後半~1975年) 低成長経済・減量経営期 (1975~ 現在) 高度成長経済・拡大経営期 (1950後半~1975年)    「系列大企業融資」 低成長経済・減量経営期 (1975~ 現在)   「系列大企業生産物需要保管融資」    「財テク・土地テク融資」    「ROA経営」

都市預金・貸出の量的拡大 高度成長経済・拡大経営期 経営行動の中核[系列大企業融資] ( ~1975年頃) 貸出(貸出利子)  経営行動の中核[系列大企業融資]  (  ~1975年頃)          貸出(貸出利子)  都市銀行          系列大企業   (同系列金融機関) (予定金利→)預金

利益の絶対額の拡大 低成長経済・減量経営期 経営行動の中核は「系列大企業生産物需要補完融資」(1975~85年頃) 政府⇒有効需要政策  経営行動の中核は「系列大企業生産物需要補完融資」(1975~85年頃)         政府⇒有効需要政策   国債保有                収益実現           貸出(←貸出利子)   都市銀行               系列大企業   (同系列金融機関) (預金利子→)預金 自己金融           中小企業⇒設備・機械購入     貸出                       収益実現           消費者⇒住宅・耐久消費財購入

7 企業の二重構造問題

8 BIS規制とはなにか。都市銀行の経営にどのように作用したのか。日本の景気にどのような影響を与えたのか 国際決済銀行において決められた銀行に対する自己資本比率の規制 銀行経営に大きな足枷として作用 自己資本増大のため、大量の株式関連社債の発行→破綻→株価の暴落→自己資本比率8%維持不能 銀行から貸出残高を削減・縮小(自己資本比率算定の分母の縮小)→貸渋り→企業の株価・地価の買支え資金を縮小→証券・地下の暴落→不良債権問題の発生

9 企業集団が21世紀初頭の変化の大切なポイントはなにか 9 企業集団が21世紀初頭の変化の大切なポイントはなにか 産業構造の変化   産業の国際化・アジア化とIT化は企業集団存在 の意義が相対的に希薄化 株主所有構造の変化   外国人持ち株比率の上昇、投資リターンを強く要求→企業は投下資本の縮減、コストを削減する投資効率の向上←→企業集団の行動原理である取引拡大・成長指向と相反

10 企業集団研究の3段階 ① ~60年代まで 企業集団支配の確認作業が中心 企業集団の構造や機能の研究 ② 70 ~ 最近まで 10 企業集団研究の3段階 ①  ~60年代まで     企業集団支配の確認作業が中心    企業集団の構造や機能の研究 ② 70 ~ 最近まで    各個別企業の経営諸政策の特質の分析    労務管理論・マーケティング論・財務管理論の各分野 ③ 現在         経営環境の変化にどのように対応    批判的・建設的な研究が求められる

ノンバンク ノンバンクは、「預金等を受け入れないで与信業務を営む企業」を指す総称と して使われている。 ノンバンクは、法令等により専業義務が課せられていない等、業務運営面での 自由度が極めて高い。その形態は、消費者金融会社、クレジット・カード会社、 信販会社、事業金融会社、抵当証券会社、リース会社等、様々である。

ROA(総資産利益率) ROAは当期純利益を総資産で割った比率です。投資家から調達した資金を投下した投資額に対して、どれだけのリターンがあったのかを示した値です。

コマーシャル・ペーパー 企業が短期の資金を調達するために発行する、有価証券の一種です。  期間は1年未満で、発行額は1億円以上。総合商社など大企業を中心に、短期資金の調達方法として定着しました。企業にとっては、自分の会社の信用力を反映した金利で直接、市場から資金を集めることができます。銀行などの金融機関から借り入れるよりも機動的な資金調達ができます。

劣後債とは何ですか? 劣後債とは、一般の債権者よりも債務弁済の順位が劣る社債のことをいいます。つまり会社が解散した場合、他の債権者への支払いを全て終えたあと、一番最後に債務を返済される立場になるわけです。このため、社債の一種ではありますが、限りなく株式に近い性格を持っているといえます。 劣後債も優先株と同様、銀行の自己資本比率を高めるのに発行されることがあります。

【貸倒引当金】 法人の有する金銭債権については、将来の貸し倒れの損失に備えるため、一定の金額を貸倒引当金として一定の限度額まで損金の額に算入することができます。  貸倒引当金の計算には次のものがあります。 【一括評価】  金銭債権につき、過去の貸倒れの実績(実績繰入率)を乗じた金額がその繰り入れ限度額となります。 【個別評価】  債権のうち一定の事実が生じたこと等により、特に貸倒れる危険性のある債権については、特に厳密に貸倒れるであろう金額を計算します。  実質的には貸倒損失とその性質は同様ですが、将来の貸倒損失額を見積もるという点では引当金としての性質を有するものとなります。