休眠(diapause) 内分泌機構による自律的な発育休止状態。 有効積算温度法則は当てはまらない。 正木 進三 化性(voltinism):1年間に生じる世代数 1世代のものを1化性 ,2世代以上のものを多化性と呼ぶ. 化性は,休眠と有効積算温度法則によって決まる。
トウゴウヤブカは卵または幼虫末期で越冬休眠する。
カイコ 卵期に長日→次世代の卵(黒色)は休眠する 卵期に短日→次世代の卵(白色)は休眠しない (発生途中の脳が、胚子発生のある時期に受けた日長を記憶、この記憶にしたがって、食道下神経球にある神経分泌細胞から休眠ホルモン(休眠を引き起こす)を体液中に分泌するどうかを決定する。 カイコ休眠卵の覚醒: (1)5℃で60ー100日、その後25℃におくと約2週間で孵化 (2)5℃で30日、その後15%塩酸47℃で5分間浸す(冷蔵浸酸法)
2.休眠を誘発する要因 日長が休眠を誘起していることを暗示
休眠の誘起: 日長と温度によって起こる。
短日が休眠を誘起 長日が休眠を誘起
休眠覚醒 低温が引き起こすことは明らかであるが、その作用機構は複雑である。種によって異なるかもしれない。 長日が覚醒する場合もある。
あまり低い温度は効果が少ない 産卵後25℃で約1か月経過した後,様々な低温に置く -10℃,0℃では休眠はほとんど消去しなかった
1.7.5℃所定日数 2.0℃所定日数 3.25℃におく
低温に一定期間置いた後の 高温の効果 まず,7.5℃に所定の日数おく
低温に一定期間置いた後の 高温の効果 16℃に400日おき25℃に所定の時間おく その後,16℃に30日おく
休眠覚醒後の孵化までの所要日数
休眠覚醒を起こす日長 休眠蛹(低温処理していない)を16時間明(25℃)におく →1ー2カ月すると羽化 サクサン、オオミズアオの例: 休眠蛹(低温処理していない)を16時間明(25℃)におく →1ー2カ月すると羽化 12時間明(25℃)におく→6カ月経っても大半は羽化しな い(最終的には死亡)。
科学
SOS物質(シノモン) 草食昆虫に食べられたとき植物が出す. 単に物理的に傷つけたときときでる物質 とは異なる,あるいは量が多くなる カイロモン
解発フェロモンreleaser pheromone 他個体に特定の行動を引き起こす 誘導フェロモンprimer pheromone 他個体に特定の生理的変化を引き起こす 階級分化フェロモン(女王物質) 相変異に関与するフェロモン(ロカストール )
性フェロモン(sex pheromone) 分泌器官 毛筆器官 (hair pencil) マダラチョウのオス
分泌器官 カイコの性フェロモン カイコの側胞
受容器官 ボンビコ―ル,ボンビカルは別々の感覚ニューロンで感受される。この感覚ニューロンはフェロモン1分子に反応する能力を持つ。
フェロモンは複数成分から構成されている
気流走性(走風性;anemotaxis) 作用機構 気流走性(走風性;anemotaxis) 遠距離での反応?
近距離 ・走化性 ・視覚 ・フェロモンの断続性の認識
種特異性
反応を引き起こしだす匂源からの距離 ナシヒメシンクイ 複数成分の主要1成分だけでは,オスにあまり反応を引き起こさない