SSCG2012
A 初期蘇生 (Initial resuscitation) B 敗血症スクリーニングとパフォーマンスの改善 (Screening for sepsis and performance improvement) C 診断 (Diagnosis)
A 初期蘇生 (Initial resuscitation) B 敗血症スクリーニングとパフォーマンスの改善 (Screening for sepsis and performance improvement) C 診断 (Diagnosis)
SSCG2012でもEGDTを踏襲し,6時間以内 に・・・
EGDT(Early Goal-Directed Therapy)とは? EGDT(Early Goal-directed therapy)はSSCGで提唱されてい る治療概念であり,抗菌薬治療とは独立した,敗血症性ショック 治療の中心となる治療法である. これまで急性期循環管理にEGDTを導入したのは,1988年の Shoemaker WCらの報告にさかのぼり,酸素消費量を改善する には至適な循環血流量の維持が必要であることが示されていた. これより,ドブタミンによるアドレナリンβ受容体刺激を介した心 陽性変力作用を重視する前に,必要な輸液により救命率が高ま る可能性が示されていた. ■EGDT(Early Goal-directed therapy)はSSCGで提唱されている治療概念であり,抗菌薬治療とは独立した,敗血症性ショック治療の中心となる治療法である.これまで急性期循環管理にEGDTを導入したのは,1988年のShoemaker WCらの報告[1]にさかのぼり,その後の報告[2-5]によっても酸素消費量を改善するには至適な循環血流量の維持が必要であることが示されていた.すなわち,ドブタミンによるアドレナリンβ受容体刺激を介した心陽性変力作用を重視する前に,必要な輸液により救命率が高まる可能性が示されていた. ■2001年にRiversらが報告したEGDT protocol[6]は,救急初療の段階で敗血症性ショックと評価された対照群133症例,EGDT群130症例を前向き検討したものであり,カテコラミン投与に優先して十分な輸液を行い,中心静脈酸素飽和度を改善させることで,末梢の虚血に伴う代謝性アシドーシスと乳酸産生を救急初療の段階で有意に軽減し,院内死亡率を46.5%から30.5%に減じている.この輸液を中心としてプログラムされたRivers EらのEGDTでは,ショック初期6時間におけるScvO2≧70%が患者の94.9%で達成されており,EGDTを施行しない対照群では60.2%の達成率に過ぎない.また,7-72時間後の人工呼吸器装着率を16.8%から2.6%に減じている. ■この報告は,3つの重要な提案として,①ショックが進行性病態であり時間経過に伴い不可逆的循環不全へ移行する可能性があること,②輸液の治療目標を具体的に定めるべきであること,③初期の必要な輸液により院内死亡率を低下させる可能性を示したと考えられる.また,NNT 6.25と,他の敗血症治療よりもはるかに優れていることが示されている.それまで敗血症性ショックで有意な死亡率改善を示した大規模studyはほとんど存在しなかったが,本報告が与えた影響は絶大であり,その後,EGDTを導入したプロトコルで死亡率が改善したという報告が相次いでおり,SSCGにおいても初期蘇生の中心的治療と位置づけられている. ■EGDTに沿った治療法をICUに入室してから行なっても有意な効果は得られなかったというstudyがあることから,EGDTはERから直ちに治療を開始してICUに引継ぎ,来院から6時間継続して全身管理を完了させることが絶対目標となる.EGDTは3段階のGoal方式であり,各段階のGoalを達成すれば次の段階の治療に移るというものである. 陽性の変力作用⇒心収縮力を高める
EGDT(Early Goal-Directed Therapy)とは? 2001年にRiversらが報告したEGDT protocolは,救急初療の段階で敗 血症性ショックと評価された患者に対してカテコラミン投与に優先して十分 な輸液を行い,中心静脈酸素飽和度を改善させることで,末梢の虚血に 伴う代謝性アシドーシスと乳酸産生を救急初療の段階で有意に軽減し, 院内死亡率を46.5%から30.5%に減じている. この報告は,3つの重要な提案として,①ショックが進行性病態であり時 間経過に伴い不可逆的循環不全へ移行する可能性があること,②輸液の 治療目標を具体的に定めるべきであること,③初期の必要な輸液により 院内死亡率を低下させる可能性を示したと考えられる.また,他の敗血症 治療よりもはるかに優れていることが示されている. それまで敗血症性ショックで有意な死亡率改善を示した大規模studyは ほとんど存在しなかったが,本報告が与えた影響は絶大であり,その後, EGDTを導入したプロトコルで死亡率が改善したという報告が相次いでお り,SSCGにおいても初期蘇生の中心的治療と位置づけられている. ■EGDT(Early Goal-directed therapy)はSSCGで提唱されている治療概念であり,抗菌薬治療とは独立した,敗血症性ショック治療の中心となる治療法である.これまで急性期循環管理にEGDTを導入したのは,1988年のShoemaker WCらの報告[1]にさかのぼり,その後の報告[2-5]によっても酸素消費量を改善するには至適な循環血流量の維持が必要であることが示されていた.すなわち,ドブタミンによるアドレナリンβ受容体刺激を介した心陽性変力作用を重視する前に,必要な輸液により救命率が高まる可能性が示されていた. ■2001年にRiversらが報告したEGDT protocol[6]は,救急初療の段階で敗血症性ショックと評価された対照群133症例,EGDT群130症例を前向き検討したものであり,カテコラミン投与に優先して十分な輸液を行い,中心静脈酸素飽和度を改善させることで,末梢の虚血に伴う代謝性アシドーシスと乳酸産生を救急初療の段階で有意に軽減し,院内死亡率を46.5%から30.5%に減じている.この輸液を中心としてプログラムされたRivers EらのEGDTでは,ショック初期6時間におけるScvO2≧70%が患者の94.9%で達成されており,EGDTを施行しない対照群では60.2%の達成率に過ぎない.また,7-72時間後の人工呼吸器装着率を16.8%から2.6%に減じている. ■この報告は,3つの重要な提案として,①ショックが進行性病態であり時間経過に伴い不可逆的循環不全へ移行する可能性があること,②輸液の治療目標を具体的に定めるべきであること,③初期の必要な輸液により院内死亡率を低下させる可能性を示したと考えられる.また,NNT 6.25と,他の敗血症治療よりもはるかに優れていることが示されている.それまで敗血症性ショックで有意な死亡率改善を示した大規模studyはほとんど存在しなかったが,本報告が与えた影響は絶大であり,その後,EGDTを導入したプロトコルで死亡率が改善したという報告が相次いでおり,SSCGにおいても初期蘇生の中心的治療と位置づけられている. ■EGDTに沿った治療法をICUに入室してから行なっても有意な効果は得られなかったというstudyがあることから,EGDTはERから直ちに治療を開始してICUに引継ぎ,来院から6時間継続して全身管理を完了させることが絶対目標となる.EGDTは3段階のGoal方式であり,各段階のGoalを達成すれば次の段階の治療に移るというものである.
EGDT protocol
EGDT protocol
EGDT protocol ICUにも貼ってます
A.初期蘇生 1.低血圧や乳酸値>4mmol/L(36mg/dl)の患者ではすみやかに蘇 生を開始する.6時間以内に以下の達成を目指す(grade 1C). ・中心静脈圧(CVP)8~12mmHg ・平均動脈圧(MAP)≧65mmHg ・尿量≧0.5ml/kg/hr ・中心静脈(上大静脈)酸素飽和度≧70%あるいは混合静脈血酸素 飽和度≧65% 2.乳酸値が上昇している患者では正常乳酸値へ戻すよう蘇生をはか る(grade 2C). 初期治療において、乳酸値の上昇している患者における乳酸値の正常化が明記された。
SSCG2008との相違点 ScvO2が低値であった場合の輸血,ドブタミン使用に関して推奨項目 から削除. SSCG2008では初期蘇生のバンドルの中で,人工呼吸器管理中また は心筋コンプライアンスが低下している場合,CVPの目標値を12~ 15mmHgに変更するように注釈が加えられていたが,SSCG2012で は削除され,患者の状態に応じて目標を調整する必要があるとされて いる. 初期蘇生において乳酸値設定が以前より強調されている.
バンドルとは SSC(Surviving Sepsis Campaign)では敗血症診療における重要 ツールとして,重症敗血症バンドルを制定している. その意義について,SSCは「重症敗血症の死亡率を25%減らすことを 目標に,敗血症診療におけるさまざまな治療内容それぞれについて, 介入時期や順序,治療ゴールなどについて,治療メンバーが周知する ことを目標に企図されたもの」としている.さらに「バンドルを用いること によって,複雑な敗血症の治療過程を分かり易いものにする」とし, 「敗血症診療の中核Core」と位置づけている. 名前の由来は「重要な推奨項目を個別にそれぞれ実践するのではな く,それらを一纏めにして包括的にした方がさらに高い治療効果が得 られる」という目的から「1つに束ねたもの:bandle」と称する.
バンドルとは SSC(Surviving Sepsis Campaign)では敗血症診療における重要 ツールとして,重症敗血症バンドルを制定している. その意義について,SSCは「重症敗血症の死亡率を25%減らすことを 目標に,敗血症診療におけるさまざまな治療内容それぞれについて, 介入時期や順序,治療ゴールなどについて,治療メンバーが周知する ことを目標に企図されたもの」としている.さらに「バンドルを用いること によって,複雑な敗血症の治療過程を分かり易いものにする」とし, 「敗血症診療の中核Core」と位置づけている. 名前の由来は「重要な推奨項目を個別にそれぞれ実践するのではな く,それらを一纏めにして包括的にした方がさらに高い治療効果が得 られる」という目的から「1つに束ねたもの:bandle」と称する.
SSCG2012のバンドル 3時間以内に達成すべき事項 6時間以内に達成すべき事項 1)乳酸値を測定する 2)抗菌薬投与前に血液培養を採取する 3)広域抗菌薬の投与を開始する 4)低血圧や乳酸値4mmol/L以上を認めた場合は晶質液30ml/kgを投与する 6時間以内に達成すべき事項 5)(初期の輸液蘇生に反応しない低血圧の場合)平均動脈圧(MAP)≧65mmHgを維持するよう昇圧薬を投与する 6)輸液蘇生に反応しない低血圧(敗血症性ショック)あるいは初期乳酸値4mmol/L(36mg/dL)以上を認めていた場合: ―中心静脈圧(CVP)を測定する ―中心静脈酸素飽和度(ScvO2)を測定する 7)初期乳酸値が上昇していた場合には再度測定する 2008年版から管理バンドルは削除され、蘇生バンドルが2パートに分けられ修正が加えられた。 晶質液=細胞外補充液
日本版敗血症ガイドライン 初期蘇生は early goal-directed therapy (EGDT)に準じて施行し(1A),初期輸液 には,晶質液だけではなく,アルブミン液と赤血球輸血を考慮する(2B)。 解説: 本 ガ イ ド ラ イ ン と し て の 敗 血 症 の 初 期 蘇 生 例 を , 図 に 示 し た 。 Early 43 goal-directed therapy (EGDT) [1]に準じて初期蘇生を行うことを推奨する。輸液に関 しては,SAFE study[2,3]の結果より,晶質液のみではなく,アルブミン液の併用を考 慮しても良いが,これに関しては今後の大規模臨床研究の推移にあわせて再評価さ れるべきである。さらに,敗血症性ショックの初期蘇生には,循環作動薬(ノルアドレ ナリン,バソプレシン)の使用が推奨される(次項参照)。さらに,貧血に対しては,少 なくとも血中ヘモグロビン値>7 g/dL を維持するように輸血を行うことを推奨する [4,5]。 目標 平均血圧>65mmHg,尿量>0.5mL/kg/時,中心静脈血酸素飽和度(ScvO2 )> 70%,血中乳酸値低下,代謝性アシドーシスの少なくとも 6 時間以内の改善を目標と する(1A)。 解説:敗血症蘇生の最終目標は,ショックの指標となる血中乳酸値および代謝性アシ ドーシスの改善にある。この初期蘇生の目標は,early goal-directed therapy (EGDT)[1]に準じている。一方,乳酸クリアランス[(初回乳酸値—次回測定乳酸値)/ 初回乳酸値×100 (%)]は,2 時間後であれば 10%以上,6 時間後であれば 30%以上を 目標とする[2-7]。6 時間後の乳酸クリアランスが 10%未満である場合,肝内臓系など の低灌流が示唆される[8]。また,腎機能低下例や,急性腎傷害として 6 時間以上に わたり尿量>0.5mL/kg/時が得られない場合には,利尿が期待できない可能性があ る。平均血圧 80mmHg を目指した昇圧や,腎代替療法として血液浄化法の併用を検 討するとよい。
日本版敗血症ガイドライン 初期蘇生は early goal-directed therapy (EGDT)に準じて施行し(1A),初期輸液 には,晶質液だけではなく,アルブミン液と赤血球輸血を考慮する(2B)。 解説: 本 ガ イ ド ラ イ ン と し て の 敗 血 症 の 初 期 蘇 生 例 を , 図 に 示 し た 。 Early 43 goal-directed therapy (EGDT) [1]に準じて初期蘇生を行うことを推奨する。輸液に関 しては,SAFE study[2,3]の結果より,晶質液のみではなく,アルブミン液の併用を考 慮しても良いが,これに関しては今後の大規模臨床研究の推移にあわせて再評価さ れるべきである。さらに,敗血症性ショックの初期蘇生には,循環作動薬(ノルアドレ ナリン,バソプレシン)の使用が推奨される(次項参照)。さらに,貧血に対しては,少 なくとも血中ヘモグロビン値>7 g/dL を維持するように輸血を行うことを推奨する [4,5]。 目標 平均血圧>65mmHg,尿量>0.5mL/kg/時,中心静脈血酸素飽和度(ScvO2 )> 70%,血中乳酸値低下,代謝性アシドーシスの少なくとも 6 時間以内の改善を目標と する(1A)。 解説:敗血症蘇生の最終目標は,ショックの指標となる血中乳酸値および代謝性アシ ドーシスの改善にある。この初期蘇生の目標は,early goal-directed therapy (EGDT)[1]に準じている。一方,乳酸クリアランス[(初回乳酸値—次回測定乳酸値)/ 初回乳酸値×100 (%)]は,2 時間後であれば 10%以上,6 時間後であれば 30%以上を 目標とする[2-7]。6 時間後の乳酸クリアランスが 10%未満である場合,肝内臓系など の低灌流が示唆される[8]。また,腎機能低下例や,急性腎傷害として 6 時間以上に わたり尿量>0.5mL/kg/時が得られない場合には,利尿が期待できない可能性があ る。平均血圧 80mmHg を目指した昇圧や,腎代替療法として血液浄化法の併用を検 討するとよい。
各種項目の意義 酸素運搬能と組織還流 酸素運搬量(DO2)とは単位時間当たりに心臓から供給される酸素の 絶対量であり,簡易的には DO2=13.4×Hb×SaO2×CO と表せる.心臓に戻ってくる静脈血の酸素飽和度SvO2の値を評価す ることで,DO2が組織での酸素必要量に対して十分か否かを判断す ることができる. つまり,SvO2が低い場合は酸素消費量に対してDO2を構成する Hb,SaO2,COのいずれかが足りないことを意味し,これに対して輸血, 強心薬投与などの処置を行うといった治療戦略が立てられる. この生理学的戦略がSSCGに用いられている.
各種項目の意義 酸素運搬能と組織還流 また組織還流(Perfusion)は基本的にMAPによってなされるもので あり,SvO2が直接指標となるものではない. 組織還流が破綻した状態がショックであり,乳酸が産生される.
初期蘇生のモニタリングはどのように行うか? (日本版敗血症ガイドラインより) 観血的動脈圧測定で血圧を連続的に監視し,動脈血ガス分析を時系列で 行う(1D). 輸液を中心とした初期蘇生により,中心静脈圧 8-12 mmHg,平均血圧> 65 mmHgを目標とし,尿量>0.5 mL/kg/時,中心静脈血酸素飽和度 (ScvO2)>70%が達成されるかどうかを評価する(1A). 動脈血ガス分析及び血中乳酸値測定を行い,代謝性アシドーシスの改善と 乳酸クリアランスを少なくとも 6 時間毎に評価する(1A). エコーなどにより心機能と心前負荷を評価することで,輸液管理を適正化す る(2D). 解説:初期蘇生では,観血的動脈圧測定を施行することで血圧を連続的に評価でき るばかりか,動脈血ガス分析に必要な血液サンプリングが時系列で可能となる。初期 蘇生では,early goal-directed therapy (EGDT)[1]として,中心静脈圧 8-12 mmHg,平 均血圧>65 mmHg を目標とし,尿量>0.5 mL/kg/時,中心静脈酸素飽和度(ScvO2 )> 70%が達成されるかどうかを評価する。この EGDT[1]は,日本集中治療医学会第 1 回 sepsis registry 調査[2]を含め,追試[3-5]により敗血症性ショックの生存率を改善 することが確認されている。また,血液ガス分析で,代謝性アシドーシスの改善と乳 酸クリアランスを初期蘇生の評価に加えるとよい [6-11]。循環作動薬を併用している 場合を含めて,心エコーなどで心機能評価を行うことにより,輸液反応性と輸液適正 量を評価する[12-15]。
B.敗血症スクリーニングとパフォーマンスの改善 1.早期治療の実現のために,潜在的に重症敗血症の可 能性がある患者に対してはルーチンでスクリーニング検査 を行う (grade 1C). 2.重症敗血症では施設ごとのパフォーマンス改善努力が 必要である(UG).
B.敗血症スクリーニングとパフォーマンスの改善 1.早期治療の実現のために,潜在的に重症敗血症の可 能性がある患者に対してはルーチンでスクリーニング検査 を行う (grade 1C). 2.重症敗血症では施設ごとのパフォーマンス改善努力が 必要である(UG). スタッフの教育 プロトコルの見直し データの蓄積 他職種とのチーム医療 診療の質の評価
C.診断 1.抗菌薬の開始が45分を超えるといった有意な遅れがなければ,抗 菌薬投与前の培養検体採取は臨床的に適切である(grade 1C).少 なくとも血液培養を2セット以上(好気ボトルと嫌気ボトルの両方)採取 する.少なくとも1セットは経皮的に、もう1セットは挿入後48時間未満 であれば血管内カテーテルから採取してもよい(grade 1C). 2.感染症の原因として侵襲性カンジダ症を考慮する場合は,1,3 β-D グルカン (grade 2B),マンナン抗原および抗マンナン抗体(grade 2C)を測定してもよい. 3.潜在的な感染源の検索のため画像検査を迅速に行うべきである (UG). ウイルス・真菌感染症の検索・治療に関する記述が追加された。
侵襲性カンジダ感染症による敗血症性ショックは予後が悪く,早期の治療介入を要するため,血清学的検査に関する記述が追加された. C.診断 1.抗菌薬の開始が45分を超えるといった有意な遅れがなければ,抗 菌薬投与前の培養検体採取は臨床的に適切である(grade 1C).少 なくとも血液培養を2セット以上(好気ボトルと嫌気ボトルの両方)採取 する.少なくとも1セットは経皮的に、もう1セットは挿入後48時間未満 であれば血管内カテーテルから採取してもよい(grade 1C). 2.感染症の原因として侵襲性カンジダ症を考慮する場合は,1,3 β-D グルカン (grade 2B),マンナン抗原および抗マンナン抗体(grade 2C)を測定してもよい. 3.潜在的な感染源の検索のため画像検査を迅速に行うべきである (UG). ウイルス・真菌感染症の検索・治療に関する記述が追加された。 侵襲性カンジダ感染症による敗血症性ショックは予後が悪く,早期の治療介入を要するため,血清学的検査に関する記述が追加された.
血液培養の正しい取り方 (日本版敗血症ガイドラインより)
血液培養の正しい取り方 (日本版敗血症ガイドラインより) ・ 穿刺部の皮膚を,アルコール含有クロルヘキシジン,アルコール含有10%ポビド ンヨードあるいはアルコール前清拭後水溶性10%ポビドンヨードで消毒する(1B). ・ 血管経皮穿刺により,1セットあたり20mlを2セット以上(感染性心内膜炎を疑う 場合には3セット)採取する(1C). 血液培養採取時は,手洗いと滅菌手袋を着用した上で,皮膚を十分に消毒し, 穿刺する。10%ポビドンヨードは,1)アルコール含有製剤を用いる,2)アルコール で前清拭する,3)塗布後十分な効果発現(乾燥するまで)を待って穿刺する,等の 前提で使用しても良い. カテーテル関連血流感染症を疑う場合,1セットはカテーテル採血とする.心内膜 炎を疑う場合,3セット以上採取する[5,6].採血量は1セットあたり20mlとし[7],好 気・嫌気ボトルに分注する.培養ボトルのゴム栓は,血液注入前に皮膚同様の消 毒剤で消毒する。発熱以外に,低血圧や悪寒戦慄がある場合には,菌血症が生じ ている可能性があり,採取の目安とする. 注入済ボトルは,室温管理下とし,可及的速やかに培養器に入れる.
血液培養の正しい取り方 (日本版敗血症ガイドラインより) ・ 穿刺部の皮膚を,アルコール含有クロルヘキシジン,アルコール含有10%ポビド ンヨードあるいはアルコール前清拭後水溶性10%ポビドンヨードで消毒する(1B). ・ 血管経皮穿刺により,1セットあたり20mlを2セット以上(感染性心内膜炎を疑う 場合には3セット)採取する(1C). 血液培養採取時は,手洗いと滅菌手袋を着用した上で,皮膚を十分に消毒し, 穿刺する。10%ポビドンヨードは,1)アルコール含有製剤を用いる,2)アルコール で前清拭する,3)塗布後十分な効果発現(乾燥するまで)を待って穿刺する,等の 前提で使用しても良い. カテーテル関連血流感染症を疑う場合,1セットはカテーテル採血とする.心内膜 炎を疑う場合,3セット以上採取する[5,6].採血量は1セットあたり20mlとし[7],好 気・嫌気ボトルに分注する.培養ボトルのゴム栓は,血液注入前に皮膚同様の消 毒剤で消毒する。発熱以外に,低血圧や悪寒戦慄がある場合には,菌血症が生じ ている可能性があり,採取の目安とする. 注入済ボトルは,室温管理下とし,可及的速やかに培養器に入れる.
血液培養の正しい取り方 (日本版敗血症ガイドラインより) ・ 穿刺部の皮膚を,アルコール含有クロルヘキシジン,アルコール含有10%ポビド ンヨードあるいはアルコール前清拭後水溶性10%ポビドンヨードで消毒する(1B). ・ 血管経皮穿刺により,1セットあたり20mlを2セット以上(感染性心内膜炎を疑う 場合には3セット)採取する(1C). 血液培養採取時は,手洗いと滅菌手袋を着用した上で,皮膚を十分に消毒し, 穿刺する。10%ポビドンヨードは,1)アルコール含有製剤を用いる,2)アルコール で前清拭する,3)塗布後十分な効果発現(乾燥するまで)を待って穿刺する,等の 前提で使用しても良い. カテーテル関連血流感染症を疑う場合,1セットはカテーテル採血とする.心内膜 炎を疑う場合,3セット以上採取する[5,6].採血量は1セットあたり20mlとし[7],好 気・嫌気ボトルに分注する.培養ボトルのゴム栓は,血液注入前に皮膚同様の消 毒剤で消毒する。発熱以外に,低血圧や悪寒戦慄がある場合には,菌血症が生じ ている可能性があり,採取の目安とする. 注入済ボトルは,室温管理下とし,可及的速やかに培養器に入れる.
血液培養の正しい取り方 (日本版敗血症ガイドラインより) ・ 穿刺部の皮膚を,アルコール含有クロルヘキシジン,アルコール含有10%ポビド ンヨードあるいはアルコール前清拭後水溶性10%ポビドンヨードで消毒する(1B). ・ 血管経皮穿刺により,1セットあたり20mlを2セット以上(感染性心内膜炎を疑う 場合には3セット)採取する(1C). 血液培養採取時は,手洗いと滅菌手袋を着用した上で,皮膚を十分に消毒し, 穿刺する。10%ポビドンヨードは,1)アルコール含有製剤を用いる,2)アルコール で前清拭する,3)塗布後十分な効果発現(乾燥するまで)を待って穿刺する,等の 前提で使用しても良い. カテーテル関連血流感染症を疑う場合,1セットはカテーテル採血とする.心内膜 炎を疑う場合,3セット以上採取する[5,6].採血量は1セットあたり20mlとし[7],好 気・嫌気ボトルに分注する.培養ボトルのゴム栓は,血液注入前に皮膚同様の消 毒剤で消毒する。発熱以外に,低血圧や悪寒戦慄がある場合には,菌血症が生じ ている可能性があり,採取の目安とする. 注入済ボトルは,室温管理下とし,可及的速やかに培養器に入れる.
御清聴ありがとうございました.