社会保障論講義 2章「本当に重要なことだけを必要最小限にまとめた社会保障入門」 1~3節

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社会保障論講義 2章「本当に重要なことだけを必要最小限にまとめた社会保障入門」 1~3節 学習院大学経済学部教授 鈴木 亘

1.社会保障制度の存在理由 「社会保障制度とは( )である」 「社会保障制度とは(  )である」 本講義では、社会保障制度という言葉を、年金、医療保険、介護保険という「(    )」に限定して使用。 社会保障制度といえば「(      )」が合言葉。 現代社会で起きる様々なリスクから国民を守って、最悪の事態に国民が陥ることを防ぐ役割を果たす。

医療保険は、国民が病気になった場合に、(    )の出費がかさんで生活水準が極度に下がることを防ぐために存在 介護保険は家族の中に(    )が発生し、家族および要介護者が悲惨な状況に陥ることを回避するために存在 年金は、予想外に(    )をしてしまって、生活費が枯渇してしまい、やはり、老後に悲惨な生活状態に陥ることを防ぐために存在

結局、「セーフティーネット」の本質は、(    )という言葉もあるように、(  )である 「保険」なので、結果的に、給付を受ける人と受けない人が出るが、そこに(    )という問題は存在しない 不公平が無いというのは、あくまで(        )人々の間での話。異なるリスクの人々には異なる保険料を設定しないと不公平。 保険は(        )にかけられるものである

「社会保障制度は『保険』だからこそ、若い人がお年寄りを支える必要がある」とか、「『社会保険』なので(      )があるのは当然」といった主張は、「保険の原則」を無視した間違い。 現実の公的医療保険で、現役世代の保険料が高く、高齢者の保険料が低くなっているのは、保険の原則から言うと不公平。若いうちから老後の保険料を払うために貯蓄を積み立てておくべきで、高齢者になって医療費が増えることは予期できることなので、予期できることには「保険」は成立しない。

保険の原則からいえって、(      )も正当化されない。保険は(    )で賄うのが基本。国庫負担や公費負担といった補助金がなければ運営できないということはあり得ない。

政府が社会保障を運営する理由その1「逆選択」 社会保障制度を政府が運営する理由はどこにあるのか。 「年金、社会保障の専門家」は、「現役から高齢者への強制的『(        )』を行なう必要があるから」と考えている人が多い。 高所得の人々から低所得の人々への「(        )」を強制的に行うためと考えている「年金、社会保障の専門家」も多い

いずれも全くの間違い。 社会保障制度を政府が運営する理由は、「(    )よりも政府の方がうまく運営できるから」に他ならない。「うまく」というのは、効率的、パレート改善であるということ。逆に、民間の方が政府よりもうまく運営できるのであれば、「民間にできることは(    )に任せるべき」 しかしながら、社会保障の場合、民間でうまく運営出来ない理由が2つある。

一つは、民間保険には「(    )」と呼ばれる現象があるから。 逆選択とは、「保険に加入する個人と保険を運営する保険会社の間に、リスクに関する『(        )』がある場合に、保険にリスクの高い人ばかりが残り、リスクの低い人々が保険から脱退してしまい、十分な保険商品が提供されないこと」 民間医療保険の例。個人年金の例。 政府が強制することによって、一定範囲で、リスクの高い人、低い人の両者の状態が改善する。

一点注意が必要なのは、「(  )」のように誰の目にも明らかなものは、「非対称情報」ではないこと。 時折、「逆選択のために、年齢が高い人ばかりが医療保険に入り、若い人が加入しないという現象が起きるため、政府が運営する必要がある」というような言い方は、間違い。 逆選択も、世代間所得移転の根拠には成り得ない。

政府が社会保障を運営する理由その2「モラルハザード」 政府が社会保障制度を運営するもう一つの理由は、(      )への「(        )」が生じること。 若い人々にとって、老後はまだかなり先のことであり、ついつい今の生活を楽しむために、老後の生活費を蓄えることを怠り勝ち。 経済学では、「時間的視野が短い」もしくは「近視眼的」という言い方をする。

現代版のアリとキリギリスは、温情がある世界。 モラルハザードが起きないように、政府が、個人に変わって「(    )」を行なわせる公的年金制度を運営する必要がある。 実は、逆選択やモラルハザードを防ぐには、政府が自ら社会保障制度を運営する必要は無い。(      )のように、民間保険に「必ず」加入しなければならないと法律を作るだけでも、理論的には十分に対応可能。

政府の世代間所得再分配が正当化される特殊ケース 政府が強制的に世代間所得移転をした方がよい例外が2つだけ存在 一つは、人口が成長し続けている時 →次節 戦争や災害など「(      )」歴史上の出来事によって、ある世代の全員が損失を負うような被害を受けた場合。 「予期できないリスク」に対する「世代間の『保険』」として、世代間所得分配・賦課方式が正当化される。

「世代内」所得再分配は、税制や福祉で対応すべき 政府が行なうべき政策目標の一つには、所得再分配があるが、年金、医療、介護などの「保険」を通じて行わなければならない根拠は、何一つ存在しない。 世代内の所得再分配の手段としては、累進的な(     )・(    )・(    )といった税制や、生活保護等の福祉という直接的手段が用意されており、その方がはるかに効率的。 社会保障制度の負担である保険料は、基本的にその徴収ベースをフローの(  )だけにおいているので、高齢者に多い「フローの所得は小さいがストックである資産を多く持つ」という(    )にも所得補助を行ってしまう。

保険を通じた所得再分配という概念は、保険原則とも相容れない。 保険料は、(    )として価格設定されなければ、市場が機能しない。 (    )にすべきと政府が考えるのであれば、(    )や(  )という形で、後から保険料支払い分の減免を、低所得者に対して行なえば良い。 政府の社会保障制度は『社会保険』だから、所得再分配を行なうべきである」という主張は、完全に「(      )」に過ぎない。

2.積立方式と賦課方式 世代重複モデルとは 人々の人生を「現役期」と「高齢期」の( )だけで表したもの 人々の人生を「現役期」と「高齢期」の(   )だけで表したもの 「世代」とは生まれ年が同じ人々という意味 支払う保険料の総額を灰色の楕円の大きさで示し、高齢期の生活費必要額を点線の白い楕円で示す。 年金の場合には、白い楕円は老後の生活費、医療であれば老後の医療費、介護であれば老後の介護費

第1期世代の下に右にずれて示されているのが第2期世代の人々。 第2期世代は、第1期世代が高齢期を迎えている時に、ちょうど現役時代を送っている人々で、両者は1期間だけ縦に重なるように描かれている。 図表の1番下に両矢印付きで示されているのは「時代(期間)」であり、左から第1期、第2期と段々将来に向かって時代が過ぎてゆく。 各世代が1期間ずれて互いに「重なり合う」ように描かれているため、(         )と呼ぶ。

積立方式とは 1期世代以降の各世代とも、保険料は自分達の老後のために積み立ているので、両世代の人々は互いに助け合うことはない。 互いに全く干渉し合わないので、他の世代がたくさんいようと少なかろうと、自分の世代の老後の生活費には全く影響がない。 (         )の高齢者は、通常の積立方式では年金を受け取ることは出来ない。

賦課方式とは 一方、賦課方式の場合には、創設期の高齢者も年金を受け取ることが可能。 第1期という時代を一緒に生きている現役の人々が保険料を支払い、支えてくれる。 第1期世代は自分の老後のために保険料を積み立てておくことが出来ないため、次の第2期世代に助けてもらう。 これが、賦課方式が、 (         ) といわれる所以。永遠に次の世代に負担をバトンタッチしてゆかなければこの年金制度は成立しない。

はじめから賦課方式だったわけではない  図表2-2の積立方式では、創設期の高齢者に年金受給を認めていない。しかし、わが国の場合、この創設期の世代というのは、戦争で大変な被害を受けた人々なので、救済のため、保険料の積み立てをしていなくても受給を認めた。これは予期できないリスクに対する「 (         )」としての世代間所得移転なので、正しい政策。 他の先進国も多かれ少なかれ同じような状況。 創設期の高齢者の年金受給を認めた途端、年金は賦課方式で運営せざるを得ず、積立方式の年金制度を選択することは不可能であったとする主張が、「年金、社会保障の専門家」によって行なわれているが、これは完全に間違い。

一つは「歴史的事実」として間違い。わが国を始め、アメリカやヨーロッパの国々は、年金制度を創設するに当たり、実は当初「 (         )」で制度を設立。 2つ目は、単に積立方式の仕組み上を理解していないという間違い。実は、創設期の高齢者の年金受給を認めても、積立方式の運営にはなんら支障がない。 創設期の高齢者への年金受給支払いを、「 (         )」と呼ぶ。しかし、その救済を何もその時代の現役世代だけが、全て背負わなければならない理屈はない。

歴史的負債は、その救済を決めた国の政府がまず国債などの形で「 (         )」として背負い、その負債を、将来の世代が何世代にもわたって少しずつ負担して返済してゆけば良い。 創設期の高齢者への年金給付は、賦課方式として第1期世代が負担するのではなく、国が負債を負って支払う。この負債は、国が国債などで使って、借りたり返したりを繰り返し、何十年にもわたって(         )することができる。第1期世代だけではなく、第2期世代、第3期世代・・・と将来にわたる様々な世代が、少しずつ負担し返済してゆくことが可能。

図表2-5は、図表1-11の数値例に、この歴史的負債の清算を加味したもの。例えば20年にわたって年金額を受給するとすれば、1人2400万円(10万円×12ヶ月×20年=2400万円)が負債。 これを第2期世代から第100期世代までの遠い将来にわたって、少しずつ各世代が返済すると考えると、その追加負担額は、1人月当たり約800円。これを現役保険料に加えて、給付負担倍率を計算すると0.98倍だから、純粋な積立方式の場合の1倍とほぼ変わらない。

国債発行の必要性も無い  歴史的負債の資金調達のために、国が借金を背負い、国債を発行するのは政治的に困難なのではないかとの見方がある。 現実には、国債を発行する必要も全くない。なぜならば、年金創設以降、各現役世代は保険料を支払う一方で、年金財政には多額の積立金が急速に積み上がってゆくため、その積立金の中から資金調達をすれば良いから。 特に人口構成が若い時代は簡単にそれが可能

わが国の厚生年金は、まだ戦時中であった1941年に設立された(         )がスタート。その後、1944年に厚生年金制度となる。 そもそも戦時公債を積立金によって吸収させることが、年金設立の目的。戦費調達の国債まで背負うことが出来るのだから、創設期の高齢者の年金給付分などで、国がわざわざ新たに国債を発行する必要はない。歴史的負債は、積立金の中から調達できた。

積立方式と賦課方式の間  積立方式とはいっても、創設期の高齢者の支払いを第1期世代の積立金で賄っているで、それは賦課方式に限りなく近い。 実は、積立方式と賦課方式の差というのは、模式図でみるほど明確なものではない。賦課方式は積立方式に変えてゆくことが出来るし、逆に、積立方式は賦課方式に変更することが出来る。その途中にあるときには、積立方式と賦課方式の間とでもいうべき制度。

賦課方式で決まる保険料率よりも、歴史的負債の処理分だけわずかに保険料率を高く設定しておけば、将来は必ず、積立金の過不足の無い完全な積立方式の年金制度になる。 逆に、積立方式で制度が設立されたとしても、歴史的負債に対する追加負担分の保険料引上げを行なわなかったり、年金給付に見合わないほど低い保険料に設定したりすれば、いずれ年金制度は完全な賦課方式となる。

「修正積立方式」はまぎらわしい 実は、わが国の年金財政の歴史は、このようなプロセスで、積立方式から賦課方式に移行していった。 その理由は、まず第一に、歴史的負債に対する追加負担分の保険料率引上げを怠ってきたこと、第二に経済成長をする中で保険料率を低く据え置いてきたこと、第三に給付水準を保険料に見合わないほど安易に引き上げてきたことが挙げられる。 特に第三の給付水準引上げは、既に少子高齢化が徐々に進行しつつあった1970年代初めからまさに「大盤振る舞い」と呼ぶべき状況。

時の首相は(         )。1973年を(         )と位置づけ、社会保障の安易なばら撒き政治が行なわれた。具体的には、年金については、給付水準の大幅な引き上げ、物価スライド・賃金スライドの導入など、医療については、老人医療費無料制度の創設、健康保険の被扶養者の給付率引上げ、高額療養費制度の導入などが挙げられる。 何れも甘い経済見通しの下で、十分な保険料負担を伴わないで実行されたため、積立方式の年金はみるまに賦課方式へと変貌を遂げた。

現在でもわが国の年金財政は、積立方式であったときの名残で、厚生年金と国民年金を合わせて、約130兆円の年金積立金を保有。しかし、これは本来、積立方式で運営され続けていた場合に存在していたはずの積立金額のほんの一部。厚生年金の場合について計算すると、2010年現在で本来あるべき積立金は約700兆円。これに対して、実際に存在する積立金は約130兆円なので、本来の2割に満たない水準。 現在の年金収支は、賦課方式であるが、厚生労働省は、「 (         )」と呼称。この紛らわしい名称が、国民に、年金があたかも積立方式で運営されているかのような誤解を抱かせる原因。

賦課方式に移行する理由1:社会保険のパラドックス  積立方式の年金制度が賦課方式に移行してしまったという状況は、わが国に限ったことではない。アメリカを始め、他の先進国でも多かれ少なかれ同じようなプロセスを辿って、賦課方式となって行った。その背景には、大きく分けて2つの理由。  その一つは、年金の創設期のように人口構成が若く、人口成長率の高い時代においては、「賦課方式の年金の収益率は、積立方式を上回る」ということ。つまり、その時代に限っては、賦課方式の方が積立方式よりも「全ての人々にとって得」という状況。

このため、政府が賦課方式に移行するのは、ある意味で正当化され得る。この状況を「 (         )」と呼ぶ。 図表2-7は、積立方式と賦課方式の収益率の比較。現役期に1000万円の保険料の積み立てを行った人が、10%の利子率で運用すれば、高齢期に受け取る年金額は1100万円。 一方、賦課方式の場合、10人の現役で100万円ずつ保険料負担を行い、1000万円の年金を高齢者に支払うことを政府が計画。予想外に人口が増え、現役がもう1人増えて11人になると、100万円×11人=1100万円。これは、「人口増のボーナス」と言われる。

戦後すぐのわが国のように人口構成が若く、一家庭で3人も4人も子供を産む社会では、人口の成長率はもっと高いので、賦課方式の年金よりも「得」ということになる。 もし、この人口成長率よりも利子率が高い(人口成長率>利子率)という状況が、その後の時代についてもずっと成り立ち続けるのであれば、全ての人々にとって得である「 (         )」を政府が採用することは合理的。 人口の成長率が非常に高い時代には、政府は、積立方式の年金を賦課方式に移行させる動機を持つ。

賦課方式に移行する理由2:宙に浮いた資金  しかも、賦課方式に移行してしまえば、これまで積み上がっていた多額の積立金は、賦課方式の年金の運営にとって特に必要なものではなくなるので、「 (         )」。これは、政治家や官僚にとって大変な魅力。これが、政府が賦課方式への移行を行ってしまう第2の理由。 時の政治家や官僚にとっては「打ち出の小槌」。政治家はそれを元手に、人気取りのための大盤振る舞いを始め、官僚達はこの積立金に寄生する天下り特殊法人をたくさん作ったり、グリーンピア、サンピアの建設を始めた。こうして、積立金が浪費されていき、賦課方式となっていった。

例え「人口成長率>利子率」という状況下で、賦課方式の採用が合理的であったとしても、これまで積み立ててきた積立金を勝手に使ってもよい理屈にはならない。 賦課方式への移行と、それまで積み立ててあった積立金を勝手に浪費するということとは全く別の話、別次元の問題。 積立金は、税収とは異なり「国民に帰属する財産」なので、官僚や政治家がこれを勝手に使うのは犯罪。

どの国でも人口成長率は下がっていく それでも、「人口成長率>利子率」という状況が未来永劫続くのであれば、積立金を勝手に浪費してしまったことはごまかし続けられる。問題は、時代を経るに従って、人口成長率は低下し、「人口成長率<利子率」という状況に変わってしまうこと。 その理由は、①女性の高学歴化・社会進出、②子供の教育費増などで、先進国共通の現象。 「人口成長率>利子率」が「人口成長率<利子率」という状況に逆転すると、まさにパラドックスと同じメカニズムによって、積立方式の方が、逆転以降の「全ての人々にとって得」。政府は元の積立方式に年金制度を戻さなければならなくなる。

賦課方式から抜け出せない政治経済学 しかしながら、ここで困った問題は、積立方式に戻そうにも既に積立金の大部分を使ってしまっているので、簡単には元に戻れないこと。 そのため、今から積立方式に戻るためには、政治家の大盤振る舞いや官僚の無駄遣いによって失われた積立金を、もう一度、国民が追加の負担をして元に戻さなければない。 当然、国民は怒り、責任の所在を明らかにする必要がでてくる。その責任を問われる政治家や官僚が、積立方式への移行に反対するのは当然。

しかも、現在の賦課方式の年金制度によって被害を受ける世代は、比較的若い世代なので、今の政治家にとって大票田である現在の高齢者は、全く被害を受けない。むしろ、積立方式移行を行ってしまうと、高齢者たちにも追加負担を迫るので、大票田に不人気な政策を決断するはずがない。 くわえて、若者は投票率が低く、高齢者は投票率が高いということも、政治家が、現在の高齢者達の既得権益保護や利益供与のために行動する合理的な動機となる。

今後、団塊の世代が大量退職し、この得する高齢者の利益集団が益々多くなってゆくので、このメカニズムは強化される。 さらに、政治家の大半はすでに高齢者なので、賦課方式を続けることによる悲惨な未来を見ないで済む。 厚生官僚にしても2-3年で部署が変わるという人事ローテーションなので、わざわざ自分の任期中に「火中の栗」を拾ってまで改革を行う必要はない。政治家や官僚の「時間的視野」は非常に短い。

かくして、現在の若い世代や将来の世代が、いかに悲惨な未来に直面することがわかろうとも、問題解決は先送りされ続けることになる。 政治家や官僚が情報を操作してまで国民に真実を知らせないようにすることは、誠に自然な成り行きである。 また、改革として、本質的でないその場限りの延命策が用いられ、抜本的改革がいつまでも先送りになるのも、合理的な行動。 この構造的な「政治経済学」的問題に対処する必要がある。

3. 現実の社会保障制度を読み解くポイント 日本の社会保障制度は理論から大きく乖離した制度。 例えば、①公費負担が高い、②世代間不公平が大きい、③世代内不公平も大きい、④保険制度の種類が、職業別あるいは地域別に多数分立していて複雑、⑤お互いの保険が(     )によって絡み合っている 。 こうした現状は、後付理論で説明することはできない。歴史的経緯の遺物と考えれば良い。

社会保障制度形成のパターン 歴史的に、社会保障制度が充実しているのは、まず公務員、ついで大企業 。(     )の一貫として自前で持っていた。 国が成長して豊かになってくると、中小企業も望むが、財政的に豊かではないため、国からの財政支援、つまり公費負担が行われる。 そのうち、サラリーマン以外の残りの人々(農林水産業や自営業、無職者など)が加入していないのは不公平とされ、さらに公費負担が手厚い保険が成立。 →(     )の達成。

皆保険達成は、年金、医療保険ともに(     )年。 公費は税金なので、この制度は、豊かなサラリーマンや公務員から、相対的に低所得である農林水産業、自営業者たちへの所得再分配。高度成長してパイが増えており、国の財政にも余裕がある時代は、所得再分配が行なわれやすい。 もっとも、後から設立される制度ほど財政状況は良くないので、先に出来た豊かな制度は合併を拒む。このため、医療保険も年金も、職域ごとの(     )がいつまでも続く。

その後、低成長時代、少子高齢化時代が来て、国の財政も余裕がなくなる。 そのため、制度同士協力し合うための(     )の仕組みを作る。 そのためには、国も負担する覚悟を見せる必要があるため、財政調整へ一定割合の公費負担が組み込まれることになる。 公費負担の割合が非常に高くなると、国や地方自治体の統制も厳しくせざるを得ない。政治的に税負担を引上げは困難なため、むしろ、給付抑制の仕組みが整備。 具体的な方法は、(     )と(     )。