1.はじめに 子供の頃からの思い 鉄道業界の発想 vs.当社の発想 クルマが世の中に多過ぎる 鉄道が本来の能力を発揮できていない

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経常収支とは?  一国の国際収支を評価する基準の一つ。  この 4 つのうち、 1 つが赤字であっても他で賄え ていれば経常収支は黒字となる。 貿易収支 モノの輸出入の 差 所得収支 海外投資の収益 サービス収支 サービス取引額 経常移転収支 対価を伴わない 他国への援助額 これらを合わせたものが経常収支.
本牧LRTの 実現に向けて 平成 18 年 2 月 7 日. 1 交通に関する時代の状況 LRTへの期待感の向上 – クルマへの過度の依存への反省 – 環境・高齢社会への対応 – 都市再生、中心市街地の活性化 – コンパクトシティ、TOD 各人が個別交通システムを所有 → 共用交通システムを利用.
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一新塾18,19期講義 民間事業による交通システム再生 -(株)ライトレール起業奮闘記- 一新塾18,19期講義 民間事業による交通システム再生 -(株)ライトレール起業奮闘記- (株)ライトレール 代表取締役社長 阿 部   等 http://www.LRT.co.jp 平成19年4月4日

1.はじめに 子供の頃からの思い 鉄道業界の発想 vs.当社の発想 クルマが世の中に多過ぎる 鉄道が本来の能力を発揮できていない 鉄道需要は沿線環境により与えられ、安全・安定輸送が最大の使命 人の行動を観察すると、安全性<<利便性 交通は成熟産業でビジネスチャンスなし 交通問題解決の希望 = ビジネスチャンス

2.起業に際して 起業の経緯 Mission Impossible 平成10年に受けた衝撃的なお話 大企業や中央官庁の優秀な連中が組織を飛出して起業してこそ日本は良くなる! 7年の準備を重ね99%の人に反対されたが、最終決断するのは自分 Mission Impossible 交通問題ヲ、解決セヨ 交通問題を人々の利便性や幸福度を犠牲にせずに解決したい

3

3.自動車交通の限界 問題は既に充分に顕在化 自動車へ過度に依存した交通体系 道路渋滞、エネルギー、環境、交通事故 高密度な交通ニーズには最適でない 自動車へ過度に依存した交通体系 さらなる道路建設や自動車性能向上では問題は解決し得ない 脱却の処方箋を描けねば人類は環境問題とエネルギー問題で滅亡 米、日欧に続き中国、インド、アフリカへモータリゼーションの波?

4.自動車へ過度に 依存した交通体系

(1) 空間利用の非効率性 道路建設では渋滞は解消せず 複々線鉄道と4車線道路:同じ幅 連結で高頻度運転のLRT 自動車の増大が道路の建設を上回る 複々線鉄道と4車線道路:同じ幅 1時間当り通過15万人対2,500人 都心側に莫大な駐車場 連結で高頻度運転のLRT 自動車を大幅に上回る輸送能力 都心側に車両留置スペース不要

(2) エネルギー利用の非効率性 輸送単位が小さい 走行抵抗が大きい 動力源が異なる 1人当り車両重量 1.0:0.3[t/人] ゴムタイヤ・アスファルトは、車輪・レールの数倍の転がり抵抗 動力源が異なる 自動車は燃料と内燃機関を搭載 鉄道は外部エネルギーによるモータ

(3) 環境負荷の大きさ 自動車は小型内燃機関を搭載 鉄道は発電所で有害物質を排出 自動車は鉄道と比べて、 有害物質除去が高コスト スケールメリットで高除去レベル 自動車は鉄道と比べて、 エネルギー消費が多いことと相まって環境負荷が極めて大

(4) 交通事故の頻発 自動車はドライバーの注意力頼り 日本国内のみで過去50年間に 福知山線の脱線事故 エラーのバックアップシステムなし 車間距離保持、車線変更、信号・速度制限順守等 鉄道レベルの安全度:膨大なコスト 日本国内のみで過去50年間に 50万人以上が死亡、4,000万人近くが怪我 福知山線の脱線事故 死者106名 = 自動車事故の1週間分? 負傷者500名 = 自動車事故の4時間分?

(5)車を運転できない人の移動制約 超高齢で自動車を運転できないと、 未成年の中高校生も、 とたんに不便な生活 家族に送迎してもらうのに神経 無理して運転して交通事故 やむを得ず「引きこもり」生活 未成年の中高校生も、 通学範囲が限定され学校選択が狭く 塾等の送迎が親の大きな負担

(6) 中心市街地の衰退 モータリゼーションの進展に伴い、 中心市街地の活性化への期待 公共施設・商店・住宅等が郊外化 中心市街地は公共交通の利便性低下 駐車場も確保できず空洞化、「シャッター通り」 中心市街地の活性化への期待 行き過ぎた郊外化への反省 人口減少社会での公共投資の効率化 「コンパクトシティ」の指向

5.交通システム再生の 主体は?

(1) 「公共」交通と称するが故の発想の呪縛 「公共」交通と「私的」交通の区分 「公共」交通 低運賃、コスト度外視の安全至上主義 「私的」交通 自由な価格設定、事故は自己責任 結果的に「公共」交通は 不便、高コスト、低収益 公的補助なしには事業が成立せず

(2) 「公共」交通への公的補助のデメリット 社会的便益が黒字と言いつつ、 事業者のモラルハザード 政治家の我田引鉄、住民の我がまま 安くサービス生産される訳でなく、 非利用者から利用者への所得移転 適正コストに圧縮する努力を怠る LRT:2.31億円/24席=1,000万円/席 バス・マイカー:50万円/席以下

(3) 民間主導が時代の趨勢 交通以外の分野での時代の趨勢 民営化・自由化・市場主義の施策 施策そのものは誤りでなかった 民でできることは民で! 規制緩和、構造改革、小さな政府 民営化・自由化・市場主義の施策 失敗と評価せざるを得ない事例 悪徳商法、格差の拡大 等 施策そのものは誤りでなかった 運用やルール違反監視に改善の余地

(4) 交通システムの「所有」から「利用」へ 「個別」交通と「共用」交通の区分 交通ニーズが低密度なら「個別」交通 高密度なら「共用」交通が効率的 「個別」交通システムを「所有」 → 「共用」交通システムを「利用」 効率的な空間利用、効率的なエネルギー利用、 小さな環境負荷、高い安全性 人々の利便性や幸福度を犠牲にせず交通問題を解決

6.富山ライトレールから学ぶ

(1) 富山ライトレールの成功 video 地方鉄道再生・LRT普及の先導例 まちづくりとの関連 国も公共交通を大切にする 目標3400人/日に対し昨年秋2266人/日 平日の平均5172人/日 人口も増加傾向へ転換 まちづくりとの関連 富山市中心市街地活性化基本計画: 公共交通の活性化により車に頼らずに暮らせる中心市街地の形成

(2) 予想外の 利用と なった要因 本数を3.4倍にしたところ、利用が2.3倍

(3) 全国の状況 脱クルマが求められていながら、 地方鉄道再生・LRT普及の現実 本来のライトレールの意味 地方鉄道:次々と廃線が進む LRT:採算性を確保できず 地方鉄道再生・LRT普及の現実 利便性が低い、高コスト構造 低質で高いものが選択されないのは当然 本来のライトレールの意味 LRT ≠ 超低床の路面電車、車を排除 コストが低い、手軽に乗れる等

(4) これからの交通経営のあり方 今までの交通事業者の思考パターン 富山ライトレールで証明された 今後の取組み 利用者数は、沿線人口等で確定 経費節減のため運行本数は必要最低限 富山ライトレールで証明された 利用者数は、サービスレベルによる 今後の取組み サービス向上を基軸とした鉄道経営 高コスト構造の打破も重要

(5) LRTとバスのコスト比較 コスト LRT バス LRT (本来) (将来) (現状) 輸送量 常にLRTが割高 初期投資大 車両高い 人件費高い 初期投資大 車両がより安い 人件費がより安い (本来) LRT 車両費と人件費 の引下げ (将来) LRTとバスの選択の分かれ目 N人/時間 LRTの普及には、現状の 高コスト構造の打破が不可欠 初期投資小 車両安い 人件費安い 技術革新と規制改革により可能 輸送量

7.救世主となるDMV video DMV(Dual Mode Vehicle)の特徴 DMVの使い方 JR北が開発の線路・道路兼用車 在来車と比べて低価格かつ高性能 JR北が4月から試験的に営業運転 DMVの使い方 線路外の学校・団地・病院等へ直通 線路上は運転士1名で連結運転 将来は乗務員免許の簡易化

8.民間事業による 交通システム再生

(1) 高い利便性の実現 お客様が買おうと思う魅力・価値 ターミナルや中心市街地へ乗入れ 速達性 高頻度運転 交通で言うと利便性 現行の路面電車には理想例少ない 速達性 交通機関の命 高頻度運転 運転頻度が低くては利用に値しない

(2) 投資及び運営の経費節減 線路は敷設するにしろ、 コスト中の運転士人件費率が高い 既存路線をLRT化 電力設備はDMVなら不要 信号設備は新たなシステム開発を 車庫はDMVなら大幅低減 車両は自動車業界の生産能力を活用 コスト中の運転士人件費率が高い 運転士免許の規制改革により低減 既存路線をLRT化 既存インフラを有効活用

(3) 最新技術の導入 交通システム再生の鍵となる 「民間主導」の社会的仕組みにより、 高い利便性の実現 投資及び運営の経費節減 規制改革の実現 「民間主導」の社会的仕組みにより、 リスクを負って技術開発の先行投資 過去・将来いずれかに収益を上げる

(4) 営業努力 自社商品の売込み、顧客の御用聞き デパート・商店街・施設等と提携 事業所・学校・施設等へ営業訪問 通勤・通学・来訪者を調査、見込み客を推量 ニーズに合せてサービスを生産し売込み デパート・商店街・施設等と提携 来訪者へ無料券や割引券を配布 先方は買物客等の運賃を負担

9.必要な規制改革

(1) 利潤最大化の価格設定権 事業者に利潤最大化の価格設定権 政府が社会的強者→弱者へ所得再分配 戦略的な価格設定で利潤最大化 距離、曜日、時間帯、立着席、利用実績による ICカードや自動改札によるハイテク運賃収受 政府が社会的強者→弱者へ所得再分配 都市から地方 非子育て世帯から子育て世帯 健常者から高齢者・身障者

(2) 運転士の免許基準の規制改革 運転士の免許基準の相違の結果 運転士の免許基準を規制改革 LRT運転業務を地場会社へ委託 運行1時間当り間接経費含む人件費 鉄道:5,000~15,000円、バス:3,000~10,000円 運転士の免許基準を規制改革 事故防止システム導入で安全確保 LRT運転業務を地場会社へ委託 並行するバス路線を廃止 LRT導入をタクシー会社反対せず

(3) 自動車の適正な費用負担 自動車は受益者負担していない 集客施設等の駐車場を適正価格に 道路整備特定財源制度の矛盾 鉄道と自動車:公正な競争でない 民間による鉄道ビジネスを妨害 集客施設等の駐車場を適正価格に 道路整備特定財源制度の矛盾 道路関係予算の3分の1に一般財源 自動車諸税を増税して受益者負担に 環境負荷分を環境税として課税すべき

10.おわりに 時代の風 Missionの実現に向けて 自動車への過度の依存への疑問符、反省 官の財政制約を受けた民間活力への期待 中央官庁や自治体の交通関係部署の合言葉 官の財政制約を受けた民間活力への期待 欧米の税金投入モデルは理想解でない Missionの実現に向けて モノを作る前にヒトを作る 交通ビジネス塾を毎月開催 交通分野の第一級の講師をお招き 参加者は交通のプロ及びプロの卵に限定