第3回 現代社会におけるメディア ( ) 担当:野原仁(地域科学部)

Slides:



Advertisements
Similar presentations
メディア論 第 4 回 メディアの特徴 ( ) 担当:野原仁(地域科学部). 独断と偏見による岐阜のオススメ店 (1) 丸デブ(中華そば) ラーメンというより もうどんだが、岐阜 でしか食べられない、 岐阜市民の soul food 丸デブ(中華そば) ラーメンというより もうどんだが、岐阜.
Advertisements

放送論 テレビ放送と視聴者 担当者:有馬 明恵 1. 授業の目標と概要 2. 授業スケジュール 3. 授業の進め方と受講上の注意 4. 成績評価の方法 5. テレビ放送について学ぶ意義 1.
平成 15 年度エネルギー教育調査普及事業 研究活動報告 名古屋工業大学エネルギー教育研究会 高校生のエネルギー・環境についての 意識に関するアンケート調査 高校生のエネルギー・環境についての意識に関するアンケート調査.
社会学部 模擬授業 社会調査から見る日本社会 グラフからよみとれること 社会学科准教授 村瀬洋一  41 歳 東北大学大学院出身(行動科学専攻分野)  1997 年 10 月 立教大学社会学部に着任  専門分野 政治社会学、計量社会学、社会階層と社会意識  趣味 ドライブ、スキー、水泳、パソコンいじり.
メディア論 第2回 基本的な概念 ( ) 担当:野原仁(地域科学部). 本日のテーマ 基本的な概念の定 義・説明 基本的な概念の定 義・説明.
メディア論 第 14 回 ドキュメンタリーとは何 か ( ) 担当:野原仁. 最終課題 提出期限: 2 月 16 日 ( 月 ) 17時 提出期限: 2 月 16 日 ( 月 ) 17時 提出場所:研究室前ボックス 提出場所:研究室前ボックス.
プレゼンテーション - 技能が必要な理由 - 神奈川大学経済学部 経済情報処理 I 平成 18 年度 第 4 回.
プレゼンテーション - 技能が必要な理由 - 神奈川大学経済学部 経済情報処理 I 平成 22 年度.
メディア論 第 9 回 インターネット&コンピュータの 歴史と現状担当:野原仁(地域科学部). 小課題2 ソーマトロープもしくはパラパラ マンガを作ってください。 ソーマトロープもしくはパラパラ マンガを作ってください。 提出期限:7月 30 日(月) 17:00 提出期限:7月 30 日(月) 17:00.
入門B・ミクロ基礎 (第4回) 第2章 2014年10月13日 2014/10/13.
コンテンツ・クリエイティビティ・ビジネス
第12回 CMCと仮想社会 担当:野原仁(地域科学部)
広報・PR論入門 -岐阜大学をケーススタディに-
メディア論 第13回 テレビと政治 ( ) 担当:野原仁.
論文紹介 青年期における恋愛相手の選択基準とアイデンティティ発達との関係
メ デ ィ ア ・ リ テ ラ シ ー.
ジャーナリズム論 第8回 ニュースとは何か 担当:野原仁.
第13回 情報操作とやらせ 野原仁(地域科学部)
 テーマ別解説 情報モラルの5つの領域 岐阜聖徳学園大学 教育学部 准教授 石原 一彦.
平和研究Ⅰ 第2回 積極的平和と消極的平和 2007年4月18日 広島平和研究所 水本和実.
『なぜ、わかっていても実行できないのか 知識を行動に変えるマネジメント』 第1章 知識は、実行しなければ価値がない
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
ジャーナリズム論 第7回 事実と真実 担当:野原仁.
私たちはどうして虐待をしてしまうのか? 誰もが利用者の生活が豊かになることや社会参加を願って福祉の仕事に就いていると 思います。初めから虐待しようなんて思って仕事に就いている人はいないはずです。 ○愛情というエネルギーはとても大きい →自分の思うようにいかないと怒りになります。 ○自己欲・支配欲のエネルギーはとても大きい.
沈黙の文化について 201100661 김 오윤.
セッションの目的 コミュニケーションのプロセスを認識する 優れたコミュニケーションスキルを明確にする
子どもたちが発達段階に応じて獲得することが望ましい事柄
健康・医療の知識とメディア                  林 剛生.
英語学習の材料 July 2012.
社会人基礎Ⅱ 第2回 業界・企業分析の基礎 法令の視点から.
スポーツ文化 第3回目 スポーツと文化 スポーツとは何だろう.
第3回 説得コミュニケーション& プロパガンダほか ( ) 担当:野原仁
メ デ ィ ア ・ リ テ ラ シ ー 情報社会と情報倫理 第2回.
日本の就職、失業問題と雇用保険  湯澤脩平.
メディアとコンテンツ メディアコミュニケーション論Ⅲ 4/25/08.
第2回 ジャーナリズムとは何か ( ) 担当:野原仁(地域構造講座)
社会福祉調査論 第15回_2 第5章 倫理と個人情報保護 第7章 社会科学としての社会福祉
ユビキタス社会における 学校と携帯電話の関係をさぐる
Net de sample 茉莉花茶.
環境の世紀17  第13回 駒場の電気を考える.
スポーツ文化   第5回 スポーツとひとのかかわり.
情報科教育法第3回 普通教科「情報」の構成 理学部数学科 清 水 克 彦.
スポーツ経営学 第4回目 スポーツ経営学の特徴.
変化の中の雇用システム                    仁田道夫著 東京大学出版会2003年                                 E040064植田慎司.
1.情報文化の枠組み 情報と文化 情報 文化 情報文化.
経営情報論B ⑬ 情報技術と社会(第11章).
セカンドキャンパス 白井栄理香 津村卓弥 山田文音 松村潤
社会人基礎Ⅱ 第2回 業界・企業分析の基礎 法令の視点から.
インターネット上のコミュニケーションの 特徴について 正確な情報伝達が可能 気持ちが伝わりづらいという欠点も まとめ
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
なぜ、青少年はネットトラブルに陥りやすいのか
1.報道の意義 2.ニュースと現実の関係 3.マス・メディアと民主主義
異文化コミュニケーション 異文化コミュニケーションとはコンテクストを十分に共有しない人同士のコミュニケーションであると定義できる。
社会学部 模擬授業 社会調査から見る日本社会 グラフからよみとれること 社会学科准教授 村瀬洋一
経営学総論 サマリー Thursday, January 11, 2007
受講日:   月  日 暗黙知の見える化ワーク 第1回 コミュニケーションとは.
教師にとっての「生の質」 青木直子(大阪大学).
『組織の限界』 第1章 個人的合理性と社会的合理性 前半
理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄.
ダスキン サービスマスターの仕事 清潔で快適な環境づくりのお手伝い! 業務向け もっと たくさんある
情報文化の枠組み 情報と文化 情報 文化 情報文化.
社会学部 模擬授業 社会調査から見る日本社会 グラフからよみとれること 社会学科准教授 村瀬洋一
社会学部 模擬授業 社会調査から見る日本社会 グラフからよみとれること 社会学科准教授 村瀬洋一
情報教育論 電子化教材 第3回 メディアと社会的コンテクスト
プレゼンテーション-技能が必要な理由- 神奈川大学経済学部 経済情報処理I 平成25年度
プレゼンテーション-技能が必要な理由- 神奈川大学経済学部 経済情報処理I 平成18年度 第4回
広報・PR論入門 -岐阜大学をケーススタディに-
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
文脈 テクノロジに関する知識 教科内容に関する知識 教育学 的知識
広告会社で働く自分が 考えていること・考えてきたこと
Presentation transcript:

第3回 現代社会におけるメディア (2015.4.27) 担当:野原仁(地域科学部) メディア論 第3回 現代社会におけるメディア (2015.4.27) 担当:野原仁(地域科学部)

岐阜大学マメ知識② 入学生は、岐阜県出身者よりも愛知県出身者の方が多い? ↓ 愛知50%・岐阜34%・三重1.7%         ↓   愛知50%・岐阜34%・三重1.7% もともとこの場所は田んぼだった? 湿地帯(増水時に水を貯めておくところ)

本日のテーマ 前回の続き 現代社会におけるメディア マスメディアの社会的機能 マスメディアの社会的責任

コミュニケーション・メディア・情報の関係 Aが単独もしくは少数でBが不特定多数であれば、この情報のやりとりは「マスコミュニケーション」となり、使われるメディアは「マスメディア」となる

コミュニケーション・ギャップ 情報を伝える側が伝えようと思っていることと、情報を受け取る側が送られた情報を理解したことの間にズレが生じること コミュニケーション・ギャップはあらゆるコミュニケーションに程度の差はあるが存在する コミュニケーション・ギャップが非常に大きくなり、コミュニケーションがうまくいかない状況を「ディスコミュニケーション(discommunication)」という

たとえば… 恋人同士の会話で、彼女が太っているのを気にしているのを知って、励ますつもりで「キミは性格がいいから、デブでも問題ないよ!」と言ったところ… 成績がいいのを自慢しているヤツにイヤミで「頭がいい人は早く禿げるっていうから、気をつけた方がいいよ」と言ったところ…

ディスコミュニケーションの原因 使用言語の違い(日本人同士でも起こる) 文化的背景の違い 表現された記号と、そこに込められたメッセージとのズレ 物理的なメディアのノイズ

ここまでのポイント

現代社会の特質 グローバル性:自分の生活のさまざまな局面が、世界中の地域のヒト・モノ・情報から影響を受け、また与えている 複雑性:社会の仕組みが複雑になるとともに、人々の間の利害関係が錯綜している

現代社会の特質がもたらすもの 物理的(時間・距離・お金)に、自分が直接見たり聞いたりできない事柄で、自分の生命や生活・将来に直接関わることが増大してきている したがって、人々は多くの事柄を(マス)メディアを通じて知るしかできない (マス)メディアなくして社会なし

人間の知識習得の場所 学校(&塾)での教育 メディア接触 その他の実体験(親や友達との会話・読書・遊び…など)

人間の発達と知識源 幼年期:学校教育以外での実体験(母親を中心とした家族によるもの等)&(マス)メディアによる情報 青少年期:学校教育&学校教育以外での実体験(友人によるもの等)&(マス)メディアによる情報 壮年期以降:学校教育以外での実体験(同僚によるもの等)&(マス)メディアによる情報

(マス)メディアの果たしている役割 情報の提供 世界観・価値観の形成 社会化=社会に適応していくこと

(マス)メディアによる情報の効用 【ミクロ】自己の欲求(=知りたい・楽しみたいetc.)の充足→短期的効用 【ミクロ】自己の態度・行動などの判断基準形成の一因→短期・中期的効用 【ミクロ】自己の価値観・世界観形成の一因→長期的効用 【マクロ】議題設定機能→短期的 【マクロ】世論形成機能→短期的~長期的効用

メディアが描く世界は現実をそのまま写しているわけではない メディアが描く世界は、現実の一部を切り取り、自分の意図で組み立てたものである

情報内容を決定する要因 個人的要因=情報の作り手個人の思想・姿勢など 法制度的要因=法律・制度など 倫理的要因=倫理基準など 経済的要因=営利性など (マス)メディアが提供する情報の内容は、(マス)メディアという組織が置かれている社会的な状況や組織の経営形態によって大きな影響を受ける

メディア全体の中でのマスメディア いろいろなメディアの中で、マスメディアはどのような位置づけにあるのか? 人々が接するさまざまなメディアのうち、多くの人々にとって、もっとも接する機会が多くて重要なもの 特に、いま世界で起きていることやその背景を知るために欠かせないもの

日本人のメディア接触状況① NHK放送文化研究所編『2010年国民生活時間調査』から抜粋(一部表現を改めた)(次の2・3は、博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所「メディア定点調査2013」から抜粋)

日本人のメディア接触状況②

日本人のメディア接触状況③

小学生のメディア接触状況 テレビ:1時間59分(88.2%) ラジオ:0分(1.3%) インターネット:10分(16.4%) 新聞:2分(3.9%) 雑誌・マンガ・本:11分(23.7%) DVDなど:16分(17.1%) 音楽:2分(5.3%)

中学生のメディア接触状況 テレビ:1時間48分(86.1%) ラジオ:1分(4.8%) インターネット:22分(22.4%) 新聞:2分(5.5%) 雑誌・マンガ・本:18分(33.9%) DVDなど:13分(13.3%) 音楽:14分(19.4%)

高校生のメディア接触状況 テレビ:2時間05分(82.4%) ラジオ:0分(1.1%) インターネット:30分(24.7%) 新聞:2分(7.1%) 雑誌・マンガ・本:16分(22.0%) DVDなど:7分(8.8%) 音楽:21分(19.8%)

大学生のメディア接触状況 テレビ:1時間57分(82.6%) ラジオ:0分(2.6%) インターネット:29分(24.5%) 新聞:2分(6.1%) 雑誌・マンガ・本:17分(25.5%) DVDなど:12分(12.2%) 音楽:12分(16.2%)

高齢者(70歳以上)のメディア接触状況 テレビ:5時間34分(96.2%) ラジオ:36分(22.8%) インターネット:11分(8.9%) 新聞:43分(66.7%) 雑誌・マンガ・本:14分(13.2%) DVDなど:5分(4.0%) 音楽:3分(3.8%)