健診の腹部エコー検査で発見された 副腎腫瘤2症例の考察

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1. マンモグラフィって?  乳房のX線撮影のことです。  乳房を引き伸ばし圧迫して レント ゲンを撮ります。  胸部や骨のX線検査などと原理はまっ たく同じです。乳房にX線を当てその X線の吸収の差をフィルムに写し出す ものです。  他のX線検査と大きく違うところは、 乳房は全体が柔らかい組織でX線の吸.
急性腹症は定番 CT の重要性 解剖、腫瘍疾患の所見は必須 MRI 婦人科疾患の鑑別 T1 強調像、 T2 強調像の意味 消化管造影は減少? 内視鏡との相補的な扱い ポリポーシス、大腸疾患は依然重 要 肝、胆道系(腫瘍の鑑別)は? 腹部の画像診断のポイント.
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健診の腹部エコー検査で発見された 副腎腫瘤2症例の考察 医療法人新虎の門会新浦安虎の門クリニック    沼本美由紀 後藤千絵子 堀内純    君島由希子 大前利道   大前由美  新浦安虎の門クリニックの後藤と申します。 よろしくお願いします。 当院の健診時の 腹部エコー検査で発見された 副腎腫瘍2症例の考察について 発表します。 2018/9/19

はじめに 当施設での健診腹部エコー検査対象臓器は 胆嚢・肝臓・腎臓・膵臓・脾臓である。 今回は、健診のエコー検査にて発見された 検査対象外である副腎の腫瘤2例について 考察した。 当施設での健診腹部エコー検査対象臓器は、 胆嚢・肝臓・腎臓・膵臓・脾臓です。 今回は、健診のエコー検査にて発見された検査対象外である 副腎の腫瘤2例について 考察しました。 2018/9/19

症例1 36歳男性。 平成17年3月、当院健診受診。 自覚症状・既往歴なし。 腹部エコー検査にて肝右葉と右腎上極に接し、 大きさ50mmの腫瘤を描出した。 1年前、当施設で健診受診したが、異常所見は 描出されなかった。 症例1 36歳男性。 平成17年3月、当院健診受診。 自覚症状・既往歴なし。 腹部エコー検査にて肝右葉と右腎上極に接して、大きさ50mmの腫瘤を描出しました。 1年前、当施設で健診受診した時は、異常所見は描出されませんでした。 (健診 3/17) 2018/9/19

健診当日の血圧・血液データ 血圧 TP ALB A/G TTT ZTT T-Bil GOT GPT LDH ALP γ-GTP 114/72 7.4 4.8 1.8 2.5 4.9 1.2 17 21 294 251 22 LAP Ch-E AMY T-cho HDL LDL TG GLU HbA1c BUN クレアチニン 尿酸 43 4727 77 177 41 119 140 98 4.7 15 1.1 8.1 Na K Cl Ca 無機リン 白血球数 赤血球数 ヘモグロビン ヘマトクリット HCV MCH MCHC 血小板数 142 3.9 101 9.4 2.8 5000 501 15.7 45.7 91 31.3 34.4 20.4 健診当日の検査データーです。 特に異常は認められませんでした。 2018/9/19

症例1エコー画像-1 健診当日のエコー画像です。 大きさは 50ミリから 60ミリの腫瘤が、肝右葉と右腎上極の間に認められました。 辺縁がやや不整の 類円形をしていました。 2018/9/19

症例1エコー画像-2 こちらのエコー画像では、後方エコーが増強しているのがわかります。 2018/9/19

CT画像 造影前 造影後 精査の為、1週間後にCT検査を行いました。 右腎の上極側に 70ミリ大の腫瘤が認められました。 左は造影前。 右は造影 40秒後の画像です。 造影前は、腎と同程度の吸収値 造影後は、造影剤による強い造影効果がみられました。 この結果、副腎腫瘍の疑いと診断され、他院に紹介されることになりました。 メモ*********************************** (CT実施 3/24) ★ 通常のリンパ腫では、このような強い染まりは見られない。 造影前 造影後 2018/9/19

他院への紹介 5月12日にCTガイド下針生検を実施。 その結果、早期の副腎原発の悪性リンパ腫 と診断された。 現在、血液内科で経過観察中。 紹介先の病院で、5月12日にCTガイド下生検を実施した結果、 早期の 副腎原発の悪性リンパ腫 と診断されました。 現在、血液内科で経過観察中です。 2018/9/19

症例2 48歳女性。 平成17年11月、当院健診初受診。 高血圧症治療中。 腹部エコー検査にて、肝右葉付近に 約40mm大の腫瘤を描出した。 症例2です。 48歳女性。 平成17年11月、当院での健診は初受診でした。 既往は、高血圧症治療中。 腹部エコー検査にて、肝右葉付近に約40mm大の腫瘤を描出しました。 2018/9/19

健診当日の血圧・血液データ 血圧 TP ALB T-Bil GOT GPT ALP γ-GTP 104/73 7.0 4.4 0.6 19 17 235 15 AMY T-cho HDL LDL TG GLU HbA1c BUN クレアチニン 尿酸 68 225 100 122 57 93 4.9 13 0.49 3.6 白血球数 赤血球数 ヘモグロビン ヘマトクリット HCV MCH MCHC 血小板数 4700 454 14.1 43.3 95 31.1 32.6 17 当日の血液検査結果です。 総コレステロールとHDLコレステロール値が高めで、 その他には 異常は認められませんでした。 (健診 H17/11/14) 2018/9/19

症例2エコー画像1 エコー画像です。 肝臓 S6付近に 径50ミリ大の低エコーで、円形の腫瘤が認められました。 辺縁は整、内部は不均一で、一部高エコーの部分も認められます。 2018/9/19

症例2エコー画像2 腫瘤は、肝臓表面近くにあって、突出しているように見えました。 2018/9/19

症例2エコー画像4 この画像のように、肝臓が腫瘤に外側から圧迫されているように 描出される部分もありましたが、 肝腫瘍の疑いとして、1週間後にCT検査を実施しました。 2018/9/19

症例2CT画像PL こちらは、プレーンのCT画像です。 右副腎と思われる部位に40ミリ大の腫瘤が認められました。 肝臓よりやや低吸収で、腎より高吸収の像がみられました。 (CT 11/21) 2018/9/19

症例2 CT画像造影 造影:動脈相 造影:後期相 こちらは、造影後のCT画像です。 左は動脈相で、造影後40秒 症例2 CT画像造影 こちらは、造影後のCT画像です。 左は動脈相で、造影後40秒 右は後期相で、造影後3分です。 軽度の造影効果がみられたのみで、この二つの差は特にありませんでした。 メモ***************************************** <カルテより> 肝臓よりもやや吸収値が低く、比較的よく染まり、 一般的な副腎腫瘤とは異なる印象を受けました。 造影:動脈相 造影:後期相 2018/9/19

追加検査結果 アドレナリン : 42 pg/ml(基準値:70以下) ノルアドレナリン: 359 pg/ml(基準値:70-320) アドレナリン  : 42 pg/ml(基準値:70以下) ノルアドレナリン: 359 pg/ml(基準値:70-320) ドーパミン   : 46 pg/ml (基準値:20以下) コルチゾール  :10.0 μg/dl(基準値:4.6-19.4) 尿中VMA定性   :(-) 副腎腫瘍では、ホルモン産生性腫瘍が出来る事があるので、 血中カテコールアミンとコルチゾール、 尿中VMA検査を実施しました。 ノルアドレナリンと、ドーパミンが軽度に上昇しており、 機能性副腎腫瘍の疑いで、他院へ紹介となりました。 (追加血液検査 12/20) 2018/9/19

他院への紹介 紹介先では、原発性アルドステロン症は 完全に否定できないが、レニン定量:5.9pg/ml、 アルドステロン:14.1 ng/dlという実測値を見る 限り、その可能性は極めて低いと判断された。 機能性ではないにしても副腎腫瘍なので、 その後は3ヶ月毎にCT検査で経過観察中。 紹介先では、原発性アルドステロン症は完全に否定できないが、 レニン定量:5.9 アルドステロン:14.1 という実測地を見る限り、 その可能性は極めて低いと判断されました。 機能性ではないにしても 副腎腫瘍なので、 その後は3ヶ月毎にCT検査で経過観察中になっています。 2018/9/19

結語 通常ルーチンで観察する臓器以外の所見も、健診時に発見される事がある。 今回の副腎の症例は、通常観察している臓器に隣接して得られた所見であった。 対象臓器を決めている健診であっても、常に視野を広く持ったルーチン検査が必要と考える。 (アニメーション) 結語です。 通常ルーチンで観察する臓器以外の所見も、健診時に発見される事があります。 今回の副腎の症例は、通常観察している臓器に隣接して得られた所見でした。 これらの事から、 対象臓器を決めている健診であっても、常に視野を広く持ったルーチン検査が必要と考えます。 ご静聴 ありがとうございました。 2018/9/19