はじめに 企業年金について従業員の皆さんの理解をより深めていただくために、「ご存知ですか、企業年金」と銘打ち、社内文書システム上に教育用資料を順次、掲載することにしました。 内容としては、企業年金のことを簡単な確認テスト形式でまとめてありますので、クイズをしながら学んでいただけるような体裁になっています。 今回は、VOL .4 資産運用(基礎)編です。 なお、過去の発信履歴および今後の予定は以下となりますので、引き続きよろしくお願いします。 ①入門編 9/16 発信済 ②キャッシュバランス年金(CB年金)編 10/26 発信済 ③確定拠出年金(DC年金)編 11/28 発信済 ④資産運用(基礎)編 ⑤資産運用(応用)編 ⑥ライフプラン編 以上
ご存知ですか、企業年金 VOL .4 資産運用(基礎)編 2016年12月 田辺三菱製薬企業年金基金
(お願い) これより先は、スライドショーでご覧ください。
【設問1】 に適切な語句を入れてください。 田辺三菱製薬グループの企業年金制度のうち、 確定拠出年金(DC年金) は、 【設問1】 に適切な語句を入れてください。 田辺三菱製薬グループの企業年金制度のうち、 確定拠出年金(DC年金) は、 会社からの毎月の拠出金を 加入者自身 が運用し、その実績によって将来の 受け取り額が変動するしくみになっています。 資産運用の方法には、資産を守ることに主眼を置いた 貯蓄 と 資産の成長を狙う 投資 があり、目的に応じて、使い分けることが大切です。 つまり、安全性を重視するならば、 貯蓄(預金、保険) の配分割合を高め、 収益性を重視するならば、 投資(株式、債券) の配分割合を高めます。 また、外貨建て資産(ドル、ユーロ等)に投資する場合には、 為替レート の 変動によって、年金資産が増減しますので、注意が必要です。
貯蓄 投資 運用の目的 ■運用の目的を考えましょう ■資産を守る ■安全性を重視 (元本確保型) 預金 保険 ■資産を殖やす ■収益性を期待 株式 債券
運用商品の全体像 ■分類によって特徴が異なります。 貯蓄 (預金) 元本確保型 (保険) 投資 国内債券 国内株式 外国債券 外国株式
金利と債券価格は、シーソーのような関係にあります。(P10~P11参照) 【設問2】 資産運用に関する内容として、正しいものには〇を、誤っているものには、×をつけてください。 1.預金商品は、元本が目減り(元本割れ)することはない。 ○ 元本は必ず確保されます。 2.保険商品は、元本が目減り(元本割れ)することはない。 × 中途解約時の解約控除(解約手数料)を加味すると元本割れすることがあります。 3.金利が上昇すると、債券価格は下落する。 ○ 金利と債券価格は、シーソーのような関係にあります。(P10~P11参照) 4.買いたい人 より 売りたい人のほうが多ければ、株価は上昇する。 × 買いたい人が多ければ上昇し、売りたい人が多ければ下落します。 5.為替が円高になると、外貨建て商品の円換算の資産額は増加する。 × 為替が円高になると、円資産額は減少し、円安になると増加します。
物価上昇(インフレ)率よりも元本確保型商品の利率の方が低い場合 貯蓄(元本確保型)の特徴 定期預金 (預金) 元本確保型 (保険) ■元本は必ず確保される。 ■利率は保険より低い傾向 保険商品 ■中途解約時には元本割れも。 ■利率は預金より高い傾向 インフレ(物価上昇)リスク 物価上昇(インフレ)率よりも元本確保型商品の利率の方が低い場合 実質的な貨幣価値が下がってしまうリスクがあります。(次頁参照) 例.物価上昇率 2% 利率 0.5% ⇒ 実質的な資産価値が下落
100万円を年率0.5%の元本確保型で10年間運用し、 インフレリスク(イメージ) 100万円を年率0.5%の元本確保型で10年間運用し、 5年後から物価が毎年2.0%上昇すると・・・ 資産も増えましたが、 物価が上回ってしまいました 110万円 90 95 100 105 110 115 120 (万円) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (年) ■物価 (5年後から年2.0%上昇) ■元本確保型10年(年率0.5%) 105万円 [日本-DC基-201301-427-D] 9
国や企業などがお金を借りるために発行する証券 債券の特徴 国や企業などがお金を借りるために発行する証券 安全性 高い 収益性 低い 相対的な傾向 金利リスク 市場 金利 債券 価格 信用リスク 国 金融 機関 企業 金利が上昇すると債券価格は下落 金利が下落すると債券価格は上昇 発行体の財政悪化、破綻等により、元本や利息が受け取れないことがあります。
金利と債券価格 金利が下がると・・ 利率年2%の債券を100万円で買った場合 100万円 金利が上がると・・ (利率年3%) (利率年1%) 金利が上がると・・ (利率年3%) 金利が下がると・・ (利率年1%) 市場で利率3%の債券が 買えるのに自分は2%しか 利息を受取れない! 市場では利率1%の債券 しか買えないのに自分は 2%も利息を受取れる! 100万円 -α 100万円 + α 債券価格 ダウン 債券価格 アップ
価格変動リスク 信用リスク 株式の特徴 業績 景気 企業 金利 市場 企業が資本金を集めるために発行する証券 安全性 低い 収益性 高い 安全性 低い 収益性 高い 相対的な傾向 市場 業績 景気 金利 価格変動リスク 信用リスク 企業 さまざまな要因が相まって、株価は日々 上下に動きます。 企業の不祥事や倒産等によって、株価が大きく下落することがあります。
¥ $ 為替リスク 外貨建て商品の特徴 外国株式・外国債券の投資信託など 安全性 低い 収益性 高い 相対的な傾向 ● 外国とはどこ? 外貨建て商品の特徴 外国株式・外国債券の投資信託など 安全性 低い 収益性 高い 相対的な傾向 ● 外国とはどこ? ・アメリカ ・ヨーロッパ 等 為替リスク ¥ $ ● 為替相場の影響を受ける ・円高、 円安 ・対ドル、 対ユーロ 等 外貨建て商品は、株式や債券自体の価格変動のほか、『為替の変動』の影響も受けます。
為替リスク 円高になると・・ 円安になると・・ 1ドル=100円 100万円 (1ドル=90円) (1ドル=110円) 1万ドル 110万円 (1ドル=90円) 円安になると・・ (1ドル=110円) 1万ドル 円高になったら マイナス 円安になったら プラス 110万円 90万円 110万円 価格 ダウン 価格 アップ
【設問3】 これから資産運用をはじめようと思っている (ウサ丸) と資産運用に詳しい (亀吉) の会話をよく読んで、以下の設問に答えてください。 毎年、3%の 「収益」 を目標にして、資産を殖やしていきたいと思っているんだ。 なるほど、目標に向かって努力するのは、大事なことだよね。 ただ、毎年、同じ収益を稼ぎ続けるのは、なかなか難しいことなんだ。 え、それはどういうことなの? 日本や世界の経済状況は日々変化するので、毎年の収益にはブレが出やすいんだ。3%を狙っていても、それを超える収益が出たり、逆にマイナスの収益になることもあるんだ。 そうか、資産運用をするにあたって、亀吉くんの言った 「収益のブレ」 を受け入れる必要があるんだね。 目先の運用実績のブレに一喜一憂せずに、早い時期から、長期間にわたって、資産運用を続けることが肝心なんだ。 1.「収益」 のことをカタカナで何と呼ぶでしょうか? ①パターン ②サターン ③Uターン ④リターン 2.「収益のブレ」 のことをカタカナで何と呼ぶでしょうか? ①マスク ②ラスク ③スクスク ④リスク
元本 リターン リターン リスクとリターンとは? リスク(将来の価格のブレ幅) (プラス) (マイナス) プラス、マイナスのどちらの方向にもブレる可能性があるんだよ。 マイナスの方向にブレたら、大変だなあ。
各資産の年度別リターン(2008~2015年度) (リターン) リーマンショック 各資産とも年度ごとに、大なり小なり、「収益(リターン)のブレ=リスク」 があって、株式のようにリターンが高い資産ほどリスクが高くなっていることがわかるよね。つまり、ハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンなんだ。 確かに、毎年同じリターンを出し続けるって難しいね。
各資産のリスクとリターン 外国株式 国内株式 リターン 外国債券 国内債券 元本確保型 リスク 各資産のリスクとリターン 外国株式 国内株式 外国債券 国内債券 リターン 元本確保型 リスク 債券よりも株式の方が、また、国内に投資するものよりも外国に投資するものの方がハイリスクハイリターンになっているのがわかるよね。株式には、株価変動リスク、外国に投資する外貨建て商品には為替リスクがあるからなんだ。 預金、保険のような元本確保型は、元本が目減りするリスクは少ないけど、あまり大きなリターンは期待できないっていうことになるね。
リスクを下げるコツ ◆4資産に1/4ずつ分散投資した場合は? (万円) ※2008年4月に100万円投資を始めたものとしてグラフを作成 ※表示している運用成果は過去の実績であり、今後の実績を保証するものではありません。 複数の資産に分散投資すると、資産全体のリスクを下げることができるとされているんだ。なるべく値動きの違う資産を組み入れるのがコツだよ。 リスクが下がるということは、収益のブレが小さくなるということだから、つまり、 安定した運用が期待できるということだね。
お疲れさまでした。 次回は、VOL .5 資産運用(応用)編 の予定です。