ワークショップ Ⅴ WHOの目指すものと 経穴部位標準化委員会の活動の 経緯と展望 ワークショップ Ⅴ WHOの目指すものと 経穴部位標準化委員会の活動の 経緯と展望 標準化案の注目経穴 Ⅱ 第55回 (社)全日本鍼灸学会学術大会 金沢大会 第二次日本経穴委員会 作業部会委員 宮城地方会 浦山 久嗣
1‐a.「天府」の場合 上腕部にあり、腋窩横紋前端から尺沢穴に向かい下3寸、上腕二頭筋の筋溝に取る。 【便法】 上腕を伸ばしたまま前方に挙げて、前上腕部が鼻尖に当たるところに取る。 (学校協会テキスト) 腋窩横紋前端から下3寸,上腕二頭筋外側縁。(前腋窩横紋頭から肘窩横紋は9寸) (韓国標準テキスト)
1‐b.「天府」の出典 天府:在腋下三寸、臂臑内廉 動脉中。 天府:在腋下三寸。(『千金方』巻二十九) (『鍼灸甲乙経』巻三) 天府:在腋下三寸。(『千金方』巻二十九) 天府、二穴:在腋下三寸 動脉中。以鼻取之。 (『銅人腧穴鍼灸図経』) 天府:在腋下三寸。以鼻取之。 (『鍼灸大全』巻三)
1‐c.「天府」の合意案 前上腕部(anterior region of arm)にあり、前腋窩ヒダ(anterior axillary fold)の下方3寸、上腕二頭筋の橈側縁のところ。 注:外側二頭筋溝(lateral bicipital sulcus)に沿い、前腋窩ヒダ端と尺沢(LU5)を結ぶ線の上1/3。 ・ 韓国案に従う
2‐a.「労宮」の場合 手掌部にあり、指を屈し、中指と薬指の指尖が手掌に当たるところの中間に取る。 (学校協会テキスト) 手掌面の第2、第3中手骨底の下縁。 (『標準経穴学』)
2‐b.「労宮」の出典 労宮者、掌中 中指本節之内間也。 (『霊枢』本輸篇) 労宮者…。在掌中央 動脉中。 (『鍼灸甲乙経』巻三) 労宮…。在掌中央 動脉中。以屈無名指取之。 (『銅人腧穴鍼灸図経』)
2‐c.「労宮」の合意案 ・・ 両案併記 (日本・中国案) 案1:手掌にあり、第3中手指節関節の近位端の高さで、第2、3中手骨の間の第3中手骨よりのところ。(注:手を握ったときに中指尖が付くところで、第3中手骨の橈側。) (日本・中国案) 案2:手掌にあり、第3中手指節関節の近位端の高さで、第3、4中手骨の間の第3中手骨よりのところ。 (韓国案) ・・ 両案併記
3‐a.「中衝」の場合 中指末節の尖端中央。 (中国標準テキスト) 中指橈側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。 (学校協会テキスト)
3‐b.「中衝」の出典 中衝者、手中指之端也。 (『霊枢』本輸篇) 手心主之脉、出於中指之端、内屈中指内廉。 (『霊枢』邪客篇) 中衝者、手中指之端也。 (『霊枢』本輸篇) 手心主之脉、出於中指之端、内屈中指内廉。 (『霊枢』邪客篇) 両手外内側 各三、凡十二痏。[馬注:中衝在中指内廉。](『霊枢』熱病篇・[『註証発微』]) 中衝者…。在手中指之端 去爪甲如韭葉陷者中。 (『甲乙経』巻三) 中衝、灸中指甲後一分。(『太平聖恵方』巻百) 中衝、在手中指内廉之端 去爪甲如韭葉。 (『鍼灸大全』)
3‐b.「中衝」の合意案 ・ ・ 両案併記 案1:手指(digits of hand)にあり、中指末端の最高点のところ。 (中国案) (日本案) ・ ・ 両案併記
4‐a.「環跳」の場合 大腿骨大転子と仙骨管裂孔を結ぶ線上で大転子から1/3。 (韓国案) 大腿骨大転子と仙骨管裂孔を結ぶ線上で大転子から1/3。 (韓国案) 側臥して股関節を深く屈し、股関節横紋の外端、大転子の前上方陥凹部。 (日本案)
4‐b.「環跳」の出典 環跳、在髀樞中。側臥伸下足、屈上足取之。 (『甲乙経』巻三) 環跳、在髀樞中。側臥伸下足、屈上足取之。 (『甲乙経』巻三) 両髀厭分中、二穴。[王注:謂環跳穴也。在髀枢後。足少陽・太陽二脉之会。] (『素問』気穴論篇[王冰注]) 髀枢中傍、各一。 [王注:謂環跳二穴也。] (『素問』気府論篇[王冰注])
4‐c.「環跳」の合意案 案1:臀部(gluteal region)にあり、大転子(femur greater trochanter)の最高点と仙骨管裂孔(sacral hiatus)を結ぶ線で外1/3のところ。 (韓国案) 案2: 大腿部(thigh)、大転子の最高点から上前腸骨棘に向かい1/3にある。 (日本案) (注:側臥し、股関節と膝関節を屈曲して取穴する。) ・ ・ 両案併記
5-a.「外丘」の場合 足の外踝の上7寸、腓骨の前縁。 (韓国標準テキスト) 外果の上7寸、陽交穴の後方で長腓骨筋とヒラメ筋の間に取る。(学校協会テキスト) 腓骨頭下縁と外果頂点との中央で、腓骨の前縁。 (『標準経穴学』)
5-b.「外丘」の出典 外丘…、在足内踝上七寸。 (『甲乙経』巻三) 外丘…(甲乙)、骨陥中(入門)、陽交後(増註)。 (『経穴彙解』) 陽交…、在外踝上七寸、斜属三陽分肉間。 (『甲乙経』巻三) 陽交…(甲乙)、与外丘並(入門)、下廉後 外丘前(増註)。 (『経穴彙解』)
5-c.「外丘」の合意案 前下腿部(on the lateral side of leg)にあり、外踝(lateral malleolus)尖の上7寸で、腓骨(fibula)の前縁。 注: 外踝尖と膝窩横紋(popliteal crease)外側端とを結ぶ線の中点から下1寸。陽交(GB35)の前。 ・ 韓国案に従う
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