乳腺MRI 乳腺MRIを用いた検査結果などについて 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 　　発表演者　永山　健二　 　　共同演者名　①沼本　美由紀②斉藤　智 　　　　　　　　　③磯野　沙智子 　 　　　　①②医療法人新虎の門会　③東芝メディカルシステムズ よろしくお願いいたします。

本日のメニュー 　　目　的 　　対　象 　　方　法 　　結　果　 　　考　察 本日のメニューです、目的、対象、検査方法、結果、考察の順で話をさせていただきます

「目的」 MRI装置を導入し、同時に乳腺MRI検査を始めた。 撮影方法、受診者の検査結果など多方向から検証する。 目的です、当院の撮影方法、検査結果など多方向から検証いたします。

「対象」 2013/4/1より2014/7/31までに乳腺MRIを 受診した92名 年代別受検者数 40歳未満 16 40歳代 49 40歳未満　　 16 40歳代　　　 49 50歳代 20 60歳以上　　 7名 対象です、MRI装置を導入した２０１３年４月１より２０１４年７月３１日までに、乳腺MRI検査を受診いただいた９２名です。 内訳はスライドのとおりです 4

使用機器 使用機器としては、東芝メディカルシステムズ製バンテージ、タイタン１，５テスラ、撮影には乳腺専用コイルを使用いたします。 コイルは４チャンネルコイルを使用しています 5

造影剤 使用造影剤；マグネビスト 使用量；0.2ml／kg 注入スピード 2ml／秒 造影剤はマグネビストです。 造影剤についての注意事項などは後程説明をいたします。 造影剤注入装置はネモト杏林堂製でございます。 これも、是非と（笑い） 6

乳腺MRIの撮影方法 撮影シーケンス、撮影タイミングなど 当院の撮影シーケンス、撮影タイミングなどについて説明いたします。

最適撮影時期 月経周期開始後５日目～１２日目 閉経前女性の乳腺組織への造影剤の取り込みは月経周期の時期によって異なる。 月経周期後半の2週間（黄体期分泌期）は乳腺組織の造影剤の取り込みが亢進し 偽陽性所見を招きやすいため避ける。

撮影体位 １乳房が伸展する ２体動が少ない などにより腹臥位とする ２体動が少ない 　　　　　　　　　　　　　　　などにより腹臥位とする 撮影体位としては、乳房が自然に伸展し、呼吸、動きなどの体動が少ないためうつ伏せで撮影します。 コイルを使い説明しましょう

撮影方向 ＳＧ ＣＯ ＡＸ 撮影方向は、３方向（断面） アキシャル、サジタル、コロナルの３断面とします。 写真を見てください、

撮影シーケンス 脂肪抑制T2強調画像 Ｔ１強調画像 拡散強調画像 ダイナミック撮影 ３Ｄ ＳＧ 右 ３Ｄ ＳＧ 左 ３Ｄ ＣＯ ３Ｄ　ＳＧ　右 ３Ｄ　ＳＧ　左 ３Ｄ　ＣＯ 撮影は、スライド通りです、個別に説明いたします

脂肪抑制T2強調画像 乳癌の検出目的よりも 繊維腺腫 のう胞性病 などの診断に用いる 脂肪抑制T2強調画像です。 　　　　　　　　　　　　　などの診断に用いる 脂肪抑制T2強調画像です。 撮影目的としては、のう胞せい病変、繊維腺腫などの描出を主目的としています。 個人的に必要性は？です

T1強調画像 内部の脂肪の評価 脂肪性乳房の辺縁の評価 実際の必要性は？ T1強調画像です 内部の脂肪の評価、脂肪性乳房の辺縁の評価などです。 これも、個人的には？です

拡散強調画像 利点 弱点 コントラストが高い 空間分解能が低い 癌の感度が高い 小さい乳管内成分は描出困難 拡散強調画像です、病変の拾い上げが容易になり、見落としなどが減り、読影が楽になると思います。

ダイナミック撮影 当院はPre、６０秒、１２０秒、１８０秒、３００秒 乳癌の造影ピークに合わせ必ず撮影する 両側同時に撮影します、乳癌の造影ピークの２分以内に必ず撮影します

ダイナミック画像 ダイナミック撮影の実際の画像でございます。

ダイナミック画像 拡大しております 病変部分が時間経過によって変化しているのがお分かりになるかと思います。 17

乳腺MRI読影法　Massの場合 形状 辺縁 内部構造 時間信号曲線 簡単に画像のみかたを説明いたします 形状についてですが

腫瘍の形はどうか？ 円形 楕円形 分葉状 不整形 どのような形をしているか? 円形、楕円形、分葉状、不整形など

腫瘍の辺縁はどうか？ 平滑 不整 スピキュラ状 辺縁はどうでしょうか？ 平滑　不整　スキピュラ　だんだん悪性よりになります

不均一：様々な程度の増強効果が混在。良悪性ともあり。 内部の造影効果の特徴は？ 均一：一様な増強効果。良悪性ともあり。 不均一：様々な程度の増強効果が混在。良悪性ともあり。 リング状 　環状・リング状増強効果であり、乳癌を示唆する所見 内部構造としても、均一、不均一、リング状などがありスライドのとおりです

時間信号曲線 （ダイナミックカーブ） ダイナミックカーブです。 時間信号曲線　（ダイナミックカーブ） ダイナミックカーブです。 造影効果を持つ腫瘤などがあったときには時間経過によってどう変化したかを数値化、グラフ化してみます。 もとの信号強度から２倍以上、１，５倍から２倍まで、１，５倍未満などの分類があります。 さらに、ピーク時から（後期相）時間経過で もとの信号の１０％以上増加、±１０％、１０％以上減少などがあります。 ２倍以上増えて１０％以上減少ラビットウォシュアウトが乳癌に多いカーブです。 但し、形状評価を優先します。

結　　　果　　　１ 　　受診者９２名 　　 異常なし　　　　 ２１名 　　のう胞性病変　　　 １２名 　　乳腺症　　　　　　　 ６名 　　繊維腺腫　　　　　 ３９名 　　乳癌　　　　　　　 １４名 結果はスライド通りです

結　　　果　　　２ 紹介者　３３名　 　　　　　 のう胞　　　 ４名 　　　　　繊維腺腫　 １５名 　　　　　乳がん　　　１４名 ９２名中他院へ紹介した33名についてです。

読影結果は乳腺MRI画像のみの結果です。 当院の読影結果と紹介先病院からの結果比較です。 ﾏﾝﾓ ｴｺｰ 紹介先結果 放射線科医読影 3 乳がん ＦＡ疑い、細胞診まで 繊維腺腫 1 乳がん疑い 3ＯＲ4 のう胞 4 乳腺症 3－２ 左3 両側乳がん 2 乳瘤疑い 非典型造影 読影結果は乳腺MRI画像のみの結果です。 当院の読影結果と紹介先病院からの結果比較です。 乳がんを繊維腺腫と診断が1名いました、ただし画像的に乳癌も否定できないため、3ヵ月後の再検もしくは細胞診をするように指示がありました。 反対に、繊維腺腫を乳がん疑いだとしたのが5件ありました。 増殖能が高い繊維腺腫だったことが原因と考えられます

症例 両側乳がん 両側に乳がんが見つかった患者さまの画像です。 検査目的といたしましては、右側乳がん疑いとして乳腺ＭＲＩ検査依頼が来ました。 症例　両側乳がん 両側に乳がんが見つかった患者さまの画像です。 検査目的といたしましては、右側乳がん疑いとして乳腺ＭＲＩ検査依頼が来ました。 こちらは、左側です

症例　両側乳がん こちらの画像は右側です

ＭＭＧ マンモグラフィーでは異常を指定出来ませんでした。 高濃度乳腺ですのでマンモグラフィーの苦手な乳腺タイプです

ＵＳ 右 左 乳腺超音波です。 左乳腺については指摘ができていますが、 右乳腺は指摘できていません。 乳腺MRI結果後にセカンドルックとして再度確認しましたが、やはり指摘できませんでした

乳がんの罹患率です 国立がん研究センター　がん対策情報センターの資料です、 生涯に乳癌を患う日本人女性は１４人に１人といわれています。

にもかかわらずも県別受診率乳癌検診受診率です、 １００％目指しましょう

「考察1」 今回の結果から乳腺ＭＲＩ検査は積極的に行うべき検査だと思われる。 　今回の結果から乳腺ＭＲＩ検査は積極的に行うべき検査だと思われる。 　当然他のモダリティーと補い合ってより良い診断に結びつくものである。 以上の結果より、検査目的以外の病変発見にも役立つＭＲＩ検査は他のモダリティーとお互いをおぎないあいながら積極的に行うべき検査だといえることが出来ると考えます。

「考察２」   乳腺MRIで繊維腺腫などの造影される腫瘤が見つかった場合、半年から1年後に超音波・マンモグラフィーなどでの再検査を指示される事が多い、 この場合この段階で紹介を望む患者さんが多いと聞きます・・・・・ この問題をどう考えるか？ 再検査指示の時期まで待てなく、紹介を望む患者さまに対しての問題はどうなのかと？

「健康アドバイス」 乳腺MRI検査をしましょうと言われた時は、検査に対しての不安で色々な事を考えるのだと思いますが、検査については信頼していただければと思います。 実際に検査をした患者さんからも、全然平気でしたとのお声を頂戴しますので心配なさらないでください。

ご清聴ありがとうございました 参考文献 日本乳癌検診学会　乳癌MRI検診検討委員会 乳がん発症ハイリスクグループに対する乳房ＭＲＩスクリーニング関するガイドラインver.1.2