世阿弥の能作論 種 素材の選定 作 構成の設定 書 作詞と作曲 まづ、種・作・書、三道より出でたり。 一に 能の種を知る事、 二に 能を作る事、 三に 能を書く事なり。(『三道』) 世阿弥の能作論 種 素材の選定 作 構成の設定 書 作詞と作曲
a「種」とは? 種といつぱ、芸能の本説に、 その態をなす人体にして、 舞歌のため大用なる事を知るべし。 舞歌のため大用なる事を知るべし。 a「種」とは? 能の主人公がどのような人物であるかによって、舞や歌を演じる上で大きな効果が生じる。
舞歌二曲の態をなさざらん人体の種ならば、 いかなる古人・名匠なりとも、 遊楽の見風あるべからず。 そもそも、遊楽体といつぱ、舞歌なり。 舞歌二曲の態をなさざらん人体の種ならば、 いかなる古人・名匠なりとも、 遊楽の見風あるべからず。 「種」の重要性 舞と歌の二要素からなる演技ができないようなキャラクターでは、 どんな歴史上の有名人であっても、 能としての面白味が生まれない。 能の姿は舞と歌が基本!
b「作」とは? まづ、序破急に五段あり。 序一段、破三段、急一段なり。(中略) この五段を作りさだめて、 序にいかほどの音曲あるべし、 破三段に三色の音曲いかほど、 急に似合ひたる曲風いかほどと、 音曲の句数を定めて一番を建立するを、 能作るとは申すなり。 b「作」とは? 急 破 破 破 序 序破急は 序一段 破三段 急一段 の五段構成。 まずこの構成で台本を作り、 その上で、それぞれに必要な分量の謡、相応しい雰囲気の謡を割り当てていく。
c「書」とは? 書といつぱ、その能の開口より、 出物の品々によりて、 この人体にはいかやうなる詞を書きてよかるべしと、安得すべし。(中略) 能には、本説の在所あるべし。 名所・旧跡の曲所ならば、 その所の名歌・名句の詞を取ること、 能の破三段の内の、 詰めとおぼしからん在所に書くべし。 その土地ゆかりの和歌や漢詩を、 作品のクライマックスに用いる 作品の舞台となる土地が大切 登場人物のキャラクターに相応しい 言葉を工夫する c「書」とは?
(有名な古典文学の登場人物 在原業平・光源氏・小野小町・和泉式部など) 作者と観客を結びつける 共感装置(これ知ってる感・ あるある感) ご当地ソング的名歌・名句の活用 観客のイマジネーションを刺激! 主人公のキャラに相応しいセリフ 歌舞を演ずるのに相応しい主人公 (有名な古典文学の登場人物 在原業平・光源氏・小野小町・和泉式部など) 作者と観客を結びつける 共感装置(これ知ってる感・ あるある感) ・・・つまり?