第7回 フィルタとは.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
第 7 週目: 周波数伝達関数とボード線図 周波数伝達関数 ボード線図 TUT, System & Control laboratory 1/16.
Advertisements

円線図とは 回路の何らかの特性を複素平面上の円で表したもの 例えば、ZLの変化に応じてZinが変化する様子 Zin ZL
三角関数演習問題 r b a [ 三角関数 ] θ 信号理論 (金田) 1演-1 (答は別紙の解答用紙に記入する)
復習.
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
放射線計測エレクトロニクスの信号処理の為の アナログ電子回路の基礎 第五回
CR 結合回路の  抵抗電圧 ER は、微分回路になる。 低域遮断フィルタ。 コンデンサ電圧 Ec は積分回路になる。高域遮断フィルタ。
デジタル信号処理①
デジタル信号処理③
担当 : 山口 匡 伊藤 祐吾 (TA) 宮内 裕輔 (TA)
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
デジタル信号処理④
ガウス誤差関数を利用した 収束の速いヒルベルト変換ディジタルフィルタ
ー 第1日目 ー 確率過程について 抵抗の熱雑音の測定実験
ー 第3日目 ー ねじれ型振動子のブラウン運動の測定
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電子回路Ⅰ 第11回(2009/1/19) 電力増幅.
2.伝送線路の基礎 2.1 分布定数線路 2.1.1 伝送線路と分布定数線路 集中定数回路:fが低い場合に適用
システムモデルと伝達関数 1. インパルス応答と伝達関数 キーワード : 伝達関数、インパルス応答、 ステップ応答、ランプ応答
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
Digital Filter ディジタルフィルタ
計測工学 ブリッジ・フィルタ・ノイズ・AD変換
[4]オシロスコープ(2) 目的 オシロスコープで位相差を測定する CR回路で各位相差になる周波数を計算(実1)
音信号表現 音声波形のデジタル化(PCM) サンプリング、標本化定理、量子化 ソースフィルタモデル
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
P4 通信システム P4.1 ディジタルフィルタの設計とその応用 P4.2 伝送線路のFDTD解析 P4.2 H4.1 P4.1 H4.1
分布定数回路(伝送線路)とは 電圧(電界)、電流(磁界)は回路内の位置に依存 立体回路 TE, TM波
第4回 信号表現とエリアシング.
5. 音声からの特徴抽出 5.1 特徴抽出の手順 5.2 音声信号のディジタル化 5.3 人の聴覚をまねて -スペクトル分析 5.4 もうひと工夫 -ケプストラム分析 5.5 雑音の除去.
+電源端子 30mV 出力 30mV 出力 +入力端子 出力端子 -入力端子 入力 入力 -電源端子 -3mV 3mV -3mV 3mV
デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀
第10回 FIR回路とIIR回路.
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
ディジタルフィルタの設計.
電子回路Ⅰ 第10回(2009/1/5) 発振回路.
基本システムのボード線図 ボード線図による基本システムの同定
高次システムのボード線図 周波数応答によるシステムの同定
電気回路の分類 一部修正しました 非線形回路 (重ね合わせの理が成り立たない) 線形回路 (重ね合わせの理が成り立つ)
ー 第3日目 ー ねじれ型振動子のブラウン運動の測定
Simulink で NXT を 動かしてみよう Simulink で NXT を動かす 微分値算出とフィルタ処理 ノーマルモード
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
                                                                   平成20年10月                       工学科   年生 学籍番号(          ) 氏名(                 ) □ フーリエ級数 □ フーリエ変換 □ SN比 □ 波長
電子回路Ⅰ 第10回(2008/1/7) 電力増幅.
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
電子回路Ⅰ 第8回(2007/12/03) 差動増幅器 負帰還増幅器.
シミュレーションパラメータの設定 一次系の時間応答 二次系の時間応答
RC結合増幅回路 トランジスタの高周波特性 ダーリントン接続、カレントミラー回路
電子回路Ⅰ 第9回(2008/12/15) 差動増幅器 負帰還増幅器.
インピーダンスp型回路⇔T型回路間での変換
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
第2回 標本化と量子化.
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
P4 通信システム P4.1 ディジタルフィルタの設計とその応用 P4.2 伝送線路のFDTD解析 P4.2 H4.1 P4.1 H4.1
RC結合増幅回路 トランジスタの高周波特性 ダーリントン接続、カレントミラー回路
第 5 章 :周波数応答 5.1 周波数応答と伝達関数 周波数伝達関数,ゲイン,位相 キーワード : 5.2 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
第3回 標本化定理.
ソースフィルタモデル.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
二端子対網の伝送的性質 終端インピーダンス I1 I2 -I2 z11 z12 z21 z22 E ZL: 負荷インピーダンス V1 V2
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
信号データの変数代入と変数参照 フィードバック制御系の定常特性 フィードバック制御系の感度特性
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
Presentation transcript:

第7回 フィルタとは

フィルタとは フィルタとは、 必要な信号成分を取り出したり、 不要な信号成分(雑音成分)を除去するシステム 電気回路、電子回路や プログラムで実現するものもある どのような周波数特性をもつかが重要!

フィルタの例 y(n)= Σx(n+i) プログラムで実現する例 電気回路の例 R Vin C Vout fl 1 M for(i=0;i<=M;i++){ y+=x(n-i); } y=y/M; 利得 0dB 低域通過フィルタという -3dB M個の標本化されたデータ x(n+i)を平均するフィルタ 移動平均フィルタと呼ばれる 低域通過フィルタである。 fl 周波数

フィルタの種類 フィルタの種類 ① 低域通過フィルタ(ローパスフィルタ:LPF) ② 高域通過フィルタ(ハイパスフィルタ:HPF) ③ 帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ:BPF) ④ 帯域阻止フィルタ(バンドエリミネーションフィルタ:BEF) 振幅特性 * ① ② ③ ④ 利得 利得 利得 利得 0dB 0dB 0dB 0dB 周波数 周波数 周波数 周波数 *第3回参照

遮断周波数とは あるシステムの入力信号をVin、その出力信号をVoutとするとき Vout = Vin √ となる周波数を遮断周波数と呼ぶ。 1 = Vin √ 2 となる周波数を遮断周波数と呼ぶ。 通常、フィルタの入出力関係は、電圧利得がよく用いられる Vout 電圧利得= 20log10 [dB] この数字は重要なので 覚える Vin 1 遮断周波数の電圧利得は、      = -3dB となる。 20log10 √ 2

周波数特性グラフの見方 LPF 遮断周波数 減衰特性の傾き 利得 利得 周波数[Hz] 周波数[Hz] 遮断周波数100HzのLPF (a) -12dB/Oct 0dB 遮断周波数200HzのLPF 0dB (b) -24dB/Oct -3dB -10dB (a) (c) -48dB/Oct -20dB -30dB (b) -40dB (c) 100 200 周波数[Hz] 100 200 周波数[Hz] -12dB/Octは、周波数が倍で 利得が -12dB下がる

回路の周波数特性 回路の伝達関数H(s) システム X(s) Y(s) 出力信号のラプラス変換 Y(s) H(s)= = 入力信号のラプラス変換 X(s) 回路の周波数特性 H(s)に、s=jωを代入 H(s)=H(jω)=A(ω)+jB(ω) を求める。 振幅特性 |H(jω)|= A2(ω)+B2(ω) B(ω) 位相特性 θ=tan-1 A(ω)

ラプラス変換とフーリエ変換 ∫ ∫ ∫ 回路の伝達関数 H(s) 信号のフーリエ変換 F(ω) ラプラス変換 フーリエ変換 振幅特性 振幅スペクトル 回路の周波数特性 信号の周波数スペクトル 位相特性 位相スペクトル ラプラス変換 フーリエ変換 X(s)= x(t)e-stdt ∫ ∞ X(ω)= x(t)e-jωtdt ∫ -∞ ∞ f(t)=0 (t<0)で、s=jωとすると同じになる |x(t)|dt < ∞ であることも必要 ∫ ∞ 厳密には ※

回路と信号の周波数特性 共通 呼び名は異なる 回路の周波数特性 信号の周波数特性(スペクトル) H(s)=A(ω)+jB(ω)の形になる F(ω)=A(ω)+jB(ω)の形になる 振幅特性 |H(jω)|= A2(ω)+B2(ω) 振幅スペクトル B(ω) 位相特性 θ=tan-1 位相スペクトル A(ω) 共通 呼び名は異なる

電気回路の周波数特性 LPFの例 Vout 1 H(jω)= = Vin 1+jωRC R Vout |H(jω)|=| |= Vin | |= となる周波数が 遮断周波数flであり、fl= Vin √ 2 1 利得 2πRC 0dB LPFである -3dB f 0 fl ∞ 1 |H(jω)| 1 √ 2 0dB -3dB -∞dB fl 利得 周波数

電気回路の周波数特性 位相特性 1 1 -jωRC H(jω)= = + 1+jωRC 1+(ωRC)2 1+(ωRC)2 Φ(ω)=tan-1 (-ωRC)=-tan-1(ωRC) Φ(ω) π 2π ω

演習 1.次の伝達関数をもつ回路の振幅特性、位相特性を求め、 どのようなフィルタになるか答えなさい。  どのようなフィルタになるか答えなさい。 2.次の回路の伝達関数より周波数特性の概略図を示しなさい。 (遮断角周波数も求めなさい)ただし、RC=0.5、LC=1とする。 R H(s)= s2+ s+ RC 1 LC s Vin C L Vout

演習 1.次の回路の伝達関数より周波数特性の概略図を示しなさい。 (遮断周波数も求めなさい) R s Vin H(s)= C L Vout s2+ s+ RC 1 LC s Vin C L Vout 2.次の回路の伝達関数を求め周波数特性の概略図を示しなさい。 C Vin L R Vout