パブリック・マネジメント 第11章「NPM」を超えて

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パブリック・マネジメント 第11章「NPM」を超えて 総合政策学部3年 菅野谷純 環境情報学部4年 鳥海希世子 総合政策学部3年 長良敏希

はじめに これまでのNPM 「中央集権」 「トップダウン」 業績目標の達成を前提、生産性の向上が課題 (英国、NZ) 「住民参画」 「協働」 ベスト・バリュー改革 英国ブレア労働党政権 パートナーシップにより、 よりよい供給システムを 模索する試み 本章 改革のレビューと協働の 意味を整理 住民参加のあり方考える 「改革ツール」 改革ツール 狭義のNPMを超える!? 考慮されず…

1.ベスト・バリュー改革へ 前保守党政権 現労働党政権 経済性・効率性 中央集権型 行政主導 有効性 地方議会の機能強化 現場からのボトムアップ改革 住民のニーズを反映、参加機会 官民、住民とのパートナーシップ ベスト・バリュー改革 より高次なアカウンタビリティを志向 行政現場を通じた住民の参加手法の構築を模索 改革のキーワード(4C) Challenge(挑戦)Compare(比較)Consult(協議)Compete(競争) ⇒戦略経営プロセスの導入を意図

1a 市場メカニズム重視から パートナーシップへ 民間企業、NPOとの連携を前提 広義の民営化手法=経済性・効率性 CCT(10章)廃止 サービス向上へは結びつかない… 市場メカニズム効果>経済性、効率性 住民ニーズをどう把握し地方行政に反映させるか PFI見直し 「アウトプット特定化」により経済性に集約 官民、NPO、住民とのパートナーシップ(PPP)へ 制度としては継続 反省 制約 制約 等閑 等閑 PPP Public Private Partnership

2b シティズンズ・チャーター・ インディケーターの課題 2b シティズンズ・チャーター・    インディケーターの課題 PIs(Performance Indicators) PIsを指定 業績測定(義務) 公表 特徴 課題 時系列的、横断的な ベンチマーキングが可能。 個々がどのレベルにあるか、 どの程度改善・悪化しているか、 把握が可能。 下位自治体は改善、説明を 求められる。 各自治体の個性・多様性に 配慮しない。 実際、満足度は低かった。 画一的な指標群によるベンチマーキングだけでは、 住民ニーズに適合しないだけでなく、質の向上にも至らない。

2. ベスト・バリュー原則とは 1997年6月 「ベスト・バリューの12の基本原則」が定められる <BV定義> 2. ベスト・バリュー原則とは  1997年6月  「ベスト・バリューの12の基本原則」が定められる <BV定義> ⇒3つのE(Economy, Effectiveness, Efficiency)を 最も達成しうる手段を選択 コストとサービスの質(Quality)をカバーするような基準 を明確化、 この基準を満たすサービスを供給する義務 経済性      有効性         効率性 

BV基本原則 現労働党政権(BVの特徴) 有効性/地方議会の機能強化/現場からのボトムアップ改革/ 住民のニーズを反映、参加機会/官民、住民とのパートナーシップ ●有効性 ベスト・バリューの達成は、地域サービスの効率性(Efficiency),コスト(Economy)だけでなく、有効性(Effectiveness)やサービスの質(Quality)も満足するものでなければならない。 ●住民のニーズを反映 ベスト・バリューの責務は、住民に対して自治体が提供するすべての行政サービスが対象となる。業績に関する計画(Performance Plans)は、住民への地域のアカウンタビリティのプロセスを示すものでなければならない。

BV基本原則 現労働党政権(BVの特徴) 有効性/地方議会の機能強化/現場からのボトムアップ改革/ 住民のニーズを反映、参加機会/官民、住民とのパートナーシップ ●パートナーシップ:サービス供給主体 サービスの供給は民営化させることが前提ではなく、供給主体の選択基準はいずれの供給主体がより効率的でより良いサービスを提供できるのか、である。

BV基本原則 現労働党政権(BVの特徴) ●官民とのパートナーシップ 有効性/地方議会の機能強化/現場からのボトムアップ改革/ 住民のニーズを反映、参加機会/官民、住民とのパートナーシップ ●官民とのパートナーシップ -中央政府は、ナショナル・スタンダードが要請されるいくつかのサービス領域では基本原則(基準・目標)を今後も定めていく。 -監査プロセスは、自治体内部の業績情報と自治体間での比較をより厳格に行なう必要がある。 -自治体がBVを達成できなかった場合、地方自治監査委員会の勧告に基づいて国務大臣の命令に基づく介入による改善措置がとられる。 -地域の業績目標の作成は、全国レベルの目標値との整合性や地方自治体間の  相互比較可能性の確保にも配慮する必要がある。

BV基本原則 現労働党政権(BVの特徴) 有効性/地方議会の機能強化/現場からのボトムアップ改革/ 住民のニーズを反映、参加機会/官民、住民とのパートナーシップ ●その他   ベスト・バリューの責務は、CCTの対象範囲よりも幅広い分野へ適用されるであろう。  競争メカニズムはマネジメントの手段にすぎないのであり、それ自身によってBVが達成されていることが示されるわけではない。

3.ベストバリューに見る業績指標群 地域業績指標群(LPIs) ベストバリュー業績指標群(BVPIs) 自治体のビジョンや戦略に沿った形で設定した指標 ベストバリュー業績指標群(BVPIs) The Best Value Corporate Health Indicators The Best Value Service Delivery Indicators 自治体間あるいは単一の自治体における時系列比較 Strategic Objectives, Cost/Efficiency, Service Delivery Outcome, Quality, Fair Access 地方自治監査委員会の指標群(ACPIs) 政府省庁によって設定される他の指標群

4.地域業績計画の策定と検証 コーポレイトアプローチ 自治体業績計画(LPPs) トップダウン・集権アプローチ →ボトムアップ(現場指向) 地域計画(Community Plans)に対するより高次のマスタープラン 監査委員会主導のシティズンズ・チャーター方式→現場職員をPlan-Do-Seeサイクルに

LPPsを核としたパブリックマネジメント 議会 住民 ベストバリュー における 業績指標群 政策目的の具体化 Strategic Aims ↓ Strategic Objectives Community Plans Local Performance Plans 業績目的の設定 業績測定 Performance Measurement 業務執行 予算編成