ミクロ経済学II 4 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年10月18日 2017/10/18 ミクロ経済学II (4)短期と長期の費用 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2017年10月18日
限界費用曲線と平均費用曲線 限界収入曲線 限界費用曲線 MC 平均費用曲線 AC 平均可変費用曲線 AVC 円 P=ACを満たす企業利潤は0 ミクロ経済学II 4 限界費用曲線と平均費用曲線 限界収入曲線 円 P=ACを満たす企業利潤は0 限界費用曲線 MC 平均費用曲線 AC ①MR=MCの生産量QM を見つける 平均可変費用曲線 AVC 数量 QBE 2017/10/18 ミクロ経済学II 4
限界収入曲線 限界費用曲線と供給曲線 供給用曲線 S 限界費用曲線 MC 平均費用曲線 AC 平均可変費用曲線 AVC 円 損益分岐点 ①MR=MCの生産量QM を見つける PBE 平均可変費用曲線 AVC 数量 QBE 2017/10/18 ミクロ経済学II 4
限界収入曲線 限界費用曲線と供給曲線 供給用曲線 S 限界費用曲線 MC 平均費用曲線 AC 平均可変費用曲線 AVC 円 ①MR=MCの生産量QM を見つける PBE 操業停止点 平均可変費用曲線 AVC PSD 数量 QSD QBE 2017/10/18 ミクロ経済学II 4
固定費用がサンクされていないとき サンクされていない費用である大福製造機 産業組織論A 9 2017/10/11 固定費用がサンクされていないとき サンクされていない費用である大福製造機 その中古市場があり大福製造機を売却することができる.売却代金は固定費用と同じ100 P=50, Q=5, R=250,C=250, π=0 操業を停止すると中古市場で売却して戻る固定費用は意思決定に影響を与える 企業は生産を止めても利益が変わらない P=50, Q=0, R=0,C=0, π=0 p=50より下がれば既存企業は操業を停止する 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
限界収入曲線 供給曲線(固定費用はサンクされてない) 限界費用曲線 MC 供給用曲線 S 平均費用曲線 AC 平均可変費用曲線 AVC 損益分岐点より下では固定費用を取り戻し退出する 円 限界費用曲線 MC 供給用曲線 S 平均費用曲線 AC ①MR=MCの生産量QM を見つける PBE 平均可変費用曲線 AVC PSD 数量 QSD QBE 2017/10/18 ミクロ経済学II 4
企業の退出には固定費用が重要 すべてがサンクコストでなければ供給曲線は平均費用曲線よりも上にある限界費用曲線になる 産業組織論A 9 2017/10/11 企業の退出には固定費用が重要 大規模な設備でもサンクされていない場合 中古市場やリース市場により固定費用はサンクコストではなくなる 企業の参入・退出に関して固定費用は重要 参入企業は P>AC ならば参入する LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)の興隆 すべてがサンクコストでなければ供給曲線は平均費用曲線よりも上にある限界費用曲線になる 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
限界収入曲線 参入企業の供給曲線 参入企業の供給用曲線 S 限界費用曲線 MC 平均費用曲線 AC 平均可変費用曲線 AVC P>ACならば固定費用を支払っても市場で利益を上げられる 円 参入企業の供給用曲線 S 限界費用曲線 MC 平均費用曲線 AC ①MR=MCの生産量QM を見つける PBE 平均可変費用曲線 AVC PSD 数量 QSD QBE 2017/10/18 ミクロ経済学II 4
短期と長期 長期の供給曲線は平均費用曲線よりも上にある限界費用曲線になる 産業組織論A 9 2017/10/11 短期と長期 数ヶ月では大福屋は農家との契約を変えることができなく,大福機械も取り替えられない この意思決定の視野を短期的(short run)という 長期的(long run)な視野に立って苺の銘柄や苺ショートも考えるだろう 長期的に考えて,価格が平均費用よりも高ければ,固定費用を支払っても操業する 長期の供給曲線は平均費用曲線よりも上にある限界費用曲線になる 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
限界収入曲線 長期と短期の供給曲線 限界費用曲線 MC 短期の供給用曲線 SSR 平均費用曲線 AC 平均可変費用曲線 AVC 円 限界費用曲線 MC 短期の供給用曲線 SSR 平均費用曲線 AC ①MR=MCの生産量QM を見つける 長期には固定費用を調整できる PBE 平均可変費用曲線 AVC PSD 短期の供給用曲線 SLR 数量 QSD QBE 短期において固定費用はすべてサンクしているとする 2017/10/18 ミクロ経済学II 4
さらに長期の生産の決定 長期的には生産に見合った固定投入物を選択する時間的な余裕がある 短期的‥一部の生産要素が固定されている 産業組織論A 9 2017/10/11 さらに長期の生産の決定 短期的‥一部の生産要素が固定されている 長期的‥固定的生産要素を変えられる すべての投入物が可変的 儲かる大福屋は農家との契約を増やし,大福製造機を追加注文するだろう 残念な大福屋は,店舗を閉鎖して契約農家数を絞り込み,大福製造機を減らす 長期的には生産に見合った固定投入物を選択する時間的な余裕がある 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
長期の固定費用の変化 一定の固定費用の場合は短期の各費用概念 短期可変費用,短期(総)費用,短期平均費用 短期平均可変費用,短期限界費用 産業組織論A 9 2017/10/11 長期の固定費用の変化 一定の固定費用の場合は短期の各費用概念 短期可変費用,短期(総)費用,短期平均費用 短期平均可変費用,短期限界費用 様々な固定費用の水準の各短期費用を考える店舗数(1,2,3)に応じて FC1 < FC2 < FC3とする 店舗数1 店舗数2 店舗数3 固定費用 FC1 FC2 FC3 短期総費用 C1 C2 C3 短期平均費用 AC1 AC2 AC3 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
固定費用の各水準と平均費用 短期固定費用 FC1では1店舗しかないので,小さな生産量に向いている.平均費用曲線AC1 店舗数1 店舗数2 店舗数3 短期固定費用 FC1 FC2 FC3 短期総費用 C1 C2 C3 短期平均費用 AC1 AC2 AC3 産業組織論A 9 2017/10/11 固定費用の各水準と平均費用 短期固定費用 FC1では1店舗しかないので,小さな生産量に向いている.平均費用曲線AC1 短期固定費用 FC2では中程度に.AC2 短期固定費用 FC3では大量生産に.AC3 平均費用 (円) AC1 AC3 AC2 0 Q1 Qa Q2 Q3 生産量 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
各固定費用と最低の平均費用 長期平均費用は短期平均費用より小さいか等しい 店舗数が多ければもっとも低い平均費用の生産量は大きくなる 産業組織論A 9 2017/10/11 各固定費用と最低の平均費用 店舗数が多ければもっとも低い平均費用の生産量は大きくなる Q1 < Q2 <Q3 1店舗から人気が出てQaまで増えた.このとき AC1 >AC2 平均費用が高くなるのでもう1店舗増やした方が平均費用を低くすることができる 長期の平均費用は2店舗目の短期平均費用に 長期平均費用は短期平均費用より小さいか等しい 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
長期平均費用曲線 長期平均費用曲線は,短期の平均費用曲線AC1,AC2,AC3の最下点の部分をつなげた曲線 店舗数1 店舗数2 店舗数3 短期固定費用 FC1 FC2 FC3 短期総費用 C1 C2 C3 短期平均費用 AC1 AC2 AC3 産業組織論A 9 2017/10/11 長期平均費用曲線 長期平均費用曲線は,短期の平均費用曲線AC1,AC2,AC3の最下点の部分をつなげた曲線 理想的な状況では長期平均費曲用線ACもU字型 機械設備による生産の効率化,熟練,故障 数多く(連続な)固定費用を選択できた場合は? 平均費用 (円) AC1 AC3 AC2 長期平均費用曲線AC 0 Q1 Qa Q2 Q3 生産量 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
長期平均費用 長期平均費用曲線はAC2にQ2 で接する.最低の平均費用に関する生産量を最適規模という (円) AC1 AC3 AC AC2 0 Qb Q2 Qc 生産量 最適規模 店舗数1 店舗数2 店舗数3 短期固定費用 FC1 FC2 FC3 短期総費用 C1 C2 C3 短期平均費用 AC1 AC2 AC3 産業組織論A 9 2017/10/11 長期平均費用 長期平均費用曲線はAC2にQ2 で接する.最低の平均費用に関する生産量を最適規模という 長期平均費用曲線はAC1にQb で接する これを長期平均費用曲線は短期平均費用曲線の包絡線になっているという 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
長期と短期の平均費用の接点 長期平均費用曲線は短期のそれよりも平ら 長期の平均費用は緩やかに変化する Q4 では AC1のほうが急 店舗数1 店舗数2 店舗数3 短期固定費用 FC1 FC2 FC3 短期総費用 C1 C2 C3 短期平均費用 AC1 AC2 AC3 産業組織論A 9 2017/10/11 長期と短期の平均費用の接点 長期平均費用曲線は短期のそれよりも平ら 長期の平均費用は緩やかに変化する Q4 では AC1のほうが急 Qbでは ACとAC1は接している AC1を最小にするQ1 ではACと接していない 平均費用 (円) AC1 AC 0 Q4 Qb Q1 生産量 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
規模の経済と不経済 生産量が増加するにつれ長期平均費用が低下することを規模の経済が働くという 反対に減ると規模の不経済が働く (円) AC1 AC3 AC AC2 0 生産量 規模の経済 規模の不経済 規模に関して 収穫一定 店舗数1 店舗数2 店舗数3 短期固定費用 FC1 FC2 FC3 短期総費用 C1 C2 C3 短期平均費用 AC1 AC2 AC3 産業組織論A 9 2017/10/11 規模の経済と不経済 生産量が増加するにつれ長期平均費用が低下することを規模の経済が働くという 反対に減ると規模の不経済が働く 一定は規模に関して収穫一定という 2017/10/18 ミクロ経済学II 4 丹野忠晋
まとめ 平均費用の最低点が損益分岐点 平均可変費用の最低点が操業停止点 ミクロ経済学II 3 まとめ 平均費用の最低点が損益分岐点 平均可変費用の最低点が操業停止点 固定費用がサンクコストでなければ供給曲線は平均費用曲線よりも上の限界費用曲線 長期供給曲線は平均費用曲線よりも上の限界費用曲線 長期平均費用曲線は短期平均費用曲線の包絡線 生産量が増加するにつれ長期平均費用が低下することを規模の経済が働くという 2017/10/18 ミクロ経済学II 4