8.伝熱(2).

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8.伝熱(2)

放射熱伝達 ガス塊からの放射 灰色体近似が可能 特異な性状 微粉炭火炎(微少な固体表面の集合体) 液体燃料火炎 ジェットエンジンの排気 二酸化炭素分子(極性あり) 特定の波長域の電磁波に共鳴=特定の波長の放射 水蒸気、一酸化炭素、窒素酸化物なども極性あり 物質 波長域 二酸化炭素 2.0, 2.7, 4.3, 15 水蒸気 1.4, 1.9, 2.7, 6.3, 20 一酸化炭素 2.35, 4.7 窒素酸化物 2.7, 5.3

放射熱伝達 ガス塊からの放射 放射強度の変化 行路に沿った放射強度 dI=-k(I-σ・T4/π)ds I(L)=∫dI=(σ・T4/π){1-exp(-kL)} k:ガス塊の放射吸収係数(m-1) 微小要素dsに強度I(s)(W/m2・sr)で入射 距離ds進行中にガス塊中の粒子にkIdsだけ吸収 ガス塊中の粒子の射出により(kEb/π)ds増加

放射熱伝達 ガス塊からの放射 界面から射出される放射熱流 ガス塊の放射率 E=∫全行路I(L) =∫2π (σ・T4/π){1-exp(-kL)}cosβdω ・・・・・煩雑 ≒ σ・T4・{1-exp(-kLm)} Lm:平均行路長 ガス塊の放射率 εgas= 1-exp(-kLm) 燃料 吸収係数 (m-1) アルコール 0.37 灯油 2.6 軽油 0.43 ポリスチレン 1.2 木材クリブ 0.51~0.8 装飾家具(例) 1.13

放射熱伝達 吸収率、反射率、透過率 γ+α+τ=1 表面積Aの物体が同温(T)の黒体からの放射を受ける場合 固体表面での反射率γ 固体内の吸収率α 固体の透過率τ 表面積Aの物体が同温(T)の黒体からの放射を受ける場合 吸収熱エネルギー Qget=AασT4 射出エネルギー Qloss=AεσT4 熱平衡状態:Qget=Qloss→α=ε(キルヒホッフの法則)

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 I2=(E2/π)・cosβ2dA2 In=I2/r2=E2・(cosβ2/πr2)dA2 I2:面2上の微小要素dA2から面1の方向へ射出される放射強度(単位時間当たり単位立体角当たりの放射熱量) E2:面2から単位時間当たり単位面積当たり射出される放射熱 In=I2/r2=E2・(cosβ2/πr2)dA2 In:dA1に到達するときの放射強度(行路に垂直面) r:dA1とdA2の距離 dQ2-1=E2・(cosβ1・cosβ2/πr2)dA1dA2 dQ2-1:面2上の微小要素dA2から面1上の微小要素dA1の見付け面積cosβ1dA1に入射する放射熱

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 Q2-1=E2∫∫dA2(cosβ1・cosβ2/πr2)dA1dA2 Q2-1:面2から射出され面1上の微小要素dA1へ到達する放射熱 q2-1=Q2-1/dA1=E2∫∫dA2(cosβ1・cosβ2/πr2)dA2 q2-1:面2から射出され面1上の微小要素dA1へ入射する熱流 微小要素から有限面を見た形態係数 F12=∫∫dA2(cosβ1・cosβ2/πr2)dA2 面1と面2の位置関係だけで決まる 微小要素1を中心とする半径1の半球面上に面2を投影し、さらに底部に正射影したときの面積をπで割ったもの

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 形態係数の算定式

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 形態係数の算定式

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 形態係数の算定式

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 形態係数の算定式

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 ある大きさの面に入射する熱流の平均値 全形態係数F12 q2-1m=(1/A1)・∫∫dA2q2-1dA1 =(E2/A1)・∫∫dA2∫∫dA2(cosβ1・cosβ2/πr2)dA2dA1 全形態係数F12 F12=(1/A1)・∫∫dA2∫∫dA2(cosβ1・cosβ2/πr2)dA2dA1 有限面から有限面を見た形態係数 交換則が成立(A1F12=A2F21) 既知の形態係数から未知の形態係数を算出可能

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 全形態係数の算定式

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 全形態係数の算定式

放射熱伝達 固体表面から別の表面への放射熱伝達 全形態係数の算定式

熱伝導 熱伝導方程式 単位時間当たり単位断面積当たり温度勾配(dT/dx)方向に伝導する熱量 フーリエの法則 材料内の温度分布 q=-λdT/dx λ:熱伝導率(W/m・K) 材料内の温度分布 フーリエの法則に従って熱流と 局所的な熱の蓄積とがバランス するように決定

熱伝導 熱伝導方程式 材料内の微小な体積要素dxdydzの熱バランス

熱伝導 熱伝導方程式 材料内の微小な体積要素dxdydzの熱バランス 微小時間dtの間にx軸方向から流入する熱量 (dQx)in=-λ{∂T(x,y,z;t)/∂x}dydzdt 微小時間dtの間にx軸方向から流出する熱量 (dQx)out=-λ{∂T(x+dx,y,z;t)/∂x}dydzdt 体積要素に蓄積される熱量(x軸方向) (dQx)in-(dQx)out =λ{∂T(x+dx,y,z;t)/∂x}・dydzdt-λ{∂T(x,y,z;t)/∂x}dydzdt 蓄積された熱量による温度上昇 dQ=ρ・c・{T(x,y,z;t+dt)-T(x,y,z;t)}dxdydz 正味の流入熱量の和と等しい(=x軸・y軸・z軸の蓄熱量の和) ρ:材料の密度 c:材料の比熱

熱伝導 熱伝導方程式 材料内の微小な体積要素dxdydzの熱バランス dx→0, dy→0, dz→0, dt→0 ρ・c・{T(x,y,z;t+dt)-T(x,y,z;t)}/∂t =λ[{∂T(x+dx,y,z;t)/∂x}- {∂T(x,y,z;t)/∂x]/∂x +λ[{∂T(x,y+dy,z;t)/∂y}- {∂T(x,y,z;t)/∂y]/∂y +λ[{∂T(x,y,z+dz;t)/∂z}- {∂T(x,y,z;t)/∂z]/∂z dx→0, dy→0, dz→0, dt→0 固体内の温度分布を計算する基本となる重要な方程式 ρ・c・∂T/∂t=λ{(∂2T/∂x2)+(∂2T/∂y2)+(∂2T/∂z2)}

熱伝導 一次元定常の温度分布 平板の両側の温度が規定される場合 片面に放射を受ける場合 λ(∂2T/∂x2)=0 xについて積分 T(x)=a・x+b 板厚L、平板の両側の表面温度T1, T2(境界条件) T(x)=T1+x・(T2-T1)/L 片面に放射を受ける場合 x=0において放射熱流q、そのうちεなる割合が吸収 境界条件 εq=-λ(∂T/∂x)|x=0 a=-ε・q/λ b:反対側での境界条件で決まる

熱伝導 一次元定常の温度分布 板の両側の気体と対流熱伝達が行われる場合 板の両側で温度Ta1, Ta2なる気体に接する場合 境界条件 h1{Ta1-T(0)}=-λ(∂T/∂x)|x=0 h2{Ta2-T(0)}=-λ(∂T/∂x)|x=L 解 T(x)=Ta1+{(1/h1+x/λ)/(1/h1+L/λ+1/h1)}・(Ta2-Ta1)

熱伝導 一次元非定常の温度分布 非定常(材料内の温度が時間的に変動) 火災現象 半無限固体の表面温度がある瞬間にTsとなる場合 熱伝導方程式の解は複雑 火災現象 比較的短時間に生起する現象 1次元形状の固体で厚さが十分な半無限体とみなせる 半無限固体の表面温度がある瞬間にTsとなる場合 材料表面温度:初期状態T0、時刻t=0においてTs 熱伝導方程式の解 {T(x;t)-T0}/(Ts-T0)=erfc(x/2√at) a:熱拡散率(=λ/ρc) erfc:余誤差関数、正規分布の累積確率分布関数 erfc(z)=(2/√π)∫z∞(-t2)dt 引数z≦0.6の場合 erfc(z)≒exp(-1.5z)

熱伝導 一次元非定常の温度分布 半無限固体の表面温度がある瞬間にTsとなる場合

熱伝導 一次元非定常の温度分布 温度T∞の流体と対流熱伝達を行う場合 材料の初期温度T0、t=0以後は温度T∞の流体と接触 境界条件 解 h・{T∞-T(0;t)}=-λ(∂T/∂x)|x=0 解 {T(x;t)-T0}/(T∞-T0) =erfc{x/(2√at)} -exp{hx/λ+(h/λ)2at}・erfc{x/(2√at)+h√at/λ} 表面温度の時間的変化(x=0) {T(0;t)-T0}/(T∞-T0)=1-exp{(h√at/λ)2}・erfc(h√at/λ)

熱伝導 一次元非定常の温度分布 表面で一定の熱流を吸収する場合 境界条件 解 表面温度の時間的変化(x=0) q=-λ・(∂T/∂x)|x=0 解 T-T0 =(q/λ)・√(4at/π)・[exp{-x2/(4at)}-(x/2)・erfc{x/√(4at)}] 表面温度の時間的変化(x=0) T-T0=(2q/√π)√(t/λρc) √ λρc:熱慣性(材料の温まりにくさを表す指標)

熱伝導 一次元非定常の温度分布 一定の放射熱を受けて周囲へ放熱する場合

熱伝導 一次元非定常の温度分布 一定の放射熱を受けて周囲へ放熱(対流)する場合 境界条件 解 表面温度の時間的変化(x=0) εq=h(Ts-T0)-λ・(∂T/∂x)|x=0 解 {T(x;t)-T0}/(εq/h) =erfc{x/(2√at)} -exp{hx/λ+(h/λ)2at}・erfc{x/(2√at)+h√at/λ} 表面温度の時間的変化(x=0) {T(0;t)-T0 }/(εq/h)=1-exp{(h√at/λ)2}・erfc(h√at/λ) 放射加熱を受ける場合の建築材料の着火時間の推定 1/√tig=1.18・[ε・q/{√λ・ρ・c・(Tig-T0}-h/√λρc] Tig:材料の着火温度 tig:着火温度に達するまでの時間

熱伝導 一次元非定常の温度分布 複雑な条件→数値解法(差分法、有限要素法) 集中定数法(簡略的な数値解法) 熱伝導率が大きい材料で内部の温度分布が無視できる場合(鉄骨) VρcdT/dt=Ah(Tf-T) V:柱1m当たりの体積 A:柱1mあたりの表面積 T:柱の温度 ρ:鋼材の密度 c:鋼材の比熱 Tf:周囲空気(火炎)の温度 h:熱伝達率 dT/dt≒{T(t+Δt)-T(t)}/Δt T(t+Δt)={V・ρ・c・T(t)/Δt+A・h・Tf}/{(V・ρ・c)/Δt+A・h} 時間刻みΔtごとの温度を逐次代入し、温度の時間的経過を計算

熱伝導 一次元非定常の温度分布 熱伝導に関わる火災工学上の諸問題 熱伝導と同時に物質の物理的・化学的変化が同時発生 金属材料の溶融、含有水分の蒸発、有機成分の燃焼 材料内の不均一な温度分布に起因する熱応力の発生、材料の亀裂・破壊 材料内の水分蒸発 ロックウール等の耐火被覆材料、コンクリート 100℃で温度上昇の停滞 熱伝導方程式+水分蒸発による潜熱吸収 ρc∂T/∂t=∂(λ∂T/∂x)/∂x-Qcvap Qcvap:単位体積、単位時間当たりの水分蒸発に伴う潜熱吸収量 材料内の温度≧100℃ : Qcvap=に十分大きな値 水分が0になった時点 : Qcvap=0 材料空隙内の水分移動と熱伝導方程式の連立解析