電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題 問1 Quizzes of Christmas Celebration 以下のサンタクロースとトナカイの対話を 読み、①~⑨に最も適した答を解答欄の 所定の個所に記入せよ。選択問題の④ は正しい方に丸を付けよ。 サンタクロース:昨年は北北西に進路を取り、無事北極点上空を通り日本に行くことができたね。トナカイ:でも去年も着陸に失敗して煙突をなぎ倒しましたよね。サ:そう、今年こそみんなが待つ煙突に真っ逆さまに入らなければならん。ト:いよいよ空気の粘性抵抗ブレーキを使うんですね。
電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題 サ:煙突までの水平距離がLのとき、そりの水平飛行推進ロケットエンジンを切るんだ。そのときの水平方向の速さをV0とする。水平方向、鉛直方向の粘性抵抗係数は同じでCとする。エンジンを切るべき距離L はV0とCとそりを含めた我々の質量Mを使って表すと①(MV0/C)となる。いいか今年こそ失敗するんじゃないぞ。 ト:了解!今年はついでにブランコはどうでしょう。サ:この忙しいのになんでそんな面倒なことを言い出すんだ。ト:空の上、神様が吊るブランコに一晩乗り、ブランコが最下点に来たときにプレゼントを1個ずつ子供たちに落とすことにしましょう。(独り言)空気抵抗があるから、私こそが沢山のプレゼントを子供たちに配れる。ヒーローは私だ。
電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題 サ:なにブツブツ言ってるんだ。ブランコの振り子の長さをl、重力加速度をgとしよう。振れ角をθとする。θ = 0が最下点だ。振れ角は小さくsin θ ~θと近似できるものとする。トナカイとサンタクロースの質量を3mとmとする。やつは私より3倍も重い。空気の粘性抵抗係数は両者ともDとしよう。②:θを用いてサンタクロースの運動の微分式を書け。 ③:サンタクロースのブランコ振り子の周期Tサを求めよ。
電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題 ④:プレゼントを沢山配れるのはどちらだろうか。(トナカイ) サ:あかつきおめでとう。5年越しの夢が叶い金星の軌道にのることができたね。ト:そうですね。2010年の中間テストに出題されたんですよね。懐かしい。お祝いにもう一度出題したらどうですか。サ:うん、たまにはいいことを言う。そうしよう。ほんの一部だが出題しよう。 問題:あかつきは平成22年5月21日に地球を出発した。運命の逆噴射は12月7日だった。金星の質量Mは約5.0x1024 [kg]であり、地球に似ている。質量m(=500 [kg])のあかつきが金星から距離Rに近づいたとき、金星があかつきに及ぼすポテンシャルエネルギーUは、無限
電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題 遠方をゼロとし、万有引力定数をG(=6.7×10-11 [N・m2kg-2])とすれば、⑤(-GMm/R)となる。あかつきの運動エネルギーをKとするとき、金星の軌道に乗るためにはUとKの和が⑥(負)になることが必要である。あかつきの逆噴射は金星からの距離が60万 [km]のときに行われた。この距離のときUは、⑦(-2.8x108 [J])となる。60万 [km]地点で金星の軌道に乗るためのあかつきの臨界速度vは約⑧(1000 [m/s])である。もし、あかつきが金星とあかつきの重心を結ぶ線に対して角度30°で金星向きに進んでいたとすると、金星の重心から見たあかつきの角運動量の大きさは臨界速度のとき⑨(2x1014 [Js] )になる。
9 質点系の運動 9.1 質量中心 9.2 質点系の運動方程式 9.3 2体問題
9.1 質量中心 やじろべえが落っこちないように支える 位置が重心である。 重心はどこか? 9.1 質量中心 やじろべえが落っこちないように支える 位置が重心である。 重心はどこか? やじろべえはじっとしているのだから、力のモーメントは働かない。 小さな質量parts に分けて考えよう。 重心からの位置 力のモーメント
9.1 質量中心 重心を原点としてみたとき、やじろべえ の質量partsの関係は となる。原点をずらして重心位置を とする。 9.1 質量中心 重心を原点としてみたとき、やじろべえ の質量partsの関係は となる。原点をずらして重心位置を とする。 質量partsの位置は となる。
9.1 質量中心 形状が変化しない大きさを持つ物体を剛体という。 重心位置は、 連続体なら積分形式 もし均質物体なら、
9.1 質量中心 そうは言っても重心位置をパッと見つけるのは難しい 均質な場合、 重心原点の場合、 対称性が使える場合は、 9.1 質量中心 そうは言っても重心位置をパッと見つけるのは難しい 均質な場合、 重心原点の場合、 対称性が使える場合は、 中間線を引けばよい。
9.1 質量中心 じゃあこれは? mmmmmm・・・演習!
9.2 質点系の運動方程式 動かしてみよう。 全運動量=質量partsの運動量の和 全運動量の変化=外力の和
9.2 質点系の運動方程式 動かしてみよう。 全運動量=質量partsの運動量の和 全運動量の変化=外力の和
9.2 質点系の運動方程式 角運動量は? 10章で勉強しよう。
9.3 2体問題 複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けられる。質量mA、位置 rAとmB、rBとの2つの物体の運動を考えよう。 9.3 2体問題 複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けられる。質量mA、位置 rAとmB、rBとの2つの物体の運動を考えよう。 簡単のために2次元平面運動とする。 物体の位置は 重心の位置は
9.3 2体問題 rAとrBを重心を使って表すと、
9.3 2体問題 従って2つの物体の運動量を重心の速度を用いて表すとそれぞれ、 全体の運動量は当然以下のようになる。
9.3 2体問題 それでは2つの物体の運動エネルギーを重心の速度を用いて表すとどうなるのか?
9.3 2体問題 従って全体の運動エネルギーは 第1項は重心の運動エネルギー 第2項はAとBの相対運動の運動エネルギー を換算質量という。
9.3 2体問題 物体A,Bの運動のまとめ 1:重心 2:全運動量:重心の速度に総質量をかけたもの。 9.3 2体問題 物体A,Bの運動のまとめ 1:重心 2:全運動量:重心の速度に総質量をかけたもの。 3:運動エネルギー:総質量*重心の速度の2乗*0.5 +換算質量*AとBの相対速度の2乗*0.5
9.3 2体問題 例1 一体並進運動& 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー: vG mB mA
9.3 2体問題 例2 原点回りに半径rで相対して、角速度ωの回転円運動 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー: Y mA X 9.3 2体問題 例2 原点回りに半径rで相対して、角速度ωの回転円運動 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー: Y X mA mB
9.3 2体問題 例3 衝突問題に取組もう 固い小さな物体m1、m2の衝突を考える。最初、m1は速度v0でm2に向かって進み、m2は原点に静止している。空気等の抵抗は無い。重力等の力は働かない。時刻ゼロで衝突後、物体m1、m2は速度v1、v2で進むとする。 衝突前 衝突後 v0 m1 m2 v1 m1 m2 v2 A 衝突前: 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー:
9.3 2体問題 B 衝突後、運動量と運動エネルギーが保存されるとき 全運動量保存: 全運動エネルギー保存: 上2式を解いて、 衝突後: 9.3 2体問題 B 衝突後、運動量と運動エネルギーが保存されるとき 全運動量保存: 全運動エネルギー保存: 上2式を解いて、 衝突後: 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー:
9.3 2体問題 問 物体m1は衝突によりm2に運動エネルギーを与える。衝突前のm1の運動エネルギーをE0、衝突後のm2の運動エネルギーをE2とする。エネルギー伝達率E2/E0が最も大きくなる条件と、その時のE2/E0の値を求めよ。 エネルギー伝達率E2/E0が最も大きくなる条件:m1=m2 その時のE2/E0 = 1 問 v2の最大値は何v0か?またその時のエネルギー伝達率はいくらか? v2が最も大きくなる条件は:m2/m1 =0 Max v2= 2v0 そのときのエネルギー伝達率 = 0 TA1 TA2
9.3 2体問題 C 運動量はあらゆる場合に保存される、宇宙不変の大原則である。これに対し、運動エネルギーは保存されるとは限らない。・例えばポテンシャルエネルギーに変化したりする。 熱エネルギーにも変わる、光エネルギーになる場合もある。・もし、初め、全エネルギーが運動エネルギーだとする。 運動エネルギーが保存されないイベントがおこった場合、当然運 動エネルギーは小さくなる。 よって、 である。典型的なのは、衝突後一緒に運動する場合である。 v1 m1 m2 衝突後 衝突前 v0 m1 m2
9.3 2体問題 このとき運動量の式は、 衝突後の運動エネルギーは これは当然、 9.3 2体問題 このとき運動量の式は、 衝突後の運動エネルギーは これは当然、 である。衝突後、運動エネルギーが減少する衝突を非弾性衝突という。 衝突前 v0 m1 m2 v1 m1 m2 衝突後
9.3 2体問題 Y X 教科書p161に床との衝突の解説がある。 は反発係数 ここで、右図のように衝突前のm2に 9.3 2体問題 教科書p161に床との衝突の解説がある。 は反発係数 ここで、右図のように衝突前のm2に 座標をつけた場合を考えよう。 ・m2の中にいるあなたは静止している と感じている。 ・そして非常に重い床がv0の速度で近づいてくると感じる。 ・床にぶつかられた後、衝突前の座標で見るとm2にのった あなたはv0+v2の速さで吹っ飛ばされる。 v0 m2 衝突前 v2 衝突後 X Y
9.3 2体問題 Y X もし反発係数が1ならば、 あなたがのったm2は2v0速さで吹っ飛ばされる。 これ以上の速さで吹っ飛ばされることは 9.3 2体問題 もし反発係数が1ならば、 あなたがのったm2は2v0速さで吹っ飛ばされる。 これ以上の速さで吹っ飛ばされることは ない。最大2v0である。 これは、既に勉強した、 の最大値が であることと同じ意味である。弾性衝突という。 のときは であり、エネルギー保存則が成り立たない。非弾性衝突という。 v0 m2 衝突前 v2 衝突後 X Y
期末テスト 1.日時: 1月28日(木) 4,5限 試験時間:90分程度 2.場所: 1331番教室 1.日時: 1月28日(木) 4,5限 試験時間:90分程度 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の10章までに学んだ範囲 4.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可 ・既に60点以上を獲得している者も受験必須。
10章 剛体の運動 10.1 剛体の運動方程式 10.2 剛体のつり合い 10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 10章 剛体の運動 10.1 剛体の運動方程式 10.2 剛体のつり合い 10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 10.5 慣性モーメントの計算例 10.6 簡単な剛体の運動
目 標 綱渡りを上手にしたい。 重さ5kgの物体を持ってよいとしたら何が良いだ ろうか?考えよう。 答えの理由を説明しよう。 TA1 TA2 目 標 綱渡りを上手にしたい。 重さ5kgの物体を持ってよいとしたら何が良いだ ろうか?考えよう。 答えの理由を説明しよう。 TA1 TA2 TA3 TA4 TA5
10.1 剛体の運動方程式 Y X rG 原点B回りの剛体の角運動量はおのおのの qi 質量partsの角運動量の和である。 ri 10.1 剛体の運動方程式 X Y B rG ri qi 原点B回りの剛体の角運動量はおのおのの 質量partsの角運動量の和である。 重心の位置ベクトルを導入して
10.1 剛体の運動方程式 !!!!
10.1 剛体の運動方程式 重心に全質量が集中した質点をBから見たときの角運動量 公転回転的という 重心回りの剛体の角運動量 10.1 剛体の運動方程式 重心に全質量が集中した質点をBから見たときの角運動量 公転回転的という 重心回りの剛体の角運動量 自転回転的という
10.1 剛体の運動方程式 Y X 原点C回りの剛体の角運動量はおのおのの 質量partsの角運動量の和である。 tG 10.1 剛体の運動方程式 X Y C tG ti 原点C回りの剛体の角運動量はおのおのの 質量partsの角運動量の和である。 重心の位置ベクトルを導入して 座標軸を変えても不変
10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 剛体の角運動量は重心に全質量が集中した質点の角運動量と重心回りの剛体の角運動量の和である。 10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 剛体の角運動量は重心に全質量が集中した質点の角運動量と重心回りの剛体の角運動量の和である。 座標の取り方によって重心に全質量が集中した質点の角運動量は変化する。 力のモーメント
10.2 剛体のつり合い 剛体のつりあいの条件
10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 硬い、大きな物体があり、回転中心軸Bのまわりにその物体を角速度ωで回転させた。このとき、物体の 10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 硬い、大きな物体があり、回転中心軸Bのまわりにその物体を角速度ωで回転させた。このとき、物体の 角運動量大きさを と書く。 回転運動エネルギーは と表せる。 このとき、IBを物体のBまわりの慣性モーメントという。
10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 問 長さL、質量Mの細い棒を棒の端を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 ω 10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 問 長さL、質量Mの細い棒を棒の端を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 ω L, M
10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 問 長さL、質量Mの細い棒を棒の端を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 ω 10.3 固定軸のまわりの剛体の回転運動 問 長さL、質量Mの細い棒を棒の端を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 ω L, M 線密度
10.5 慣性モーメントの計算例 ω L, M の角運動量の大きさは ω L, M の角運動量 と ω L/2 M の角運動量 との和である
10.5 慣性モーメントの計算例 ω L, M の角運動量の大きさは よって慣性モーメントは
10.5 慣性モーメントの計算例 長さL、質量Mの細い棒を、棒の中心を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 10.5 慣性モーメントの計算例 長さL、質量Mの細い棒を、棒の中心を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 ω 半径r質量Mの細い赤いリングを図の ように角速度ωで回転するとき、角運 動量の大きさを書け。慣性モーメント を求めよ X Y O M r
10.5 慣性モーメントの計算例 長さL、質量Mの細い棒を、棒の中心を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 10.5 慣性モーメントの計算例 長さL、質量Mの細い棒を、棒の中心を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメントを求めよ。 ω 半径r質量Mの細い赤いリングを図の ように角速度ωで回転するとき、角運 動量の大きさを書け。慣性モーメント を求めよ X Y O M r
10.5 慣性モーメントの計算例 半径aで質量Mの薄い一様な円板の中心を通り、円板に垂直な軸周りの慣性モーメントを求めよう。 10.5 慣性モーメントの計算例 半径aで質量Mの薄い一様な円板の中心を通り、円板に垂直な軸周りの慣性モーメントを求めよう。 (1)まず円板を右下のように細いリングの 集まりと考えよう。重さ面密度をρとする。 (2) 半径r厚さdrのリングの角運動量は (3)全体の角運動量は、 よって慣性モーメントは
10.5 慣性モーメントの計算例 (4)右図のように円板を縦に回転する場合を 考えよう。 右図のように円板を細い赤い棒に分けて 10.5 慣性モーメントの計算例 ω a O θ (4)右図のように円板を縦に回転する場合を 考えよう。 右図のように円板を細い赤い棒に分けて 考えよう。棒の中心を回すときの慣性モー メントは と知っている。棒の長さが場所によって違うことを 考慮しておのおのの棒の慣性モーメントを足し合わ せれば目的の値が得られるだろう。
10.5 慣性モーメントの計算例 右図のように円板を細い棒に分けて考えよう。 円板の重さ面密度をρとする。図の座標Y軸 10.5 慣性モーメントの計算例 右図のように円板を細い棒に分けて考えよう。 円板の重さ面密度をρとする。図の座標Y軸 の点(y,0)を横切る幅dyの細い棒の慣性モーメントは だから、 全体の慣性モーメントは と置けば、 ω a O θ X Y (y,0)
3-2 剛体の運動 (5)質量Mの長方体X軸回り Y軸に平行な細い棒の集まりと考える。 これはどこかで見たことがある。 3-2 剛体の運動 (5)質量Mの長方体X軸回り Y軸に平行な細い棒の集まりと考える。 これはどこかで見たことがある。 (6)もちろんY軸回りの慣性モーメントは Y (b,a) O X
10.5 慣性モーメントの計算例 問 長さa、質量mの細い棒を、棒の中心を中心として角速度ωで回転するときの慣性モーメント、角運動量、回転運動エネルギーをa、m、ωを適宜用いて表せ。 問 長さa、質量mの細い棒を、棒の中心 からb離れた所を中心として角速度ωで 回転するときの慣性モーメント、角運動量、 回転運動エネルギーをもとめよ。 ω a m b TA1 TA2
10.5 慣性モーメントの計算例 問 質量M半径Rの円板が図のように向きを変えずに半径S、角速度ωで回転しているときこれを公転回転という。 慣性モーメント、角運動量、 運動エネルギーをもとめよ。 A R S A A TA3 A
10.5 慣性モーメントの計算例 問 質量M半径Rの円板が図のように同じ面を中心に向けて半径S、角速度ωで回転しているときしているときの慣性モーメント、角運動量、 運動エネルギーをもとめよ。 A S R TA4
10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 半径aで質量Mの薄い一様な円板の中心を通り、 円板に垂直な軸周りの慣性モーメントは 10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 半径aで質量Mの薄い一様な円板の中心を通り、 円板に垂直な軸周りの慣性モーメントは 円板をY軸周りに回したとき、慣性モーメントは ω a O
10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 もう一つ別の考え方にトライしよう。 下図のようにX-Y平面上に質量miの小さな ω 10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 もう一つ別の考え方にトライしよう。 下図のようにX-Y平面上に質量miの小さな 物体が位置ri(xi,yi)にある。物体をY軸周りに 回したとき、慣性モーメントは Y軸周り: X軸周りに回したときの慣性モーメントは、 X軸周り: それではZ軸周りに回したときの 慣性モーメントはどうなるか? Z軸周り: ω a O X Y O ri(xi,yi) xi yi Z mi
10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 即ち、ある平面(ここではX-Y)上に小さな物体があるとき、 10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 即ち、ある平面(ここではX-Y)上に小さな物体があるとき、 その平面に垂直な軸周りの物体の慣性モーメントは、 平面内の直交する軸周りの慣性モーメントの和に等しい。 任意の平たい剛体物体を微小物体の集合と 考えれば、任意の平らな剛体の慣性モーメントは やっぱり X Y O ri(xi,yi) xi yi Z mi
10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 それでは を利用しよう。 円板の中心を通り、円板に垂直な軸周りの慣性モーメントは 10.4 慣性モーメントに関する二つの定理 それでは を利用しよう。 円板の中心を通り、円板に垂直な軸周りの慣性モーメントは これはZ軸周りの慣性モーメントに相当する。 それではX軸、Y軸周りの慣性モーメントは?? 分からないが、少なくとも円板である限り対称性 から は確実である。だから、 よって、 a O X Y Z
10.5 慣性モーメントの計算例 右図のようなひどい場合の慣性モーメント を求めよ。 ω a O TA5
10.5 慣性モーメントの計算例 Y 質量Mの長方体の原点O軸紙面垂直回りの慣性モーメントを求めよ (b,a) TA1 O X
10.6 簡単な剛体の運動 (1)半径R、質量Mの円板が転がり 重心が速さvで進んでいるとき A点の速度は 左向き 10.6 簡単な剛体の運動 (1)半径R、質量Mの円板が転がり 重心が速さvで進んでいるとき A点の速度は 左向き B点の速度は 左向きにvと下向き C点の速度は D点の速度は 左向きにvと上向き となる。接点Cの速さは常にゼロ。 A ω v B D C
10.6 簡単な剛体の運動 A点→B点→C点→D点は 重心よりも遠回りして運動する。 よって滑る場合よりも 運動エネルギーを要する。 10.6 簡単な剛体の運動 A点→B点→C点→D点は 重心よりも遠回りして運動する。 よって滑る場合よりも 運動エネルギーを要する。 転がりの場合の運動エネルギー 滑りの場合の運動エネルギー A ω v B D C
10.6 簡単な剛体の運動 (2)もし剛体が半径R質量Mの球体ならば 転がりの場合の運動エネルギーは 10.6 簡単な剛体の運動 (2)もし剛体が半径R質量Mの球体ならば 転がりの場合の運動エネルギーは 剛体の形状によって運動エネルギーは異なる。 滑りの場合の運動エネルギーは同じ A ω v B D C
10.6 簡単な剛体の運動 (3)剛体が半径R質量Mの球体が 静止状態から斜面を転がり、 鉛直方向hだけ下った場合の 球体の速さは、 から、 10.6 簡単な剛体の運動 (3)剛体が半径R質量Mの球体が 静止状態から斜面を転がり、 鉛直方向hだけ下った場合の 球体の速さは、 から、 (4)剛体が半径R質量Mの円板なら ω v A B C D
10.6 簡単な剛体の運動 (5)円板ヨーヨーは転がりながら落ちている。 重力加速度3分の2の自由落下と同じ運動になる。 ω v
10.6 簡単な剛体の運動 (6)円板突き もし上端からbだけ下を突いたら どうなるか; 1)重心の運動の式は 2)回転の運動の式は 10.6 簡単な剛体の運動 (6)円板突き もし上端からbだけ下を突いたら どうなるか; 1)重心の運動の式は 2)回転の運動の式は 3)転がる条件 だから 力の条件は b F R M f まさつ
10.6 簡単な剛体の運動 円板突き もし上端からbだけ下を突いたら どうなるか; 点を で突くと転がる。 10.6 簡単な剛体の運動 円板突き もし上端からbだけ下を突いたら どうなるか; 点を で突くと転がる。 まさつが無い場合f=0の回転条件は? から、 点を突く場合。 b F R M f まさつ
10.6 簡単な剛体の運動 (7)玉突きの場合 1)重心の運動の式は 2)回転の運動の式は 3)転がる条件 から 力の条件は 10.6 簡単な剛体の運動 (7)玉突きの場合 1)重心の運動の式は 2)回転の運動の式は 3)転がる条件 から 力の条件は 4)摩擦が無いときは 点を突くと転がる。 b F R M
10.6 簡単な剛体の運動 R m1 m2 M T1 g T2 (8)半径R、質量Mの円板滑車に質量m1、m2の物体が糸でつるされている。糸の張力を図のように定める。重力加速度をgとする。時刻ゼロで物体を固定していた手を離した。糸は滑車に巻きつき、滑ることなく移動すると考えよう。m1>m2のとき、滑車は反時計方向に回転してm1は落下する。もしM>>m1,m2ならば、m1は非常にゆっくり落ちることを経験的に知っている。これを考察しよう。 下向きを正にとれば、m1についての運動の式は、 である。 m2については、 である。
10.6 簡単な剛体の運動 M よって、 R である。T2-T1はMを回す力である。 ちからのモーメントの大きさは、 10.6 簡単な剛体の運動 R m1 m2 M T1 g T2 よって、 である。T2-T1はMを回す力である。 ちからのモーメントの大きさは、 である。(T1>T2) だから、
10.6 簡単な剛体の運動 M 結局、m1が落下する加速度は、 R となる。 1.m1=m2の場合、a=0 自明 T2 10.6 簡単な剛体の運動 R m1 m2 M T1 g T2 結局、m1が落下する加速度は、 となる。 1.m1=m2の場合、a=0 自明 2.Mがm1,m2に比べて重ければ、aは小さい。 3.Mがm1,m2に比べて軽ければ、自由落下。
10.6 簡単な剛体の運動 (9)剛体振り子: 右図のように重心からaだけ離れたO点を 軸とした長さ2l 質量Mの棒の振動を考える。 10.6 簡単な剛体の運動 (9)剛体振り子: 右図のように重心からaだけ離れたO点を 軸とした長さ2l 質量Mの棒の振動を考える。 1.O点回りの慣性モーメントは半径aの公転と 中心回りの自転の慣性モーメントの和である。 2.力のモーメントは θが小さいとき 回転角に関する運動の式 θの振動の角速度は O 2l M g a θ
10.6 簡単な剛体の運動 から O a 3.周期 2l 4.振動数ゼロ、周期無限大の条件はもちろん、 θ a=0(つりあい) 10.6 簡単な剛体の運動 から 3.周期 4.振動数ゼロ、周期無限大の条件はもちろん、 a=0(つりあい) 5.振動数最大、周期最小の条件は? 6.5.の理由を考えよ。 TA1 7.どんな形の振り子が振動数が大きいだろうか。 TA2 O 2l M g a θ
10.6 簡単な剛体の運動 1.長さ2lの棒状剛体振り子の角振動数は以下のようになる。 2.直径2lの球状剛体振り子の場合は? l O a 10.6 簡単な剛体の運動 1.長さ2lの棒状剛体振り子の角振動数は以下のようになる。 2.直径2lの球状剛体振り子の場合は? 3.質点振り子の場合は O l M g a θ O 球 θ Mg
10.6 簡単な剛体の運動 常数 変数 5.メトロノームは剛体振り子の一種である。 錘の位置によって振動周期が変化する。 10.6 簡単な剛体の運動 5.メトロノームは剛体振り子の一種である。 錘の位置によって振動周期が変化する。 これまでの勉強を用いてメトロノームの 動作を解析しよう。 錘の位置がどこにあるとき、周期が最小に なるだろうか? ①棒の長さを 2l 重さを m とする。 ②錘は一辺 2d の正方形で重さ M とする。 重心が支点から距離 r にあるとする。 ③棒と錘の慣性モーメントは 常数 変数
10.6 簡単な剛体の運動 力のモーメントは 大胆に と仮定すれば、 と置く。
10.6 簡単な剛体の運動 のときにωは最大となる。 ならば のときにωは最大となる。 構造上 rはd以下にはできないから、 10.6 簡単な剛体の運動 のときにωは最大となる。 ならば のときにωは最大となる。 構造上 rはd以下にはできないから、 錘が最下点のときにω最大で周期最小となる。
10.6 簡単な剛体の運動 ま (10)ベクトルとその時間微分が直交する場合のベクトルの運動はどのようなものか? ベクトルの回転運動。 10.6 簡単な剛体の運動 ま (10)ベクトルとその時間微分が直交する場合のベクトルの運動はどのようなものか? ベクトルの回転運動。 なら、rベクトルの回転運動。
10.6 簡単な剛体の運動 こま もし角運動量ベクトルならどうなる? それは角運動量ベクトルの回転運動である。 10.6 簡単な剛体の運動 こま もし角運動量ベクトルならどうなる? それは角運動量ベクトルの回転運動である。 だから、角運動量と力のモーメントが直交する場合 があるだろうか? 支点O回りに横倒しに回転しているコマが ある。重心の距離R,質量M,慣性モーメントI、 角速度ω。 角運動量は大きさ で紙面右向き。 力のモーメントは大きさ で紙面垂直奥向き。 O M g
10.6 簡単な剛体の運動 こま 角運動量と、力のモーメントは直交している。 10.6 簡単な剛体の運動 こま 角運動量と、力のモーメントは直交している。 角運動量と、力のモーメントとの単位ベクトルを i とj としよう。 角運動量の単位ベクトルiは角振動数 で回転する。 O M g
10.6 簡単な剛体の運動 コマは支点垂直軸回りに回転する。 歳差運動という。 大変不思議。 M O こまが傾いているときの 10.6 簡単な剛体の運動 コマは支点垂直軸回りに回転する。 歳差運動という。 大変不思議。 こまが傾いているときの 歳差運動の角振動数はいくらになるか。 TA3 O M g g θ
期末テスト 1.日時: 1月28日(木) 4,5限 試験時間:90分程度 2.場所: 1331番教室 1.日時: 1月28日(木) 4,5限 試験時間:90分程度 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の10章までに学んだ範囲 4.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可 ・既に60点以上を獲得している者も受験必須。