Hough変換 投票と多数決原理に基づく図形の検出

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Hough変換 投票と多数決原理に基づく図形の検出

1.問題の設定  エッジ抽出などで得られたのは、特徴点の集合(点群)である。  点群の中に、多くの点は長い直線を形成している。  我々は、これらの長い直線の方程式を知りたい。 

2.二つのアプローチ (a) すべての可能の直線を1本ずつチェッ  クして、その直線に載っている特徴点の数  を数える。 数が多かった直線は、我々がほしいものである。 (b) すべての特徴点を一個ずつチェックして、  その点を通る直線を求める。 たくさんの特徴点が共通に通る直線は我々がほしいものである。

平面上の直線は、2個のパラメータを用いて表現できる。 平面上の直線の表現  平面上の直線は、2個のパラメータを用いて表現できる。 y=kx+b Y k b O 1 X

rは原点から直線に垂線を引いたときの長さ qはx軸とのなす角 R>=0 qの範囲は0<= q <2p 直線の方程式 rは原点から直線に垂線を引いたときの長さ qはx軸とのなす角 R>=0 qの範囲は0<= q <2p

2.二つのアプローチ(つづき) 処理する直線の数 2.二つのアプローチ(つづき)  処理する直線の数 (a) の場合、すべての可能の直線   y=kx+b 仮に、k=tanq, q=[-90°90°],一度刻み     b=[-500,500], 1刻み とすると、直線は 180x1000=18万本 仮に、q=[0°360°],一度刻み     r=[0,500], 1刻み とすると、直線は 360x500=18万本

2.二つのアプローチ(つづき) 処理する直線の数 2.二つのアプローチ(つづき)  処理する直線の数 (b) の場合、各特徴点を通る直線   この場合、変化できる直線のパラメータは1個だけなので、  直線の数=特徴点の数x180 あるいは   直線の数=特徴点の数x360

2.二つのアプローチ(つづき) 処理する点の回数 2.二つのアプローチ(つづき)  処理する点の回数 の場合、直線の本数x特徴点の数 (b) の場合、180(或いは360)x特徴点の数 明らかに、bのほうが少ない。

Hough変換は、bのほうのアプローチである

ある一点(x, y)を通る直線群は無限に存在し、 それぞれに対し(r, q)が一義的に決まる

2点を通る直線群 共通の直線

= xcosq + ysinq を用いて計算すれば、 一点を通る直線群 = xcosq + ysinq を用いて計算すれば、 それぞれの点に対するr-qパラメータ空間の曲線が求まる

2点を通る直線群 直線上の点1,2に対する曲線は、ある1点( r0, q0)で交差している この( r0, q0)が点1,2を共通に通る直線を表している

r-q空間 = xcosq + ysinq では、 角度qは有界であり、画像の大きさが有限であるため、rも有界となる

アルゴリズム1 「P[ r][q])とする」を用意する 原画像(x-y空間)のサイズをW*Wとすると、 rの取り得る範囲は である。 (a) r-q空間を離散化し、 r-qに関する2次元配列    「P[ r][q])とする」を用意する   原画像(x-y空間)のサイズをW*Wとすると、   rの取り得る範囲は である。 r、qの離散化間隔をそれぞれ           とすると、 2次元配列の大きさは        である

アルゴリズム2 (b) 2値化された原画像をラスタ走査し、 画素値が1であればその(x, y)に対し、 r= xcosq + ysinq   P[ r][q]の値を1だけ増加します   (P[ r][q] ++;)(投票)

(c) P( r、q )が最大となる( r、q )を求める (開票) 直線が複数本ある場合は、極大点を求めることになる アルゴリズム3 (c) P( r、q )が最大となる( r、q )を求める   (開票) 直線が複数本ある場合は、極大点を求めることになる

入力画像(例1)

エッジ画像

ハーフ変換

ハーフ変換によって抽出した直線

r,qの空間を表す配列の大きさを計算しなさい。 練習問題: 画像の横幅=256画素 画像の縦幅=256画素 rの量子化単位は0.5画素、 qの量子化単位は2度とする。 r,qの空間を表す配列の大きさを計算しなさい。