東海地区医学図書館協議会   患者の立場からの図書館利用について   愛知医科大学 看護学部       渡邉美千代.

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  東海地区医学図書館協議会   患者の立場からの図書館利用について   愛知医科大学 看護学部       渡邉美千代

患者の立場で利用する図書館 患者(当事者)の体験を共有する 自分の病気や治療・検査について学ぶ 患者の意思決定を支える 気分転換する    患者の立場で利用する図書館 患者(当事者)の体験を共有する 自分の病気や治療・検査について学ぶ 患者の意思決定を支える 気分転換する 癒しの場

図書館:患者の情報を共有する                 自分だけではないんだと励まされる

図書館:患者の情報を共有する 病いを怖がらないで病いと共に生きられる

患者の意思決定を支える 私の日記から   治療の選択に迫られるということは、このことだろうか?頭の中は、混乱したままである。自分の気持ちを整理できないまま治療の決定をしなくてはならない。「待って。私は、今まだ考えられない。」とだけ伝えたい。厳しすぎる。混乱だけでない。自己決定できないのは、情報の不足、治療の効果への不安、副作用に対する身体へのダメージは、誰が請け負うのか?私が請け負うしかない。自己決定を求められるというより、自己責任を要求されているように感じる。私は自分自身の不安や苦痛に向き合うことを逃げているのかもしれない。しかし、何か苦しい選択に迫られ、息苦しさを感じる。

私の意思表示-私が医療に望むこと Living Willの活動 これまでの医療現場においては、患者の意思が反映されるように、医療者からの情報提供が中心的ないわゆる「おまかせ医療」の傾向から「患者の意思尊重」の 医療を考える。 がん療養の現場では、突然にがんであることを知らされ戸惑うことを軽減する。 治療方針について十分に考えて自分で選ぶための 時間的な余裕や心のゆとりもないままに事態が進行してしまいがちである状況の緩和。 日常の平穏な時間の中で自分にとって、また家族にとって納得しやすい医療を選ぶ意思の形成 市民に立脚した医療の浸透を目指した活動を展開

がんになったときの医療者への オーダーシート作成の取り組み リビングウィル検討委員会 がんになったときの医療者への          オーダーシート作成の取り組み                   リビングウィル検討委員会 発足の経緯  市民と医療者との対話を促すリビングウィルを求めて 発足 これまでの活動  定期的な会合  メーリングリストによる意見交換  研究会の発表

1.がんになったとき ①がんになったとき、私自身に知らせてほしい ②がんが再発・進行したとき、私自身に知らせてほしい   1.がんになったとき ①がんになったとき、私自身に知らせてほしい ②がんが再発・進行したとき、私自身に知らせてほしい ③私のがん病名について、家族が反対しても知りたい ④私のがんについて、次の人に知らせてほしい

2.治療について ①医療者からの充分な情報を得たうえで自分で選択したい ②医師と話し合ったうえで家族で決めてほしい

3.口から充分な栄養がとれなくなったとき ①最後まで限りなく口から水分、栄養をとりたい ②点滴(手または足)をしてほしい ③中心静脈栄養(胸や首から心臓まで点滴の管を通して、水分または栄養を入れる点滴)をしてほしい ④経鼻胃チューブ(チューブを腹部の皮膚から直接、胃の中へ入れる)をしてほしい

4.もし、痛みや苦しみがあるとき ①痛みを止めてほしい(鎮痛剤・モルヒネの使用) ②セデーションについて *セデーション:どうしても苦痛のコントロールができない場合、鎮静作用のある薬物を投与し、患者の意識を低下させることで苦痛を緩和させる

5.呼吸が苦しくなったとき ①酸素吸入について ②人工呼吸器装着について 6.心臓、肺の機能が止まったとき ①心肺蘇生術はしてほしい

7.上記以外に医療者に望むことや医療方針   選択にあたり、ご自分で重視したいこと (価値観など)があれば、記入して下さい。 8.この文書を作成した動機について書いて下 さい 9.この文書を作成するにあたって相談した人  (例えば家族、身近な人、かかりつけ医など  具体的に記述して下さい 10.この意思表示の内容を伝えたい人

患者にとっての図書館利用 当事者本人の体験、意味づけ、価値づけを尊重する情報の提供 ・健康、病気、苦悩、死についての個人的な意味を見出す  患者にとっての図書館利用  当事者本人の体験、意味づけ、価値づけを尊重する情報の提供  ・健康、病気、苦悩、死についての個人的な意味を見出す  ・意思決定を促すプロセスへの関与  ・病いと共に生活することを支える  ・生あるいは死の意味を患者が見出すことを支援する

患者情報室(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター    朝日新聞記者 故井上平三さんのご遺志を引き継ぎ、      由紀子夫人のご寄付で実現

        患者の体験談(ファイル記録)

        多くの方々の善意による本

     インターネットでの医療情報の検索

        利用者に好評のパンフレット

患者情報室・患者図書館 患者の情報を集約する 患者の体験の情報提供 患者の交流の場 患者の声が医療へ反映されるために学ぶ場としての提供 医療の質の向上に市民が参与することを動機づける (医療の質向上の為、共同作業する)

       ありがとうございました