連星BH半周定理 東工大 椎野克 @市大.

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連星BH半周定理 東工大 椎野克 @市大

○目次 背景 直感的考察1,2 連星BH半周定理 ...

○背景 合体連星BHの数値実験 AHの連星軌道運動(十数回転) Ref:例えばPretorius PRL 95 121101 事象の地平線のトポロジー 共形図(注、acausal crease set)を書いてみると回転するような気がしない。 Ref:MS(2000) どのように理解できるか? Event horizonに関して言えば上限回転角が あるかもしれない。(数値実験と整合?AH or EH)

○直感的考察その1 合体する軌道は非因果的 ブラックホールの速度は高々光速 半径をRとすると合体するまでに ΔT < R/c Crease set 合体する軌道は非因果的 ブラックホールの速度は高々光速 半径をRとすると合体するまでに ΔT < R/c この間の回転角Θは Θ<cΔT/R<1 で高々1ラジアンより小さい。 2R ΔT Θ

○直感的考察その2 EH of BH EH of BH たくさんの重力波 少しの重力波 動的 準定常回転 トーラスEH 半周に上限か? In another timeslicing

○回転角の上限の存在 回転角に上限が存在するかもしれないが定義に 相対論的な問題がある 1 共変的回転角の議論 2 大きさのあるBH 1 共変的回転角の議論  2 大きさのあるBH (三次元運動) 3 見せ掛けの回転 角度座標 boost ?

○連星BH半周定理 半周なら回転角は角度座標と無関係 1rad<半周 : 180度の軸は真っ直ぐ 軌道面の存在は仮定 (軌道面鏡映) 見せかけの回転も光速を超えない(原点= Timelike 条件) 角度が決められない

○議論 何故LROを使ったか。 AHとEHの関係(GW) より現実的なcorollaryは?ある程度の対称性を仮定した方が良いかも。 特に座標条件に関しても条件付けが可能?

定義:comoving ball globally hyperbolicを仮定。 T(時間ベクトル)はいたる所でtimelike oはTにtangent 境界BUもtimelike BU U T S(ti) S(tf) S(t) o(t) o

定義:Light Ray Opposite 注、短いかもしれない、無いかもしれない (γはJ+のgenerator) 図のλ(p,t2)によって 定義する。 o gp J (p) + pt2 gp(tc) Ot2 l(p,t2) p 注、短いかもしれない、無いかもしれない (γはJ+のgenerator)

定義:合体する連星BH系 H O(tf) Hpo O(t’) O(ti) Hpr

定義:連星軌道の半周 各々のブラックホールについてある点pが存在し時刻t2までの間にそのLROをブラックホールの軌道φが横切る。 o gp J (p) + gp HA∩ Ot2 pt2 ft2 A l(p,t2) Ot2 pt l(p,t) Ot p HA∩ Ot HA∩ Ot1 Ot1 ft A

主張 ∀pI∈BI、∀pII∈BII、 Opr∩J+(pI)∩J+(pII) J(pI)∩Opr + J(pII)∩Opr + Ot’ o Opr Oti pI pII 系 oが両方のcausal futureと交わる事はない BI BII

補助定理 どちらかは正しい LRO λ(pI,t2) はJ+(pI)∩Oprと交わらない For II、、 pt2 pt2 o p gpI Ot2 pt2 q o(t2) l(pI,t2) J(pI)∩Opr + pI timelike curve

半周定理 補助定理より、半周できない。

○picture(timelikeな時間ベクトル)

議論 定理はcovariant LROが短いかも、無いかも AHでの定理 観測、、〇back light ×重力波

注意、free fall timeがRより小さい ~(M>R) 特異点(or caustic)に支えてLROが作れない。 定義:modified LRO Lemmaは同様に成立 J(p)⊂J(p’)⊂J(p’’) 。 それでも駄目な場合とは 宇宙論的particle horizon 未来向きnull MLRO p o(t) ∂t p’ p’’

Lemma p,qから出たnull generatorが Proposition 二つの causal future は交わらない。 o(t)は両方とは 交わらない。 Lemma p,qから出たnull generatorが 両方ともそれぞれのLROと交わることは無い。 LRO p o(t) q B2 B1 Theorem  軌道断面上、あるpがあって LRO(p)はみんな到達するので、 任意のo(t)について半周しない。

定義 「light ray opposite」 定義 「連星system」 軌道面上、将来合体2BH (まだしていない) 、timelikeな原点 定義 「連星の半周期」 軌道断面上で各点 の任意のmoveφ でLROに到着 o(t) 未来向きnull LRO o ∂t p Φ LRO LRO Φ 軌道面