物価指数とデフレーター(deflator)

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国民所得 エンゲル係数:生活費に占める食事の割 合 所得の増加と逆に動く指数 食費:所得が増加してもそれほど増えな い なぜなら 娯楽費:所得が増加すると増加する このエンゲル係数を国際比較すれば、各国の生活水準を比べることができ る しかし ある国の衣服費だけ上昇したとする 生活費は上昇する、が、食費は上昇しないエンゲル係数は低下する.
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厚生基準. 「厚生経済学」 “Welfare Economics” 前半のテーマ ピグーの主著名 ピグーの本はいろんなことが書いてある 教科書的な議論は、市場の失敗とその補 正のみを扱う.
1 II マクロ経済学のデータ. 2 第5章 国民所得の測定 マクロ経済学とは 国内総生産 = GDP ( Gross Domestic Product ) – 社会の経済的福祉を測定する尺度の1つ ミクロ経済学とマクロ経済学の違いについては、 pp. 40 – 41 も参照.
貨幣の役割と貨幣市場 経済学B 第 9 回 畑農鋭矢 1. 貨幣の役割 価値尺度 財の価値を表す共通の尺度 交換手段 物々交換⇒欲望の二重の一致 貨幣によって交換が容易に 価値の保蔵手段 安全資産としての保蔵手段.
短期均衡 (2) IS-LM モデル 財市場 IS 曲線 – 財市場の均衡 – 政府支出の増加,減税 貨幣市場 LM 曲線 – 貨幣需要,貨幣市場の均衡 – マネーサプライの増加 IS-LM モデル – 財政政策の効果,金融政策の効果 – 流動性の罠 – 実質利子率と名目利子率の区別 貨幣供給.
貨幣について. 講義概要 貨幣の概念 名目と実質貨幣ストック 貨幣に対する需要 政府による金融政策.
IS-LM 分析 マクロ経済分析 畑農鋭矢. 貨幣の範囲 通貨対象 M1M2M3 広義流動性 現金通貨(日銀券 +補助通貨) 預金通貨 (普通預金・当座 預金など) 主要銀行・信 用金庫など ゆうちょ銀 行・信用組合 など 準通貨 (定期預金など) 主要銀行・信 金など ゆうちょ銀 行・信用組合 など.
マクロ経済学の基礎 1. マクロ経済の循環 1. 貯蓄の無い経済 2. 貯蓄・投資の存在する経済 3. 政府の存在・開放経済 2. 重要なマクロ変数 1.GDP ,失業率,物価 3. マクロ経済の経験的事実.
2班 石川真希 石川雄一 伊藤豪浩 糸瀬徳 井上祐紀 井上善喬
第9章 国民経済計算 ー 経済統計 ー.
6: 失業とインフレーション/デフレーション
GDPとは? GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)
<ポイント> まずは、マクロ経済学の統計用語に慣れること!
GDPとは? GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)
国際収支表をどう読むか 国際収支の均衡 国際収支とGDP
貨幣の役割と貨幣市場 経済学B 第11回 畑農鋭矢.
マクロ経済学初級I 第6回.
丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2006年11月16日
第1章 国民所得勘定.
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
購買力平価 MBA国際金融2015.
<キーワード> 景気循環 総需要・総供給モデル
(出所)小峰隆夫(2003)『最新日本経済入門[第2版]』、日本評論社、p.186。
物価指数と実質化 経済統計学・経済の世界 作間逸雄.
物価 モノの動き 輸出 輸出物価指数 輸入 生産 企業 CGPI 輸入物価指数 卸売 CGPI 小売 消費者 CPI.
IS-LM分析 経済学B 第10回 畑農鋭矢.
7: 新古典派マクロ経済学 合理的期待学派とリアル・ビジネス・サイクル理論
マクロ経済学 II 第9章 久松佳彰.
(景気が良くなり)ハンバーガーの需要が拡大すると
短期均衡モデル(3) AD-ASモデル ケインジアン・モデルにおける物価水準の決定 AD曲線 AS曲線 AD-ASモデル
統計学 第3回 10/11 担当:鈴木智也.
豊かさとは? 経済学B 第2回 畑農鋭矢.
GDPに関連した概念.
第6章 物価指数 ー 経済統計 ー.
丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2006年7月20日
6: 失業とインフレーション/デフレーション
硬直価格マネタリー・アプローチ MBA国際金融2016.
第4回講義 マクロ経済学初級I  白井義昌.
第6章 物価指数 ー 経済統計 ー.
通貨統合と最適通貨圏 一橋大学商学部 小川英治 マクロ金融論2016.
<キーワード> 景気循環 総需要・総供給モデル
マクロ経済学初級I 第4回.
マクロ経済学初級I 第5回講義.
8 応用: 課税の費用.
最近の中国と通貨に関する動向 08ba231c 松江沙織.
第4章 投資関数.
国際経済学10 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2010年1月18日
経済原論IA 第5回 西村「ミクロ経済学入門」 第5章 消費者需要理論の応用と拡張 京都大学経済学部 依田高典.
貨幣の流通速度 貨幣が平均して1年間にいくつの経済主体 の間を移動するのかを表わす MV=取引総額(年間) Vは流通速度あるいは平均回転率.
V. 開放経済のマクロ経済学.
VI 短期の経済変動.
V. 開放経済のマクロ経済学.
第8回講義 マクロ経済学初級I .
経済学入門 13 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2010年7月26日
第5章 貨幣と金融市場.
暦年と年度 名目と実質 GDPデフレータ 対前年成長率
財市場               マクロ班 Congratulations! 財市場.
© Yukiko Abe 2014 All rights reserved
7: 新古典派マクロ経済学 生産要素の完全雇用 ケインズ経済学の中心的な考え方(需要サイド,4章と5章のIS/LMモデル) ↑ ↓
第6章 将来の便益と費用の割引 政策評価(06,11,17)三井.
第6章 IS-LMモデル.
第9章 国民経済計算 ー 経済統計 ー.
第6章 生計費の測定 生計費=生活費(cost of living) 生活水準の比較
情報経済システム論:第13回 担当教員 黒田敏史 2019/5/7 情報経済システム論.
国際経済の基礎9 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2007年11月22日
跡見学園女子大学マネジメント学部 国際経済学
経済学(第7週) 前回のおさらい 前回学習したこと(テキストp.16,19) ◆ マクロ経済学における短期と長期 ◆ 完全雇用とはなにか ◆ 短期のマクロ経済モデルの背後にある考え方 (不況の経済学/有効需要原理) ◆ 民間部門はどのように消費や投資を決定するか ◆ ケインズ型消費関数とはなにか ◆
第3回講義 文、法 経済学.
マクロ経済学初級I 第12回 今学期のまとめ.
12章 貨幣量の成長とインフレーション 1.インフレーションの古典派理論 物価水準と貨幣の価値は逆数の関係
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物価指数とデフレーター(deflator) 名目値と実質値 指数の作成 GDPデフレーターの作成

名目値と実質値 現行価格と不変価格 現行価格(current price)とは、日日、市場で取引される値段のことである。 名目GDPは「現行価格表示のGDP」と呼ばれる。 不変価格(constant price)とは、基準時点の価格(現在は2000年)である。

実質値GDP 実質値GDPとは、ある基準時点の価格体系を設定し、その基準年の価格で評価したGDPということになる。「不変価格表示のGDP」と呼ばれる。

基準期と比較期   :t年の価格、  :t年の数量  :基準年の価格、  :基準年の数量 名目値= 実質値=   (実際には存在しない架空の数字)

デフレーター デフレーター=名目値/実質値 名目値/デフレーター=実質値

指数の作成 ラスパイレス方式(Laspeyres,L式) パーシェ方式(H.Paasch,P式)

ラスパイレス指数      :当該財の価格指数         :当該財の基準時ウェイト

ラスパイレス指数 L式指数は、個々の財の価格指数を基準年時のウェイトで加重算術平均したものである。 L式指数の長所と短所

パーシェ指数      :当該財の価格指数の逆数          :当該財の比較時ウェイト

パーシェ指数 P式指数は個々の財・サービスの価格指数を比較時のウェイトで調和平均したものである。

パーシェ・チェック L式指数はP式指数よりも時間が経つにつれて、大きな上昇を記述する傾向がある。  L式指数による過大評価となる危険を防ぐためには、定期的にP式指数を計算してL式指数との差を調べ、現在使用しているL式指数の信頼性をチェックする。その結果に大きな差があれば、基準時点を変更する必要が生じる。

L式指数とP式指数の関係 ボルトキヴィッチの関係式 r は其々財の価格と数量の相関係数 と 個別価格指数と個別数量指数の標準偏差  r は其々財の価格と数量の相関係数 と  個別価格指数と個別数量指数の標準偏差 r <0のとき       ; r >0のとき

L式指数とP式指数の組合せ 価格指数×数量指数=価額指数                   (名目値)

GDPデフレーターの作成方法 名目GDP=C+I+G+(X-M) 実質GDP= C:消費、 I:投資、 G:政府支出 X:輸出、 M:輸入 大文字:名目値 小文字:実質値 Def:各項目のデフレーター  名目GDP=C+I+G+(X-M) 実質GDP=

GDPデフレーター =名目GDP/実質GDP =

GDPに占めるウェィト それぞれの需要項目のGDPに占めるウェィトを とする、即ち 他の項目についても同じである。

GDPデフレーター それぞれの需要項目のウェィトで調和平均した指数、P式指数となる。