KUGカタログとSDSS 画像データとの照合 宮内良子(国立天文台)、中嶋浩一(一橋大学) 2013年7月10日 シュミットシンポジウム
KUGとは Kiso Ultraviolet-Excess Galaxies Takase and Miyauchi-Isobe, 1984 – Miyauchi-Isobe and Maehara, 2006 Miyauchi-Isobe, Maehara and Nakajima 2010 で完了. 約7,000 square degrees の中に 9908 galaxies. 同様のものとして,Markalian 銀河を探した Byurakan Survey がある.
KUG撮影天域図
前回までに行ったこと *画像データを公開(6653銀河)。 *画像を用いて、位置データを修正。 *銀河ではない可能性のある天体を抽出。 *上記について、他のカタログと比較検討。 *SDSS画像データベースの、DR7の範囲外 についても画像を検索、743銀河を取得。 *同じように、最近公開されたDR8の画像 データから、1539銀河の画像を取得。
(前回示した)今後の方針 SDSS の DR8(Data release 8) のデータの 画像を取得し、位置を修正して新たな画像 データベースを作成・公開(8935/9908)。 恒星の可能性について,詳しく検討: 他の資料で,恒星と同定されていないか. Seyfert galaxy などのデータと比較. できればスペクトル観測などがほしい.
(前回示した) 今後の方針(続き) Position を修正し,恒星と思われるもの除い た,修正カタログを公表. あらためて,形態の再分類を試みる. これまでの Schmidt plates の digitize を試 みる.(A3判スキャナで可能) Digitize ができれば,これまで目測であった UV 超過の度合いを,数量的に計測したい. SDSS の銀河カタログとの比較.
今回までに行ったこと SDSS の DR9 (Data release 9) の公開画 像データに含まれる KUG 銀河の画像を,す べて収録(計 8878個) . DR9 および DR8 の画層データに欠けがあり, DR7 画像データからも収録(6個). これらの 8884個の画像をすべて調べ,画像 中心からずれているものについて,カタログ の位置データを修正(計 683個).
位置ズレの修正 (2355+325) before after
今回までに行ったこと(続き) 修正位置データにより再度画像を取得 し,新たな画像データベースを作成,公 開. → http://nk-kaken.jp/KUG/
作業の中で気付いたこと DR9 の新しい画像データに,一部欠損がある. (α 20deg, δ 38deg付近,ほか)
作業の中で気付いたこと(続き) DR9 の画像範囲にはあるが,明るい恒星の 近くにあって画像が取得できない銀河があ った. → CS UMa Vmag = 5.1
作業の中で気付いたこと(続き) DR7 と DR8 の画像データで,一部,位置 データが異なっている. → 22h, 23deg 付近
DR7 と DR8,9 のズレ (2240+236) 左側のDR7の画像が4” 南に
位置の修正以外に行ったこと これまで,2つの相互作用銀河を,Pd, Pi な どの分類で1つに数えていたが,大きく離れて いるものは2つの銀河に分けた. → 0144+271, 2259+157A → 結果として,KUGカタログの数が 9908 から 9910 になった. (もっと増加する可能性もある.)
一部未完成の作業 銀河ではなく,恒星や重星であると思われる 天体を区別する. → 数が多いので,作業が現在進行中.
今後の予定 ・位置ズレを修正した「修正KUGカタログ」を刊行 ・恒星状の天体を,何らかの方法で確認. (カタログ調査,スペクトル撮影など) (カタログ調査,スペクトル撮影など) ・複数の銀河を,相互作用銀河として単一のエン トリーとしていたものを,分割. ・他のカタログとの cross reference を作る. ・得られた画像を用いて,形態分類を再検討. ・(できれば)プレートをディジタル化して,Uの明 るさを測定したい.