制御系における指向性アクチュエータの効果

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第 7 週目: 周波数伝達関数とボード線図 周波数伝達関数 ボード線図 TUT, System & Control laboratory 1/16.
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Division of Process Control & Process Systems Engineering Department of Chemical Engineering, Kyoto University
適応制御に基づく 真空モータの能動騒音制御 Active noise control of vacuum motor based on adaptive control ○ 石山 亜弓 ( 長岡技科大 ) 川﨑 健史 ( 長岡技科大 ) 小林 泰秀 ( 長岡技科大 ) 根本 伸治 ( 山本電気 ( 株.
定在波型熱音響エンジンにおける 臨界温度比推定のための適応制御系の 安定性に関する実験と理論の比較 長岡技術科学大学
24 両端単純支持梁に対する外乱抑制制御系の製作
プロセス制御工学 3.伝達関数と過渡応答 京都大学  加納 学.
フィードバック制御に基づく 定在波型熱音響エンジンにおける 自励発振条件の特徴付け
東京工業大学 機械制御システム専攻 山北 昌毅
プロセス制御工学 6.PID制御 京都大学  加納 学.
28 梁の振動制御系における移動可能なアクチュエータの検討
底面形状を考慮したH∞制御に基づく水槽内の定在波抑制制御
真空モータの翼通過周波数騒音を抑制する制御系における参照信号の生成
ー 第1日目 ー 確率過程について 抵抗の熱雑音の測定実験
不安定な補償器を用いた 低剛性・高慣性比の 二慣性ねじり振動系における 外乱抑制制御性能の改善
2.伝送線路の基礎 2.1 分布定数線路 2.1.1 伝送線路と分布定数線路 集中定数回路:fが低い場合に適用
システムモデルと伝達関数 1. インパルス応答と伝達関数 キーワード : 伝達関数、インパルス応答、 ステップ応答、ランプ応答
機械創造工学課程 08104288 鈴木翔 担当教員 小林泰秀 准教授
合成伝達関数の求め方(1) 「直列結合 = 伝達関数の掛け算」, 「並列結合 = 伝達関数の足し算」であった。
水平板を用いた消波機構における指向性 アクチュエータの境界要素法による性能解析
25 ロバスト制御に基づく柔軟ベルト駆動二慣性系の外乱抑制制御 機械創造工学課程 西村光博 担当教員 小林泰秀 准教授
定在波型熱音響エンジンの共鳴現象に 対するフィードバック制御の効果 長岡技術科学大学 ☆角島 悠太 小林 泰秀, 山田 昇.
2013/05/18 主鏡制御の進捗状況 京都大学 木野 勝、 長友 竣.
28 PICマイコンを用いた能動騒音制御系の制御性能
閉ループ系を安定限界に保持する 適応制御に基づく定在波型 熱音響エンジンの定常発振制御
プロセス制御工学 7.多変数プロセスの制御 京都大学  加納 学.
31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力の可視化 長岡技術科学大学 機械創造工学課程 梅本康平 担当教員 小林泰秀 准教授
従動側角速度フィードバック による不安定化に基づく 二慣性系の外乱抑制性能の改善
振動体の振幅を目標値一定とする 振動発電機負荷のフィードバック制御 修士論文発表会
機械創造工学課程 西久保智昭 担当教員 小林泰秀 准教授
ベクトル線図 周波数応答 G(jw) (– < w < ) を複素平面内に描いたものが、ベクトル線図である。
逐次伝達法による 散乱波の解析 G05MM050 本多哲也.
基本システムのボード線図 ボード線図による基本システムの同定
高次システムのボード線図 周波数応答によるシステムの同定
量子力学の復習(水素原子の波動関数) 光の吸収と放出(ラビ振動)
26ロバスト制御に基づく片持ち梁の外乱抑制制御系の設計
第 6 章 :フィードバック制御系の安定性 6.1 フィードバック系の内部安定性 6.2 ナイキストの安定定理
C4 能動騒音制御を用いたループ管熱音響冷却機の製作
Mini-RT装置における 強磁場側からの異常波入射による 電子バーンシュタイン波の励起実験
DPFのマスモジュールにおける残留ガス雑音の研究II
22 物理パラメータに陽に依存する補償器を用いた低剛性二慣性系の速度制御実験 高山誠 指導教員 小林泰秀
逆位相音波を用いた消波に関する実験 T22E025 渡邊 友規.
7.一次元ダクトの消音制御系における低コスト化
パイプ風鈴の振動理論 どの様な振動をしているか。周波数は何で決まるか。 (結論) ・振動数は棒の長さLの二乗に反比例する。
30 両端単純支持梁に対する外乱抑制制御系の製作 機械創造工学課程 11307489 古澤大輔 担当教員 小林泰秀 准教授
電機制御工学 定量的制御編 清弘 智昭.
平面波 ・・・ 平面状に一様な電磁界が一群となって伝搬する波
両端単純支持梁の フィードフォワード外乱抑制制御系における 指向性アクチュエータの効果
9. ナイキスト線図と安定余裕 教科書 7.2, 7.3.
21 柔軟片持ち梁の振動制御における移動可能なアクチュエータの製作
1-1-6 ロバスト能動騒音制御に基づく ループ管熱音響システムにおける 定在波抑制制御の効果
熱音響コアが多段接続された 電力フィードバック進行波型熱音響発電機の 発振条件及び実験
ナイキストの安定判別に基づく熱音響システムの自励発振解析における発振余裕と 定常発振状態における圧力振幅の関係
電力フィードバック回路の調整による 熱音響発電機の発振余裕の最大化
フィードバック制御に基づく 熱音響発電システムの検討
低剛性・高慣性比の二慣性系の 外乱抑制制御問題に対して 任意の制御性能を達成する 不安定な補償器
34 PICマイコンを用いた能動騒音制御系の製作
ナイキストの安定判別法(簡易版) 安定余裕
振動体の振幅を一定とする 振動発電機負荷のフィードバック制御系の 安定性解析 長岡技術科学大学 ○ 永井 和貴 稲田 千翔之 小林 泰秀
タンク内圧力の変動を考慮した コンプレッサーの能動騒音制御
高慣性比二慣性系の外乱抑制問題に対する 慣性比 の解析解に基づく 補償器の構成
PI補償器の出力を時変係数とする 定常発振制御系の安定性解析
第 5 章 :周波数応答 5.1 周波数応答と伝達関数 周波数伝達関数,ゲイン,位相 キーワード : 5.2 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡
水平板を用いた消波機構における指向性 アクチュエータの境界要素法による性能解析
31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力計測系の製作 機械創造工学課程 梅本康平 担当教員 小林泰秀 准教授
学籍番号: 氏名:峯村孝征 指導教員:小林泰秀 准教授
振動体の振幅を一定とする 振動発電機負荷のフィードバック制御 長岡技術科学大学 ○ 永井 和貴 齋藤 浄 小林 泰秀
長岡技術科学大学 大学院 工学研究科 機械創造工学専攻 髙山 誠 指導教員 小林 泰秀 准教授
電磁気学C Electromagnetics C 7/10講義分 電気双極子による電磁波の放射 山田 博仁.
信号データの変数代入と変数参照 フィードバック制御系の定常特性 フィードバック制御系の感度特性
臨界温度比推定のために熱音響エンジンを 定常発振させる時変ゲインを用いた 定エネルギー制御系の安定性解析
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制御系における指向性アクチュエータの効果 1D202 片持ち梁のフィードフォワード外乱抑制 制御系における指向性アクチュエータの効果 ○西久保 智昭  長岡技術科学大学大学院  小林 泰秀    長岡技術科学大学

研究の背景 指向性アクチュエータとして 梁の振動制御に適用 指向性音源 梁の振動抑制制御系設計問題 センサとアクチュエータが コロケート 非コロケート DVFB制御系 アクティブ フィードフォワード制御系 波動吸収制御法 etc 振動の波を制御 ダクト能動騒音制御 音の波を 制御 指向性アクチュエータとして 梁の振動制御に適用 フィードフォワード 能動騒音制御系 指向性音源

音波と梁の曲げ波の違い 同様の効果が得られるか明らかでない 従来研究 有限長の梁かつ外乱が未知の場合を対象 1.ニアフィールド波の存在 2.伝播速度 が周波数に依存 :断面積 :ヤング率 :密度 :断面2次 モーメント :角周波数 同様の効果が得られるか明らかでない 従来研究 無限長の梁を摸擬 [S.J.Elliott,L.Billet 1993] 外乱が既知 [岩本,田中 2003][M.J.Brennan et al. 1993] 有限長の梁かつ外乱が未知の場合を対象

指向性アクチュエータについて 片持ち梁でも開・閉ループに与える効果を検証 開ループ系:フィードバックパス伝達関数の位相遅れの増加 上流方向への波が残り、 センサに影響を与える 3.波の重ね合わせより、  下流方向の波を消去 4.アクチュエータ2より  アクチュエータ1に対し  逆位相、時間遅延した  波を入力 2.アクチュエータ1より  外乱と逆位相の波を  入力 1.外乱 をセンサで検知 5.上流方向の波は  相殺、センサは  外乱のみを検知 Disturbance Wave Actuator2 :波の伝播速度 :アクチュエータ間距離 Actuator1 Controller Sensor Tdの根拠の式 開ループ系:フィードバックパス伝達関数の位相遅れの増加 閉ループ系:制御帯域における補償器のゲインの低下 片持ち梁でも開・閉ループに与える効果を検証

実験装置概要 Case A Case B Disturbance Actuator Error Sensor Reference Control Actuator 2 Control Actuator 1 Case A 無指向性 アクチュエータ u’(t) = 0 u z w y :プラント :補償器 閉ループ系 Case B 指向性 アクチュエータ u’(t) = -u(t-Td) 25mm 150mm 380mm 640mm 945mm 950mm 6のスライドと+ Tdの根拠の式 PSD Circuit PA. LPF D/A A/D z w PC D/A LPF PA. u Gap Sensor A/D D/A LPF PA. y u’ :三次角共振周波数

物理モデルの導出 各伝達関数は で表現される 梁をEuler-Bernoulli梁と仮定した運動方程式 任意の位置の状態ベクトルを定義 各伝達関数は で表現される 梁をEuler-Bernoulli梁と仮定した運動方程式 任意の位置の状態ベクトルを定義 :たわみ :せん弾力 :傾き角 :曲げモーメント 境界条件 :固定端 :自由端 伝達マトリクス法より :運動方程式、状態ベクトル  より導く伝達マトリクス

開ループ系に与える影響 位相遅れ Case A<Case B Gyu

閉ループ系に与える影響 > 補償器 MATLABの hinfsynコマンドで設計 ピークゲイン Case B Case A 仮想的補償器 リファレンスセンサが定在波の 節となる周波数と一致 補償器Bode線図

結言 1.開ループ系に与える効果 2. 閉ループ系に与える効果 曲げ振動の場合でも、ダクト能動騒音制御の場合と    フィードバックパス伝達関数における位相遅れが増加する    特に、時間遅延で設定した3次共振周波数以降で顕著である 2. 閉ループ系に与える効果    リファレンスセンサの位置に定在波の節が一致することに   起因する補償器のピークゲインが抑制される 曲げ振動の場合でも、ダクト能動騒音制御の場合と 同様の効果を指向性アクチュエータにより得ることを示した