サービス業のホスピタリティに関する研究 ~ディズニーランドを基に~ 1410168002 経営学部経営学科 甲斐 ひろみ
目的 感動 ↓ ヒト・サービス ホスピタリティとは何か どういった人材教育が大切なのか サロンではどのようなサービス・ホスピタリティをしていくべきなのか 私は学生の間、飲食・販売・ブライダル・アミューズメントなど様々な業種のアルバイトを経験し、すべてにおいて人との関わりが大切であり、それが集客にも繋がるのではないかと考えた。そして、消費者が物を購入したり、また行きたいなと感じ行動を起こすという事に対して、最も影響を与えるのは「感動」したからだと思う。消費者に一番満足や感動を与えることができるのは、提供者である「人」、「サービス」ではないかと感じた。感動のサービス・ホスピタリティに最も視点をおいているディズニーランドは、どのような人材育成をして、どのようなホスピタリティをしているのかを調べることで、ホスピタリティとは何かを明確にすることを目的とする。また、どういった人材育成が大切になるのかも明確にする。それをもとに、サロンではどのようなサービス・ホスピタリティをしていくべきなのかを提案する。
結論 ホスピタリティとは 『思いやり』・『おもてなし』 従業員がホスピタリティを実践できるようにするためには、日々の教育・指導。経営者自らが率先して実践 職場全体があらゆるお客様に最大のホスピタリティをし、感動を与えることでリピーターになる。 ホスピタリティとは、従業員全員が仕事へのやりがい、誇りを持ち、不満がない状態で仕事ができるからこそ、お客様に心を込めて「おもてなし」ができる。それをするためにはまず、従業員同士がおもてなしの心で接しあうことが大切である。 従業員全員がホスピタリティを実践できるようにするためには、日々の教育・指導の中で身についていくもの。また、何よりも大切なことは、経営者自らが率先して実践していかなければならない。そうしていくことで、職場の従業員間におけるホスピタリティをもつことにより、明るい職場をつくることができる。従業員のモチベーションがアップし、働きやすい環境をつくり、働きがいを生み出すことによって、職場の生産性もあがっていく。 職場全体があらゆるお客様に最大のホスピタリティをし、感動してもらうことによって、「また行こう」と思ってくれるのではないかと考える。
方法 ①「ホスピタリティ」という言葉の知名度調査 ②レストラン・ホテル・エステ/美容室 各々の サービス提供者に求めるもの ③上記3つの企業で一番多かった項目に対しどのような対応をしているのか調査 ④各項目におけるディズニーの事例をあげる ①身近にホスピタリティという言葉を感じないので、若者(20代前後)の中での言葉の知名度をアンケート調査し、またサービスの提供者に何を求めるものかも調査する。 ②サービス業といっても沢山あるので、上記3つにしぼり、それぞれのサービスに対してどのようなホスピタリティを求めるのかを調査する。 【年齢:10代~40代 ・ 性別:男女まばら ・ 人数:50人】 ③(ネットや本などを参考) ④方法①のQ2の6つの項目から、ディズニーは具体的にどういった対応をしているのかを事例をもとにあげる。
意義 サービスではなくホスピタリティに視点をおくことで、今後サービス業で働けたときにお客様に対して最大のおもてなしができる。また、企業をディズニーにすることで、幅広い年代に向けるホスピタリティを学べると考える。
サービスとホスピタリティ サービス お客様に対して必ず履行・提供しなければいけない。お客様に予想外の感動を生み出すことは難しい。 ホスピタリティ 「思いやり」「心からのおもてなし」という意味が、ホスピタリティに近い。サービスに「心」が加わると「ホスピタリティ」になる。感動が生まれる。 サービス ホスピタリティ 感動 サービス サービスの語源は、ラテン語の「servus(奴隷)」である。意味として「~しなければいけない」というような義務を含んでいる。平たく言えば、お客様に対して必ず履行・提供しなければいけないのがサービスということになる。 たとえば、どこの会社でもマニュアルには接客の手順などが規定されている。これは、必ず履行しなければならない。いわゆる詐作業レベルに属し、サービスということになる。もちろんサービスは、お客様が不快な思いや不満を抱くことを防ぐためにも必要だ。ただ、サービスではお客様に予想外の感動を生み出すことは難しいだろう。 ホスピタリティ 「ホスピタリティ(hospitality)」の語源は、ラテン語の「hospice(ホスピス)」である。ホスピスとは、「客を保護する」という意味で、寺院が旅人を積極駅に保護していたことに由来すると言われている。 日本語には「思いやり」「心からのおもてなし」という言葉があるが、ホスピタリティに近い言葉だと思う。サービス業のみならず、最近では医療現場などでも頻繁にホスピタリティという言葉が使われようになってきている。形や行動などで示す「マナー」は、相手に不快感を与えないための最低限のルール。しかし、そのに「心」が加わると「ホスピタリティ」になる。深い心地よさが加わることで、信頼、安心感そして感動が生まれる。具体的に言えば、「自ら相手の気持ちになって、相手の立場になって、共に考えてあげる気持ち・心」のことだ。 サービスをきっちりこなし、そのうえでホスピタリティがプラスされたとき、はじめてお客様に予想外の感動を与えることができるのだろう。
アンケート調査 ①「ホスピタリティ」の知名度調査 (調査対象:男女学生60人、SNSにて) Q1.ホスピタリティという言葉を知っていますか 今の若者(20代)の中で、ホスピタリティという言葉の知名度はどれほどあるのかを調査。それをふまえて、ホスピタリティに何を求めるのかを調査。 (調査対象…男女・20代・学生60人、SNSにて)
Q2.次の中でサービス提供者に 最も求めるものは □ 丁寧な言葉遣い □ 笑顔・愛想 □ 商品知識 □ 臨機応変な対応 □ 対応の速さ・正確さ □ 提供者の身だしなみ <結果> 丁寧な言葉遣い/笑顔・愛想を求める人が一番多かった。 アンケートの結果からホスピタリティという言葉を知っている若者は少なく、説明したうえで提供者に求めるものを聞いたところ、丁寧な言葉遣いと笑顔・愛想が多かった。
②レストラン・ホテル・エステ/美容室、それぞれのサービス提供者に求めるもの (調査対象:10-40代男女50人、SNSにて) レストラン…笑顔・愛想 ホテル…臨機応変な対応 エステ/美容室…笑顔・愛想、技術 レストラン ホテル サービス業といっても、世の中にはさまざまな種類の仕事があるので、レストラン・ホテル・サロンの3つに絞り、アンケート調査をおこなった。また、サロンに関しても沢山の美容サロンがあるので、その中のエステサロン、ヘアサロンについて調査をおこなった。 調査対象(10代~40代の男女・人数:50人、SNSにて8月中旬~9月上旬) アンケートの結果からホスピタリティという言葉を知っている若者は少なく、説明したうえで提供者に求めるものを聞いたところ、丁寧な言葉遣いと笑顔・愛想が多かった。 エステ・美容室
ホスピタリティを実践する為の提案 「見る」相手の来店時の表情は?お仕事帰りか?お休みか? 「観る」お肌や身体の状態は?前回のお手入れの時との違いは? 「看る」直接素肌を触って、肌・身体の状態を細かく感じながら、サー ビスを施す 「聞く」相手の声のトーンは明るいか?疲れていないか? 心は元気か? 「聴く」徹底的にお客様のお話に耳を傾けて、心に寄り添う。 「思う」相手をきれいにしたいと思いサービスを提供する 「想う」相手の心に寄り添い、相手のことを心から大好きになって、真 心を込めてサービスを提供する 「念う」この瞬間すべてを相手に注ぎこんで、全身全霊で心のこもった お手入れ、真心のサービスを提供する。 エステサロンを利用する お客様にもっとホスピタリティを感じてもらうために、どのような取り組みが必要に なってくるのかを提案する。 「みる」「きく」「おもう」の3つの言葉を理念の一つとして掲げ、お客様がご来店された時よりも、お帰りになる際に、最高の笑顔に出逢うことをモットーとし、取組む。 3段階レベルで、新人スタッフを育成し、たとえば、同じ「見る」でも「観る」と「看る」では、顧客様の感じ方が大きく変わることを繰り返し、繰り返し教えていく。 エステサロンでは、技術とおもてなしの心を磨くことが、一流のエステティシャンで あり、日常生活の中でも、家族やスタッフ間においても、常に相手を想い、心に寄り添うことを心掛けることで、人間としての魅力も磨かれ更なるホスピタリティ精神に繋がると考える。
部屋の温度 タオルのかけ方 肌へのふれかた 照明 マッサージの強弱 声のトーン また、エステサロンは、お肌に直接触れる仕事なので、より高いホスピタリティが求められる仕事の一つと考える。タオルのかけ方一つ、肌への触れ方一つ、マッサージの強弱、部屋の温度、照明、声のトーンなどといった細かい部分など、顧客の感じ方は大きく変わってしまう。常に相手の表情や心の声に耳を傾ける「聴く力」が非常に大切である。また、確かな技術を身につけたうえに、ホスピタリティが成り立つので、どちらが欠けても顧客満足度は低くなる。常に技術を磨き、身体に覚えこむことで、相手の心に気を配り、寄り添うことができると考える。そして、お客様に喜んで頂くのはもちろん、働くエステティシャンが誇りを持って、仕事に取り組む環境を作ることも、ホスピタリティに繋がる。 マッサージの強弱 声のトーン
まとめ 言葉の知名度はまだまだ低い ホスピタリティは「人間力」 ホスピタリティは高い顧客満足度やリピーターにつながる 本研究を通して、ホスピタリティとは何か、またどのような人材教育が必要なのかを学ぶことができた。第四章で述べた結果により、まだまだホスピタリティという言葉の知名度が低いのが現状である。この言葉をもっとこれから社会に出る若者が知り、人を思う気持ち、おもてなしの心の大切さを知ってもらいたい。 世の中にある職業にはすべてマニュアルが存在し、さまざまな問題の解決方法やお客様への接し方などが企業によって設定されている。マニュアル通りに仕事を進めていくか、それ以上のことをするか、それは自分自身のモチベーションが重要になってくる。モチベーションとは、仕事を楽しくすることである。嫌々仕事をしていても、お客様に最高のホスピタリティを提供できない。まずは自分自身が仕事を好きになり、楽しむことによりホスピタリティが生まれてくるだろう。 サービスを提供する仕事は、人対人。世界には同じ人間なんていないし、感性も各々である。あらゆるお客様に感動をしてもらうことはそう簡単にできることではない。その中でも絶えずお客様に感動を与え続けているディズニーの人材教育は、マネジメントではマネジメントできない状況におかれたときにどういう対応ができるか、正に企業や組織を支える「人間力」の問題であることを、教えてくれた。 今、多くの会社。組織が、人口減少などの背景もあり、カスタマイズ・ロイヤルティ(顧客忠試)を高め、リピート率をアップさせることで、業績を伸ばそうとしている。他社とは違う試みをし、お客様をつなぎ止めつづけることは、なかなか難しいことだろう。他社に負けない「何か」は、ポイントカード制度にしてみたり、会員制にすることではなく、私は「人」つまり従業員を育てるということにあると思う。ディズニーが顧客満足度やカスタマイズ・ロイヤルティが高いのは、キャストがそれぞれ自分の役割を果たし、さらにホスピタリティをもつことで、ゲストが予想していない感動を生み出しているからだ。それらが、高い顧客満足度やリピート率につながっていると思う。つまり、キャストがゲストの心をつかんでいる。「人」が「人」の心をつかんでいるのだ。だからこそ、ホスピタリティをもつ従業員が多い組織ほど強い。ホスピタリティとは、マネできないことだからだ。ホスピタリティをもった人材を育てることこそ、他社には負けない「何か」だろう。 ホスピタリティとは、サービスの先にあるものであり、人と人をつなぐ架け橋である。人としてとても大切なことであると学ぶことができた。