学校安全の意義とは? 子どもの ①生命を守る ②健康を守る ③発育・発達を促進する ④学習の効果を高める ⑤豊かな情操を育む

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学校安全の意義とは? 子どもの ①生命を守る ②健康を守る ③発育・発達を促進する ④学習の効果を高める ⑤豊かな情操を育む 基本コンセプト:子どものための地道な活動 子どもの  ①生命を守る  ②健康を守る  ③発育・発達を促進する  ④学習の効果を高める  ⑤豊かな情操を育む  以下、19枚のスライドは、そのまま教材として活用する立場から構成した。  安全教育の基本的な考え方(国を超えた共通点がある)  1 目立つことのない活動(うまくいって当たり前)  2 児童・生徒の命や活動を陰で支える  3 事故を未然に防ぐための手だて  4 教師や児童生徒に安全意識を定期的にフィード            バックさせることが重要  5 安全教育の評価は、地味である    -事故などが長期に亘って発生しない- 以上の考え方が背景にあり、スライドに示された子どもへの教育的価値が存在する。  *上記スライドは、タイ語に翻訳し、資料としてタイの先生方に配布。 安全教育の領域は?12領域  (故須藤春一先生、東大教授)の提唱

安全教育の領域 それ故に、学校は安全教育のための計画を立てる必要がある。・・・・・・ 1.交通安全 2.学校火災 3.校舎の危険  1.交通安全 2.学校火災 3.校舎の危険  4,校地の危険 5.実験・実習の事故 6.天災  7,修学旅行・校外見学事故 8.遊具・玩具の事故  9.運動・スポーツの事故  10.登山事故  11.水難・プールでの事故 12.家庭事故 また、事故に至らなくとも、潜在的な危険はどこにでも潜んでいる。以下、須藤先生の潜在危険論より  ①環境の潜在危険  ②服装の潜在危険  ③行動の潜在危険  ④精神状態の潜在危険 *安全教育の領域について;  1.ここでは、あくまでも日本の例を取り上げた。   「7」は、学校行事の領域にあたり、これは教育課程(学習指導要領)に正規に位置づけられた活動である。     タイにおける位置づけとは異なるかもしれない。   「9」は、両国で共通する時間帯は、「保健体育の授業」や「休み時間」である。この他、日本では放課後の     部活動がある。これは、教育課程外の活動であるが、その教育的意義は極めて大きい。また、活動中の     事故も発生しやすい。タイでは放課後の時間を活用したこのような活動は少ないと聞いている。日本の     ような組織だったスポーツ活動は学校であまり実施されていないと推測される。  2.この12領域は、家庭・学校・地域社会(子どもの居住空間、移動空間等)   を含んでいる。    *上記スライドは、タイ語に翻訳し、資料としてタイの先生方に配布。  それ故に、学校は安全教育のための計画を立てる必要がある。・・・・・・

*日本の学校における保健安全年間計画例である。  1.学年暦にしたがって、保健安全的な立場から立案される。(学校教育全体の年間計画や学校行事との関連を視野に入れたもの)  2.これを作成する部署は、主として「学校保健委員会」といった組織である。   ・この委員会は、保健主事、養護教諭、保健体育科教諭等の教諭から構成される。   ・この委員会の下部組織として、「児童生徒保健委員会」等がある。       また、生徒会や児童会等の自治組織の一部として構成されることもある。    したがって、児童生徒の自主的、主体的な活動の一環として位置づけられる。 *タイでは、養護教諭が存在しないため、このような年間計画を立てることは困難と推測される。  さらに言えば、「学校保健法」が存在していないので、「定期健康診断」の実施の必然性がイメージできないとも考えられる。   しかしながら、このような年間計画がヒントになってくれることを期待したい。 *気候が異なるため、保健安全計画に東京の月毎の平均気温を載せた。(日本の四季の変化に基づいた計画が立てられている)   *上記スライドは、タイ語に翻訳し、資料としてタイの先生方に配布。

日本の学校の風景:よく見ると危険がいっぱい! 日本の学校の風景:よく見ると危険がいっぱい!   *日本の学校の風景;   ・ごく一般的な休み時間の様子を描いたイラストを載せた。  ・活発で、元気な子供たちの様子が分かる。    だからこそ、ケガや事故が起きやすい。    そこに目をむける。 *タイの風土や文化に合わせたこのようなイラストが  あると視覚的に比較可能となる。   「タイの学校の風景」を描いてみたい・・・ *上記の内容は、授業の教材として十分に活用できる。これを子ども呈示。  予想される反応は、普段の学校の様子であり、それほど興味・関心を示さない。   しかしながら、時頁のイラストを呈示することで、普段元気に活動できる場所に   「人」「モノ」の危険が潜んでいることに気づかせる資料となる。

*前頁の続き・・・  子供たちが元気に遊ぶ姿は、とても微笑ましい。  しかし、こんな危険な状況とも背中合わせである  ことに気づくためのイラストである。

*学校安全のための「安全HQCシート」例 これはあくまでも一つの例である  教材として活用する場合には、教育対象に応じて簡略化を図るなど、教師が自由に手を加える。  ・黄色の部分は、多少無理があった。   また、学校の先生方がこのような視点を持っていても   実際に子どもの行動をチェックすることはできない。   先生方にこんな時間的余裕はない。タイでも同じであると   考えます。  ・しかし、小学校の先生が朝の朝礼(クラスでの   ショートホームルーム)行う健康観察はこれに代わる   役割を十分に果たしている。    「ハンカチ持ってますか」    「具合の悪い人はいませんか」     「持ち物の用意はいいですか」    「話を聞いていますか(落ち着かない子の観察が可能)」    「朝ご飯、食べてきましたか」     以上のような言葉を教師が発して、トータルな健康観察    を行うことができる。      *上記スライドは、タイ語に翻訳し、資料としてタイの先生方に配布。

危険場所点検:日本の事例 (公立中学校探検の結果!) 階段:すべり止めなし! 階段:すべり止めあり!        (公立中学校探検の結果!) 階段:すべり止めなし! *ここからは、日本のある学校における危険箇所の点検結果を示した写真である。 *日本の学校でも、よく見ると換言すれば、教師が「安全を意識して、校舎内外  に目を向ける」と・・こんなに危険な場所があることに気づく。 *重要なポイント  1. 学校安全の視点から、意識してみることが大切  2. 危険箇所が発見されても、予算の問題などで直ぐには   解決できないことを理解しておく。  3. 費用の問題が発生した結果、補修や改修が十分できなくとも   自分たちの手で、可能な範囲で次善の策を講じていこうとする   態度が大切である。 *前頁のHQCシートを活用して、チェックを行うことができる。 階段:すべり止めあり!

金具破損 タオル掛け *教室廊下に設置された金具(生徒の汗ふきタオルかけ)の違い 廊下にバー付き金具を設置することによって、タオルかけに  廊下にバー付き金具を設置することによって、タオルかけに  なる。ハンカチだけでは不足。高温多湿の日本で有効、夏の暑い時に便利。 *学校施設の有効利用(金具とバーがあれば、費用をかけずに作成することもできる)

むき出しのスイッチ ひび割れ窓ガラス *使用可能であるが、金具剥き出しのスイッチ *現時点での危険性は薄いが、窓ガラスが割れやすく  なっている。  例えば、ガラス交換の費用がなければ、放置しておくのか?  ガムテープなどで応急処置が可能である。   このような視点を持ちたい。

通気孔カバー破損 教室内天井破損 *これらの写真は何を示しているだろうか 1.人為的な原因で破損していると考えられる。  1.人為的な原因で破損していると考えられる。    恐らく、子どものいたずらであろう。    教室天井の壁の他の部分は修復されている  2.子供たちの公共物に対する意識の希薄さを示唆   しているかもしれない。

新しい消火器ボックス 消火器固定金具 先端部危険 *写真左; 消火器を廊下の壁に固定して設置していた。   消火器を廊下の壁に固定して設置していた。   これを撤去。しかし、金具の撤去まで行われていない。 *写真右;   消火器を赤色のボックスに収納。   子供たちの目に触れやすい。  同じ学校内での改善の様子が分かる。金具を撤去すれば、  より安全である。 消火器固定金具 先端部危険

破損した蛇口 先端部危険 破損した教室ドアの金具 先端部危険 *2枚の写真とも、子どもへの直接的な危険度は少ないと 考えられる。  考えられる。   しかし、潜在的な危険がある。 *左上は、専門の業者に依頼しないと修理は難しい   (費用がかかる) *右下は、先生の手で修理可能 破損した教室ドアの金具 先端部危険

破損 *2枚の写真は体育館入り口部分の    様子である。  左上は、コンクリートが破損。原因不明。  右下は、破損なし。 正常 体育館入り口部分

鉄骨腐食 危険度大 *校舎内から体育館へ移動する渡り廊下に 設置された鉄製の屋根である。 *鉄の腐食が進み、ぼろぼろになっているのが分かる。  設置された鉄製の屋根である。 *鉄の腐食が進み、ぼろぼろになっているのが分かる。  腐食部分のみ撤去して、修理することは困難かもしれない。  すべて取り替えると費用がかさむであろう。  修理は専門の業者へ委託となる。 *これらの部分に「危険!注意」の立て看板などの表示はできる可能。

水飲み場付近 バスケットゴール 付近 *グラウンドの様子 左上は、グラウンド脇に設置された手洗い・水飲み場。  左上は、グラウンド脇に設置された手洗い・水飲み場。  一見、危険はないようにも思える。しかし、コンクリート  台座部分が剥き出しとなっている。   授業や部活動を終えて、喉が渇いている子供たちが殺到する  と、一気に危険度が増すと容易に想像される。   右下は、バスケットボールポストの固定に使用されている  コンクリート。ポストの固定には効果を発揮するであろう。   しかし、子供たちが躓く危険性も孕んでいる。 バスケットゴール 付近

クラブハウス裏 雨どいの破損 *この中からナイ フ発見! *グラウンド脇に設置されたクラブハウス(部室)の裏  雨どいの破損 *この中からナイ フ発見! *グラウンド脇に設置されたクラブハウス(部室)の裏  雨どいが破損しているのが分かる。直接的な危険は少ない  と思われる。しかし、以前この雨どいの中から、子どもが  持ってきたと思われるナイフが発見された。   この雨どいの応急処置は可能と思われる。 *校地内でのこのような場所は、普段気づかないことが多い。  注意深く、意識してみることの重要性を示唆している。  家田先生の「ひやりマップ」の方法を適用すれば、気づく  ことが容易になるのではないだろうか?

安全な鉄棒支柱 *カバーあり 危険な鉄棒支柱 *鉄骨腐食傾向 *鉄棒の現状 左上は、支柱鉄骨腐食傾向にあり、既に、バー(鉄棒)部分は  左上は、支柱鉄骨腐食傾向にあり、既に、バー(鉄棒)部分は  撤去されている。(支柱そのものを抜いてもよいのではないか)  右下は、安全な鉄棒で、支柱にセーフティマットが巻いてある。 *この2枚の写真は、「よい例」「悪い例」の典型として見ることが  できる。保健体育の授業や特別活動、校内学校保健活動の時間等を  活用して、校内施設への安全意識を高めることができるかもしれない。 危険な鉄棒支柱 *鉄骨腐食傾向

安全や環境整備に有益な例 *安全や環境整備の優れた実践例 *左上は、校舎内廊下に設置された手洗い・水飲み場の様子。 *安全や環境整備の優れた実践例  *左上は、校舎内廊下に設置された手洗い・水飲み場の様子。  石けんが網で包まれ、非常に使い易くなっている。  右下は、廊下にある雑巾がけとバケツ置き。   整然と雑巾がかけられ、その下にバケツが置いてある。  子供たちが雑巾を取って、掃除をしたくなるような状態にある。 *学校環境整備/学校環境の美化/モノを大切にすること  雑巾やバケツは、決して高価なものではない。しかし、このような  配置をすることで、美化意識が高まる。また、地味ではあるが  情操教育に資する教材にも成り得る。

安全や環境整備に有益な例 *校地内の掃除用具置き場と枯れ草・落ち葉置き場の様子 左上は、整然と掲げられたほうきや大型ゴミ回収ちりとり?  左上は、整然と掲げられたほうきや大型ゴミ回収ちりとり?   写真右奥にはリヤカーが立てかけられている。これらの  道具を使って集めたゴミは分別される。空き缶やプラスチック  の類は、資源ゴミとして回収。一方、枯れ草や落ち葉は右下の  場所に回収される。  右下は、枯れ草や落ち葉の回収場所である。ここに集められた  枯れ草や落ち葉は、やがて腐葉土となり活用される。   実際、この学校では花壇をつくり、子供たちが水をやり、  育てている(長期休業時には、部活動に来た子供たちが当番制  で水をやる)。この花壇の肥料として、腐葉土が有効利用されている  と思われる。 *以上のことから。   ゴミの回収から一連の循環の中で、花を育てる等の環境・自然教育に生かせる  のではないか   以上、日本のごく普通の公立中学校の風景である。モノにも「魂」が宿るとする  考え方がタイに人達にあるかは分からない。しかしながら、タイに向かう機内の中で  出会った、日本を旅行したことがあるタイ人女性が述べた言葉が忘れられない。   「日本はとても綺麗な国でした」「どこを歩いても、町が、道が綺麗です」  美しく、整えられた環境をつくることの重要性を示唆してくれたような気がする。