信頼性設計法を用いた構造物の 崩壊確率の計算

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信頼性設計法を用いた構造物の 崩壊確率の計算 山田研究室 04539 山本 祥子

はじめに 許容応力度設計法 終局強度設計法 設計法 限界状態設計法 信頼性設計法 信頼性設計法…破壊確率を制御するため  信頼性設計法…破壊確率を制御するため         安全性のばらつきが小さ         い。 許容応力度設計法 終局強度設計法 頻度→ 設計法 限界状態設計法 安全性→  現行設計法…同じ安全率で設計された構        造物でも安全性には大きな        ばらつきがある。 信頼性設計法

信頼性設計法とは? 構造物がいかに壊れるかに基づいた確率的手法による設計法 不確定要因のもとで,各破壊 モードを確率的にどの程度の 機能性に関する 使用限界状態 安全性に関する 終局限界状態 不確定要因のもとで,各破壊 モードを確率的にどの程度の 頻度におさめたらよいか? 構造物がいかに壊れるかに基づいた確率的手法による設計法

ブリッジへの応用 ← これらの断面の破壊確率 を計算!

引張試験 ●イラストレーションボード1mm,2mm厚の引張応力度の平均,標準偏差を 求めるために引張試験を実施(試験体はそれぞれ30体)  求めるために引張試験を実施(試験体はそれぞれ30体) (1回目) 引張試験の様子 試験体破壊後の様子

(2回目) 試験体破壊後の様子 これらの結果を用いて破壊確率を計算する

計算結果 信頼性指標β:断面A=7.4 断面B=7.8 上図より, 断面C=7.0 破壊確率≒0 計算すると… 信頼性指標β:断面A=7.4        断面B=7.8        断面C=7.0 上図より, 破壊確率≒0 したがって… 曲げ応力による引張力で破壊しないことがわかった

実際の破壊形式 =曲げ応力による引張力で破壊したものはなく  計算結果と一致!

信頼性設計法の教材の作成 信頼性設計法 今後,有効な設計法として注目されている ●記述してあることが難しい …にも関わらず ●記述してあることが難しい ●わかりやすい書籍が英語で書かれてる とっつきにくい! そこで… 初歩的な信頼性設計法の概要を学ぶことの出来る教材の提案!

教材内容 ①信頼性設計法の理論 ②確率論の基礎の復習 ●信頼性の意味 ●不確定要因とは? ●信頼性設計法について ●信頼性設計法の利点 ●他の設計法との比較 ●平均,分散,標準偏差等  確率の基礎知識

③信頼性設計法の計算法 ④信頼性設計法の応用 ●耐力と外力 ●破壊と非破壊 ●破壊確率 ●破壊確率の算定方法 ●破壊確率の計算  (例題+練習問題) ●構造系の破壊確率 ●他の破壊モード解析

文章をまとめて 箇条書きに 挿絵を入れて わかりやすく 重要な所を □で囲う ○第3章 信頼性設計法の計算法 ○第3章 信頼性設計法の計算法 ■耐力と外力             構造物が外力に対して安全であるかのどうかの判断 文章をまとめて 箇条書きに 構造物の耐力と作用する外力の大きさを比較することによって行う 耐力:構造物の強さの一般的表現。(確率変数をR,またRの標準偏差をσRとする。) 外力:荷重効果の一般的表現。(確率変数をS,またSの標準偏差をσSとする。) ■破壊と非破壊 構造物が安全である R≦Sの確率が十分小さい,もしくはR>Sの確率が十分大きい R≦S   破壊   R>S   非破壊 挿絵を入れて わかりやすく →破壊する                 →破壊しない ●ここでの“破壊”という言葉は,構造耐力の値が外力効果の値を超えるという一般的な意  味であり,必ずしも構造物が実際に破壊したり,倒壊することを意味するのではない。 ■破壊確率 重要な所を □で囲う R≦Sが成り立つ確率   構造物の破壊確率Pf Pf=P〔R≦S〕 R>Sが成り立つ確率   構造物の非破壊確率,あるいは安全確率PS PS=P〔R>S〕=1- Pf

①信頼性設計法の理論 ②確率論の基礎の復習 ③信頼性設計法の計算法 ④信頼性設計法の応用 このように段階を踏んで, 信頼性設計のことが学べる ようになっている。 (学習目安時間:2時間程度) ③信頼性設計法の計算法 ④信頼性設計法の応用

おわり