第4~5回 福祉対象者への相談援助 自己覚知 コミュニケーション 第4~5回 福祉対象者への相談援助 自己覚知 コミュニケーション
コミュニケーション 気持・意見などを、言葉などを通じて相 手に伝えること 通じ合い。 (生物学)動物個体間での、身振りや音 声・匂い等による情報の伝達 多種多様な用いられ方をしている。
コミュニケーションの成立 発信と応答という観点から見た場合、 ある個体のアクション(発信)に応じて 別の個体にリアクション(応答)が生じ た場合、 両者の間にコミュニケーションが成立し ていることになる
人間のコミュニケーションは難しい 単純に、情報が伝わったことだけで 「コミュニケーションができた」とは 普通は言わない 単純に、情報が伝わったことだけで 「コミュニケーションができた」とは 普通は言わない 人間の場合は特に、他者に対して自分の 心の状態を伝えることで働きかけるだけ でなく、 他者から受け取った情報により、相手の 心の状態を読み取ったり共感したりする ことも含まれる
コミュニケーションで大切なこと 相手の話がわかる その話の背景にある 相手の想いがわかる 私がわかっていると いうことを相手に伝 えてわかってもらう
聞き手としての留意点 話しやすい態度を取る 十分に傾聴する 思い込みを避け、中立的な態度で接する 非言語メッセージに敏感である 感情に配慮する 共感的理解
話し手としての留意点 適切な記号化により、明確にメッセージを 伝える 発信の仕方に留意する 非言語行動による感情表現に留意する メッセージが伝わっていることを確認する ダブルバインドを避ける 言葉と態度が異なること 非言語の方が、本心と捉えられやすい
傾聴(アクティブリスニング) 相手の話に耳を傾けてよく聞くこと この姿勢を見せることで、 職場の中に安心・安全な空気が流れる。 この姿勢を見せることで、 職場の中に安心・安全な空気が流れる。 「〇〇さんは私の意見を聞いてくれる」 「〇〇さんは、分かってくれる」 と、周りの人が思い始めるようになる。
話を聞くことは、難しい 話をただ耳に入れるだけなら簡単 ←→目の前で話をされている内容を受け止める。 <悪い例> 話を聞きながら、その話に 自分がどう答えるかを常に 考えてしまっている。 主導権を相手側に渡さない。 だから、話を聞く事だけに 集中ができずに、ついつい、 口を挟んでしまう。
傾聴の3つのポイント 話は最後まで聞く (最初から)否定をしない 相手の真意を探る ただ聞くだけではなく、要所要所で、 自分が聞いた内容を相手に確認する 援助場面では、意図的に、相手の話を 聴くよう心がける
聞き手は、話し手の鏡になる! (苦手な人でも) まずは耳を傾けよう
聞く時の姿勢は太陽(SOLER)を心がける Squarely:真正面に向き合う Open:開放的な姿勢 Leaning:上体を乗り出す Eye:ときどき相手の目を見る Relaxed:適度にリラックス
居心地のいい環境設定(座り方) 居心地のいい座り方は、90度法 部屋の広さ、明るさ、温度なども影響
傾聴のあいうえお アイコンタクト あいづち うなづき えがお おうむがえし 引用:GYARI.何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン
伝える 何のために「伝える」のか? 何を「伝える」のか? どうやって「伝える」のか? 信頼関係を築くため ×自分の興味関心を伝える 情報 感情・考え →「あなたの?私の?」 ×当たり障りのない話だけでは、関係は 深まらない どうやって「伝える」のか?
自己開示と自己呈示 自己開示 自己呈示 自分についての個人的な情報をありのまま 相手に伝えること ありのまま、嘘偽りなく 望ましい印象を与えるために意図的に振る 舞うこと 目的があり、意図的であることが多い
自己開示の主な次元 深さ 内容的深さ 形式的深さ 表現に伴う感情的様式 広がり 内容的広がり 時間的広がり(過去・現在・未来) 量 頻度 費やした時間
自己開示の返報性 他人から何かしてもらうと、お返しをしなけれ ばならないと思う 自己開示を行った場合は、受け手側も同じよう に自己開示をしたくなる心理が働く
自己開示を抑制する要因 現在の関係のバランスを崩すことへの不安 深い相互理解に対する否定的感情 相手の反応に対する不安 自分を良いように見せようと、 自己呈示をしてしまう
主張的自己呈示(Jones&Pittman,1982) 取り入り 自分の好ましい特性をアピールし、好 意を得たり他者を納得させる。 自己宣伝 他者が自分を尊敬させるために、自分 の能力を示す。 示範 自分が賞賛に値する道徳的美徳を持つ 良い人間なのだと、他者を納得させる。
主張的自己呈示(Jones&Pittman,1982) 威嚇 自分が相手に害を及ぼす危険な性質を 持っているという恐怖を植え付ける。 哀願 自分が貧しくて、援助に値するものだ と 他者を納得させる。
防衛的自己呈示(Tedeski & Norman 1985) 弁解 自分と否定的な結果との関係性を弱め 責任を逃れ、傷つくのを回避する 正当化 部分的には責任を認めるが、否定的な 結果を過小評価させる 謝罪 自分の行為が非難されると認め、謝る ふりをする
セルフ・ハンディキャッピング Jones&Berglas(1978) 否定的な評価を受ける可能性があるとき に、前もってハンディキャップがあると 言ったり、実際にハンディキャップを 作ったりする 引用:ゆうきゆう.マンガで分かる心療内科・精神科in渋谷
伝えることも難しい 自己開示 自己評価が低い人は、自己呈示が多くなる その一方で、自分の弱点は自己開示しない 自分についての個人的な情報をありのまま相手 に伝えること 自己評価が低い人は、自己呈示が多くなる 自分に関する話題の中には「ウソ」や「ハッタ リ」が多く紛れ込む その一方で、自分の弱点は自己開示しない 相手から、直感的に「本当の開示が行われて いない(ウソがある)」と受け取られがちに
アサーション(Assertion) 行動療法に起源を持つ 平木典子により、日本に紹介された 「さわやかな自己表現」 自分と相手を大切にする表現技法
3タイプの自己表現 4.非主張的かつ攻撃的な自己表現というタイプもみられる
1.攻撃的な自己表現 相手のことを配慮せず、自分のことだけ主張 特徴 キレル、語調が強まる、大声で怒鳴る、早口になる 態度 結果 相手は不快な気持ちになり、 ぎすぎすした関係に
2.非主張的な自己表現 相手の意見を優先してしまい、自分の気持ちや考えを表現しない、できない 特徴 おどおど、伏し目がち、小声、どもる 態度 結果 わかってもらえなかった、という感じが自分の中に残りやすい。 ストレスや負担をため込みやすく、人付き合いがおっくうに。
3.適切な自己表現 自分も相手も尊重し、自分の意見や考え、気持ちを正直にその場にふさわしい方法で伝える 特徴 落ち着いた口調、 態度 歩み寄りの姿勢 結果 コミュニケーションが円滑に進みやすい
アサーティブに「断る」 これから友達と会う約束をしています (客観的事実) 久々に再会するので早く帰りたいです (自分の思い) 久々に再会するので早く帰りたいです (自分の思い) 申し訳ないですが、別の日に変えて 頂くことはできませんか? (相手への配慮と提案)
アサーティブな自己表現のコツ 客観的事実や状況を伝える 自分の主観や思い 具体的な提案を伝える 必要に応じて代替案を伝える 気持ちの説明と、相手への共感を示す 具体的な提案を伝える 必要に応じて代替案を伝える お互いが納得できる結論を探す 言葉足らず、誤解を生じないように
まとめ 自分も相手も尊重し、自分の意見や考え、 気持ちを正直にその場にふさわしい方法 で伝えようとすること どこまでゆずれるか、そもそもどうして それを伝えたいのか、自分の主張や線引 きを明確に その場に応じた適切な態度が大切 非言語でのメッセージも重要 以心伝心は× →言葉で伝える努力