志堂寺教授資料<2018年> 講習資料 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.

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第4章 何のための評価? 道案内 (4) 何のための評価? ♢なぜ教育心理学を勉強するか? (0) イントロダクション ♢効果的な授業をするために (1) 記憶のしくみを知る (2) 学習のしくみを知る (3) 「やる気」の心理学 ♢生徒を正しく評価するために ♢生徒の心を理解するために (5)
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心理測定法 記憶③. 今日の予定 1.方法の工夫によって面白い成果を出 した有名な研究の紹介 2.動物実験 4.信号検出理論すこし.
教育と発達. 能力とは何か(まとめ) 能力=何かできること 教育との関連での条件 – 価値ある能力であること – 訓練で発達可能であること – 教えることが可能であること ふたつの階層性 – 価値的な階層 – 発達の規定性としての階層.
第2章 なぜ発達心理学を学ぶのか? 道案内 1 準備 (0) 授業を始める前に * (1) 発達心理学とはどんな学問か? 2 知覚の発達 (3) 子供に世界はどう見えるか? 3 認知の発達 (4) 子どもはものごとをどう理解するか (5) 子どもは心をどう理解するか 4 感情の発達 (6) 子どもに愛情を注ぐこと.
第 2 章 子どもの成長・発達と看護 3. 幼児期の子どもの成長・発達と看護( 2 ) 学習目標 1 .幼児の睡眠と規則正しい生活の必要性を理解する. 2 .幼児の健康維持に対する取り組みとしての清潔行動確 立に向けた援助を理解する. 3 .幼児にとっての遊びの意義と発達を促すために必要な 遊びへの援助を理解する.
第5章 子どもは心をどのように 理解するか? 道案内 (5) 子供は人の心をどう認識するか 1 準備 (0) 授業を始める前に (1) 発達心理学とはどんな学問か? (2) なぜ発達心理学を学ぶのか? 2 知覚の発達 (3) 子供に世界はどう見えるか 3 認知の発達 (4) 子供はものごとをどう認識するか.
統合失調症ABC 監修 : 国際医療福祉大学 教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.1
「ストレスに起因する成長」に関する文献的検討
第4章 「やる気」の心理学.
児童の抑うつ認知処理過程による登校回避感情生起の検討 df=10, *p<.05, **p<.01, ***p<.001
1日目 10:25 【演習】 情報の収集とチームプレイの基本 -オリエンテーション- 松本 亜希子 障害者支援施設 虹の家.
教育心理学 学習と認知プロセス 伊藤 崇 北海道大学大学院教育学研究院.
第3章 「やる気」の心理学.
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
自動車運転事故防止教育 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
自律学習と動機づけ 教育心理学の観点から 2011/2/19 上淵 寿 (東京学芸大学).
平和研究Ⅰ 第2回 積極的平和と消極的平和 2007年4月18日 広島平和研究所 水本和実.
慶應義塾大学商学部 吉川肇子(きっかわとしこ)
「存在の肯定」を規範的視座とした作業療法理論の批判的検討と 作業療法・リハビリテーションの時代的意義 田島明子
講習資料 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
1 受講方法の変更について 講義への直接参加 (オフライン) Youtubeでの視聴 (オンライン) 今まで通りの方法で進める
交通事故統計 (H19福岡県) 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
教育心理学 第7回 子どもの発達(6): 社会性の発達.
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
私たちはどうして虐待をしてしまうのか? 誰もが利用者の生活が豊かになることや社会参加を願って福祉の仕事に就いていると 思います。初めから虐待しようなんて思って仕事に就いている人はいないはずです。 ○愛情というエネルギーはとても大きい →自分の思うようにいかないと怒りになります。 ○自己欲・支配欲のエネルギーはとても大きい.
ツッパリ生徒と泣き虫先生 〜伏見工業ラグビー部 ・日本一への挑戦〜
平成21年度 特別支援学校新教育課程中央説明会 (病弱教育部会).
保健学習の進め方・指導案の書き方 さいたま市立三橋小学校   豊島  登.
臨死体験 Near-Death Experience
子どもたちが発達段階に応じて獲得することが望ましい事柄
「できることから今すぐやろう!」シート 書き出したものを全て実行することが難しい場合、 社長が判断し、できることからやろう! 前提
本邦における「障害」の射程と 身体障害者手帳をめぐる問題
第6章 子どもを愛すること ー感情と愛着の発達ー
交通事故 1.交通事故の発生状況 2.自動車損害賠償責任保障法 3.中間責任主義 4.運行供用者 5.運行支配と運行利益
インターネット大学へ向かって ムードルにいたるまでの道.
第2章 なぜ発達心理学を学ぶのか?.
自動車運転事故防止教育 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
2007年10月14日 精神腫瘍学都道府県指導者研修会 家族ケア・遺族ケア 埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科 大西秀樹.
言語認知と消費者意識の測定 横山詔一(国立国語研究所)
交通事故の現状と要因 写真)交通事故 素材集-交通安全  「police of 九州」 写真)交通事故 「police of 九州」より.
「糖尿病」ってどんな病気?? ★キーワードは・・・「インスリン」!!!
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
井澤修平 早稲田大学大学院人間科学研究科 日本学術振興会特別研究員
交通事故統計 (H18福岡県) 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
安全運転講習資料 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
安全運転講習資料 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
司法精神科領域における作業療法 医療観察法における作業療法士の役割と 関連する領域における経験より
顧客ライフサイクル.
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
日本の高校における英語の授業は英語でがベストか?
自動車運転事故防止教育 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
子どもに対する 生活習慣病予防の 取り組み           健康情報分析学            三輪 夕起.
理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄.
理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄.
資料「裁判例に見る体罰」を引用した 体罰事故防止研修 埼玉県教育委員会
超短期トレードで生き残るためのテクニックと考え方
消費者行動.
1日目 10:25 テキストp.◯ 【演習】 情報の収集とチームプレイの基本 -オリエンテーション- 松本 亜希子 障害者支援施設 虹の家.
子どもの性格は生まれつき? ー性格の決定因と発達ー
イメージや意識通りの動きの習得 ~野球の打撃において~
自動車運転事故防止教育 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
教育と発達.
*:「自己理解・自己成長プログラム」を含む B:ベーシックコース、E:エキスパートコース、P:プロフェッショナルコース
自動車安全文化論 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則
志堂寺教授資料<2019年> 講習資料 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則.
禁煙外来で禁煙を開始した人の半数以上が再喫煙する
タイプ別ストレス対処法.
未病はなぜよくならないのか? 医療者の問題 ① 未病をみることができない ② 健診に携わる医師や総合内科医の不足 ③ 患者さんとの意思疎通力の不足 患者さんの問題 ① 未病の概念をしらない ② 「薬」に対する絶大な信仰心.
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志堂寺教授資料<2018年> 講習資料 九州大学大学院 システム情報科学研究院 志堂寺 和則

概 略 ロードレイジ 攻撃行動 あおり運転の防止 怒りの納め方 志堂寺 交通事故防止講習資料 検索 iRONNA あおり運転 検索 志堂寺教授資料<2018年> 概 略 ロードレイジ 攻撃行動 あおり運転の防止 怒りの納め方 志堂寺 交通事故防止講習資料 検索 iRONNA あおり運転 検索

なぜあおり運転をするのか どうすればあおり運転をしなくなるようにできるか あおり運転に遭わないにはどうすればいいか あおり運転に遭ってしまったらどうするか

アメリカ(AAA 2014年調査) 過去一年間に一度は◯◯をやった。 78% 短い車間であおる 51% 他のドライバーに怒鳴る 47% 志堂寺教授資料<2018年> アメリカ(AAA 2014年調査) 過去一年間に一度は◯◯をやった。  78% 短い車間であおる 51% 他のドライバーに怒鳴る 47% 邪魔だとクラクションを鳴らす 45% わざと割り込みをした 12% わざとぶつけた  3% 

志堂寺教授資料<2018年> 1.ロードレイジ 明確な定義はない ロードレイジ アグレッシブ・ドライビング あおり運転

ロードレイジ Road Rage 激しい怒り 怒鳴る 下品なジェスチャを見せつける モノを投げつける ツッコむ 故意に接触する 志堂寺教授資料<2018年> ロードレイジ Road Rage 激しい怒り 怒鳴る 下品なジェスチャを見せつける モノを投げつける ツッコむ 故意に接触する ドライバーを引きずり出して暴力を振るう

アグレッシブ・ドライビング Aggressive Driving 極度の速度超過 車間詰め 割り込んでブレーキ 信号無視 志堂寺教授資料<2018年> アグレッシブ・ドライビング Aggressive Driving 極度の速度超過 車間詰め 割り込んでブレーキ 信号無視 車の間を縫うように走る ウィンカーを出さずに車線変更 車線に入ってきたい車を阻止

怒(ロードレイジ)の持続時間 イギリス 極短い瞬間 22 数秒 39 30秒以内 19 1分以内 10 1〜5分程度 8 5分以上 2 % 志堂寺教授資料<2018年> 怒(ロードレイジ)の持続時間 イギリス % 極短い瞬間 22 数秒 39 30秒以内 19 1分以内 10 1〜5分程度 8 5分以上 2 (https://www.accidentadvicehelpline.co.uk/blog/rage-in-a-cage/)

間欠性爆発性障害の治療法 薬物療法 心理療法 アンガーマネジメント 認知(行動)療法 生活習慣の改善 食事 睡眠 運動 志堂寺教授資料<2018年> 間欠性爆発性障害の治療法 薬物療法 心理療法 アンガーマネジメント 認知(行動)療法 生活習慣の改善 食事 睡眠 運動

他者の行動を自分に対する悪意から生じたと解釈する傾向 志堂寺教授資料<2018年> 敵意帰属バイアス 他者の行動を自分に対する悪意から生じたと解釈する傾向

帰属理論 帰属過程に関する理論 出来事の原因をどう考えるか ハイダー(1958) 内的帰属、外的帰属 ワイナー(1972)の原因帰属理論 志堂寺教授資料<2018年> 帰属理論 帰属過程に関する理論 出来事の原因をどう考えるか ハイダー(1958) 内的帰属、外的帰属 ワイナー(1972)の原因帰属理論 安定 不安定 内的統制 能力 努力 外的統制 課題の困難度 運

志堂寺教授資料<2018年> タイプA 性格 行動 身体 競争的 野心的 精力的 機敏 性急 時間切迫 高血圧 高脂血症 虚血性心疾患

2.攻撃行動

攻撃行動(本能説) フロイト(1933) ローレンツ(1935) ティンバーゲン(1951) 生得的解発機構 性衝動 攻撃行動 エロス 志堂寺教授資料<2018年> 攻撃行動(本能説) フロイト(1933) 性衝動 攻撃行動 エロス 生の欲動 タナトス 死の欲動 ローレンツ(1935) ティンバーゲン(1951) ♂ ♀ 生得的解発機構

攻撃行動(動因説) ダラード(1939) フラストレーションー攻撃仮説 バーコウィッツ(1989) 攻撃手がかり説 志堂寺教授資料<2018年> 攻撃行動(動因説) ダラード(1939) フラストレーションー攻撃仮説 バーコウィッツ(1989) 攻撃手がかり説

志堂寺教授資料<2018年> 攻撃行動(社会的学習説) バンデューラ(1973) モデルの観察

侮辱を受けたり被害を被ったときに自尊感情を回復するため 志堂寺教授資料<2018年> 攻撃行動(社会的機能説) テダスキ(1994) 他者の態度や行動の変容を促すため 規範逸脱者に対する制裁をおこなうため 侮辱を受けたり被害を被ったときに自尊感情を回復するため

志堂寺教授資料<2018年> 3. あおり運転の原因 なぜ?

運転という状況の特殊性(1/3) 匿名性 逃走の容易性 頑丈な車の中という安心感 運転に自信 スピード 急いでいる 後でトラブルになりにくい リスク感なし 高覚醒状態

運転という状況の特殊性(2/3) 狭い、身体が動かせない 思い通りに車が流れない ストレス 自車に感情移入 パーソナルスペースの拡大 統合新領域最先端セミナー(志堂寺) 5/21 運転という状況の特殊性(2/3) 狭い、身体が動かせない 思い通りに車が流れない 自車に感情移入 パーソナルスペースの拡大 多少は大丈夫 ゲーム感覚 ストレス 車との一体感 愛着 問題の軽視

運転という状況の特殊性(3/3) 意思疎通手段が他にない 車というモノが対象 車内では自由に振る舞えるという意識 自分が強くなったという錯覚 統合新領域最先端セミナー(志堂寺) 5/21 運転という状況の特殊性(3/3) 意思疎通手段が他にない 車というモノが対象 車内では自由に振る舞えるという意識 自分が強くなったという錯覚 時間的制約 運転の個人差

4.怒りの納め方

感情の認知評価理論 シェークスピア 『ハムレット』 物事に良いも悪いもないが、 考え方次第で良くも悪くもなる。 アーノルド(1960) 知覚 志堂寺教授資料<2018年> 感情の認知評価理論 シェークスピア 『ハムレット』 物事に良いも悪いもないが、 考え方次第で良くも悪くもなる。 アーノルド(1960) 知覚 評価 感情 価値判断

志堂寺教授資料<2018年> 認知(行動)療法 ベック(1970前後) 認知 感情 行動 自動思考 出来事 スキーマ

志堂寺教授資料<2018年> 認知のゆがみ 全か無か 〜すべき 心のフィルター マイナス化思考 結論の飛躍 心の読みすぎ 先読みの誤り

志堂寺教授資料<2018年> 認知のゆがみ 拡大解釈、過小評価 感情の理由づけ 行き過ぎた一般化 レッテル貼り 誤った自己責任化