協働事業推進士要請セミナー 行財政改革と仕分け調査  

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Presentation transcript:

協働事業推進士要請セミナー 行財政改革と仕分け調査   駒宮博男  (特活)地球の未来  (特活)地域再生機構 理事長   (特活)ぎふNPOセンター理事長代行  名城大学大学院経営学研究科客員教授

Ⅰ.そもそも、NPOとは何か (序論にかえて) 地域再生の鍵を握る(?)NPOの現状

都市型NPO活動、郡部型NPO活動 ・都市のパブリック領域 ・郡部のパブリック領域 : パブリック領域 : 行政 : 外郭組織 : ボラ組織 : パブリック領域 : 行政 : 外郭組織 ・郡部のパブリック領域 : ボラ組織 : NPO : 企業

Ⅱ.公共サービス領域を再考する 岐阜県から始まった仕分け調査 協働事業推進ガイドライン

行政によるパブリック領域独占の背景 1)明治以来の強すぎる中央集権 2) 「御上」に従う思想と住民の官依存性 ・外圧に対する正常な反応 ・しかし、江戸までは地方分権 2) 「御上」に従う思想と住民の官依存性 ・官依存的精神の源は?   歴史的御上従属意識   郡部経済環境(『国内ODA対象地域』) 3) 「1940年体制」が意味するもの ・果たして1945年はカタストロフィックな年だったか? ・「1940年体制」=「戦時体制」(野口悠紀夫) ・「戦時体制」の功罪   功 : 高度経済成長を為した、隠れた社会基盤   罪 : 中央集権+官僚主導=地域の崩壊

「構想日本」の仕分け調査 「A県(岐阜県)」からスタート  ・その後複数県で実施  ・「国と地方の税制を考える会」(知事有志の集まり)        第7回会合資料(H15/8/5)  *「構想日本」と「国と地方の税制を考える会」は、『イコールパートナー』 その後の展開  ・市町村へ(各県1市町村)  ・岐阜県では多治見(2004年2/24、25)  ・国の仕分け調査  ・『自治体改革具体化研究会』発足

構想日本「国と地方の税制を考える会」の仕分け作業とは パブリック領域を考えなおす 構想日本「国と地方の税制を考える会」の仕分け作業とは A.仕分けの概略 国      5%(4%) 細々事業レベル   8,760億円   6,627項目 都道府県 59%(72%) 市町村   28%(16%) 民間    8%(8%) 不要な仕事

B.部局ごとの仕分けの概略

構想日本 仕分け結果 これまでの仕分け実施自治体  H14年 : 岐阜、岩手、宮城、秋田、高知、三重         三浦(市)  H15年 : 長野、新潟、新潟(市)  H16年 : 多治見市、横浜市(経済事業)         (多治見市の仕分けに駒宮参加)  H17年 : 横浜市(福祉事業) 計、8県4市の12自治体で実施

構想日本 仕分け結果 自治体の仕分け作業結果(歳出ベース) 市町村 (3市の平均) 都道府県の平均 (8県の平均) 不要/民間の仕事 構想日本 仕分け結果 自治体の仕分け作業結果(歳出ベース) 市町村 (3市の平均) 都道府県の平均 (8県の平均) 13% 不要/民間の仕事 10% 16% 他の行政機関の仕事 30% 市町村または 都道府県県の仕事 71% 60%

H17/8月に、「自治体改革具体化研究会」発足 構想日本 今後の方針 H17/8月に、「自治体改革具体化研究会」発足 『仕事の範囲』 現在の事業範囲 仕事の「性質」による吟味  事業仕分け 仕事の「効率性」による吟味  バランスシート  行政コスト計算 『仕事のやり方』 現在の事業コスト 行政が手を離すべき事業 ・一律基準が原因の無駄 ・手続き上の時間、労働力の無駄 「執行」の吟味 「手続き」の吟味

・山岡氏(日本NPOセンター常務理事)による区分  A     B     C      D     E 民間主導           行政主導 協働領域 ・早瀬氏(大阪ボランティア協会 理事・事務局長)による区分 取り組み領域 具体例 行政権力行使領域 許認可、刑の執行・身柄拘束、課税 人権保障領域 安全保障、生活保障、福祉、義務教育 公共財提供領域 道路・河川管理、(郵便) 行政・民間混在領域 各種公共サービスの実施 民間主導領域 問題発見、提案、新規サービス開発 民間自主管理領域 宗教・特定の価値観の普及

岐阜県版『協働ガイドライン』とは 1)協働ガイドラインの特徴 ・協働のためのルールと手順 ・県と、NPOの協働事業として作成 ・協働コーディネーター ・協働事業推進士 ・『フィージビリティー調査』(仕分け調査) フロー概要 フィージビリティー調査 NPOからの事業提案 事業化、予算化のための協議と合意事項の協定(コンパクト) 議会の可決 事業実施に関する協議と合意(コンパクト) 事業の実施と評価

2)『フィージビリティー調査』とは何か フィージビリティー調査のフロー ・細々事業ベースでの協働の可能性調査   ・行政(県)とNPOの協働で行う   可能性のある事業はNPOへ           行政だけでは不可能                                試験的に行った結果(2002年には僅か4事業)                                東濃の某市でも行ったが、なし! フィージビリティー調査のフロー

岐阜県のこれまでの結果 ・これまでに、10課室で実施(県民政策室については下表になし) ・県民政策室、環境局は、積極的に、仕分けに従ってNPOへ委託

新たな統治システムと協働可能性調査 仕分け調査の理念的順序 ・補完性の原則に則れば、コミュニティーから 仕分け調査の理念的順序  ・補完性の原則に則れば、コミュニティーから 山岡の偉大な実験 (合併→主体の喪失→新たなる主体の創造)  ・NPOは、地域自治組織になりうるか    「全員参加」のNPO法人    cf.近隣自治政府の制度設計(日本都市センター)      第27次地方制度調査会答申  ・町長自らが行うFSとNPOへの委託    4月から数億円規模    主要ポストには行政職員(一町民として参加!)  Cf. 志木市の選択  ・職員数を10%に、事業の90%はNPOへ

補完性の原則による地方自治とは

規模に従った相互補完性

岐阜県の裏金問題に対する政策提言 by 地域再生機構 《最新情報》 岐阜県の裏金問題に対する政策提言   by 地域再生機構  1.提言の骨子  ①裏金のファンド化  ②民主導の行財政改革   2.民主導の行財政改革とは  ①民間感覚の『仕分け』     『原価意識』に基づく評価      ※行政に一番欠如しているのは、人件費を入れた原価意識  ②老朽化した間接民主主義を如何に補完できるか    ex)中津川市       717事業中160事業を市民が評価→30事業廃止!       5月から、通算55回の委員会。果たして議会はどう反応するか??

仕分けの前にやらなければならない原価算出 1.行政に欠如した『原価意識』  ・事業予算は事業原価ではない  ・全てのサービス業の事業管理の基本 2.事業原価とは何か  ・事業原価 = 事業予算+担当者人件費+間接経費       例)事業予算        10万円            担当者工数1人月  100万円            間接経費         20万円            事業原価        130万円  この事業を生産性の高い職員が行うと         事業予算         10万円            担当者工数1人月   50万円            間接経費         20万円            事業原価         80万円 

仕分けの基本的な基準  『その事業を止めた時、誰がどのようにどの程度困るか』を説明できない事業はすべて廃止 ・「行政や、外郭組織、特定団体が困る」は、反則  ・安全、安心、財産等が阻害されるものは継続  ・文化等に関しては、条件付継続  ・現在の県民だけでなく、未来の県民にも目を向ける  ・県民だけでなく、他県の人にも目を向ける 協働可能性調査の範囲  ・継続すべき事業且つ県が行うべき事業だけを対象とする