松下温風器 2006.4.16
事故 松下製石油温風器の一酸化炭素炭素中毒事故は、2005年に入って5件発生、2人の死者が出ている。 機内のゴム製ホースが劣化して亀裂が入ったことが原因 2005年12月2日に山形市で修理済みのホース(銅製ホースに交換)がはずれる事故で男性が意識不明の重態となった。
事故対応 松下電器産業は2005年12月6日、一酸化炭素中毒事故が相次いでいるFF(強制給排気)式石油温風器など25機種すべてについて、1台5万円で買い取ることを決めた。 1985~92年に製造された事故機種と同構造の15万2000台について、修理済みの購入者を含む希望者から買い取る。使用を継続する場合は、不完全燃焼警報機を無料で配布、設置する。 今後1年間、取り組み状況を毎月経産省に報告
情報の周知 ガソリンスタンドや灯油販売店に12月末まで1日千人社員を配置、巡回させる。 12月10日から19日は、同社の全テレビCM枠を、注意喚起する内容に切り替える。 まだ把握できていない9万台余りの購入先の特定を急ぐ 費用: 再発防止策で200億円の費用がかかる見込み テレビへの告知広告に50億円 ローラー作戦で60億円
リコール 自動車は所有者が登録され、車検でチェックする 家電製品にはこのような制度がない
メンテナンス 長く使うときには、安全の確保が重要になる メーカーがいつまで責任を持つのか 松下電器は、温風器を買った顧客の名簿を持っていない(10年以上経過) 追加の対策が決まっても、利用者が申し出なければ製品の安全性は確保できない 製造物責任法は、メーカーが製品を引き渡してから10年で時効になる 製品の品質保証期間は通常7年 民法上の責任は20年間
会社の責任 12月2日以前の8件の修理ミスの情報が現場から上層部に伝わらなかった。 勝ち組として緊張感をなくした企業体質だとも言われる 本社の担当事業部が、バーナーに空気を送るホースの修理方法について、危険性があると販売業者から指摘を受け、再検討しながら基本的に問題なしと判断した。 勝ち組として緊張感をなくした企業体質だとも言われる 林義孝専務「結果的には社内の危機意識が欠けていたと反省せざるをえない」 朝日新聞2005.12.10
リスクマネジメント 多額の経費をかけて、新聞、テレビなどにコマーシャルをうった 最後は、全戸配布の郵便も出した そのために、このコマーシャルの好感度が上がった
PSEマーク 2006年4月からPSEマークのついていない製品を業者がリサイクルすることはできなくなる アンプなどの音源で問題が指摘されている
環境と安全 リサイクル品が廃棄されるようになるかもしれない しかし、その安全の確保はどうするのか よく似た例として、風力発電における安全問題、三重県のRDFの問題がある