「経営システム工学総合実験」 モデリング&シミュレーション 第2回 担当教員: 森戸 晋 担当助手: 後藤 允 協力: 森戸研究室 2006年5月19日(金)
全3回の実験の概要 第1回 ロールプレーイングゲーム 第2回 EXCELによるビ-ルゲーム 第1回 ロールプレーイングゲーム 第2回 EXCELによるビ-ルゲーム 分析企画(情報の収集、問題点の把握、 問題の整理と構造化) → 情報収集(文献データベースの検索) → 分析企画の提案(研究企画書作成) 第3回 問題分析/問題解決 → 分析結果の報告(結果概要書作成)
課題1 Excelによるビールゲームのシート「MIT需要(二次卸)補充点」を用いて,まずシートの構成を理解する。次に、二次卸の発注を、適当と思われる発注式を組み込むことで自動的にシミュレーションできるようにせよ。なお、二次卸以外のプレーヤーは補充点方式にしたがって、発注している。総費用が安くなるように努力すること。 ファイルには,薄いブルーのセル以外変更不可能なlock版と,すべてのセルを変更可能なunlock版があります.シートには数式が組み込まれていますので,unlock版は注意しないと数式を「壊す」恐れがあります.
(定期)補充点方式 補充点S を決め、補充点に足りない数を発注 補充点S を決め、補充点に足りない数を発注 S- ([在庫]ー[自分の受注残]+[遅れ1]+[遅れ2]+[注文中]+[自分より1つ上流の受注残]) (負の値の場合は、発注数=0) S- ([在庫]ー[下流への借り]+[上流から届くはずのもの]) ※ 定期(s,S)方式(定期発注点・補充点方式)において、s=Sとした発注方式
課題2 シート「MIT需要(全自動)補充点」を用い,補充点Sの値を変えて実験を繰り返すことによって,総費用をできるだけ小さくする補充点Sの値(各役割分担毎)を求めよ.また,なぜ,そのような設定が総費用を最小にするのか説明せよ.
課題3 需要が一定,あるいはほぼ一定というのは現実的でないので,需要がランダムな場合に,総費用を小さくするSの値をどう調整すればよいか考え,Sの値設定の考え方を明らかにせよ.その考え方に基づいて,シート「ランダム需要(全自動)補充点」のSの値を設定し,シミュレーションを行って,得られる結果を評価せよ.差し当たって、(最終)需要の平均、標準偏差は既知と考えてよい。 F9キー → 需要が変化
補充点 S の決め方 前回の配布資料(Simchi-Levi D., et al., Designing and Managing the Supply Chain, McGraw-Hill, 1999.)参照 S = L * AVG + z * STD * sqrt (L) AVG = 1期当たりの需要の平均 STD = 1期当たりの需要の標準偏差 z = 安全係数 L = リード時間 (t 期末発注,t+L期首 納入をリードタイム L と仮定)
課題4 シート「ランダム需要(小売のみ;全自動)補充点」は一段階(小売のみ)のシステムに対して,補充点方式をシミュレーションする。総費用を最小にする L と z の値は何か。 また,「発注量の分散/需要の分散」がどうなっているか調べ、Bullwhip効果の様子をみよ。 F9キー → 需要が変化
Bullwhip効果の定量化 =2.12 Q = 発注量 D = 需要量 L = リード時間 (=4)
実験目的 問題の発見と構造化を学ぶ 「サプライチェーンをどう制御したらよいか」に関する洞察を得る 在庫管理技法を復習/勉強する 問題はなにか キーパラメータはなにか パラメータ間の関係はどうなっているか 「サプライチェーンをどう制御したらよいか」に関する洞察を得る パラメータをどう制御すればよいか 在庫管理技法を復習/勉強する シミュレーション分析に基づいてシステムの特性や制御方法を明らかにする
着眼点(1) 問題点の把握 問題の整理と構造化 どういう現象が発生しているか(シミュレーション) どういう問題が生じそうか(現象を抽象化する) 「仮説」を立てると物事が見えやすくなる 問題の整理と構造化 「登場人物」は何か 影響を与える主な要因や評価尺度は何か 問題の発生原因は何か どの要因間の関係に着目したらよいか
着眼点(2) 要因間の定量分析 問題解決方法 欲張りすぎると物事が見えにくくなる 主な要因間にはいかなる(定量的)関係が存在するか パラメータは評価尺度にどう影響するか 問題解決方法 意思決定要因の適正な制御方法は何か 欲張りすぎると物事が見えにくくなる
問題に関係する主な要因 段階数 リードタイム 情報共有(共有の形態) VMI(=需要情報を工場が知って、後は「垂れ流す」) 発注方式やそのパラメータ(補充点方式Order to S、発注点補充点法s-S、s-Q、 定量発注Order Qなど) 需要の予測方法やそのパラメータ 需要系列(の発生方法) 評価尺度(費用、ブルウィップ効果)