中間試験 1.日時: 12月15日(木) 4,5限 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の9章までに学んだ範囲 期末1月22日 1.日時: 12月15日(木) 4,5限 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の9章までに学んだ範囲 4.試験時間:90分程度 5.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可 6.期末テストは1月26日予定、全範囲
7. 角運動量とその保存則 7.1 ベクトルのベクトル積 7.2 力のモーメント 7.3 角運動量 7.4 運動方程式の角運動量積分 7.1 ベクトルのベクトル積 7.2 力のモーメント 7.3 角運動量 7.4 運動方程式の角運動量積分 7.5 惑星の運動ケプラーの法則
7.2力のモーメント 原点Oのまわりの力のモーメント(トルク) 定義: Fsinθ F ベクトルの外積 θ r O :x, y, z方向の単位ベクトル :rからFへ向かって右ねじが進む向きの単位ベクトル
7.2力のモーメント 原点Oのまわりの力のモーメント(トルク) r O r O O r F θ Fsinθ F F
7.3角運動量 原点Oのまわりの角運動量(運動量のモーメント) 定義: psinθ p ベクトルの外積 θ r O :x, y, z方向の単位ベクトル :rからFへ向かって右ねじが進む向きの単位ベクトル
7.3角運動量 TA 例題2 質量mの質点が以下の運動をしているとき、原点Oのまわりの角運動量を求めよ。 (1) xy平面内で直線y= C(定数)に沿って、x軸方向に速度vで運動している。 (2) yz平面内で原点Oを中心にx軸の正側から見て時計回りに半径Rの円周上を角速度ωで円運動している。 (3) x軸に沿って原点Oから速度vで離れている。 TA
7.3角運動量 位置ベクトル 運動量ベクトル 角運動量ベクトル 直線運動していても角運動量はゼロとは限らない 例題2 (1) xy平面内で直線y= C(定数)に沿って、x軸方向に速度vで運動している。 位置ベクトル y x O C v 運動量ベクトル r 角運動量ベクトル 直線運動していても角運動量はゼロとは限らない
7.3角運動量 位置ベクトル 運動量ベクトル 角運動量ベクトル 例題2 (2) yz平面内で原点Oを中心にx軸の正側から見て時計回りに半径Rの円周上を角速度ωで円運動している。 z 位置ベクトル r v O 運動量ベクトル R y x 角運動量ベクトル 座標軸の取り方に注意
7.3角運動量 位置ベクトル 運動量ベクトル 角運動量ベクトル rベクトルとpベクトルが平行なので角運動量はゼロ 例題2 (3) x軸に沿って原点Oから速度vで離れている。 位置ベクトル y x O C v 運動量ベクトル r 角運動量ベクトル rベクトルとpベクトルが平行なので角運動量はゼロ
7.4運動方程式の角運動量積分 運動方程式: 両辺に位置ベクトルrを掛けてベクトル積をつくると、 力のモーメント ここで、角運動量 の時間微分を考える
7.4運動方程式の角運動量積分 右辺第1項: 従って、 が成り立つ。 回転の運動方程式 角運動量の時間変化の割合は力のモーメントに等しい 従って、 が成り立つ。 回転の運動方程式 角運動量の時間変化の割合は力のモーメントに等しい に似ている。
7.4力積と力のモーメントの時間積分 運動方程式: 回転の運動方程式: 両辺をtで積分 運動量 の変化分 力積 両辺をtで積分 角運動量の変化分 力のモーメントの合計
7.4角運動量 例題3 長さaの質量の無視できる細い棒の一端を原点Oに固定し、もう一方の端に質量mのおもりを取り付け、XY平面内を自由に回転できるようにした。原点Oのまわりの力のモーメントN = (0, 0, N)をおもりに5秒間与えたときのおもりの(線)速度vを求めよ。ただし、はじめおもりは静止していたとする。 TA
7.4角運動量 例題3 長さaの質量の無視できる細い棒の一端を原点Oに固定し、もう一方の端に質量mのおもりを取り付け、XY平面内を自由に回転できるようにした。原点Oのまわりの力のモーメントN = (0, 0, N)をおもりに5秒間与えたときのおもりの(線)速度vを求めよ。ただし、はじめおもりは静止していたとする。 回転の運動方程式 Z N a より、5秒後の角運動量は O F r N = r×F
7.4角運動量保存則 このような力を中心力という。 万有引力は中心力である。 そして保存力である。 ポテンシャルエネルギーは 運動を調べよう。
7.4角運動量保存則 Fが中心力のとき: Fとrが常に平行または反平行 力のモーメント 依って、 角運動量Lは時間に依らず一定 r方向の単位ベクトル Fが中心力のとき: スカラー量 Fとrが常に平行または反平行 力のモーメント 依って、 角運動量Lは時間に依らず一定 角運動量保存則
7.4角運動量保存則 例題4 ポテンシャルエネルギーV(x, y, z)が次のように与えられた時、位置座標(x, y, z)にある質量mの質点に働く力Fおよび原点Oのまわりの力のモーメントNを求め、角運動量保存則が成り立つか否か調べよ。 (1) V(x, y, z) = -kxy ただしkは定数 (2) V(x, y, z) = -C/r ただしrは原点Oと(x, y, z)との距離、Cは定数
7.4角運動量とその保存則 TA1:万有引力は中心力と勉強しました。 TA2 :勉強しました。 TA3 :中心力下の運動では角運動量は 保存すると勉強しました。 TA4 :勉強しました。 TA5 :重力も万有引力です。 TA1 :そうです。 TA2:ならば、右図の振り子の角運動量も 保存するの? TA3 :うん?角運動量って? TA4: よ。 TA5:う~ん、振り子は折り返しのところで一旦止まるから必ずp=0がある。しかし、最下点では勢いよく動く。 θ mg
7.4角運動量とその保存則 TA1 :だからpは大きい。 保存しないんじゃないかな・・・ TA2:不思議です・・・ 保存しないんじゃないかな・・・ TA2:不思議です・・・ TA3:振り子の運動を勉強したので調べて みよう。 θ mg
7.4角運動量とその保存則 この度は原点Oを振り子の支点に取る。 θ mg X Y O
7.4角運動量とその保存則 ・角運動量はz成分のみである。 ・振り子は往復振動するから、 は時間変化する。 θ mg X Y O ・角運動量はz成分のみである。 ・振り子は往復振動するから、 は時間変化する。 だから振り子の角運動量は保存しない。
7.4角運動量とその保存則 角運動量の保存条件を確認しよう。 保存条件: を力のモーメントという。 のときに力のモーメントはゼロになる。 のときに力のモーメントはゼロになる。 このとき、角運動量は時間変化せず保存する。
7.4角運動量とその保存則 力のモーメントは回転的運動を誘発する。 角運動量を増減させる。 rがあり、Fがある。 これらが平行か逆平行のとき回転は 誘発されない。 これらが直交関係のとき力はもっとも 有効に回転運動に寄与する。 の力を中心力という。 中心力のとき、力のモーメントはゼロである。 力のモーメントがゼロの時角運動量は保存する。 θ mg X Y O
7.4角運動量とその保存則 確認しよう。 だから振り子の力のモーメントは 角運動量の時間変化は 両者は確かに一致する。 θ mg X Y O
7.4角運動量とその保存則 振り子を振る力は鉛直下方向き。 支点から質点までの位置ベクトルとは 一致しない。 よって振り子にとって重力は中心力ではない。 力のモーメントが発生し、 角運動量は変化する。 θ mg X Y O
7.4角運動量とその保存則 から振り子を振り出すとしよう。 初期角度は さらにm=1, g=9.8, l=1としよう。 θ mg X Y O
7.4角運動量とその保存則 m=1, g=9.8, l=1 θ mg X Y O N L
7.4角運動量とその保存則 m=1, g=9.8, l=1 θ mg X Y O N L θ
中間試験 1.日時: 12月15日(木) 4,5限 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の9章までに学んだ範囲 期末1月22日 1.日時: 12月15日(木) 4,5限 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の9章までに学んだ範囲 4.試験時間:90分程度 5.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可 6.期末テストは1月26日予定、全範囲
7.4角運動量 例題 (1)長さaの質量の無視できる細い棒の一端を原点Oに固定し、もう一方の端に質量mのおもりを取り付け、XY平面内を自由に回転できるようにした。原点Oのまわりの力のモーメントN = (0, 0, N)をおもりに5秒間与えたときのおもりの力学的運動エネルギーKを求めよ。ただし、はじめおもりは静止していたとする。 (2)おもりを棒から開放して自由にし、原点Oから距離aのXY平面内の位置に置いた。原点Oのまわりの力のモーメントN = (0, 0, N)をおもりに5秒間与えたときおもりの力学的運動エネルギーKを求めよ。
7.4角運動量 問 地球の万有引力は中心力である。中心力は角運動量を変化させない。 問 地球の万有引力は中心力である。中心力は角運動量を変化させない。 しかし、地上では重力の作用で振り子をふることができる。振り子の角運動量は時々刻々変化する。地球の重力圏内で振り子が振れないところがあるか考察せよ。 θ mg X Y O 地 球
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 このような力を中心力という。 万有引力は中心力であり、 そして保存力である。 ポテンシャルエネルギーは 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 このような力を中心力という。 万有引力は中心力であり、 そして保存力である。 ポテンシャルエネルギーは 力学的運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和は一定である。 運動を調べよう。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 とおく。 だから、 であり、
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 これを角運動量保存則という 中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。 角運動量ベクトルの定義は 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 よって、 これを角運動量保存則という 中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。 角運動量ベクトルの定義は である。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 のときを調べよう。 運動量ベクトル成分はx-y平面内にあり 角運動量ベクトル成分はz軸上にある。 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 のときを調べよう。 運動量ベクトル成分はx-y平面内にあり 角運動量ベクトル成分はz軸上にある。 もし、 なら 角運動量は常に一定である。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 ケプラーの第二法則 は角速度であり、 は線速度である。 よって、 は惑星軌道が掃引する面積速度である。 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 は角速度であり、 は線速度である。 よって、 は惑星軌道が掃引する面積速度である。 は面積速度一定を意味する。 ケプラーの第二法則
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 再び、 だから、大きさを比較して 角運動量の大きさ を使うと、
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 よって、中心力 から、 角運動量一定が得られ、 rの運動について の微分式が得られる。 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 よって、中心力 から、 角運動量一定が得られ、 rの運動について の微分式が得られる。 この式は難問です・・・・・・
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 問 は を満たす関数である。 TA4→DをL,m,M,Gで表せ。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 両辺をtで微分 さらに両辺をtで微分
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 両式を比較
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 rの軌道の絵を書いてみよう ε=0のとき ε <1のとき ε >1のとき
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 ケプラーの第一法則 は を満たす。 ε=0のとき円軌道 ε <1のとき楕円軌道 ε >1のとき双曲線軌道 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 は を満たす。 ε=0のとき円軌道 ε <1のとき楕円軌道 ε >1のとき双曲線軌道 軌道の形は運動エネルギー(速度)によって決まる。 ケプラーの第一法則
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 運動エネルギーを考えよう。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 ε=0のとき運動エネルギー最少 ε が大きくなると運動エネルギー大きくなる。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 Kとε の関係をもっと調べよう
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 ε=0のとき運動エネルギー最少 もともとポテンシャルエネルギーは だから、 (最小値) 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 ε=0のとき運動エネルギー最少 もともとポテンシャルエネルギーは だから、 (最小値) ε が大きくなると運動エネルギー大きくなる。 になる条件は
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 チャンスは、 のとき。 楕円、円運動ではK+U<0であり、無限遠方には行くことができない。 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 チャンスは、 のとき。 楕円、円運動ではK+U<0であり、無限遠方には行くことができない。 のときはじめて、重力ポテンシャルに打ち勝って無限の彼方に行くことができる。その時の運動エネルギーは、 地球上の臨界速度は から、
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 を第二宇宙速度という。 を第一宇宙速度という。 問:第一宇宙速度と第二宇宙速度の意味を考えよ。 TA5 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 を第二宇宙速度という。 を第一宇宙速度という。 問:第一宇宙速度と第二宇宙速度の意味を考えよ。 TA5 問:双曲線軌道をとり地球に近づいた小惑星は、地球をの近くを通り過ぎた後、再び地球に近づくのはいつか? TA1
7.5 惑星の運動ケプラーの法則 ケプラーの第三法則 楕円の面積Sは長径をaとすると である。 から となる。 7.5 惑星の運動ケプラーの法則 楕円の面積Sは長径をaとすると である。 から となる。 角運動量L一定=面積速度一定なのだから 周期をTとすれば になる。 だった。Tとaに注目すれば、 周期は長径(短径)の3/2乗に比例する。 ケプラーの第三法則
問 題 地球は太陽の周りをほぼ円周軌道で公転回転している。しかしこれまで学んだことに基づけば、厳密には「両者の重心周りをお互いに回りあっている。」と表現すべきである。地球の質量は5.9x1024kgであり、回転半径は 1.5x1011mである。太陽の質量は 2.0x1030kgである。太陽の 回転半径は何kmか。 TA2 Y X θ m M r O
中間試験 1.日時: 12月15日(木) 4,5限 2.場所: 1331番教室 期末1月22日 1.日時: 12月15日(木) 4,5限 2.場所: 1331番教室 3.試験範囲:講義・演習・宿題・教科書の9(8?)章までに学んだ範囲 4.試験時間:90分程度 5.注意: ・集合時刻厳守のこと ・途中退出は認めない ・全員受験必須 ・資料持込不可 6.期末テストは1月26日予定、全範囲
8.非慣性系 8.1 並進運動座標系 8.2 回転座標系
8.非慣性系 近日点を目指して楕円運動する惑星を考えよう。 軌道半径はどんどん短くなる。 しかし、もちろん角運動量 は一定である。 は一定である。 半径は小さくなるから線速度 は大きくなる。 みなさんは冷静に 客観的に外から見 ているから問題 ないが、惑星の 中に居る人は どんな風に感じるだろう。 太陽
8.非慣性系 惑星は万有引力を受けているから、 惑星上の座標は加速度運動をしている。 非慣性系という。 惑星は太陽に近づくと 共に線速度 が大きくなる、 後ろから押され ているように感じるだろう。 非慣性回転座標系 の特徴を調べてみよう。 太陽
8-2回転座標系 角運動量保存則 中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。 角度方向の速度を変化させる見かけ上の力が働く
8-2回転座標系 右図のように紐に質量mの物体をつけて回転運動をさせる。始め紐の長さは2bである。角速度はω0である。 1.物体mに働く力の大きさと向きを書け。 2.物体mの速度の大きさと向きを書け。 3.物体mの運動量の大きさと向きを書け。 4.物体mの運動エネルギーの大きさを書け。 5.物体mの角運動量の大きさと向きを書け。 6.紐を引っ張る力Tの大きさと向きを書け。 T ω0 m 2b
8-2回転座標系 次に中心方向に紐を引っ張って半径を半分のbにしたところ、角速度はωになった。 ω0 7. ωを求めよ。 m 2b 8.物体mの速度の大きさは何倍になったか? 9.物体mの運動エネルギーは何倍になったか? 10.紐を引っ張る力Tの大きさは何倍になったか? 11.運動エネルギーの変化を議論せよ。 ω0 m 2b T ω m b
8-2回転座標系 7. 中心力は角運動量を変えないから、 8.速度は から に2倍になった。 ω0 9.運動エネルギーは4倍になった。 m 8.速度は から に2倍になった。 9.運動エネルギーは4倍になった。 10.紐を引っ張る力Tの大きさは から へ8倍になった。 11.運動エネルギーの変化: 半径をrとすると、 張力は N 運動エネルギーはW仕事分だけ増加した。 ω0 m 2b T ω m b
8-2回転座標系 右図のように紐に質量mの物体をつけて角速度 ω0 ω0の回転運動をさせる。始め紐の長さは2bで m ある。そして中心方向に紐を引っ張って半径 を半分のbにしたところ、角速度ωは4倍の、 4ω0になった。そして、線速度vは2倍の4bω0に なった。 あなたが、物体mの中に居るとしよう。 紐で引っ張られて中心方向に移動すると、上述の ように物体の移動速度が大きくなる。あなたは物理 を良く勉強しているので、物体mが進行方向に押さ れて速度が速くなったと思うだろう。しかし、実際は 物体mは中心方向にしか引っ張られていない。 不思議ではないか! ω0 m 2b T ω m b
8-2回転座標系 時刻tにおいて物体は中心から位置rのところ にいるとする。そして一定速度-vで中心方向に 引っ張られているとしよう。 ω0 物体の角運動量が時間にたいして一定である特徴をつかって解析してみよう。 である。Lは時間に対して一定だから ω0 m r T ω m b
8-2回転座標系 は物体の回転方向の運動量の時間微分なので 回転方向に働く力である。 とは、回転方向に の力が働くことを意味している。 は物体の回転方向の運動量の時間微分なので 回転方向に働く力である。 とは、回転方向に の力が働くことを意味している。 これを コリオリ 力 という。 コリオリ力によって回転方向の速度がどのように変化するかを調べよう。
8-2回転座標系 角運動量保存とは、 だから、 回転線速度の変化率は、 である。 上の関係式を用いると、 回転線速度の変化率は、 である。 上の関係式を用いると、 となる。よって、紐が2bからbまでの線速度の変化分△(rω)は、
8-2回転座標系 だから、 であり、線速度の変化分△(rω)は、 紐が2bのとき、線速度は だったから、
8-2回転座標系 問 台風は地球規模の気象現象である。 低気圧に向かって風が猛烈に吹き込む。 台風の雲の渦巻きは左巻きである。 問 台風は地球規模の気象現象である。 低気圧に向かって風が猛烈に吹き込む。 台風の雲の渦巻きは左巻きである。 これはコリオリ力の効果だろうか考察 せよ。 TA2
非慣性系:8-1並進運動座標系 並進的加速度がかかっている場合はどうだろう。 最初にx方向にa1があったとする。 x方向に一様な加速度を感じるだろう。 (たとえば限定した領域での重力 加速度のように) 次にy方向に加速度a2を掛けたとしよう。 加速度はベクトルだから、物体には合成 の加速度がaがかかることになる。 物体は新たにa方向に加速度を感じることになる。 y x O a1 r a2 a
非慣性系:8-1並進運動座標系 だから、 よって運動の式は、 θ mg X Y O
非慣性系:8-1並進運動座標系 平衡条件は 振り子はθ0を中心に振動運動をする。 θ mg X Y O
非慣性系:8-1並進運動座標系 θ mg X Y O ついにこうなるので、目出度く教科書と一致する。 aが加わることにより、角速度大きくなる
9 質点系の運動 9.1 質量中心 9.2 質点系の運動方程式 9.3 2体問題
9.1 質量中心 例題1 質量m1の質点が位置r1、質量m2の質点が位置r2にある。重心rgを求めよ。 m2 m1 r2 r1 O
9.1 質量中心 例題1 質量m1の質点が位置r1、質量m2の質点が位置r2にある。重心rgを求めよ。 9.1 質量中心 例題1 質量m1の質点が位置r1、質量m2の質点が位置r2にある。重心rgを求めよ。 重心のまわりの力のモーメントがつりあう m2 r2-rg r1-rg m1 rg r2 r1 O
9.1 質量中心 例題2 質量m1の質点が位置r1、質量m2の質点が位置r2、質量m3の質点が位置r3にある。重心rgを求めよ。 m2 m1 9.1 質量中心 例題2 質量m1の質点が位置r1、質量m2の質点が位置r2、質量m3の質点が位置r3にある。重心rgを求めよ。 m2 m1 r2 r1 m3 r3 O
9.1 質量中心 例題2 質量m1の質点が位置r1、質量m2の質点が位置r2、質量m3の質点が位置r3にある。重心rgを求めよ。 9.1 質量中心 例題2 質量m1の質点が位置r1、質量m2の質点が位置r2、質量m3の質点が位置r3にある。重心rgを求めよ。 質量m1、質量m2が及ぼす重力の効果は m2 m1+m2 m1 重心 に質量m1+m2があるとみなせる rg12 r2 r1 従って、 m3 r3 O
9.1 質量中心 形状が変化しない大きさを持つ物体を剛体という。 n個の質点からなる剛体の重心 連続体なら積分形式 は体積密度 9.1 質量中心 形状が変化しない大きさを持つ物体を剛体という。 n個の質点からなる剛体の重心 連続体なら積分形式 均質な剛体なら、 は体積密度
9.1 質量中心 そうは言っても剛体の重心をパッと見つけるのは難しい 均質な場合、 重心rgが原点の場合、 対称性が使える場合は、 9.1 質量中心 そうは言っても剛体の重心をパッと見つけるのは難しい 均質な場合、 重心rgが原点の場合、 対称性が使える場合は、 中間線を引けばよい。 rg じゃあこれは? mmmmmm・・・宿題!
9.1 質量中心 例題3 以下の物体の重心を求めよ。 一様な面密度σを持つ材料からなる半径aの半円板 9.1 質量中心 例題3 以下の物体の重心を求めよ。 一様な面密度σを持つ材料からなる半径aの半円板 一様な体積密度ρを持つ材料からなる半径aの半球
9.1 質量中心 例題3 一様な面密度σを持つ材料からなる半径aの半円板 X 半円の質量 原点Oから重心までの距離 をxgとすると Δx 9.1 質量中心 例題3 一様な面密度σを持つ材料からなる半径aの半円板 X 半円の質量 原点Oから重心までの距離 をxgとすると Δx xg x O a (置換積分 とすると )
9.1 質量中心 例題3 (2) 一様な体積密度ρを持つ材料からなる半径aの半球 X 半球の質量 原点Oから重心までの距離 をxgとすると 9.1 質量中心 例題3 (2) 一様な体積密度ρを持つ材料からなる半径aの半球 X 半球の質量 原点Oから重心までの距離 をxgとすると Δx xg x O a
9.2 質点系の運動方程式 剛体を動かしてみよう。 全運動量=質量partsの運動量の和 全運動量の変化=外力の和
9.2 質点系の運動方程式 角運動量は? 10章で勉強しよう。
9.3 2体問題 複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けられる。 例題4 9.3 2体問題 複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けられる。 例題4 質量m1の質点の位置ベクトルをr1、速度ベクトルをv1、質量m2の質点の位置ベクトルをr2、速度ベクトルをv2とする。以下の各問に答えよ。 2つの質点の重心の位置ベクトルrgおよび速度ベクトルvgを求めよ。 2つの質点の運動量の和(全運動量)を重心の速度ベクトルvgを用いて表せ。 2つの質点の運動エネルギーの和(全運動エネルギー)を重心の速度ベクトルvgおよび質点の相対速度v1- v2を用いて表せ。
9.3 2体問題 複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けられる。 例題4 9.3 2体問題 複数の物体の運動は重心の運動と相対運動に分けられる。 例題4 質量m1の質点の位置ベクトルをr1、速度ベクトルをv1、質量m2の質点の位置ベクトルをr2、速度ベクトルをv2とする。以下の各問に答えよ。 重心の位置は 重心の速度は
9.3 2体問題 r1とr2を重心を使って表すと、 従って、2つの物体の速度を重心の速度を用いて表すと、
9.3 2体問題 2つの物体の運動量を重心の速度vgを用いて表すと、 全体の運動量は以下のようになる。 9.3 2体問題 2つの物体の運動量を重心の速度vgを用いて表すと、 全体の運動量は以下のようになる。 全運動量は重心の速度と総質量の積に等しい
9.3 2体問題 2つの物体の運動エネルギーを重心の速度vgを用いて表すとどうなるか?
9.3 2体問題 従って全体の運動エネルギーは 第1項は重心の運動エネルギー 第2項は相対運動の運動エネルギー を換算質量という。
9.3 2体問題 例題4のまとめ 1:重心: 重心の速度: 2:全運動量: 重心の速度と総質量の積 3:全運動エネルギー: 9.3 2体問題 例題4のまとめ 1:重心: 重心の速度: 2:全運動量: 重心の速度と総質量の積 3:全運動エネルギー: 重心の運動エネルギーと相対運動の運動エネルギーの和
9.3 2体問題 例えば、一体並進運動の場合 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー: m v G m v
9.3 2体問題 例題5 質量mの2つの質点が相対して原点Oのまわりを角速度ω、半径rで円運動している。全運動量Pおよび全運動エネルギーKを求めよ。 x r o m y ω
9.3 2体問題 例題5 質量mの2つの質点が相対して原点Oのまわりを角速度ω、半径rで円運動している。全運動量Pおよび全運動エネルギーKを求めよ。 全運動量: 全運動エネルギー: x r o m y ω 2つの質点は運動しているが、 重心は静止している
9.3 2体問題 衝突問題(第9回宿題 問1) 静止した質量mBの物体Bに質量mAの物体Aが速度VAで正面から弾性衝突する。以下の各問に答えよ。 (1) 衝突直後の物体A、Bの速度VA’、VB’を運動量保存則とエネルギー保存則を用いて求めよ。 (2) VA’の大きさとVB’の大きさが等しくなる条件を求めよ。 (3) 静止した軽い物体Bに質量がはるかに大きい物体Aが衝突する場合(mA>>mBの場合)、衝突後の物体Bの速度を見積もれ。 衝突前 衝突後 vA mA mB v’A mA mB v’B
9.3 2体問題 第9回宿題 問1 運動量保存則 エネルギー保存則 9.3 2体問題 第9回宿題 問1 (1) 衝突直後の物体A、Bの速度VA’、VB’を運動量保存則とエネルギー保存則を用いて求めよ。 運動量保存則 エネルギー保存則 衝突前 衝突後 vA mA mB v’A mA mB v’B
9.3 2体問題 第9回宿題 問1 より、 (2) VA’の大きさとVB’の大きさが等しくなる条件を求めよ。 9.3 2体問題 第9回宿題 問1 (2) VA’の大きさとVB’の大きさが等しくなる条件を求めよ。 (3) 静止した軽い物体Bに質量がはるかに大きい物体Aが衝突する場合(mA>>mBの場合)、衝突後の物体Bの速度を見積もれ。 より、
9.3 2体問題 衝突前 vA mA mB X x=0 衝突前: 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー:
9.3 2体問題 衝突後 v’A mA mB v’B X 1:重心 2:全運動量: 3:全運動エネルギー:
9.3 2体問題 運動量はあらゆる場合に保存される、宇宙不変の大原則である。 9.3 2体問題 運動量はあらゆる場合に保存される、宇宙不変の大原則である。 これに対し、運動エネルギーは保存されるとは限らない。例えばポテンシャル・エネルギーに変化したり、熱エネルギーや光エネルギーに変化することもある。 もし、初め、全エネルギーが運動エネルギーだったとする。運動エネルギーが保存されないイベントが起これば、当然運動エネルギーは小さくなる。よって、 である。典型的なのは、衝突後一体となって運動する場合である。 衝突前 衝突後 vA mA mB mA mB v’
9.3 2体問題 運動量保存則は常に成り立つ。 衝突後の運動エネルギーは より これは、衝突前の運動エネルギー より小さい。 9.3 2体問題 運動量保存則は常に成り立つ。 衝突後の運動エネルギーは これは、衝突前の運動エネルギー より小さい。 運動エネルギーが減少する衝突を非弾性衝突という。 一般の衝突では、反発係数(はねかえり係数)を用いる。 衝突前 vA mA mB より 衝突後 mA mB v’