平成29年度大阪府環境放射線監視結果等について

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平成29年度大阪府環境放射線監視結果等について 大阪府危機管理室防災企画課

大阪府のH29年度監視結果について 1 空間放射線 (1)空間線量率(γ線) (2)積算線量 (3)中性子線量率 2 環境試料 1 空間放射線 (1)空間線量率(γ線) (2)積算線量 (3)中性子線量率 2 環境試料 (1)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度     -2 大気浮遊じん中のγ線放出核種 (2)環境試料中の全β放射能濃度 (3)環境試料中の核種濃度(γ線放出核種) (4)環境試料中の核種濃度(トリチウム及びウラン) 防災企画課の曽和です。 平成27年度に大阪府が実施した環境放射線監視の結果とその考察について、スライドを使ってご説明させていただきます。 資料はお手元の資料1をご覧ください。

 大阪府のH29年度監視結果について   1 空間線量率(γ線) ○まず、本府の監視結果のうち、空間線量率(γ線)の結果からご説明いたします。 2

(1)空間線量率(γ線) ①月間平均値 H29年度 まず、空間線量率の月間平均値の推移を地域別にお示しします。  ①月間平均値 まず、空間線量率の月間平均値の推移を地域別にお示しします。 ご覧のとおり、月間平均値は3地域共に1年を通じてほぼ一定でした。 H29年度

(1)空間線量率(γ線) ②1時間値(月別・地域別の最大値) H29年度 続いて、1時間値の月間最大値を地域別にお示しします。  ②1時間値(月別・地域別の最大値) 続いて、1時間値の月間最大値を地域別にお示しします。 最大値は57~84nGy/hの間であり、問題となるレベルではないと考えられます。 H29年度

③1時間値の「平常の変動幅」上限値超過件数 (1)空間線量率(γ線)  ③1時間値の「平常の変動幅」上限値超過件数 考察(報告書3ページ) 次に、1時間値が「平常の変動幅」の上限値を超過した件数を、地域別にお示します。 ご覧のとおり、毎月上限値を超えています。資料10ページ以降に詳細を載せておりますが、レベルが上昇したときに降雨が観測されていますので、空間線量率の増加は降雨による自然放射線レベルの変動が原因であると考えられます。  各測定地点において、最大値が観測された時間帯や平常の変動幅の上限を超えた時間帯に 降雨が観測されていることから、空間線量率の増加は降雨による自然放射線レベルの変動が 原因であると考えられます。 ②表Ⅰ-3の表下に注釈として   「平常の変動幅」上限値を上回った原因:降雨による(「表Ⅲ-1」~「表Ⅲ-3」・・・・・参照)

④1時間値の「平常の変動幅」の下限値を下回った件数 (1)空間線量率(γ線)  ④1時間値の「平常の変動幅」の下限値を下回った件数 続いて、1時間値が平常の変動幅を下回った件数ですが、いずれの地域もゼロでした。 6

(2)積算線量 (3)中性子線量率 考察(報告書4ページ) 測定値は過去の値と同水準であり、自然放射線レベルである と考えられます。   測定値は過去の値と同水準であり、自然放射線レベルである と考えられます。 (3)中性子線量率 考察(報告書4ページ)  測定値(1時間値)は全て検出限界値(10nSv/h)を下回っていま した。 続いて、積算線量と中性子線量率です。 積算線量は過去の値と同水準であり、特に問題はないと考えられます。 中性子線量率は、測定値がすべて検出限界値を下回っているため、特に問題ないと考えられます。

 大阪府のH29年度監視結果について   2 環境試料 ここからは、環境試料の監視結果を説明いたします。 8

(2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度 ①月間平均値 (2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度  ①月間平均値 まず、大気浮遊じんのうち、全α・全β放射能濃度について説明いたします。 これは3地域における月間平均値の推移をお示ししたものです。 ご覧の通り、各地点とも濃度に若干の変動が認められましたので、考察についてはご覧のとおりとさせていただいています。 H29年度 考察(報告書4ページ)  各測定地点の月間平均値は下表のとおりで、若干の変動が認められますが、 自然放射能レベルの変動の範囲内であると考えられます。

(2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度 ②月別最大値 (2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度  ②月別最大値 次に、月間最大値の推移を地域別にお示します。 熊取では10月にαβとも若干ではありますが、過去の最大値を超過しました。 H29年度

(2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度 ②「平常の変動幅」を外れた件数と要因 (2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度  ②「平常の変動幅」を外れた件数と要因 次に、値が「平常の変動幅」を外れた件数を上の表にお示します。 各地点の超過件数の合計値は18~39件でした。 下の表に、αとβの相関関係と、αとβの比をお示します。ご覧のとおり、両者には良好な相関関係が認められ、且つ比に大きな変動はありませんでした。 以上より、上限値を超過した要因については、自然放射能レベルが風等の気象要因の変化により変動したものであると考えられます。

(2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度 ②考察 (2)-1 大気浮遊じん中の全α・β放射能濃度 ②考察 考察(報告書5ページ)  各測定地点の月間最大値は下表のとおりで、若干の変動が認 められますが、全α及び全β放射能濃度の相関関係やγ線放出核 種濃度の測定結果から、気象要因(風速等)による自然放射能 レベル内の変動であると考えられます。 以上より、考察については、ご覧ととおりとさせていただいています。 12

(2)-2 大気浮遊じん中のγ線放出核種濃度 大気浮遊じん中セシウム濃度 (mBq/m3) (2)-2 大気浮遊じん中のγ線放出核種濃度 大気浮遊じん中セシウム濃度         (mBq/m3) 続いて、大気浮遊じん中のセシウム濃度について説明いたします。 ご覧のとおり、平成24年度の第3四半期以降、セシウム137は検出されておりません。 考察(報告書6ページ)  セシウム137等の人工核種は検出されませんでした。

(3)排水・底質中の全β放射能濃度 考察(報告書6ページ) 次に、排水・底質中の全β放射能濃度について説明いたします。 上半期に雨山川の底質の測定値が「平常の変動幅」の上限値を超過しました。 考察(報告書6ページ)  近畿大学原子力研究所前マンホールの排水試料の測定値は、東大阪市地域の平常の変動幅 の上限値を超過しましたが、自然の放射能の変動と考えられるレベルで、原子力施設の異常もな いことから、原子力施設の寄与はないと判断されます。

(4)環境試料中のγ線放出核種濃度 ①土壌中のセシウム137濃度 次に、環境試料中セシウムの測定結果についてご説明します。  ①土壌中のセシウム137濃度 次に、環境試料中セシウムの測定結果についてご説明します。 まず土壌については、ご覧のとおり、平成27年度の測定結果は、過去の測定結果と同レベルでした。

(4)環境試料中のγ線放出核種等濃度 ②排水中のセシウム137濃度 排水中セシウム濃度 (mBq/L)  ②排水中のセシウム137濃度 排水中セシウム濃度            (mBq/L) 次に、排水です。ご覧のとおり、平成25年度下半期以降、セシウム137は検出されておりません。

(4)環境試料中のγ線放出核種等濃度 ③底質中のセシウム137濃度  ③底質中のセシウム137濃度 続いて、底質です。ご覧のとおり、平成27年度の試料からはセシウム137は検出されませんでした。

(4)環境試料中のγ線放出核種等濃度 考察(報告書6ページ)   熊取町地域、泉佐野市地域及び東大阪市地域で採 取した環境試料(土壌、農作物(米)、農作物(キャベ ツ)、指標生物(ツバキ)、陸水、排水、底質)を分析し た結果、セシウム137以外のγ線放出核種は検出され ませんでした。下表のとおり、土壌から微量のセシウム 137が検出されましたが、濃度は平常の変動幅の範囲 内で非常に低いことから、主に過去の核実験等の影 響が残っているためと考えられます。

(5)環境試料中の核種濃度(トリチウム及びウラン) 考察(報告書7ページ)  トリチウム及びウランの濃度についても、平常の変動幅の範囲内 で非常に低いことから、自然放射能レベルであると考えられます。 排水中のトリチウムと底質中のウランの結果はご覧のとおりで、特に問題はなく、考察についてはご覧のとおりとさせていただいています。 大阪府の監視結果の概要については以上です。

【府内原子力施設の再開について】 考察(報告書8ページ)  平成29年度上半期に近畿大学原子力研究所及び京都大学原子炉実験所の試験研究炉が約3年ぶりに運転を再開しましたが、固定観測局の測定値に異常は見られませんでした。 ①4月12日 近畿大学原子力研究所(UTR-KINKI) ②6月21日 京都大学原子炉実験所(KUCA) ③8月29日 京都大学原子炉実験所(KUR) ○続きまして、府内原子力事業所の監視結果の概要について簡単にご説明させていただきます。

【府内原子力施設における事故等について】 【府内原子力施設における事故等について】  平成29年度上半期に府内原子力施設において、以下のとおり3件の事故等がありました。 ①8月10日 原子燃料工業㈱熊取事業所            第2加工棟における酸化ウラン粉末の漏えい  ②8月25日 京都大学原子炉実験所           KUCAスタックダストモニタのろ紙送りの不調  ③9月20日 京都大学原子炉実験所           KURにおける重水漏えい 考察(報告書13ページ) ○続きまして、府内原子力事業所の監視結果の概要について簡単にご説明させていただきます。  3件とも、原子力規制委員会が周辺環境への影響は     なかったと評価したことを確認しました。

【空間線量率(γ線)の単位表記について】 nSv/h  注釈   ※ モニタリングポストはnGy/h(ナノグレイ毎時)で測定されていますが、     本ウェブサイト上では、1nGy/h(ナノグレイ毎時)=1nSv/h(ナノシーベルト毎時)     と換算して表示しています。 環境放射線監視結果報告書については、従来どおりGy(グレイ)表記

監視結果のまとめ 報告書2ページ上部   本報告書は平成29年度(平成29年4月~平成30年3月)に実施した府内原子力施設周辺における環境放射線の監視結果を取りまとめたものです。 平成29年4月に近畿大学原子力研究所、6月及び8月に京都大学原子炉実験所(*)の試験研究炉が約3年ぶりに運転を再開しましたが、空間線量率(γ線)及び環境試料中の放射能濃度は、いずれも過去の測定結果と同程度で非常に低く、中性子線量率は全て検出限界値未満でした。また、府内の各原子力施設が実施した排気口・排水口における放射性物質の測定値も非常に低水準でした。 環境試料の測定では、土壌から微量のセシウム137が検出されましたが、主に過去の核実験等の影響が残っているためと考えられます。                                      以上の結果、検出された放射性物質は人体に影響を与えない程度のものでした。     (*)平成30年4月より京都大学複合原子力科学研究所に組織名称を変更       以上より、監視結果のまとめについてはご覧のとおりとさせていただいています。 大阪府の監視結果の説明は以上です。