水中農薬一斉分析における 固相前処理法の簡略化の検討

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水中農薬一斉分析における 固相前処理法の簡略化の検討  ○高玲華、小野壮登、赤谷健次、石井一行、井口えい子、今中努志、    高柳学、西村泰樹、小野末広、小川茂、根生辰男                       (ジーエルサイエンス株式会社)

水中農薬一斉分析のコンディショニング工程 はじめに  水中農薬一斉分析の前処理方法では、PRTR制度対象物質のジクロロメタンやその他の有機溶媒を用いている。  固相抽出法は以前より行われている液-液抽出法に比べ、溶媒使用量の削減が可能となる。しかしながら、さらなる溶媒使用量の削減や検出器の高感度化に伴うバックグラウンド影響を低減化したいといった要望がある。 ジクロロメタン 5mL  メタノール 5mL   精製水5mL サンプル 通水 (文章をよむ) 水中農薬一斉分析のコンディショニング工程

水中農薬一斉分析のコンディショニング工程 目的  このような背景から、コンディショニング工程を簡略化し、クロロ系の溶媒使用量を削減可能とした、事前に高度洗浄処理を行った固相カートリッジを作製した。  本検討では、高度洗浄処理を行った固相カートリッジが市販品と同等の性能を得ることができるかをブランク試験、ゲル膨潤試験、水中農薬一斉分析の添加回収試験の3つの検討を行い評価することとした。 ジクロロメタン 5mL   メタノール 5mL   精製水5mL サンプル 通水 高度洗浄固相 (文章をよむ) 水中農薬一斉分析のコンディショニング工程

3.水質GC/MS測定対象農薬類 の添加回収試験 検討項目 以下の3項目について検討を行った。 1.ブランク試験 2.ゲル膨潤試験 3.水質GC/MS測定対象農薬類   の添加回収試験 今回は、ゲルの棒順試験、ブランク試験、水質GC/MS測定対象農薬類の添加回収試験の3つの項目について検討いたしました。

まとめ (1)高度に洗浄した固相カートリッジは、他社固相と比べても製 品由来のブランクが十分に低いことが分かった。 まとめ  (1)高度に洗浄した固相カートリッジは、他社固相と比べても製   品由来のブランクが十分に低いことが分かった。 (2)固相充填剤の膨潤について、メタノールとジクロロメタンに違   いはほとんど見られなかった。 (3)農薬添加回収試験において、高度洗浄固相InertSep PLS-3   for AQUAと従来品のAqusis PLS-3はほぼ同等の結果を示   した。 ●高度洗浄固相InertSep PLS-3 for AQUAを使用することにより、 コンディショニング工程において環境負荷の高いジクロロメタンを 省略することが可能であると考えられる。 ●高度洗浄固相InertSep PLS-3 for AQUAを使用して水中農薬 一斉分析を行うと、有機溶媒量が従来の31%削減することができた。