第5回 確率変数の共分散 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散

Slides:



Advertisements
Similar presentations
母平均の区間推定 ケース2 ・・・ 母分散 σ 2 が未知 の場合 母集団(平均 μ 、分散 σ 2) からの N 個の無作為標本から平均値 が得られてい る 標本平均は平均 μ 、分散 σ 2 /Nの正規分布に近似的に従 う 信頼水準1- α で区間推定 95 %信頼水準 α= % 信頼水準.
Advertisements

Lesson 9. 頻度と分布 §D. 正規分布. 正規分布 Normal Distribution 最もよく使われる連続確率分布 釣り鐘形の曲線 -∽から+ ∽までの値を取る 平均 mean =中央値 median =最頻値 mode 曲線より下の面積は1に等しい.
土木計画学 第3回:10月19日 調査データの統計処理と分析2 担当:榊原 弘之. 標本調査において,母集団の平均や分散などを直接知ることは できない. 母集団の平均値(母平均) 母集団の分散(母分散) 母集団中のある値の比率(母比率) p Sample 標本平均 標本分散(不偏分散) 標本中の比率.
統計学 第3回 西山. 第2回のまとめ 確率分布=決まっている分布の 形 期待値とは平均計算 平均=合計 ÷ 個数から卒業! 平均=割合 × 値の合計 同じ平均値でも 同じ分散や標準偏差でも.
放射線の計算や測定における統計誤 差 「平均の誤差」とその応用( 1H) 2 項分布、ポアソン分布、ガウス分布 ( 1H ) 最小二乗法( 1H )
●母集団と標本 母集団 標本 母数 母平均、母分散 無作為抽出 標本データの分析(記述統計学) 母集団における状態の推測(推測統計学)
数理統計学(第ニ回) 期待値と分散 浜田知久馬 数理統計学第2回.
第1回 確率変数、確率分布 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
看護学部 中澤 港 統計学第5回 看護学部 中澤 港
数理統計学(第四回) 分散の性質と重要な法則
確率と統計 平成23年12月8日 (徐々に統計へ戻ります).
確率・統計Ⅰ 第12回 統計学の基礎1 ここです! 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均
多変量解析 -重回帰分析- 発表者:時田 陽一 発表日:11月20日.
確率・統計Ⅰ 第11回 i.i.d.の和と大数の法則 ここです! 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均
統計的仮説検定 基本的な考え方 母集団における母数(母平均、母比率)に関する仮説の真偽を、得られた標本統計量を用いて判定すること。
統計学 11/13(月) 担当:鈴木智也.
第2章 単純回帰分析 ー 計量経済学 ー.
第4回 (10/16) 授業の学習目標 先輩の卒論の調査に協力する。 2つの定量的変数間の関係を調べる最も簡単な方法は?
土木計画学 第5回(11月2日) 調査データの統計処理と分析3 担当:榊原 弘之.
統計解析 第9回 第9章 正規分布、第11章 理論分布.
Bassモデルにおける 最尤法を用いたパラメータ推定
統計的仮説検定の考え方 (1)母集団におけるパラメータに仮説を設定する → 帰無仮説 (2)仮説を前提とした時の、標本統計量の分布を考える
寺尾 敦 青山学院大学社会情報学部 atsushi [at] si.aoyama.ac.jp
疫学概論 母集団と標本集団 Lesson 10. 標本抽出 §A. 母集団と標本集団 S.Harano,MD,PhD,MPH.
心理統計学 II 第7回 (11/13) 授業の学習目標 相関係数のまとめと具体的な計算例の復習 相関係数の実習.
大数の法則 平均 m の母集団から n 個のデータ xi をサンプリングする n 個のデータの平均 <x>
11.確率モデル 確率・・・不確実性の経済学や金融やファイナンス で重要 密度関数がある場合に期待値を取る計算を中心に、紹介.
放射線の計算や測定における統計誤差 「平均の誤差」とその応用(1H) 2項分布、ポアソン分布、ガウス分布(1H) 最小二乗法(1H)
確率・統計Ⅱ 第7回.
第2章補足Ⅱ 2項分布と正規分布についての補足
統計学 11/19(月) 担当:鈴木智也.
数理統計学  第8回 第2章のエクササイズ 西山.
数理統計学  第8回 西山.
第7回 二項分布(続き)、幾何分布 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
統計学 12/13(木).
「データ学習アルゴリズム」 第2章 学習と統計的推測 報告者 佐々木 稔 2003年5月21日 2.1 データと学習
確率・統計輪講資料 6-5 適合度と独立性の検定 6-6 最小2乗法と相関係数の推定・検定 M1 西澤.
応用統計学の内容 推測統計学(inferential statistics)   連続型の確率分布   標本分布   統計推定   統計的検定.
統計解析 第10回 12章 標本抽出、13章 標本分布.
統計数理 石川顕一 10/17 組み合わせと確率 10/24 確率変数と確率分布 10/31 代表的な確率分布
計測工学 -測定の誤差と精度2- 計測工学 2009年5月17日 Ⅰ限目.
土木計画学 第6回(11月9日) 調査データの統計処理と分析4 担当:榊原 弘之.
早稲田大学大学院商学研究科 2016年1月13日 大塚忠義
第11回 中心極限定理 と 大数の法則 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均
母集団と標本:基本概念 母集団パラメーターと標本統計量 標本比率の標本分布
相関分析.
第3回 確率変数の平均 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
 統計学講義 第11回     相関係数、回帰直線    決定係数.
1.標本平均の特性値 2.母分散既知の標本平均の分布 3.大数法則と中心極限定理
確率・統計Ⅰ 第3回 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 ここです! 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均
混合ガウスモデルによる回帰分析および 逆解析 Gaussian Mixture Regression GMR
確率論の基礎 「ロジスティクス工学」 第3章 鞭効果 第4章 確率的在庫モデル 補助資料
7.4 Two General Settings D3 杉原堅也.
第3章 統計的推定 (その1) 統計学 2006年度.
1.標本平均の特性値 2.母分散既知の標本平均の分布 3.大数法則と中心極限定理
標本分散の標本分布 標本分散の統計量   の定義    の性質 分布表の使い方    分布の信頼区間 
超幾何分布とポアソン分布 超幾何分布 ポアソン分布.
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
計測工学 -誤差、演習問題 計測工学(第6回) 2009年5月26日 Ⅱ限目.
市場調査の手順 問題の設定 調査方法の決定 データ収集方法の決定 データ収集の実行 データ分析と解釈 報告書の作成 標本デザイン、データ収集
母分散の信頼区間 F分布 母分散の比の信頼区間
早稲田大学大学院商学研究科 2014年12月10日 大塚忠義
第8回 二項分布の近似、ポアソン分布、正規分布
統計学  第9回 西 山.
確率と統計2007(最終回) 平成20年1月17日(木) 東京工科大学 亀田弘之.
1.基本概念 2.母集団比率の区間推定 3.小標本の区間推定 4.標本の大きさの決定
第8回 ポアソン分布 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
第3章 統計的推定 (その2) 統計学 2006年度 <修正・補足版>.
統計現象 高嶋 隆一 6/26/2019.
第6回 ベルヌイ試行、二項分布 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
Presentation transcript:

第5回 確率変数の共分散 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散 ベルヌイ試行、二項分布 二項分布(続き)、幾何分布 ポアソン分布 正規分布 正規分布(続き) 大数の法則、中心極限定理 統計学の基礎1(母集団と標本、確率論との関係) 統計学の基礎2(正規分布を用いた推定・検定) ここです!

確率変数の共分散 確率変数の共分散 (定義) 共分散の公式 相関係数 チェビシェフの不等式

Cov(X, Y) = E[(X-μ) (Y-ν)] 確率変数の共分散 E(X)=μ, E(Y)=νとする。 Cov(X, Y) = E[(X-μ) (Y-ν)] を X と Y の共分散という。

確率変数の共分散 Cov(X, X) = V(X) 分散 自分自身との共分散が「分散」にほかならない。

確率変数の共分散 確率変数の共分散 (定義) 共分散の公式 相関係数 チェビシェフの不等式

共分散の公式(a) V(X+Y) = V(X) + 2Cov(X,Y) + V(Y) V(X+Y) = E[(X+Y -μ-ν)2] 証明 V(X+Y) = E[(X+Y -μ-ν)2] V(X+Y) = Cov(X-Y,X-Y) ←→ (X+Y)2 と思えば、平方展開とまったく同じである。 = E[( X -μ)2 + 2 ( X -μ) (Y -ν) + (Y -ν) 2] = E[( X -μ)2]+ 2E [( X -μ) (Y -ν) ]+ E[(Y -ν) 2] = V(X) + 2Cov(X,Y) + V(Y)

共分散の公式(b) Cov(X,Y) = E(XY) - E(X) E(Y) Cov(X,Y) = E[(X-μ)(Y-ν)] 証明 Cov(X,Y) = E[(X-μ)(Y-ν)] これは 公式 V(X) = E(X2) – E(X)2 の一般化になっている。 = E( XY -νX -μY + μν ) = E(XY) -νE(X) -μE(Y) +μν = E(XY) - μν

共分散の意味? Cov(X,Y) = 0 X, Y が独立ならば X, Y が独立 ⇒ E(XY) = E(X)E(Y) だったから、これと 証明 X, Y が独立 ⇒ E(XY) = E(X)E(Y) 逆は成り立たないことに注意。 だったから、これと Cov(X,Y) = E(XY) - E(X) E(Y) より明らか。

確率変数の共分散 確率変数の共分散 (定義) 共分散の公式 相関係数 チェビシェフの不等式

2つの確率変数の相関係数 を X と Y の相関係数という。 ※ 内積との類似性に注目せよ! ρ≦1 独立⇒ρ=0 Y=aX+b ⇒ |ρ|=1 そして、|ρ|が1に近いほどYとXは1次関係に近づく(最小二乗法の意味で)。 その1次関係は、Y-ν =Cov(X,Y)/(√V(X))・( X -μ ) となる。 を X と Y の相関係数という。 ※ 内積との類似性に注目せよ!

確率変数の共分散 確率変数の共分散 (定義) 共分散の公式 相関係数 チェビシェフの不等式

チェビシェフの不等式 μ=E(X)

チェビシェフの不等式 V(X) = Σ(xi-μ)2 pi ≧(|xi-μ|≧εだけの和で)Σ(xi-μ)2 pi 証明 (離散型の場合) V(X) = Σ(xi-μ)2 pi ≧(|xi-μ|≧εだけの和で)Σ(xi-μ)2 pi ≧ (|xi-μ|≧εだけの和で) Σε2 pi 連続型の場合もやってみよ。(同じことだが、むしろ連続型のほうが見やすいかもしれない) = ε2 (|xi-μ|≧εだけの和で) Σpi = ε2 P( |xi-μ|≧ε)

チェビシェフの不等式 チェビシェフの不等式から、X がどんな分布に従う場合でも、平均μ, 分散σ2 とすれば チェビシェフの不等式で、ε=nσとおけばよい。 ※ Xの分布がわかっている場合は、もちろんもっと詳しいことがいえる。 たとえば、Xが正規分布に従うならば、平均から±3σ以上になる確率は(チェビシェフからわかる確率よりはるかに少なく)0.004以下である。 たとえば 平均から±3σ 以上離れた値になる確率は 1/9 = 0.111… 以下であることがわかる。

チェビシェフの不等式 (「分散の意味」の証明!) チェビシェフの不等式から、X の分散σ2 が小さいほど、平均μの近くの確率が大きいことがわかる。 ( |X-μ|≧ε) の余事象のほうで見ただけ。 (「分散の意味」の証明!)

メニューに戻る メニューへ