The Effects of Culture in Anonymous Negotiations: Experiment in Four Countries Gergory E. Kersten J. Molson School of Business Concordia University, Canada Sabine T. Koszegi, Rudolf Vetschera Department of Business Studise University of Viennna, Austria 深澤研 エージェント班 M0 高橋竜一
目次 導入 文化と交渉の影響構造 仮説 実験の詳細 結果と検証 まとめ
導入
導入 (1/2) インターネット技術 個人が特定されないネットワークによる交渉にて、文化の違いは重要なのだろうか? 導入 (1/2) インターネット技術 遠隔地の人間との直接交渉が可能 能動的・広範なサポートツールを利用できる 異なる文化の人間と交渉が可能 相手の文化・国籍等を知ることなく 個人が特定されないネットワークによる交渉にて、文化の違いは重要なのだろうか?
導入 (2/2) 文化の影響を仮説を立て、実験にて検証 4ヶ国の文化を考慮 Inspireシステムを利用 匿名性
文化と交渉の影響構造
文化の要素 5つの要素 individualism/collectivism power distance masculinity/femininity context orientation time orientation polychronic = 一度の多くのこと、 結果優先 monochronic = 一度にひとつのこと、 優先度順
交渉構造の影響関係 自己の文化と 相手の特性 雰囲気 見込み・予想 結果 評価 プロセス シチュエーションによる制限
シチュエーションによる制限 交渉の状況 プロセスの制限 コミュニケーション手段 交渉項目の詳細 両者がInspireシステムを使用するため一定になる
雰囲気 2つの要素が雰囲気を作り出す 方針 契約に対する方針 attractiveness 交渉者同士の相性
problem solving strategy 方針 自己と相手の結果に対する関心が方針へ影響 自己の結果への関心 大 小 相手の結果への関心 problem solving strategy 両者が協力 “win – win”な契約 Yielding strategy 契約自体に興味がわかない Contendeing strategy 自己の利益を優先 譲歩が小さい “win – lose”な契約 inactive strategy
仮説
仮説 文化の違いが交渉に与える影響 ありそうな10個の仮説 実験にて検証
見込みに関する仮説 H1 Masculinityが高い → 高い見込み 厳しい条件設定 Individualismが高い → 高い見込み Power distanceが高い売り手 → 高い見込み 厳しい条件設定
雰囲気に関する仮説 (1/2) H3 Individualismが高い → 自己の利益を優先 相手の結果を考えない H4 雰囲気に関する仮説 (1/2) H3 Individualismが高い → 自己の利益を優先 相手の結果を考えない H4 異文化間の交渉 → 自己の利益の追求 同文化同士の交渉 → 相手の利益も追求
雰囲気に関する仮説 (2/2) H5 同文化同士の交渉 → フレンドリーな交渉 高い頻度で正体を明かす
プロセスに関する仮説 (1/3) H6 両者がMonochronic → 交渉が速い どちらかがPolychronic → 交渉が遅い H7 プロセスに関する仮説 (1/3) H6 両者がMonochronic → 交渉が速い どちらかがPolychronic → 交渉が遅い H7 交渉者個別で見ると Monochronic → デッドラインぎりぎりまで交渉
プロセスに関する仮説 (2/3) H8 Polychronic → 行動の間隔が大きい H9 Contextが高い → メッセージ量が多い プロセスに関する仮説 (2/3) H8 Polychronic → 行動の間隔が大きい H9 Contextが高い → メッセージ量が多い 提案に添付するメッセージが多い
プロセスに関する仮説 (3/3) H10 Contextが高い → 一度に送る提案の量が多い
実験
実験の概要 Inspireシステムを利用した電子取引 4ヶ国7大学から学生が参加 交渉は3週間以上行う 最初は匿名で取引を行う オーストリア スイス エクアドル フィンランド 交渉は3週間以上行う 最初は匿名で取引を行う しかし、自分の意思で正体を明かしてもよい システム以外の方法でのコミュニケーション×
データ収集の方法 3種類 交渉の写し(システムが自動生成) 交渉前アンケート 交渉後アンケート
参加国の文化 参加4国のスコア (Hofstede 1980) オーストリア スイス フィンランド エクアドル Individualism High (55) High (68) High (63) Very low (8) Power distance Very low (11) Moderate (34) Moderate (33) High (78) Masculinity High (79) High (70) Low (26) Context Low Hith Time monochronic Monochronic polychronic
参加者の詳細 (1/2) 交渉ペアの内訳(166人 83ペア) 9 -- 14 13 4 16 オーストリア スイス フィンランド 参加者の詳細 (1/2) 交渉ペアの内訳(166人 83ペア) オーストリア スイス フィンランド エクアドル 9 -- 14 13 4 16
参加者の詳細 (2/2) がその国出身 それ以外は現在在住 母国語を使用 エクアドル フィンランド オーストリアの95% スイスの60% 参加者の詳細 (2/2) エクアドル フィンランド オーストリアの95% スイスの60% オーストリアの90% フィンランドの80%以上 スイス ―― ドイツ語とフランス語半々 がその国出身 それ以外は現在在住 母国語を使用
結果と検証
見込みに関する仮説の検証 (1/1) 見込みに関する評価 分散分析によって全体平均と比較 →仮説を検証 見込みに関する仮説の検証 (1/1) 見込みに関する評価 utility of the expected compromise utility of the worst acceptable compromise expected friendliness of the negotiation 分散分析によって全体平均と比較 →仮説を検証
見込みに関する仮説の検証 (2/2) H1 Masculinityが高い → 高い見込み 厳しい条件設定 見込みに関する仮説の検証 (2/2) H1 Masculinityが高い → 高い見込み 厳しい条件設定 Individualismが高い → 高い見込み H2 Power distanceが高い売り手 → 高い見込み 厳しい条件設定
雰囲気に関する仮説の検証 (1/3) 5つの項目を交渉後アンケートへ入力 雰囲気に関する仮説の検証 (1/3) 5つの項目を交渉後アンケートへ入力 cooperation (協調性) exploitation (私的利用性) honesty (誠実さ) informativeness (情報提供) persuasive (説得力) 重みをつけ合計してproblem solving strategyとcontending strategyの異なる評価値を算出
雰囲気に関する仮説の検証 (2/3) H3 Individualismが高い → 自己の利益を優先 相手の結果を考えない H4 雰囲気に関する仮説の検証 (2/3) H3 Individualismが高い → 自己の利益を優先 相手の結果を考えない H4 異文化間の交渉 → 自己の利益の追求 同文化同士の交渉 → 相手の利益も追求
雰囲気に関する仮説の検証 (3/3) H5 同文化同士の交渉 → フレンドリーな交渉 高い頻度で正体を明かす
プロセスに関する仮説の検証 (1/3) H6 両者がMonochronic → 交渉が速い どちらかがPolychronic → 交渉が遅い プロセスに関する仮説の検証 (1/3) H6 両者がMonochronic → 交渉が速い どちらかがPolychronic → 交渉が遅い H7 交渉者個別で見ると Monochronic → デッドラインぎりぎりまで交渉
プロセスに関する仮説の検証 (2/3) H8 Polychronic → 行動の間隔が大きい H9 Contextが高い プロセスに関する仮説の検証 (2/3) H8 Polychronic → 行動の間隔が大きい H9 Contextが高い → メッセージ量が多い 提案に添付するメッセージが多い
プロセスに関する仮説の検証 (3/3) H10 Contextが高い → 一度に送る提案の量が多い
まとめ
まとめ 文化の違いは交渉者の行動に影響を及ぼしている ユビキタス社会において文化が及ぼす影響はより重要になる 特にプロセスに多く見られた 逆に雰囲気の面ではあまり見られなかった ユビキタス社会において文化が及ぼす影響はより重要になる