微小変化型ネフローゼ症候群と正常腎 ② ① ①係蹄壁 ②メサンギウム ④ ③近位尿細管 ④遠位尿細管 ③ 微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)のPAS像。 微小変化型の糸球体は光顕的には正常糸球体とほぼ同じと考えて良い。 正常あるいはMCNSとしての条件は①係蹄壁が厚くないこと ②メサンギウム領域の細胞が3個までであること(通常は1-2個でメサンギウム細胞の核は少しくびれを認める)やメサンギウム領域が正常の2倍まで(これの判定はかなり主観的)。①②で重要なことは標本が十分に薄いことの確認である(WHOでは3μ以下とされている)。具体的にはx400でピントを上下させても核が1か所でしかピントが合わなければOKである。 尿細管の変化も重要である。③は近位尿細管で特徴は内腔にPAS陽性(紫色)の刷子縁があること、核が外側に位置していること、細胞のくぎりがはっきりしていないことなどである。④は遠位尿細管で特徴は刷子縁がないこと、核が尿細管内腔寄りにあること、細胞のくぎりがはっきりしていることである。 MCNSでは特に近位尿細管に蛋白・脂肪を再吸収したHyaline droplet(上記のスライドではない)を認めかどうかは注意して観察すべきである。 ③
解説 微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)のPAS像(x400)。 微小変化型の糸球体は光顕的には正常糸球体とほぼ同じと考えて良い。 正常あるいはMCNSとしての条件は①係蹄壁が厚くないこと ②メサンギウム領域の細胞が3個までであること(通常は1-2個でメサンギウム細胞の核は少しくびれを認める)やメサンギウム領域が正常の2倍まで(これの判定はかなり主観的)。①②で重要なことは標本が十分に薄いことの確認である(WHOでは3μ以下とされている)。具体的にはx400でピントを上下させても核が1か所でしかピントが合わなければOKである。 尿細管の変化も重要である。③は近位尿細管で特徴は内腔にPAS陽性(紫色)の刷子縁があること、核が外側に位置していること、細胞のくぎりがはっきりしていないことなどである。④は遠位尿細管で特徴は刷子縁がないこと、核が尿細管内腔寄りにあること、細胞のくぎりがはっきりしていることである。