~昆布のダシについて~ 山口 梨紗子 横田 真紀 研究結果 ~昆布のダシについて~ 山口 梨紗子 横田 真紀
研究の目的 水の中に入れるとダシが出る昆布は、 海の中ではダシが出ていないのか、 その秘密に化学的に迫る。
実験(1-1) 光の透過率でダシの濃さを測定する。 方法 写真のように光センサーと機械を準備しました。OHPの機械の上にダシ水を淹れた100mlメスシリンダーを置きました。OHPから出されてダシ水を通過した光の量をセンサーで測定し、透過率を計算しました。 透過率=(ダシ水を通過した光の量)÷(水を通過した光の量)×100%。なお、光の量は測定数値の最大値と最小値を調べ、平均をとりました。
実験(1-2) 生昆布からダシが出にくくなる海水の濃度を調べる。 方法 3%・3.5%・4%・4.5%・5%・5.5%・6%の食塩水500ccにそれぞれ生昆布を25g入れ、60分後のダシの量を測定しました。
実験(1-3) 水の温度を低くしたときのダシの量を測定する。 方法 ビーカーに500ccの氷水(5℃)と24℃の水を用意し、それぞれに25gの生昆布を入れ、60分後の透過率を調べました。 同じ実験を乾燥昆布でも行いました。
実験(1-4) 生の昆布と水戻し昆布の細胞を顕微鏡で観察し、細胞の様子を確認する。 方法 生昆布・乾燥昆布・水戻し乾燥昆布の表面を剃刀の刃ではがし、細胞の様子を顕微鏡で観察しました。 考察 乾燥している昆布でも細胞は意外に壊れていないことが分かりました。しかし、細胞と細胞の間は、水で戻してもかなりの隙間があることが分かりました。一度乾燥させることで、細胞ではなく、細胞を包む膜が壊れるのではないかと考えられました。
結論 海の中ではダシ成分は出ていないことが分かりました。さらに、昆布は北海道のような冷たい海で育つという環境も、海の中でダシ成分を出にくくしている原因のひとつであるようだということも分かりました。 また、ダシ昆布は、一度乾燥させることで細胞の膜を壊し、水からでもダシ成分が出やすくなっていると考えられます。