アセスメント力向上 <児童生徒理解> 【60分研修】

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Presentation transcript:

アセスメント力向上 <児童生徒理解> 【60分研修】 研修のねらい 『適切な生徒指導を行うために、アセスメント力の向上を図る。』          岡山県総合教育センター                 生徒指導部          監修 関西外国語大学               教授  新井 肇 《スライド1で1分》  それでは、校内研修を始めます。  今日は、適切な生徒指導を行うために児童生徒理解を深めるアセスメント力の向上を図ることをねらいとして研修していきます。★ 【事前にすること】 1.資料①のA男の情報が、何年生の何月のものか設定    しておいてください。 2.資料①、資料⑤を全員に配付してください。 3. 資料④を各グループに1枚配付してください。 【研修中に配付するもの】 1.資料②をスライド12で全員に配付してください。 2. 資料③をスライド25で各グループに1枚配付してく   ださい。

1 研修の進め方 アセスメントとは ≪スライド2~3で7分≫ こちらが今日の研修内容です。  アセスメントとは ≪スライド2~3で7分≫  こちらが今日の研修内容です。  講義や事例を扱った協議、また、現在先生方自身が関わっている子供のことを考えながら、アセスメント力を高めていきます。  それでは、まず、★「アセスメント」とはどういうことなのか・・・というところから始めます。★

暴力行為を何度も繰り返す子供に対して、同じことを繰り返さないように、あなたはどう指導・支援をしますか? ≪スライド2~3で7分≫  「アセスメント」について考えていく例として、問題行動の中でも「暴力行為」を挙げて考えていきたいと思います。  スライドを見てください。「暴力行為を何度も繰り返す子供に対して、同じことを繰り返さないように、あなたは、どう指導・支援しますか?」簡単でよいので書き込んでください。  例えば★「友達との関わり方のコツを教える」など、落ち着いているときに行う指導・支援を考えてください。時間は2分です。始めてください。 【個人思考】(2分経過)  ありがとうございました。時間が来ました。次に、今、書いた内容について、グループ内で共有してください。時間は3分です。司会の先生、進行をお願いします。では、始めてください。 【グループ協議】(3分経過)   ありがとうございました。共有する中で、いろいろな指導・支援が出たと思います。★ 例:友達との関わ   り方のコツを     教える 個人で考えて、グループで共有しましょう。

アセスメント 問題行動 氷山に例える 背景や要因 仮説を立て、 検証すること 目に見え、 聞こえる言動 ≪スライド4~6で2分≫      検証すること アセスメント 背景や要因  ≪スライド4~6で2分≫  氷山に例えて考えてみます。  暴力行為などの問題行動を考える際、教職員が子供たちの問題行動として見ているのは★氷山の上の部分だけと考えられます。  指導をしたのに、問題行動が再発するのは、見えている問題行動だけに対応しているからかもしれません。  つまり、この図で言うと、問題行動という、見えている部分だけに対応して、問題行動をなくそうとしているだけなので、★背景や要因の浮力により、また問題行動が浮かび上がってくるということです。  ということは、問題行動を浮かび上がってこないようにするためには、見えている「問題行動」の下に隠れている背景や要因までしっかり分析し、★なぜこのような問題行動を起こすことになったのか、問題行動に至るまでの仮説を立て、仮説を検証した上で、指導・支援を考えることが大切です。  この、仮説を立て、検証することを「アセスメント」と言います。★

生徒指導において教職員に求められる力 【生徒指導におけるアセスメント】 「見立て」とも言われ、解決すべき問題や課題のある事例(事象)の家族や地域、関係者などの情報から、なぜそのような状態に至ったのか、児童生徒の示す行動の背景や要因を、情報を収集して系統的に分析し、明らかにしようとするものである。 (「生徒指導提要」より) ≪スライド4~6で2分≫  私たち教職員が問題行動等に対する適切な指導・支援を行うためには、「なぜそのような状態(問題行動)に至ったのか、背景や要因を情報を収集して、系統的に分析し、明らかにする力」が必要です。★その力のことを「アセスメント力」と呼びます。★

2 研修の進め方 アセスメント力を高める三つのポイント ≪スライド7~9で9分≫  アセスメント力を高める三つのポイント 2 ≪スライド7~9で9分≫  では、アセスメント力を高めるために大切な三つのポイントについて考えていきましょう。★

A男 B男 背景や要因について考えてみましょう。  A男は暴力行為を繰り返しています。指導しても収まりません。暴力行為を繰り返すA男を、どう理解したらよいのでしょう。 A男 ≪スライド7~9で9分≫  例えば、こんな出来事があったとします。  「A男は暴力行為を繰り返しています。今までも何度も指導していますが、収まりません。暴力行為を繰り返すA男を、どう理解したらよいのでしょう。」★ B男 背景や要因について考えてみましょう。

アセスメントのために 客観的理解 共感的理解 問題行動 背景や要因 子供の気持ちに そうせざるを得ない 関心をもつ 気持ちを理解する 学習面 生活・行動面 背景や要因 進路面 心理・社会面 家庭面 ≪スライド10~13で4分≫  それではスライドをご覧ください。  今、A男の問題点の背景や要因について話し合ってもらいました。話し合う中で、先生方は、A男を二つの側面から理解しようとしたのではないでしょうか。★  一つ目は、学習面、心理・社会面、進路面、生活・行動面、家庭面などの側面から客観的事実を捉え、背景や要因について理解を深めていく「客観的理解」です。★  二つ目は、子供の気持ちに関心をもち、その子供がそうせざるを得なかった気持ちを理解することで、より深く背景や要因を明らかにしようとする「共感的理解」です。  この「客観的理解」「共感的理解」のそれぞれが、アセスメント力を高めるポイントです。★ 子供の気持ちに 関心をもつ   そうせざるを得ない 気持ちを理解する 共感的理解

興味があることには取り組む。(特に理科・体育) アセスメント力を高めるために 日頃の児童生徒理解 当番活動などの役割はきちんと果たそうとする。 友達は、A男の持ち物を時々整頓してくれる。 客観的理解 共感的理解 学力が低く、授業についていけない。 勉強がよく分からなくて授業中つまらないんだね。 自己肯定感が低い。 周りのできる子がうらやましくてしょうがないんだよね。 B男のことが気になる。 ≪スライド10~13で4分≫  暴力行為のような問題行動が起きたときだけアセスメントをしようとするのではなく、★「A男は当番活動などの役割はきちんと果たそうとする。」など、日頃から「客観的理解」と「共感的理解」を含んだ児童生徒理解をしておきましょう。★ コミュニケーションスキルが低い。 本当はB男と仲良くなりたいのにうまく言えなくてイライラしていたんだよね。 母親が、宿題だけは毎日見てくれるので、宿題は必ず出すことができる。 A男 興味があることには取り組む。(特に理科・体育)

3 研修の進め方 的確なアセスメントのために ≪スライド14~16で6分≫   的確なアセスメントのために ≪スライド14~16で6分≫  それでは次に、的確なアセスメントを行うための留意点について考えていきましょう。★

的確なアセスメントのために 先生一人一人のアセスメントの違い 適切な指導・支援の妨げになる 可能性がある ○○先生 △△先生 □□先生 ≪スライド17~23で2分≫  この違いが、一人一人のアセスメントの違いです。違いが生じるのは当然で、個々の違いが悪いというわけではありません。しかし、一人の教師が、自分なりのアセスメントを行ったことにより、★子供にとっての指導・支援が偏ってしまったり、学校として指導の一貫性に欠けてしまったりしたのでは困ります。★ 適切な指導・支援の妨げになる 可能性がある

その場の感情で物事を判断してしまうところがある 的確なアセスメントのために 留意点① 教師自身の自己理解 思い込みやすいところがある 発達障害の視点で考えてしまう その場の感情で物事を判断してしまうところがある 子供の気持ちを置き去りにすることがある ≪スライド17~23で2分≫  では、的確なアセスメントを行うためには、どうしたらよいでしょうか。  留意点の一つ目は、★先生自身が、自分の考え方や感情、気持ちの傾向に気付いておく、つまり、自己理解をしておくということです。  例えば、「自分には、思い込みやすいところがある」など、自分自身の思考や気持ちの特徴を理解できていれば、アセスメントする際に、偏りが起きないように気を付けることができます。★ 家庭の責任にしがちである 子供の表面的な言動にとらわれがちである

的確なアセスメントのために チームでアセスメント A男は友達との関わり方 に失敗してトラブルを 起こすことが1年生の A男は実は 留意点② チームでアセスメント A男は友達との関わり方 に失敗してトラブルを 起こすことが1年生の 時もありましたよ。 A男は実は B男のことをとても大切に思ってい ますよ。 ≪スライド17~23で2分≫  それが、ひいては、適切な指導・支援につながります。また、学校として、一貫性のある指導・支援をするためにも、問題を一人で抱え込まず、チームでアセスメントを行うようにしましょう。★

②対象の子供の「問題点」「よい点」について担任 が発言し、欄をうめる。 ①検討したい子供を決める ②対象の子供の「問題点」「よい点」について担任  が発言し、欄をうめる。 ③考えられる背景や要因を相談し、記入する。 ≪スライド27~30で18分≫ ※A3のチーム支援シート(資料③)を配付してください。(グループに1枚)  では、ここで実際に資料③の「チーム支援シート」を使って、チームでのアセスメントをしてみましょう。これまでのA男の事例から離れて、本校の子供を例にチームで、子供の問題行動の背景や要因を考えていきます。  ①まず、グループ内で検討したい子供を一人決めてください。問題行動があるなど、先生方が日頃からちょっと気になっている子供です。  ②そして、対象の子供の問題点について、担任の先生から皆さんに伝えてください。全てのカテゴリーの問題点がうまらなくても構いません。  先ほどの、司会と記録の先生、進行と記入をお願いします。この①②の作業を3分でお願いします。では始めてください。 (3分経過)  時間がきました。続いて、★ ④まず、最初に取り組むことを相談し、記入する。

研修の進め方 4   まとめ ≪スライド29、30で1分≫  それでは、本日の研修のまとめに入ります。★

より適切な指導・支援をするために 客観的理解 共感的理解 問題行動 日頃の児童生徒理解 背景や要因 子供の気持ちに そうせざるを得ない 学習面 客観的理解 生活・行動面 背景や要因 進路面 心理・社会面 家庭面 ≪スライド28、29で1分≫  先ほどのA男のように「暴力行為を繰り返す」という問題行動があったとします。  表面に現れる問題行動だけ見て、★厳しく注意し、謝らせるという指導をするのではなく、まずは、★日頃の児童生徒理解に基づいた、「客観的理解」と「共感的理解」によるアセスメントを行うことが大切です。そうすることで、問題行動の下に隠れていた背景や要因がクリアになり、より適切な指導・支援を行うことができます。★ 子供の気持ちに 関心をもつ   そうせざるを得ない 気持ちを理解する 共感的理解

研修の進め方 ≪スライド33~35で4分≫  それでは、本日最後のメニューです。★  チャレンジ!  児童生徒理解を進める上で心がけること 5

※資料⑤をご覧ください。 ≪スライド33~35で4分≫  研修で学んだ内容や、気付きを通して、明日からどのようなことを心がけて、子供たちを指導・支援するか、その決意を簡潔にキーワードで記入してください。記入する時間は1分です。ではお願いします。 【個人作業】(1分経過)  ありがとうございます。時間になりました。  それではグループ内で順番に、記入した決意を「宣言!」してください。他の先生の話を聞く時には、「いいね」とか「なるほど」など、支持や勇気づけの一言をかけてください。時間は2分です。  それでは、始めてください。 【発表】(約2分)  ありがとうございました(印象に残った記述を取り上げ、肯定的にコメントを付ける)。★