テクニカル・ライティング 第4回 ~文章の設計法「KJ法」について~
今回のテーマ 自己分析と要求分析について KJ法について 今回は講義
レポートの準備 ①ミッションの確定 何を目的として書かないと成らないのか ②分析 ③作業課題の割り出し(分析の結果)
分析について 要求分析と自己分析に分類 ①要求分析 提出すべき文書に関する具体的な条件 読み手に関する条件 文書の種類(企画、報告、提案・・・) テーマの分類(どんなジャンル?) 分量に関する条件 期日 読み手に関する条件 想定される読み手の属性 読み手の専門性(読み手は対象分野において専門家なの?) 文化的な条件(趣味、嗜好、世代)
③ 要求の文脈 要求者と自分との関係(自分と要求者の間柄の性質) 要求の背後にある要求者の意図
自己分析 ①作業条件 ② 自己の欲求 テーマに関する自分の習熟度 調査の必要性(どこかに出かけなければならないか?それとも手元のもので事足りるか?) 資料へのアクセス(必要な資料が自分の手に入るかどうか?どうやって?) 生産手段が確保されているかどうか 時間 ② 自己の欲求 文書を提出することの動機 期待される成果 「成功」と呼べる条件(何をもってよしとするか)
作業課題は、以上のような項目に関して分析を行い、導出する。 自動的に作業課題は出ない あくまで材料 この材料をもとに、作業課題を構成していく 作業課題は、以上のような項目に関して分析を行い、導出する。 ここまでは準備の話です。
さて、ここから文書を書き出します。 文書を設計する(設計をすることによって文書の骨格が決まる) ↓ そして執筆する ↓ そして執筆する 提出する前に、自分の意図したものが書かれているかどうか評価
設計の段階で明らかにすべきこと 文章の構成と分量 どんな内容を どんな順序で どの程度
設計を行うにあたって ならば、順番をつけずに割り出してみよう 概念マップ(地図) ① 概念マップの作成 ② アウトラインの作成 ① 概念マップの作成 ② アウトラインの作成 アウトラインをいきなり作るのは難しい 2000字ならなんとかなるが、それ以上は無理 かえって時間がかかってしまう アウトラインは文章の骨格をシーケンシャルに規定していく 人間の頭はいきなり直線的に物事を説明できるようにはできていない 並び順が時間軸、思いついた順になってしまう傾向 アウトラインの上で試行錯誤しようとすると、混乱する ならば、順番をつけずに割り出してみよう 概念マップ(地図)
KJ法について 分析でもあり設計でもある。 位置づけは曖昧だが、非常に強力 3段階に分類できる。
第一段階の留意点 一枚のカードには必ず一つのことを書く。 思いついたことはどんどん別のカードに書いていく。 4000から8000字の文書を書く際、大体100枚のカードをつくる。 前出のタッチタイピングの文書は大体50枚くらいか。 思いつきで書く。 KJ法は直感を大事にする。 アウトラインを書くということは直感に反すること
第二段階の留意点 カード同士に関連がありそうだとわかったら近くに置く。 関係がなさそうなら遠くに置く 関係の強さを位置関係であらわす これらも直感で行う
第三段階の留意点 グループに見出しをつける 。 このグループのカードたちが言わんとしていることは一言で言うと・・であるという感じ グループ同士の関係を関係線によって表す 関係の深いグループが離れたところにあるとき、その間にある空間を考えることが重要
この段階が一番時間がかかる すわりの良い形になったときにやめる 人間の動物的な感覚 空間的な把握に優れている なんとなくこの形が良い、という人間の感覚は、信頼するに足るものである。 」頭で考えて作ってはいけない KJ法は集団でやることができる それによってお互いの盲点がつかめる
KJ法について HP上の「講義資料」→「資料」→「KJ法ビデオ」参照