ミクロ経済学I 11 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2018年7月4日 2018/7/4 ミクロ経済学I (11)課税による厚生の損失 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2018年7月4日
復習/1 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 均衡点では総余剰が最大化される 総余剰 価格 供給曲線 消費者余剰 P 生産者余剰 需要曲線 ミクロ経済学I 10 復習/1 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 均衡点では総余剰が最大化される 価格 供給曲線 消費者余剰 総余剰 P 生産者余剰 需要曲線 数量 Q 2018/7/4 ミクロ経済学I 11
復習/2 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間 生産者余剰は供給曲線と水平な価格線の間 価格の上昇によって生産者余剰は増える ミクロ経済学I 11 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間 生産者余剰は供給曲線と水平な価格線の間 価格の上昇によって生産者余剰は増える 元から売っている生産者は価格上昇分だけ利益を得る 新たな売り手は価格上昇分よりも小さい生産者余剰が発生する 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 均衡点では総余剰が最大化される 2018/7/4 ミクロ経済学I 11
政策の実行と課税 社会保障,警察,国防,司法制度という政府の活動のためにはお金が必要 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 政策の実行と課税 社会保障,警察,国防,司法制度という政府の活動のためにはお金が必要 政府が法に基づき国民から強制的に徴収する金銭を租税という.それを課すことが課税 課税には費用負担を国民に強いる 実質的に誰が税を負担しているのだろうか? 税の帰着とは実際に誰が税を支払っているか 課税により発生する非効率性はどのくらいか? 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
売り手への課税 企業はたばこ1箱当たり政府に10円を納税 1箱当たり10円分だけ余計に稼ぐことができないと以前と同じ供給を行わないだろう ミクロ経済学I 11 2018/7/4 売り手への課税 企業はたばこ1箱当たり政府に10円を納税 1箱当たり10円分だけ余計に稼ぐことができないと以前と同じ供給を行わないだろう よって供給曲線は上方へ10円分シフトする あるいはタバコ会社が課税による費用増加分を消費者に転嫁させた 課税後の均衡価格は10円ほどには上昇しない 課税の後の価格上昇を見極める方法は? 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
課税による供給曲線のシフト P1 P0 課税後の供給曲線 需要曲線 課税前の供給曲線 10円 課税前の価格 Q0 S1 価格 D0 S0 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 課税による供給曲線のシフト S1 価格 課税後の供給曲線 需要曲線 D0 課税前の供給曲線 S0 10円 P1 P0 課税前の価格 数量 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
P1 P0 課税後の供給曲線 需要曲線 課税前の供給曲線 10円 Q1 Q0 S1 D0 S0 買い手負担 売り手負担 価格 課税後の価格 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 課税後の供給曲線 価格 S1 D0 需要曲線 課税前の供給曲線 S0 P1 買い手負担 課税後の価格 10円 課税前の価格 P0 売り手負担 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
買い手への課税 課税により取引量は減り(Q1),均衡価格は上昇(P1) たばこ税は間接税という ミクロ経済学I 11 2018/7/4 買い手への課税 課税により取引量は減り(Q1),均衡価格は上昇(P1) たばこ税は間接税という 税金を納める人である納税者と税金を負担する人が別になっている 自動車税は直接税という 直接税は納税者と税負担者が同じ税金 消費税は間接税.税抜き価格2000円の商品を買った.価格は?消費税額はいくらか? 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
買い手への課税 自動車を購入すると様々な税金を支払う 自動車税は直接税である 政府は自動車に1万円の税金を課したとしよう ミクロ経済学I 8 2018/5/30 買い手への課税 自動車を購入すると様々な税金を支払う 自動車税は直接税である 政府は自動車に1万円の税金を課したとしよう 消費者は,一台の自動車当たり政府に1万円を持って行かれる 一台当たり1万円分だけ余計に価格が低くないと同じ需要量にはならない よって需要曲線は下方へ1万円分シフトする 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
課税による需要曲線のシフト P2-P0買い手負担 P2-P1税額 P0-P1売り手負担 課税前の需要曲線 供給曲線 課税後の需要曲線 P2 ミクロ経済学I 8 2018/5/30 買い手がすべての税の負担をする訳ではない 課税による需要曲線のシフト P2-P0買い手負担 課税前の需要曲線 価格 供給曲線 課税後の需要曲線 P2 買い手の支払 買い手負担 課税前の価格 E0 政府への支払1万円 P2-P1税額 P0 税額 売り手負担 買い手の受取 E1 P1 P0-P1売り手負担 1万円 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
課税方法と課負担 直接税と間接税のどちらが増税によって価格が上昇するのだろうか? ミクロ経済学I 11 2018/7/4 課税方法と課負担 直接税と間接税のどちらが増税によって価格が上昇するのだろうか? 税額が同じであれば消費者に課税するときと企業に課税をするときでは価格上昇は同じになる 需要曲線の下へのシフトと供給曲線の上へのシフトの幅が同じ 税という楔(くさび)を需要曲線と供給曲線の間に打ち込む結果になる 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
売り手と買い手への課税は同等 買い手負担+売り手負担 =P2-P0 +(P0-P1) =P2-P0 +(P0-(P2-t))=t 需要曲線 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 売り手と買い手への課税は同等 売り手に課税 価格 需要曲線 供給曲線 P2 税額がくさびのように両曲線の間に入る 買い手負担 買い手負担+売り手負担 =P2-P0 +(P0-P1) =P2-P0 +(P0-(P2-t))=t 税額t P0 売り手負担 P1 買い手に課税 数量 Q0 Q1 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
売り手への課税と買い手への課税は同等 買い手負担+売り手負担 =P2-P0 +(P0-P1) =P2-P0 +(P0-(P2-t))=t ミクロ経済学I 11 2018/7/4 売り手への課税と買い手への課税は同等 売り手に課税しても買い手に課税しても各々の税負担は同じ 供給曲線 需要曲線 価格 P2 買い手負担 税額t 買い手負担+売り手負担 =P2-P0 +(P0-P1) =P2-P0 +(P0-(P2-t))=t P0 売り手負担 P1 税額tの「くさび」を打ち込んだ図 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
課税方法と課負担 税額=買い手の支払価格ー売り手の受取価格 買い手の負担増=買い手の支払価格ー当初の均衡価格 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 課税方法と課負担 税額=買い手の支払価格ー売り手の受取価格 買い手の負担増=買い手の支払価格ー当初の均衡価格 売り手の負担増=当初の均衡価格ー売り手の受取価格 買い手の負担増+売り手の負担増 =(買い手の支払価格ー当初の均衡価格)+当初の均衡価格ー売り手の受取価格 =買い手の支払価格ー売り手の受取価格=税額 よって,負担額の和は税額に一致 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
買い手負担と売り手負担の大きさ 直接税と間接税のどちらが増税によって価格が上昇するのだろうか? それは需要と供給の価格弾力性に依存する ミクロ経済学I 11 2018/7/4 買い手負担と売り手負担の大きさ 直接税と間接税のどちらが増税によって価格が上昇するのだろうか? それは需要と供給の価格弾力性に依存する 需要の価格弾力性が小さいほど買い手の税負担が大きくなる つまり,米やパンなどの必需品ほど買い手の税負担が大きくなる 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
需要の弾力性が小さいほど買い手の負担大 弾力性の低い需要曲線 供給曲線 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 需要の弾力性が小さいほど買い手の負担大 弾力性の低い需要曲線 価格 供給曲線 P2 買い手負担 売り手負担に比べ買い手負担が大きくなる.必需品ほど消費者の負担が大きくなる 税額t P0 売り手負担 P1 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
需要の弾力性が大きいほど買い手の負担小 弾力性の高い需要曲線 供給曲線 P3 P0 税額t P4 Q2 Q0 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 需要の弾力性が大きいほど買い手の負担小 弾力性の高い需要曲線 価格 供給曲線 P3 売り手負担に比べ買い手負担が小さくなる 買い手負担 P0 税額t 売り手負担 P4 数量 Q2 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
経済厚生と課税 価格の上昇によって需要が小さくならないから 課税によって経済厚生はどのように変わるのだろうか? ミクロ経済学I 11 2018/7/4 経済厚生と課税 価格の上昇によって需要が小さくならないから 課税によって経済厚生はどのように変わるのだろうか? 国民から集められた税の収入である税収は国や地方公共自治体の運営に充てられる 税は英語で Tax なので税収はT で表わす 単位当たりの税金をtとする T=税収 =税額×取引量=t×Q 需要・供給曲線の図で描写してみる 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
税収T 税収の図 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 販売量 買い手の支払価格 課税前の価格 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 税収の図 価格 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 買い手の支払価格 P2 税収T 税額t P0 課税前の価格 P1 売り手の受取価格 販売量 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
徴税があるときの経済厚生 総余剰=消費者余剰+生産者余剰+税収 W=CS+PS+T ミクロ経済学I 11 2018/7/4 徴税があるときの経済厚生 税金は国防,警察,道路,社会福祉などのサービス供給の財源となる.公共サービスにより利益を得る人々 そのような利益を税収で測るとする 政府の利益でなく公共サービスによる受益者の利益 経済厚生は消費者余剰,生産者余剰に加えて税収を追加 総余剰=消費者余剰+生産者余剰+税収 W=CS+PS+T 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
税収T 課税前の総余剰 総余剰 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 販売量 買い手の支払価格 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 課税前の総余剰 価格 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 買い手の支払価格 P2 税収T 総余剰 税額t P0 課税前の価格 P1 売り手の支払価格 販売量 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
税収T 課税後の総余剰 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 消費者余剰CS 生産者余剰PS ミクロ経済学I 11 2018/7/4 課税後の総余剰 価格 需要曲線 供給曲線 消費者余剰CS 税収 T=t × Q1 買い手の支払価格 P2 税収T 税額t P0 課税前の価格 P1 売り手の受取価格 販売量 生産者余剰PS 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
税収T 消費者余剰の変化 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 課税後の消費者余剰CS ミクロ経済学I 11 2018/7/4 消費者余剰の変化 価格 需要曲線 供給曲線 課税後の消費者余剰CS 税収 T=t × Q1 買い手の支払価格 P2 税収T 課税前の消 費者余剰CS’ 税額t P0 課税前の価格 P1 売り手の支払価格 販売量 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
税収T 生産者余剰の変化 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 課税前の生産者余剰PS’ ミクロ経済学I 11 2018/7/4 生産者余剰の変化 価格 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 買い手の支払価格 P2 税収T 税額t 課税前の生産者余剰PS’ P0 課税前の価格 P1 売り手の支払価格 売り手の受取価格 販売量 課税後の生産者余剰PS 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
税収T 税収T 総余剰の減少=死荷重 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 総余剰の減少=死荷重 価格 需要曲線 供給曲線 課税後の消費者余剰CS 税収 T=t × Q1 買い手の支払価格 P2 税収T 税収T 税額t 課税後の総余剰の減少 P0 課税前の価格 P1 売り手の支払価格 売り手の受取価格 販売量 課税後の生産者余剰PS 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
課税により総余剰は減少 課税により消費者余剰と生産者余剰は減少する 課税により税収が増加する 課税により総余剰が減少する ミクロ経済学I 11 2018/7/4 課税により総余剰は減少 課税により消費者余剰と生産者余剰は減少する 課税により税収が増加する 課税により総余剰が減少する 競争的な総余剰よりも小さくなった総余剰の減少部分を死荷重という 競争市場は総余剰を最大にする.競争市場の死荷重は0 しかし,課税によって総余剰を低めてしまう 税によって資源配分を歪めてしまう 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
税収T 死荷重の図 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 P2 税額t P0 P1 Q1 Q0 死荷重 販売量 買い手の支払価格 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 死荷重の図 価格 需要曲線 供給曲線 税収 T=t × Q1 買い手の支払価格 死荷重 P2 税収T 税額t P0 課税前の価格 P1 売り手の受取価格 販売量 数量 Q1 Q0 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
死荷重の発生の説明 錦織は自分のテニスコートの清掃を毎週4000円の価値 真央は錦織のテニスコートを3000円賃金で毎週掃除する ミクロ経済学I 11 2018/7/4 死荷重の発生の説明 錦織は自分のテニスコートの清掃を毎週4000円の価値 真央は錦織のテニスコートを3000円賃金で毎週掃除する このときの真央の機会費用は2000円とする 両者は利益を得る.錦織は1000円,真央は1000円 政府はテニスコートの清掃に3000円の税金を課税した 税金を支払うと両者とも必ず損をする.両者の利益は消失 錦織の税負担後の価値は機会費用よりも低くなる 4000-3000=1000 <2000 売り手と買い手の取引による利益の実現が妨げられる 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
死荷重と経済厚生 価値が費用を上回るから生産を増やした方が良い 税額 価値 費用 消費者の利益の喪失 P Q1 Q P1 P0 Q0 価格 ミクロ経済学I 11 死荷重と経済厚生 価値が費用を上回るから生産を増やした方が良い 価格 需要曲線 税額 供給曲線 P1 P0 P 価値 費用 消費者の利益の喪失 数量 Q1 Q0 Q 2018/7/4 ミクロ経済学I 11
需要や供給が弾力的であればあるほど死荷重は大きい ミクロ経済学I 11 2018/7/4 価格弾力性と死荷重 課税による死荷重は需要や供給の価格弾力性に依存する 課税によって需要や供給が大きく動くと死荷重が大きい 需要や供給が弾力的であればあるほど死荷重は大きい 下の比較より弾力的な方が死荷重の領域が大きくなる 需要曲線一定で弾力的な供給と非弾力的な供給 供給曲線一定で弾力的な需要と非弾力的な需要 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
需要曲線一定で弾力性の違う供給 P P 税額 弾力的な供給の死荷重の方が大きい Q Q P2 P1 P0 Q2 Q0 Q1 Q0 死荷重 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 需要曲線一定で弾力性の違う供給 P P 需要曲線 需要曲線 弾力的な供給曲線 非弾力的な供給曲線 P2 P1 税額 弾力的な供給の死荷重の方が大きい P0 死荷重 この矢印の大きさの違い Q Q Q2 Q0 Q1 Q0 Q2の方が小さい 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 丹野忠晋
供給曲線一定で弾力性の違う需要 P P 弾力的な需要の死荷重の方が大きい 税額 Q Q P2 P1 P0 Q2 Q0 Q1 Q0 死荷重 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 供給曲線一定で弾力性の違う需要 P P 非弾力的な需要曲線 供給曲線 供給曲線 弾力的な需要曲線 P2 P1 弾力的な需要の死荷重の方が大きい 税額 P0 死荷重 この矢印の大きさの違い Q Q Q1 Q2 Q0 Q0 Q2の方が小さい 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 丹野忠晋
税制と死荷重 政府の政策の実施にはお金が必要 社会保障,国防,警察,司法制度 課税による国民のインセンティブを変え死荷重の発生 ミクロ経済学I 11 2018/7/4 税制と死荷重 政府の政策の実施にはお金が必要 社会保障,国防,警察,司法制度 課税による国民のインセンティブを変え死荷重の発生 死荷重が小さいと政策の費用が小さくなる 労働に関する税金,所得税(5%~45% H27年税制) 労働への課税は企業が払う賃金と労働者が受け取る賃金の差をもたらす 高い所得税率は勤労意欲を損なうので税率を低下 もし労働供給が非弾力的であれば死荷重は小さいと予想 2018/7/4 ミクロ経済学I 11 跡見学園女子大学マネジメント学部 丹野忠晋
復習 税は法令に基づいて政府が徴収する金銭 税の区別には間接税と直接税がある 増税による均衡価格の上昇は税の上昇よりも小さい ミクロ経済学I 11 税は法令に基づいて政府が徴収する金銭 税の区別には間接税と直接税がある 増税による均衡価格の上昇は税の上昇よりも小さい 課税は消費者余剰と生産者余剰を減少させる 課税により政府には税収が入る 課税により総余剰は減少する.それを死荷重と呼ぶ 需要と供給の価格弾力性が大きいほど死荷重は大 きくなる 2018/7/4 ミクロ経済学I 11