4/22 理科教育論 1( 第二回目 ) 担当 : 杉森・飯野・渡辺. 『科学』とは:女神 NATURE の顔を覆うベールを めくろうとする学問 ノーベル物理学賞のメダル 『哲学』の分科としての『科学』

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図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
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仮説演繹法 思考 経験 問題 : あるべき姿と現状のギャップ 課題 : 問題解決のために成すべきこと 問題 19世紀 あるべき姿(予想)
学びの出発 学びの再思考 学びの獲得と新たな学びの創出
Kinjo-Gakuin Univ. © 2007 Motohiro HASEGAWA
平成20・21年度 国立教育政策研究所・教育課程研究センター指定
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4/22 理科教育論 1( 第二回目 ) 担当 : 杉森・飯野・渡辺

『科学』とは:女神 NATURE の顔を覆うベールを めくろうとする学問 ノーベル物理学賞のメダル 『哲学』の分科としての『科学』

 ソクラテス : ・紀元前 350 年頃のギリシアの 哲学者 ・『無知の知』 ・『産婆法』 → 問いを立てそれに答えさ せることで相手の誤概念 の矛盾に気づかせる → 良い発問は良い授業を創る ソクラテス

コメニウス ・コメニウス ・ 1600 年代チェコで活躍した 教育学者 ・『大教授学』 ← 『物事を教えていくこと』 について真面目に書いた本 『同一年齢・同時入学・同一学年・ 同一内容・同時卒業』の仕組みなど ・『世界図絵」 ← 世界初の子供用絵本 ( 百科事典 )

 『人間はできるかぎり、書物からではなく、天 と地、樫の木やぶなの木から学ぶ態度を教わら なくてはなりません』 by コメニウス ← 最初から知識の伝達で 行う授業 ( 伝達主義 ) は × 。  分からないものを探求して いく姿勢を学ばせることが大事。 ← フランシス・ベーコンの帰納主義 に影響を受けている フランシス・ベーコン

・ 1700 年代フランスで活躍 したスイス人哲学者・作曲家。 ・『こどもの発見者』 ← 『小さな大人』ではなく 『こども』そのものに着目 ・『エミール』 ← 『自然の最初の衝動は常に正しい』 子の自発性を重視、消極的な教育論 を展開 → 『言葉ではなく、感覚器官に教えていく』 ことを目指すペスタロッチ教育 ( 開発 主義教育 ) などにも影響 ルソー これからシャワーします

シュタイナー

・ 1900 年代初期の化学者、 教育者。ナフタレン誘導 などの研究でも有名。 ・『仮説の設定と検証』を 基に学習を進めさせる 発見学習的教授法を提唱 。 ← アルキメデスの原理に関する 比較実験などを行ったりもした Henry_Edward_Armstrong

・ 1900 年代中期のアメリカの 哲学者、教育哲学者。 ・プラグマティズム ( 経験できない 事は教えることができない ) を代表 する思想家でもある。 ・今の教育は『不必要に長くて 形式的』とし、『子供達は実生活 の行動に関わることで学ぶ』 と説いた。 → 『学校は大きな社会生活の内にある』 ジョン・デューイ

・暗示 ( 困難の生起 ) → 解決すべき問題の整理 → 仮説の設定 → 仮説を練り上げて推論 → 検証 のプロセスを踏み、学習者が実体験を 以て学習することができるとする教授法。 ・チャールズ・パーシー・スノー卿 ( 物理学者であり、小説家でもある ) が言ったように、『文科的世界と 理科的世界の断絶』を嘆かれていた 当時の実情がある。 ・ 1900 年代中期のアメリカで流行、しかし 1957 年の スプートニク・ショックで世論は一気 にエリート教育・系統主義 ( 教師が準備し、 設計したステップを踏んで学んでいくスタイル ) へ傾いていった チャールズ・パーシー・スノー

 PISA: 《 Program for International Student Assessment 》 OECD 加盟国を中心に 3 年ごと実施される 15 歳児 の学習到達度調査。知識・技能を実生活の場面で どれだけ適用できるか』に主眼が置かれている。  TIMSS: 《 Trends in International Mathematics and Science Study 》 国際教育到達度評価学会( IEA )が行う小・中学 生を対象とした国際比較教育調査。『学校教育で 得た知識や技能がどの程度習得されているか』に 主眼が置かれている。

 「人はタブラ・ラサ ( 白紙 ) では なく、学習を始める前から既に それぞれ『生活知』として 科学的には誤った『素朴概念』 を持っている」 妥当な科学概念へと学習者 自身が新たな考えを構成 するようにさせる。  素朴概念の例「運動には力が内包されている」 (Motion Implies Forces:MIF) 放物運動する球にはたらい ている力は ……? O

・近年の環境破壊は、科学・技術の社会的 位置づけの失敗。 → 科学、技術、社会の相互関連性に ついて学び、社会における科学や 技術のあり方について自分なりの 意見を持てる人の育成が必要。 ・これまでの理科教育 : 客観的な科学的知識 を理解させることを目指す ・ STS 教育 : 社会的文脈の中で科学・技術を 批判的に吟味し、主体的に考え行動 する市民育成を目指す ・『常識のあるエリート作り』の一環として アメリカ、ハーバード大学などでは必修。 …… が、日本では不活発。 『科学と人間生活』が新設されたのはまさに STS 教育のためである。

講義は以上となります。 授業評価とノートプリントを 提出してください。