医薬品素材学 I 月日講義内容担当者 4/12 1 物質の状態 I 【総論、気体の性質】 安藝 4/19 2 物質の状態 I 【エネルギー、自発的な変 化】 安藝 4/26 3 物質の状態 II 【物理平衡】安藝 5/10 4 物質の状態 II 【溶液の化学】池田 5/17 5 物質の状態 II 【電気化学】池田.

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1 宇宙は何からできてくるか ? 理学部 物理 森川雅博 宇宙を満たす未知のエネルギー:暗黒エネル ギー 局在する見えない未知の物質:暗黒物質 銀河・星・ガス 何からできているか … 2006/7/25.
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物理科3回 尾尻礼菜 ブラウン運動 ブラウン運動のシミュレーション。黒色の媒質粒子の衝 突により、黄色の微粒子が不規則に運動している。
定量分析 分光光度計 その 1. 目的の溶液の吸光度を測ることでそ の濃度が分かる。 既知の濃度の溶液の吸光度を測定 することで、その濃度に対する吸 光度が分かる。 では、吸光と は?
1 運動方程式の例2:重力. 2 x 軸、 y 軸、 z 軸方向の単位ベクトル(長さ1)。 x y z O 基本ベクトルの復習 もし軸が動かない場合は、座標で書くと、 参考:動く電車の中で基本ベクトルを考える場合は、 基本ベクトルは時間の関数になるので、 時間で微分して0にならない場合がある。
1 重力 力に従って落下 → E P 減少 力に逆らって上昇 → E P 増加 落下・上昇にともなう重力ポテンシャルエネルギー 変化 P32 図2-5 力が大きいほど E P の 増減は大きくなる. ポテンシャルエネルギーと力の関係.
1 今後の予定 8 日目 11 月 17 日(金) 1 回目口頭報告課題答あわせ, 第 5 章 9 日目 12 月 1 日(金) 第 5 章の続き,第 6 章 10 日目 12 月 8 日(金) 第 6 章の続き 11 日目 12 月 15 日(金), 16 日(土) 2 回目口頭報告 12 日目 12.
今後の予定 7日目 11月 4日 口頭報告レポート押印 前回押印したレポートの回収 口頭報告の進め方についての説明 講義(4章),班で討論
FUT 原 道寛 名列___ 氏名_______
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
1.ボイルの法則・シャルルの法則 2.ボイル・シャルルの法則 3.気体の状態方程式・実在気体
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
微粒子合成化学・講義 村松淳司 村松淳司.
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
医薬品素材学 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 1-1 物理量と単位 1-2 SI 誘導単位の成り立ち 1-3 エネルギーの単位
電磁気学C Electromagnetics C 7/27講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
物質量 原子量・分子量・式量.
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
医薬品素材学 Ⅰ 相平衡と相律 (1) 1成分系の相平衡 相律 クラペイロン・クラウジウスの式 (2) 2成分系の相平衡 液相―気相平衡
化学反応式 化学反応:ある物質が別の物質に変化 反応物 → 生成物 例:酸素と水素が反応して水ができる 反応物:酸素と水素 生成物:水
物理化学(メニュー) 0-1. 有効数字 0-2. 物理量と単位 0-3. 原子と原子量 0-4. 元素の周期表 0-5.
電子物性第1 第5回 ー 原子の軌道 ー 電子物性第1スライド5-1 目次 2 はじめに 3 場所の関数φ 4 波動方程式の意味
x: 質量モル濃度を mol kg-1 単位で   表した時の数値部分 上の式は実験(近似)式であり、 ½乗に物理的な意味はない。
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
金箔にα線を照射して 通過するα線の軌跡を調べた ラザフォードの実験 ほとんどのα線は通過 小さい確率ながら跳ね返ったり、
高等学校(工業) 国際単位系(SI).
医薬品素材学 I 4 物質の状態 4-1 溶液の蒸気圧 4-2 溶液の束一的性質 平成28年5月20日.
薬学物理化学Ⅲ 平成28年 4月15日~.
1.Atwoodの器械による重力加速度測定 2.速度の2乗に比例する抵抗がある場合の終端速度 3.減衰振動、強制振動の電気回路モデル
福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
電界(電場)は 1C に 働く力.
セラミックス 第4回目 5月 7日(水)  担当教員:永山 勝久.
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
微粒子合成化学・講義 村松淳司
Dissociative Recombination of HeH+ at Large Center-of-Mass Energies
黒体輻射とプランクの輻射式 1. プランクの輻射式  2. エネルギー量子 プランクの定数(作用量子)h 3. 光量子 4. 固体の比熱.
前期量子論 1.電子の理解 電子の電荷、比電荷の測定 2.原子模型 長岡モデルとラザフォードの実験 3.ボーアの理論 量子化条件と対応原理
今後の予定 4日目 10月22日(木) 班編成の確認 講義(2章の続き,3章) 5日目 10月29日(木) 小テスト 4日目までの内容
(d) ギブズ - デュエムの式 2成分混合物の全ギブスエネルギー: 化学ポテンシャルは組成に依存
前回の講義で水素原子からのスペクトルは飛び飛びの「線スペクトル」
原子で書いた文字「PEACE ’91 HCRL」.白い丸はMoS2結晶上の硫黄原子.走査型トンネル顕微鏡写真.
電磁気学C Electromagnetics C 7/17講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
量子力学の復習(水素原子の波動関数) 光の吸収と放出(ラビ振動)
(昨年度のオープンコースウェア) 10/17 組み合わせと確率 10/24 確率変数と確率分布 10/31 代表的な確率分布
化学工学基礎 −後半の後半− 第1回目講義 (2009年7月10日) 1 担当 二又裕之 物質工学1号館別館253ー3号室
電子物性第1 第9回 ー粒子の統計ー 電子物性第1スライド9-1 目次 2 はじめに 3 圧力 4 温度はエネルギー 5 分子の速度
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
福井工業大学 原 道寛 学籍番号____ 氏名________
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
課題 1 P. 188.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 8/11講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
(d) ギブズ - デュエムの式 2成分混合物の全ギブスエネルギー: 化学ポテンシャルは組成に依存
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
◎ 本章  化学ポテンシャルの概念の拡張           ⇒ 化学反応の平衡組成の説明に応用   ・平衡組成       ギブズエネルギーを反応進行度に対してプロットしたときの極小に対応      この極小の位置の確定         ⇒ 平衡定数と標準反応ギブズエネルギーとの関係   ・熱力学的な式による記述.
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
近代化学の始まり ダルトンの原子論 ゲイリュサックの気体反応の法則 アボガドロの分子論 原子の実在証明.
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
今後の予定 8日目 11月13日 口頭報告答あわせ,講義(5章) 9日目 11月27日 3・4章についての小テスト,講義(5章続き)
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
宿題を提出し,宿題用解答用紙を 1人2枚まで必要に応じてとってください 配布物:ノート 2枚 (p.85~89), 小テスト用解答用紙 1枚
熱量 Q:熱量 [ cal ] or [J] m:質量 [g] or [kg] c:比熱 [cal/(g・K)] or [J/(kg・K)]
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
外部条件に対する平衡の応答 ◎ 平衡 圧力、温度、反応物と生成物の濃度に応じて変化する
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
固体→液体 液体→固体 ヒント P131  クラペイロンの式 左辺の微分式を有限値で近似すると?
ヒント.
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医薬品素材学 I 月日講義内容担当者 4/12 1 物質の状態 I 【総論、気体の性質】 安藝 4/19 2 物質の状態 I 【エネルギー、自発的な変 化】 安藝 4/26 3 物質の状態 II 【物理平衡】安藝 5/10 4 物質の状態 II 【溶液の化学】池田 5/17 5 物質の状態 II 【電気化学】池田 月日講義内容担当者 5/28 8 物理平衡 物質の変化 【反応速度】、【物質の移動】 安藝 6/4 9 物質の構造 【化学結合】、【分子間相互作 用】 池田 総合薬学基礎特別講義 I

医薬品素材学 I 平成 25 年 4 月

物質の状態 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変化

○ 物理量=数値 × 単位 ○ SI(Système International d’Unités)単位 量記号定義 長さ m 光が真空中を 1/299,792,458 秒に進む行程の長さ 質量 kg 交際キログラム原器の質量 時間 s セシウム 133 原子の基底状態の 2 つの超微細構造準位間の遷移に 対応した放射周期の 9,1926,31,770 倍の継続時間(原子時) 電流 A 温度 K 物質の熱運動が完全に止まる温度を 0 K ,水の三重点 を K 物質量 mol 炭素 12 の kg に存在する原子数に等しい数の構成要素を含む 系の物質量 光度 cd 周波数 540 テラヘルツの黒色放射をだし,所定の方向での放射 温度が 1/683 ワット毎ステラジアンである光源のその方向にお ける光度 地球子午線全周の 4000 万分の1を 1 メートル( 1970 年) 1 秒= 1900 年 1 月 1 日の 12 時での地球公転速度を用いて計算した 1太陽年の 3155 万 分の1(天文字)

○ エネルギー:様々な変化を生じさせる :仕事=力 × 変位量 ○ 力と圧力と仕事 力 仕事 圧力

(a) 位置エネルギー potential energy 重力場中の高さ h (m) に置かれた質量 m (kg) の物体がも つエネルギー 単位: kg  m s -1  m = N m = J (b) 運動エネルギー kinetic energy 速度 v (m s -1 ) で移動している質量 m (kg) の物体がもつ エネルギー 単位: kg  (m s -1 ) 2 = kg m s -2  m = N m = J

(c) その他のエネルギー ○ 物体に力 F (N) を掛けながら距離 l (m) 移動させる仕事 単位: N  m = J ○ 圧力 p (Pa) に逆らって体積が  V (m 3 ) 膨張する仕事 単位: Pa  m 3 = N m -2  m 3 = N m = J ○ 界面張力  (N m -1 ) に逆らって面積を  A (m 2 ) 広げる仕事 単位: N m -1  m 2 = N m = J ○ 電位差  E (V) に逆らって q (C) の電荷を移動させる仕事 単位: C  V = A s  W A -1 = W s = J

○ アボガドロ定数 Avogadro constant , N A N A =  mol -1 *単位があることに注意 粒子数 = 物質量 × アボガドロ定数, N N = n (mol) × N A (mol -1 ) ○ モル質量 molar mass , M (g mol -1 ) : 1 mol 当たりの質量 試料の質量 = 物質量 × モル質量 m (g) = n (mol)  M (g mol -1 ) 物質量 n (mol) =

1 単位が異なっていても同じ物理量ならば,和また は差を計算することができる。 2 純物質のモル質量 M(g mol -1 )の数値は,その物 質の分子量または原子量に等しい。 3 比重はある物質の質量をそれと等しい体積の標準 物質の質量で割った値で,密度と同じ単内で表さ れる。 4 等号が成立するためには,左右両辺が同じ次元の 物理量でなければならない。 5 気体定数 R やアボガドロ定数 N A は物理量のよう に数値と単位の積で表すことはできない。 問1 単位に関する次の記述の正誤を判定せ よ。

1 力の SI 組立単位はニュートン N であり,その SI 組立単位は kg m s -2 である。 2 圧力の SI 組立単位はパスカル Pa (N m -2 ) であ り, 1 bar は 10 6 Pa である。 3 エネルギー,仕事,熱量の SI 組立単位は ジュール J (N m -1 ) である。 4 純液体の粘度 η の SI 組立単位は Pa s -1 で表さ れる。 5 電気量,電荷の SI 組立単位はクーロン C であ る。電圧,電位の SI 組立単位はボルト V ( J C -1 )である。 問 2 単位に関する次の記述の正誤を判定せよ。 Pa J (N m) Pa s

【一般問題】 問 197 (物理・化学・生物) 1 1.8  10 4 2 1.8  10 5 3 3.1  10 5 4 1.8  10 6 5 3.1  10 6 腎臓のヘレン係蹄上行脚における Na + 、 Cl - の再吸収により、髄 質間質に高浸透圧が形成される。 生理的状態における髄質間質の塩化ナトリウム(式量: 58.4 ) 濃度は 29 g/L 、尿素(分子量: 60.1 )濃度は 12 g/L である。これ ら溶質が形成する浸透圧 ( Pa (N/m 2 ) ) に最も近いのはどれか。 1つ選べ。ただし、間質の体液は理想状態にあり、気体定数は 8.31 ( J∙mol -1 ∙K -1 )、体温は 37 ℃ とし、塩化ナトリウムは完全 に解離状態にあるとする。

塩化ナトリウム濃度 : 29 g/L = 29/58 mol/L = 0.5 mol/L 尿素濃度 : 12 g/L = 12/60 mol/L = 0.2 mol/L 浸透圧  :

物質の状態 I 1 物理量と単 位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変 化

2-1 理想 ( 完全)気体の状態方程式 ○ ボイルの法則 ○ シャルルの法則 ○ アボガドロの原理 高温 低圧低圧

2-2 van der Waals の状態方程式 ○ 実在気体のふるまい a : 分子間相互作用に基づく補正項 b : 排除体積に基づく補正項 ○ 理想気体 1)体積がない(質点) 2)分子間相互作用がない 3)完全弾性衝突

2-2 van der Waals の状態方程式 物質 a (atm∙L 2 ∙mol -2 ) b (10 -2 ·L∙mol -1 ) 物質 a (atm∙L 2 ∙mol -2 ) b (10 -2 ·L∙mol -1 ) He CH Ne C2H4C2H Ar C2H6C2H Xe C6H6C6H H2H CO O2O CO N2N Table ファンデルワールスの係数

2-2 van der Waals の状態方程式 等温線 臨界点 実在気体を低温域で 温度を一定に保ったまま圧縮すると?

Z = 1 理想気体 Z < 1 引力が優性 Z > 1 反発力が優 性 実際の気体には,引力や反発力といった分子間相互 作用がある。そこで,実在気体の性質を考える上で便 利な量に,圧縮因子 Z がある。

1 分子の体積と分子間の相互作用が無視できる気体である。 2 ドルトンの分圧の法則は,「一定温度の下で,混合気体 の全圧はそれぞれの気体の分圧の和に等しい。」 3 理想気体の状態方程式は, p V = n R T である。 4 気体定数 R は 1 モル当たりのエネルギーである。 5 1 mol の理想気体の圧縮因子 Z = (p V) / (R T) は, 1 より大 きい。 6 理想混合気体では,体積分率はモル分率に等しい。 問3 完全(理想)気体に関する記述の正誤。 19 R = J mol -1 K -1 理想気体の圧縮因子は Z = 1

1 T と V が一定のとき, p は理想気体の方が大きい 2 p と V が一定のとき, T は実在気体の方が低い。 3 T と p が一定のとき, V は実在気体の方が大きい。 4 T と p が一定のとき, V はいずれも同じ。 5 T と p が一定のとき, V は理想気体の方が大きい。 問4 物質量の等しい理想気体と実在気体の比較 に関する次の記述に関する正誤 20

2-3 気体の分子運動論 完全気体の状態方程式は,気体分子の 力学的運動によって導出することができる。 気体分子は絶えず乱雑な運動をしている。 (並進運動) ↓ 気体の運動量の変化,壁にぶつかる力から圧力 p を求める。 ↓ 分子運動の速度にはばらつきがあるので,速度 v の代わりに 平均速度(根平均二乗速度) c を用いて表す。 ↓ M :モル質量 並進運動 ○ 理想気体 1)体積がない(質点) 2)分子間相互作用がない 3)完全弾性衝突

2-3 気体の分子運動論 ○ 根平均二乗速度 ○ マクスウェルの速さの分布

2-4 気体の運動エネルギー ○ 気体分子の1モル当たりの平均並進運動エネルギー ○ 気体分子の 1分子(1個)の平均並進運動エネルギー k B :ボルツマン定数 k B =R/n

○ エネルギーの量子化: 分子の並進,回転,振動運動のエネルギーは,電子の エネルギー準位と同様に,準位をもち,量子化されて いる。 熱エネル ギー kJ/mol ~ kJ/mol 4 ~ 40 kJ/mol 100 ~ 1000 kJ/mol

○ ボルツマン分布 : エネルギーの高順位にある分子数は低い順にある分子 数より指数関数的に小さくなる, k B :ボルツマン定数

○ 並進運動エネルギーの間隔は,k B T よりも狭い。 分子はどの準位にも 均等に分布できる エネルギーの等分配の法則が成立する。 ○ 振動運動エネルギーでは,ほとんどの分子が最低エネ ルギー準位に存在する。

1 根平均二乗速度は,酸素分子より窒素分子の方 が大きい。 2 速度の異なる分子の数をプロットすると,温度 が高いほど速度分布の幅は広くなる。 3 気体の水素分子 1 mol 当たりの平均運動エネル ギーは温度が低い方が大きい。 4 25 ℃での気体分子 1 分子当たりの平均運動エネ ルギーは,窒素も酸素も等しい。 5 理想気体 1 mol の平均並進運動エネルギーは, (3/2) R T である。 6 単原子分子 1 個の平均並進運動エネルギーは, (3/2) R T である。 問5 気体分子の運動論に関する記述の正誤 27

1 並進運動のエネルギー間隔は非常に狭く,実際上は連 続的と考えても良い。 2 極低温では気体分子の回転運動は励起されない。 3 小さな分子の振動運動のエネルギーは低温で励起され る。 4 固体結晶中の分子は低温では並進運動のみが励起する。 5 固体結晶中の分子は振動の運動エネルギーとポテン シャルエネルギーをもち,高温ではそれぞれに等量の エネルギーが分配される。 6 エネルギーレベルの最も低いのは,振動運動のエネル ギーである。 問6 エネルギーの量子化に関する記述の正誤 28 振動運動のエネルギーは大きく,高温にならないと励 起されない。 振動運動 並進運動

1 100 K より低い温度では、水素分子が液化しているため、定容熱容量は低 い値を示す。 2 100 K より低い温度での定容熱容量は、水素分子の並進運動のみが寄与す る。 3 298 K における定容熱容量は、水素分子の並進運動エネルギー、回転運動 エネルギー、振動運動エネルギーより求められる。 4 温度の上昇に伴い水素分子が、回転運動、振動運動のエネルギー準位へと 分布できるようになり、定容熱容量が増大する。 5 10,000 K においては、水素分子の開裂が起こるため、定容熱容量が高い値 を示す。 問 92 図は、水素分子のモル熱容量(定容熱容量 C v,m )と温度との関係 を表す。の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2 つ選 べ。ただし、この温度依存性に、水素分子における電子運動は関与し ないと仮定する。 R は気体定数( J∙mol -1 ∙K -1 )を表す。