1 障害学会第12回大会(2015年度)発表資料 発達障害学生への支援 関西学院大学 総合支援センター キャンパス自立支援室 コーディネーター 西岡 崇弘.

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1 障害学会第12回大会(2015年度)発表資料 発達障害学生への支援 関西学院大学 総合支援センター キャンパス自立支援室 コーディネーター 西岡 崇弘

2 本日の内容 Ⅰ. 本学での取り組みの概要 1. 関西学院大学の概要 2. 障害のある学生への支援体制 3. キャンパス自立支援室での支援 Ⅱ. 発達障害学生への支援 1. 修学支援 事例① 2. 就労支援 事例② 3. 支援に際しての留意点 4. 今後の取り組み Ⅲ. 現在の困難・課題

3 Ⅰ. 本学での取り組みの概要

4 1. 関西学院大学の概要 ●所在地:兵庫県 ●主なキャンパス:西宮上ケ原、神戸三田、西宮聖和 3 キャンパス ●学部、研究科数: 11 学部、 14 研究科 ●学生数: 23,122 人 ●教員数: 627 人 ●職員数: 381 人

5 Ⅰ. 本学での取り組みの概要 2. 障害のある学生への支援体制 ●学生活動支援機構 総合支援センター ⇒ 教務部キャンパス自立支援課と学生部学生支援センターとが 2011 年に統合され、 学生へのワンストップサービス提供のため設置. ・学生支援相談室 ⇒ 対人関係や自身の性格、生活、修学についての相談など ・キャンパス自立支援室 ⇒ 定期試験時等の配慮調整、授業担当教員への配慮事項伝達、個別相談など 学部や関係機関との連携のもと、主に修学面に焦点を当てた全学的支援.

6 Ⅰ. 本学での取り組みの概要 3. キャンパス自立支援室での支援 ●聴覚障害学生 ノートテイカーやパソコンテイカー、手話通訳者の派遣、ビデオ教材の文字起こしや 字幕付け支援器具の貸し出し ●視覚障害学生 教材の点訳や拡大、テキスト校正、対面朗読、拡大読書器や音声読み上げソフトの入った パソコンの貸し出し ●肢体障害学生 授業教室に関する調整、学内の生活介助、ノート作成者の派遣 ●発達障害、精神障害学生 履修相談、テストやレポート提出に向けたスケジュール立案、授業中に生じた問題への対 応、進路相談など、障害の状況や困り具合に応じた個別対応

7 Ⅱ. 発達障害学生への支援

8 1.修学支援 ●個人面談 ⇒小テスト、定期試験やレポートなどに関する優先順位の整理やスケジュ ール立案の補助などの支援. ●環境調整 ⇒授業や定期試験時の具体的な配慮事項を学部とともに調整し、配慮文を 作成すること、当該学生の関係する部署 ( 保健館、学生支援相談室など ) への情報提供. ・支援の流れ ①本人からの支援申請 ( 支援概要の説明、具体的支援内容の聴き取り ) 配慮文提出の希望があれば所属学部を交えて面談 ( 配慮内容の調整 ) ②随時、修学上の困り事への対応方法を検討.

9 Ⅱ. 発達障害学生への支援 修学支援 事例① ●学生情報 ・自閉スペクトラム症と診断された 1 年生男子. ・ストレス状況下で聴覚の過敏性による頭痛の発現、突然の変化への弱さや、聴き ながら書くなど、同時処理に苦手さがある. ●支援内容 ・耳栓やレコーダーの使用許可、途中退出への理解等を含めた配慮文作成. ・個人面談にて各曜日毎の教室移動を視覚化して確認したり、空き時間に教室変更 の確認をすることなど細かなスケジューリング. ・不安や疲労を感じた時には自立支援室のオープンスペースを随時利用して良いこ とを伝達. ●経過 ・単位については、 1 科目を落とすもその他の科目を全て取得した. ・時折、休憩のために支援室のオープンスペースを利用している. ・継続的にスケジューリングを実施している.

10 Ⅱ. 発達障害学生への支援 2.就労支援 ●個人面談 ⇒就労に関する困り事や疑問点などの相談.キャリアセンターや学外の 就労支援機関と連携しながら進めることが多い. ●キャリア教育支援プログラム (2014 年度より開始 ) ⇒本学と外部支援機関とが契約を結び、就労支援プログラムを通年で行う. ・プログラムの流れ ①インテーク ( 特性の把握 ) ②学内実習 ( 軽作業や事務作業を体験+専門家による行動観察 ) ③学内実習フィードバックの面談 ( 自己理解促進、就労の方向性を意識 ) ④企業見学会や学外実習 ⑤進路選択面談 ※ 上記は 2014 年度の内容

11 Ⅱ. 発達障害学生への支援 就労支援 事例② ●学生情報 ・広汎性発達障害の診断がある4年生女子. ・入学時、母とともに支援について面談を実施し、主に個別面談を実施. ・ 3 年生時、就労についての相談があり、プログラムに参加. ・一般枠と障害者枠との就労で迷っていた. ●経過 ・学内、学外実習にて就労に活かせる力や配慮が必要だと思われることが確認さ れた. ・フィードバック後、障害者枠での就労を目指すこととなった. ・支援機関を通じてインターンシップを受け入れる企業が見つかり、一週間実習 へ参加. ・卒業後はその企業にて就労予定.

12 Ⅱ. 発達障害学生への支援 3. 支援に際しての留意点 ●コミュニケーションの取り方 ・具体的な表現を心がけ、図や表など視覚的情報を用いること. ・事前に枠組み、文脈を提示すること. ・優先順位を明確にすること. ・大声を避け、冷静な態度で接すること. ●先々の見通しについて ・週間~年間スケジュールまでを含め、準備が遅れないよう努めること.

13 Ⅱ. 発達障害学生への支援 4. 今後の取り組み ●自己理解を促すアプローチ ・発達障害学生のグループサポートの実施. ●就労支援プログラムの充実 ・適宜内容を見直す. ・外部支援機関とのネットワークの拡充.

14 Ⅲ. 現在の困難や課題

15 Ⅲ. 現在の困難や課題 ●修学支援 ・支援申請に消極的な学生への対応 ➣一度支援を開始するも、その後連絡が途絶えるケース等. ・教職員への発達障害に関する啓発活動 ➣知識の底上げ、対応方法の共有など. ●就労支援 ・障害者枠での就労に関する情報提供 ➣手帳取得の手順、障害者枠でのメリットやデメリットの整理など. ・就労支援機関とのネットワークの拡充 ➣卒業後の相談機関を充実させておく必要がある.

16 ご清聴ありがとうございました.