発達障害が疑われる不登校の実態 -福島県における調査 福島大学総合教育研究センター 中野 明德
発達障害が疑われる不登校児童生徒の出現率 (福島県、 2007 ) 福島県の 291 の学 校を調査(小学 校 198 、中学校 69 、高校 24 ) これらの数字は 学校が確認した ものであり、実 際にはもっとい る可能性がある 。 千人当たり小・ 中不登校児童生 徒数:当地 10.9 、 全国平均 12.0
発達障害の内訳 精神遅滞は小学校 29% ,中学校 20% 広汎性発達障害 (PDD) は小学校 62% ,中学校 49% ,高校 44% で、い ずれ特定不能の PDD が 多い。 学習障害( LD )は校 種に差はなく約5 % 注意欠陥 / 多動性障害 ( AD/HD )は、小学校 では少なく、中学校 22%, 高校 31% 。
学年別内訳 小学生では、 小学校3年か ら見られ、小 学校5年生に ピークがある 。 中学校では、 急増して、中 学2にピーク がある。
性別内訳 (有意差ありp<0.05) 男子に多く、男 児比は、小学校 で 10:1 、中学校 で 3:1 、高校で 1:1 校種があがるに つれて男女差が なくなる。
不登校の期間 3ヶ月未満の者 は、小学生で 29% 、中学生で 25% 、高校で 56% 。 1年以上の不登 校を示す者は、 小学生で 43% 、 中学生で 43% 、 高校で 12% 。 小中学校で不登 校期間が長く、 高校は中退があ るので、不登校 期間は短い。
回復状況 校種に差がない 。 学校に完全復帰 できた者は 5 ~ 10% 、毎日別室 登校できた者が 5% 、断続的な別 室登校者が 50 % である。 全く登校できな い者が、小学校 で 33 %、中学校 で 39% 、高校で 35% である。
教員の指導 学級担任の支 援を受けてい るのは、いず れの校種でも 80% に達する 特別支援教育 の関連教員の 関わりは、小 学校で 38% 、 中学校で 17% 、高校で 35% である
教員以外の専門家の関与 教員以外の専 門家の関与は 、いずれの校 種ともに 80% に達する
スクールカウンセラーや医療機関との連携 医療機関への受 診は小学校、中 学校、高校の順 で多い。 スクールカウン セラーの支援は 高校、中学校、 小学校の順で多 い。