終章 結論~迷走する経済学~ E班 堀口・石川・細野・武井・赤見・伊藤 デフレの原因はマネーサプライでもない!人工減少でもな い!ではデフレの正体は何か … この章ではその正体を含め、歴史的に見る経済低滞とデフレ の関係性、デフレの害悪、そして現在の経学の現状について も論じていく。 1
この章で筆者が言いたいこと デフレの正体とは何か … ①貨幣数量説を基とするマネーサプライ ②生産年齢人口の減少における構造的な供給過剰 しかしこれらはどちらも … デフレーションの根本的な原因には関係がない!!!! ≪結論≫ 日本経済の長期停滞が今日まで続くデフレを引き起こしたもので あり、 その大きな原因となったのは、名目賃金の低下である! デフレはどんな悪影響を及ぼす か → イノベーションの欠如 経済学の現状 マクロの問題をミクロ的な視 点で理解しようとしている →× 2
日本が90年代デフレに陥り、長期化した問題の答えは デフレという多くのモノやサービスの価格が そろって下落し続ける貨幣的な現象を説明するうえで 最も重要な変数マネーサプライの中にあるのか … ? 著者の答え … マネーサプライの中にはない!! こうした経済学の背景にある国際基準の理論 貨幣数量説 3
貨幣数量説:MV=PQ 貨幣数量 × 貨幣の流通速度=物価 × 取引数量 ※ V (貨幣の流通速度)は一定、 Q (実質的な取引量)も完全雇用水準で与えられていると考える。 長期的にみて取引量( Q) が一定で 貨幣の流通速度( V) も一定という仮説は間違ってい る <根拠> ① 日本の最近の経済成長率はゼロに近いが、 依然として成長を続けている( → 取引量が一定でない) ② 貨幣の流通速度は長期的には低下を続けている( → 流通速度が一定で ない) 貨幣数量説は正しくない 4
金利ゼロでない場合 マネーサプライを増加で金融緩和 ↓ 利子率低下 ↓ 利子率の変化に感応的な投資, 消費を 刺激して経済にプラスの影響を与える 金利ゼロの場合 ハイパワード・マネー、貨幣数量増加 ↓ 実際経済にプラスの影響を与え 物価を上昇させることはない ( P119 第4章図表 参照) 5
人口減少こそデフレの原因? 経済を動かしているのは、景気の波ではな く人口の波、つまり生産年齢均衡=現役世 代の数の増減だ。 もたにこうすけ 藻谷浩介氏 地域エコノミスト ( 主著:デフレの正 体 ) そして、デフレの原因も人口減少にあるとい う! なぜなら … 人々の購買意欲をかきたてるといったようなインフレ 誘導を行ったところで、生産年齢人口の減少 → 構造的 な供給過剰 → 商品サービスの価格の低下という現象が 日本では続いているから 6
筆者の主張 … それは間違っている!!!! 根拠①先進国の経済成長は働き手の頭数で決まるのでなく、 「1人当たりの所得」で決まるから P203、 205のグラフ参照 根拠②生産年齢人口の減少による高齢化も貯蓄率の上昇で は なく、消費志向の上昇に影響を与えているから よって 人口減少は経済に大きな影響 をあ たえない、ましてデフレの正 体では ない!! 7
日本経済の長期停滞 吉川氏: 「デフレ」 は長期停滞の 「原因」ではなく 『結 果』 過去15年間の低成長を、 円高・マネーサプライの不足・ TPP の低下が原因 と考える経済学者もいるが・・・。 → そうではな い!! 過去15年の日本経済の成長を改めて見てみよう! 8
97-98年 不良債権問題 によ る 金融危機 → 貸し渋りや貸 しはがし → 株価の低迷 不良債権問題は続き、そのデフレスパイラル終焉に向けて のポイントとなったのが・・・ 「りそな銀行への公的資金投入」 → 金融システムが安定 → 株価も上昇 90年代から03年ま で 日本経済の成長を阻害 9
デフレの害悪 “ イノベーションの欠如 ” こそが、 ・経済停滞の原因 ・デフレが及ぼした最大の害悪 ⇒ デフレ → イノベーションの欠如 → デフ レ → イノベーションの欠如... という “ 悪循環 ” 10
賃金 日本だけで名目賃金が下がったから なぜ日本だけがデフレになったのか なぜ日本だけで名目賃金が下がったのか 「雇用か賃金か」という選択において 日本の労働者は雇用を選んだから 旧来の雇用システムが崩壊したことにより名目賃金が低下 その名目賃金の低下がデフレを定着させた 11
経済学の現状 問題点: 経済学者がマクロの問題をミクロ 的な 視点で理解しようとしている。 ☆マクロ経済の動きは、代表的企業や家計の 行動を「相似拡大」することにより全体の 経済を理解できる … という方法は × この方法が間違っているから、現在の経済 学は混迷している。 12